地域通貨を活用した健康ポイント事業の提案

 議会にて、介護予防の健康ポイント事業を、地域通貨の仕組みで実施する提案をいたしました。
 
 高齢化社会の進展とともに、地域コミュニティの活性化や生涯学習の推進が、元気に生き生きと生活するために、今後ますます重要なものと考えられるようになってきました。
 財政的にも、医療費削減は何とかしなければならない課題です。介護予防や予防医学といった考えが重要です。
 
 運動習慣をつけてもらうきっかけとして、民間団体と協力したポイント事業を実施している自治体も見られます。
 健康ポイントというインセンティブは、無関心な人を振り向かせるのに有効であり、データを収集しやすく、協賛企業にとっても健康意識の高い消費者に商品をPRできる利点が認められます。
 民間企業やNPOと連携したポイント事業も検討する必要があります。
 
 ただ、健康ポイントシステムの開発や維持にお金がかかるので、行政が大きなシステムを構築しないほうがいいと考えています。
 技術・IT環境は進歩していくので、小回りのきく小さく柔軟なシステムが望ましいと思います。
 
 管理システムといった箱モノを整備するのではなく、市民の意識を変革していくという観点から、地域通貨の仕組みを提案しました。
 
 地域通貨とは、ある特定の地域やコミュニティで流通する新しいお金のこと。その目的は、実施する地域によって多様です。
 地域コミュニティの再生、地域活動団体の連携、人と人とのつながり作り、公共性の高い活動・ボランティア・自給自足・持続可能な地域作り・エコ活動への支援など、これまでの経済活動では評価されにくい活動に、新しい価値を見出しています。
 地域経済を活性化させることも期待されています。
 
 庭掃除や送迎などの好意に対して、お金で支払うとイヤラシイけれど、地域通貨で支払うことにより、頼みやすくなるという方が多くいます。引き受けた側も違う場所で、人に頼み事をすることができるのも利点です。
 
 現在、柏市でも健康ポイント事業は行われており、ポイントを金銭と交換しています(年間5000円を上限)。
 健康ポイントをお金に換金しない方も一定数いらっしゃるそうです。お金を目的とするのではなく、健康や社会貢献などに価値を見出されているのではと推測されます。
 
 この健康ポイント事業では、自身の健康が、社会にとって価値のあることだということを示すことにもなります。
 地域通貨の仕組みを健康ポイントに活用していくことには、介護予防事業にとどまらない効果が期待されます。

投稿者:

山下 洋輔

千葉県議会議員(柏市選出)。 元高校教諭。理想の学校を設立したいと大学院に進学。教員経験、教育学研究や地域活動から、教育は、学校だけの課題ではなく、家庭・地域・社会と学校が支え合うべきものと考え、「教育のまち」を目指し活動。著書『地域の力を引き出す学びの方程式』 2011年から柏市議会議員を3期10年を経て、柏市長選に挑戦(43,834票)。落選後の2年間、シリコンバレーのベンチャー企業Fractaの政策企画部長として公民連携によってAIで水道管を救う仕事を経験。 柏まちなかカレッジ学長/(社)305Basketball監事。 千葉県立東葛飾高校卒業。早稲田大学教育学部卒。 早稲田大学大学院教育学研究科修士課程修了後、土浦日大高校にて高校教諭。早稲田大学教育学研究科後期博士課程単位取得後退学。 家族 妻、長男(2014年生まれ)、長女(2017年生まれ)