民間学童のネクスファでストーリーテリングのプログラムを毎月実施しています。
今回は、参院選前ということもあり、「政治」について対話しました。
参院選、イギリスの国民投票、東京都知事選挙、アメリカ大統領選挙などの報道もあり、子どもたちもいろんな情報を得ています。
それぞれに、いろんな考えを持っていて、それらを自分の言葉で発してもらいました。
もしかしたら大人以上にニュースを知っていて、熱く語ります。
一方で、まだまだ政治の仕組みを理解できていない児童もいます。
素朴な質問に、わかりやすく答える中で、私も勉強になりました。
分かっているようなつもりで話している言葉が、なんと多いことか。
18歳選挙権は、まだ早いというご意見もありますが、
30歳、40歳になっても万全の状態で投票できているわけではありません。
どの世代も、真剣に悩み、考え、決断していくようになればと思います。
公園の前には、政党の選挙運動も行われておりました。
そんな風景も、生きた教材とさせて頂きました。
外でやろうという素敵なご提案をしてくださった辻さんと、引率などご協力頂いたネクスファのスタッフの皆さんに感謝しています。
私の 「ストーリー・テリング」のプログラムでは、どんな話も、その人の経験から生まれたかけがえのない物語と考え、相手の話を尊重して、聴くという姿勢を身につけます。
一人ひとりの持っている経験は貴重なもの。
そして、聴いてもらえたという経験は、生きる自信につながります。もちろん、人前で、自分の考えを、はっきりと自由に、恥ずかしがらずに話す力や、物語を組み立てる力がつきます。
以下の二つの力を身につけることを狙っています。
①自己肯定感
⇒話を聴いてもらうことで、自分の存在を認めてもらえたと実感でき、将来の自信につながります。
②プレゼンテーション能力と聴く力
⇒他の人に説明することで、人に伝える力が身につきます。また、人の話を聴くことができるようになります。
まずは、難しく考えずに、話を楽しんでもらえるようサポートしています。
上記の2つが一般的な説明ですが、さらに重要なねらいがあります。
それは「子どもの物語作りをサポートすること」です。
※私の指導教授である藤井千春氏のエッセイを以前に紹介いたしました。
「教育とは、子どもの物語作りをサポートすること」
私自身、大学院博士課程では、教育思想・哲学の研究室に所属し、「自分史」をテーマに、自分との対話について、研究していました。
教育学では、「成長とは、他者との相互作用」であるとされています。私は、さらに進めて「成長とは、他者との相互作用の結果におこる自分自身との対話」と考えました。
「自分史」を書くことで、自分を振り返り、過去をどう捉えるかということを研究したのです。
現在の自分が、過去の自分をどうのように考えるか。
そして、どのように今の自分と結びつけるか。つまり、どのような物語を作るか。
ス トーリーテリングでは、子どもの物語作りを観察し、成長の様子を把握し、それぞれに合ったをサポートをします。
「私」との対話を通し、子どもの成長に必要な内面・自分自身との対話を深めるのです。
決められた教材を提供するのではないので、私も真剣勝負で臨んでいます。
子どもは正直です。
その結果、毎回、私自身も学ばせて頂いています。
学校を離れ、私自身が授業を担当することがなくなりましたので、貴重な機会です。