今回(2016年9月)の議会で、下水道の維持、管理、改修計画について質問しました。
この議会で提出された議案16号は、柏市が管理する汚水取付管の破損により、汚水が逆流し、民間マンションの配管を汚損したことで、柏市がマンションに損害賠償金として7,327,203円を支払うという示談を締結したというものでした。
この汚水管の事故は、オイルショックの特定の時期に設置されたZ管(Zパイプ)の老朽化が原因と、柏市から説明を聞いています。
Z管(Zパイプ)とは、コンクリート構造物の壁や床に円形の開口部を設けると きに型枠代わりに使われるボイド (ボール紙製の筒・円筒形枠)にタールを積層して作られたパイプで、タールと紙との接着力により 強度を保持させる管です。
昭和 48 年のオイルショック時 に陶管が入手できなくなったた め、当時入手できる材料から施工性の優れたZ管(Zパイプ)が採用されるようになりました。
参考 取付管に関わる管理と更新
今回の事故と、似たような事故がこれからも起こる可能性は否定できないものです。
事故のたびに市民に迷惑をかけたり、損害賠償で税を使うのではなく、事前に対策を講じるべきです。
Z管の設置が記録されている台帳のようなものがなく、把握できないことも問題だと思いますが、今後どのように調査し、改修を進めていくのか、その方針や計画を質問しました。
現在、柏市の下水道管路延長は、約1255km。
汚水管が約1060km、雨水管が143km、合流管が約52kmです。
※柏駅周辺の雨水と汚水について
高度成長期に整備した老朽管が急増し、職員が日常管理業務に追われ、健全な維持管理ができていないのが現状です。
そこで、持続可能な下水道事業の実現のために、下水管の状況を客観的に把握し、評価し、長期的な状態を予測するストックマネジメント計画を策定しました。
緊急度を調べ、計画が立てられています。
長寿命化対策の年間事業費は、調査点検費で約1,3億円。改築事業費で約10億円。
下水道管路施設の包括的民間委託の導入も検討されています。
こちらについては、これからの議論となります。
※「柏市公共下水道管路施設の包括的民間委託導入に伴う基本検討業務」に係る公募型プロポーザル