スポーツ団体による公園の維持管理の提案

スポーツ団体による公園の管理運営と地域スポーツ文化の育成について、議会で提案します。
 
常々、複数の課題をかけ合わせることで、新しい価値を生み出すことを意識しています。
 
今回は以下のようなイメージです。
 
公園など公共施設の維持管理という行政課題×スポーツ団体の活動場所不足の課題=公園を拠点とした地域スポーツ文化育成→子どもたちの教育機会の保障、若者の居場所作り、市民協働のまちづくりなど。
 
人口減少の中、公園の維持管理は、行政だけで担うのではなく、これからは市民との協働が必要になってきます。
 
現在、公園の一部で、柏市では町会やNPOと協力した維持管理が行われています。
全国では、スターバックスなどグローバチェーンのコーヒーショップに景観の良い公園の敷地を活用させ、公園維持管理費や公園への投資するための資金を得るなど、いわゆる「稼ぐ公園」注目されています。
まちなかの公園を育てる試み 
 
ただ大企業ではなく、地域団体や社会教育団体を育成していく視点も大切だと考えます。
そこで、たとえば、スポーツチームによる公園の維持管理を検討すべきであると考えます。
 
多くのスポーツ団体や地域団体からは体育館等の活動場所の相談が多く、不足している状況です。
スポーツ団体に公園の維持管理を任せることで、柏市にとっては公園管理のコストの削減となり、スポーツ団体にとっては活動場所が確保できるだけではなく、公園を拠点としたスポーツコミュニティが生まれ、地域のスポーツ文化を育成することにつながると考えます。
こどもたちにバスケができる環境を-柏くらちゃんカップ 
 
開かれた場である公園がスポーツの拠点となることで、子供たちがスポーツに触れるきっかけとなります。スポーツを通して世代を超えた交流が期待できます。
 
子ども達のスポーツや地域とのつながりが学力に大きな影響があると言う研究結果が示されており、さらにスポーツ体験や地域とのつながりに大きな格差が生じているとの指摘があります。
 
教育機会を保障する上でも、地域のスポーツ文化を育成していくことが必要です。
 

また、現在、部活動改革が議論されていますが、これまで学校ですべてをになってきた子ども達のスポーツ環境を地域スポーツや社会体育でも支えていくことが喫緊の課題です。

参考 中澤篤史『そろそろ、部活のこれからを話しませんか』(大槻書店)

部活について初の書評-日本評論社『こころの科学 194』

総合型地域スポーツクラブの育成にも取り組まれてきましたが、このような公園を拠点としたスポーツコミュニティも有効ではないでしょうか。

部活を考えることは学校教育を考えること-『運動部活動の教育学入門–歴史とのダイアローグ』を読んで 

若者のレジャーが都内に流出していると言う課題に対し、若者居場所を作ると言う観点から、公園内にバスケットボールやスケートボード、ボルダリングなどの設備を設置する自治体も見られます。

 
今回の質問では、そういった公園を新設してほしいと言うものではありませんが、市民とともにより良い公園を作り、子供たちの経験や地域活性に役立つような公園の維持管理を求めるものです。

投稿者:

山下 洋輔

千葉県議会議員(柏市選出)。 元高校教諭。理想の学校を設立したいと大学院に進学。教員経験、教育学研究や地域活動から、教育は、学校だけの課題ではなく、家庭・地域・社会と学校が支え合うべきものと考え、「教育のまち」を目指し活動。著書『地域の力を引き出す学びの方程式』 2011年から柏市議会議員を3期10年を経て、柏市長選に挑戦(43,834票)。落選後の2年間、シリコンバレーのベンチャー企業Fractaの政策企画部長として公民連携によってAIで水道管を救う仕事を経験。 柏まちなかカレッジ学長/(社)305Basketball監事。 千葉県立東葛飾高校卒業。早稲田大学教育学部卒。 早稲田大学大学院教育学研究科修士課程修了後、土浦日大高校にて高校教諭。早稲田大学教育学研究科後期博士課程単位取得後退学。 家族 妻、長男(2014年生まれ)、長女(2017年生まれ)