【千葉県】県土整備部における汚職事件再発防止に向けた提言

令和6年1月から2月にかけて、北千葉道路建設事務所の元所長と県土整備部道路整備課の元班長が、不正にお金や接待を受け、、その見返りに工事の入札に関する秘密の情報を、特定の建設会社に漏らし、6月3日に裁判所で有罪判決を受けました。
この関係は、千葉県職員OBを通じて知り合い、平成29年から続いていました。

千葉県の県土整備部で起きた汚職事件について、私の所属する立憲民主党千葉県議会議員会では、熊谷俊人・千葉県知事に対し、「県土整備部職員の不祥事に対する申し入れ」を行い、また、楠茂樹 上智大学法学部教授をお招きし、「官製談合、官製入札不正ーコンプライアンスの視点から」について勉強会を行い、これから議会として、この問題にいかに取り組んでいくかを調査してきました。

官製談合・入札不正を防ぐためにー千葉県・県土整備部道路整備課職員の休職処分を受けて

2024年6月の千葉県議会にて、立憲民主党千葉県議会議員会を代表して、網中肇議員が問いただしました。

【小学生にもわかる要約版】千葉県の道路工事贈収賄事件が、もう二度と起こらないようにするための質問ー網中肇議員・立憲民主党代表質問

8月9日、「県土整備部における不適正事案に係る検討会議」の第2回を県庁本庁舎にて開催され、提言を整理し、千葉県に提言を示すとのこと。

「県土整備部における不適正事案に係る検討会議」提言要旨

1 コンプライアンス及び倫理条例の更なる周知徹底について
倫理条例の目的や、利害関係者の範囲、禁止行為の内容等について、職員への更なる周知徹底、そのための研修内容の見直し、相手方事業者への周知などが必要。

2 事業者との適切な関係性の確保について
(1)利害関係者との飲食の届出制度の見直しについて
現在届出の対象となっていない自己負担1万円以下の利害関係者との会食についても、届出の対象とするよう見直しを図るべき。
見直しに当たっては、不適切な関係につながる可能性が低い飲食を届出の対象から除外することなどにより、制度の実効性を確保する方法を検討するべき。

(2)夜間・休日における事業者への連絡手段について
建設業者へのけん制効果という点から、職員に公用携帯電話を配付し、公用携帯電話にしか連絡させないことを検討すべき。

3 働きかけへの対応について
(1)利害関係者からの働きかけを記録する制度について
職員への働きかけをけん制するとともに組織的に対応するため、職員が不当な働きかけを受けた場合に記録を行う制度の導入を検討すべき。

(2)利害関係者からの働きかけに対する通報・相談体制について
現在の通報・相談制度の周知に努めるとともに、相談員に対する研修等により、相談に適切に対応する体制を整備すべき。

4 退職者への対応について
県を退職する職員に改めて倫理条例の内容を説明し、退職者を介して職員が利害関係者と不適切な関係を持つことを抑止すべき。

5 入札契約のあり方について
(1)入札方式について
不良・不適格業者の排除や地域産業の育成を図るための必要な条件の設定等を行った上で、一般競争入札の拡大を検討すべき。

(2)不正を事前に把握する取組について
不正をチェックする仕組みを不断に検討することで、不正を逃さないという姿勢を示すべき。

(3)不正を行った業者に対するペナルティーについて
指名停止期間の運用ルールにおいて、現状では、当初最も短い期間を適用し、内容の悪質性を踏まえて延長しているが、当初から最も長い期間で指名停止とすることを検討すべき。

6 入札情報等の管理のあり方について
(1)職員間の情報共有のあり方について
全庁ファイル共有システムの使用に当たり、機密性の高い情報について、業務に関係のない職員が閲覧できない仕組みを構築し、継続してチェックしていくことが重要。

(2)入札に関連する情報への職員の関与について
秘匿を要する情報への職員の関与をなるべく少なくするため、情報漏洩のリスクがより低い事務のあり方を検討すべき。

投稿者:

山下 洋輔

千葉県議会議員(柏市選出)。 元高校教諭。理想の学校を設立したいと大学院に進学。教員経験、教育学研究や地域活動から、教育は、学校だけの課題ではなく、家庭・地域・社会と学校が支え合うべきものと考え、「教育のまち」を目指し活動。著書『地域の力を引き出す学びの方程式』 2011年から柏市議会議員を3期10年を経て、柏市長選に挑戦(43,834票)。落選後の2年間、シリコンバレーのベンチャー企業Fractaの政策企画部長として公民連携によってAIで水道管を救う仕事を経験。 柏まちなかカレッジ学長/(社)305Basketball監事。 千葉県立東葛飾高校卒業。早稲田大学教育学部卒。 早稲田大学大学院教育学研究科修士課程修了後、土浦日大高校にて高校教諭。早稲田大学教育学研究科後期博士課程単位取得後退学。 家族 妻、長男(2014年生まれ)、長女(2017年生まれ)