選挙カフェ@ハックルベリーブックス

6月26日午後、ハックルベリーブックスさんの企画に参加させて頂きました。
柏市民新聞2016/07/08にも取り上げて頂きました。image

選挙年齢が18歳に引き下げられた初めての国政選挙ということもあり、また、参院選は関心が低いこともあり、このような選挙カフェや投票キャンペーンや投票所増設など、投票率を上げようという取り組みが見られます。

【目的】
ふだん政治について話し合うのは、避けておいたほうが良いというのが一般的には言われます。

参院選を前に、政治について安心して話し合える場をもうけ、社会や人生について考えるきっかけとしたいと、お引き受けしました。

地方議員や元•社会科教員としての私の経験、またシチズンシップ教育の研究してきた成果を活かそうと準備しました。image

【対話のルール】
特定の政党や候補者について支持や非難するものではないこと。
その他にも対話のルールを定めて、安心して発言できるよう努めました。
そうは言っても最初は警戒しながら始まり、途中でケーキの力もあり、質疑応答が活発となり、後半からはヒートアップし、1時間半の予定が3時間近く盛り上がっていました。355-3

【イギリスの国民投票と代議制】
ちょうどイギリスの国民投票の結果が出た後だったので、国民投票から民主主義について考えました。

国民投票は自分で決める実感があります。インターネットなど技術の発達で、投開票のコストは少なくすることはできそうです。
今回、「支持政党なし」という紛らわしい党が出ているようですが、ヨーロッパでも見られ、国民の意見を反映する仕組みを提案されているのだと思います。
ネットでは詐欺のように書かれていますが、代議制への反発と直接民主制へ近づけようとするものを感じます。

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選挙カフェの準備で読み返した本

しかし、国民投票などは、個別の政策の判断となってしまい、全体方針や財政の議論が難しいとも言われます。
目先の議論に流れてしまうおそれがあります。

坂井豊貴さんの『多数決を疑う』という本が岩波新書から出ています。この本を読むと、イギリスの国民投票や大阪都構想の住民投票について考えるヒントが得られます。image

【選挙の歴史】
イギリスの市民革命や日本の自由民権運動について振り返りました。
選挙を振り返ると、西洋近代思想を取り入れていった歴史です。

細かい説明は省略しますが、日本には民主主義が根付いていないという評価もありますが、私には別の考えがあります。

日本は、中世以降、合議制を重視しています。ムラが生まれ、山城国一揆や加賀一向一揆では、掟を決めて、合議制で運営されていました。堺や博多などの都市とそうでしたし、鎌倉幕府や室町幕府も合議制がとられていました。
民主主義の原点だと思います。

私のモットーである「一揆」は、この中世の仕組みを意味しています。

【参加者からの意見】
白票を投じることについて、死に票について、これまでの政党の変遷や経緯について、一票の格差について、小選挙区と国民全体の支持について、どのように選ぶべきか?、選挙事務所に問い合わせるといいことなど、消極的な意見から積極的なものまで、いろいろと出てきました。355-5

後日、参加者の方の投稿を拝見し、この選挙カフェをきっかに、いろんなことを考えられたのだいうことを知り、参加した甲斐があったと嬉しかったです。

参加者の方が書かれたご感想です。

選挙の日当日は仕事なので
投票を済ませました(^.^)
ハックルベリーブックスさんのは選挙カフェで情報収集の方法やわからない言葉(野党共闘とか、1人区とか。比例の記入の仕方とか。)教えてもらい
私は初歩的なことからわかっていないことがわかったので
子ども向けの情報誌を使って選挙についての知識を復習しました。
(中学校の公民以来でした。で、調べるのも面白かった。)

合わせて新聞をいくつか読んで
千葉県の候補者の考えとか各党の方針を読んで自分の考えにどれが近いか考えていきました。

新聞を読んでいると争点ってこんなにあるんだと思い知らされました。
普段からニュースを見て考えているつもりでも忘れてしまうんですね。
最近話題になっている法案も新聞では分かりやすく説明されていたので書き写したりしました。

仕事でもわからないことがあると
まわりの人にすぐ聞いてしまうのですが
最初に選挙カフェで気軽に聞けたのがよかったです。
自分の知識のなさを受け入れてもらったことで
情報収集へスムーズに動けました。

結局、投票した方は最初に思い浮かんだ方から
変更はなかったのですが
それでも自分でいらいろと調べたり
考えたりしたので
いつもの選挙よりも充実感がありました。

皆さんは投票に行きますか?
どんな結果になるのか
見るのが怖い気もします(^_^;)
せっかくのチャンスを無駄にしないで有意義に使っていたただけたらいいな、と思います。

【今回の選挙と私】
これまで私は、どこかの事務所に入って、選挙のお手伝いをすることで、色んな経験をしたり、出会いを得てきました。

今回は、どこかの陣営の中にどっぷりと入って選挙運動をすることがなかったので、一市民として選挙カフェのような対話の活動に取り組みました。
お陰様で、たくさんの方から質問や意見を頂きました。これまでの選挙の体験などをお伝えする機会にも恵まれました。

選挙や国政を客観的に分析することができました。

これも大きな経験であり、勉強になりました。

一生懸命に活動されている方々に敬意を表します。
あと残すところ、あとわずかですが、頑張ってください。

※参考
【2016年7月10日投票の参議院議員選挙について】
定数242人の半数を121議席を改選。
選挙区73議席、比例区48議席。

昨年6月に改正された公職選挙法改正により、今回から定数10増10減実施と選挙年齢が18歳以上に引き下げられる。

定数10増10減は1票の格差を縮めるためのもの。
宮城県、新潟県、長野県は、定数4から定数2、改選数は2から1に減。
鳥取県と島根県、徳島県と島根県の選挙区は合併され、定数2、改選数は1となる。

一方で、北海道、兵庫県、福岡県は定数4から定数6、改選数は2から3に増。
愛知県は、定数6から定数8、改選数は3から4に増。
東京都は、定数10から定数12、改選数は5から6に増。

これにより、最も人口が少ない選挙区が福井県で、多いのが埼玉県となり、一票の格差は最大3.07となった。

選挙年齢な18歳以上に引き下げられた初めての国政選挙。
ちなみに、18歳選挙権第1号は、今年の7月3日投票の福岡県うきは市市長選挙。

投稿者:

山下 洋輔

千葉県議会議員(柏市選出)。 元高校教諭。理想の学校を設立したいと大学院に進学。教員経験、教育学研究や地域活動から、教育は、学校だけの課題ではなく、家庭・地域・社会と学校が支え合うべきものと考え、「教育のまち」を目指し活動。著書『地域の力を引き出す学びの方程式』 2011年から柏市議会議員を3期10年を経て、柏市長選に挑戦(43,834票)。落選後の2年間、シリコンバレーのベンチャー企業Fractaの政策企画部長として公民連携によってAIで水道管を救う仕事を経験。 柏まちなかカレッジ学長/(社)305Basketball監事。 千葉県立東葛飾高校卒業。早稲田大学教育学部卒。 早稲田大学大学院教育学研究科修士課程修了後、土浦日大高校にて高校教諭。早稲田大学教育学研究科後期博士課程単位取得後退学。 家族 妻、長男(2014年生まれ)、長女(2017年生まれ)