障害者ホーム「恵」に連座制適用ー千葉県内の施設への今後の対応と不正を防ぐチェック体制の確立を

愛知県と名古屋市は、5つの障害者グループホームの指定を取消しを受けた株式会社恵が運営する障害者グループホームの不正を受け、立憲民主党千葉県議会議員会では、本日(2024/06/27)、千葉県担当課からヒアリング。千葉県において、株式会社恵の運営する施設や今後の対応を確認し、同様の不正を防ぐチェック体制などについて話し合いました。

厚生労働省は、食材料費の過大徴収や組織的関与が認められ、障害者総合支援法に基づく連座制を適用し、5年間の新規指定と指定更新を禁止しました(最初の効力発生は令和6年8月31日)。

厚生労働省は昨年12月22日に業務管理体制の改善勧告を出しましたが、同社の対応がなかったため、本日、改善命令を発令しました。業務管理の不備や法令違反が明らかになり、法令遵守と改善が要求されています。

利用者のサービス確保に向けて、厚生労働省は行政指導を行い、丁寧な説明やサービスの確保、過大徴収の返済などを求めています。

関係自治体とも連携し、サービス提供の確実性を高め、利用者や家族への必要な情報提供を進めています。

株式会社 恵の不正行為等への対応について

愛知県と名古屋市は、株式会社恵が運営する障害者グループホームの5事業所の指定を取り消しました。
厚生労働省は、食材料費の過大な徴収に会社本社の組織的関与が認められたため、障害者総合支援法に基づく連座制を適用し、同社と役員等に対し、5年間の新規指定と指定更新を禁止しました(最初の効力発生日は令和6年8月31日)。
また、厚生労働省は、各事業所でのサービス提供の継続と確保について行政指導を行い、業務管理体制の改善勧告を受けて対応がなされなかったため、改善命令を出しました。

事案の経緯
  • 令和5年4月、愛知県から株式会社恵が運営する複数のグループホームで、利用者からの食材料費の過大徴収が報告されました。
  • 厚生労働省は令和5年6月以降、障害者総合支援法に基づき同社の業務管理体制の検査を実施し、各自治体にも同社のグループホームの検査を求めました。
  • 検査結果により、令和5年12月22日に同社に対して業務管理体制の改善勧告が行われました。
  • 各自治体の検査の結果、愛知県と名古屋市は本日、同社の運営する5つの障害者グループホームの指定を取り消しました。
株式会社恵に対する対応

①連座制の適用
– 障害者総合支援法に基づき、指定取消の理由に組織的な関与が認められた場合、同一サービス類型内の他事業所の指定や更新も拒否される。
– 愛知県と名古屋市は、株式会社恵の5事業所で食材料費の過大徴収や報酬の不正請求を理由に指定取消処分を行った。
– 検査の結果、これらの不正行為に本社が組織的に関与していたことが確認されたため、連座制が適用されることとなった。

改善命令の発令:

-厚生労働省は、昨年12月22日に株式会社恵に対して業務管理体制の改善勧告を行ったが、同社は正当な理由なく対応しなかったため、本日、改善命令を発令した。
-検査により、障害福祉サービス報酬の不正請求などの法令違反が新たに発覚し、同社の業務管理体制が機能していないことが明らかになった。
-法令遵守と業務管理体制の確実な改善が求められる。

利用者のサービス確保に向けた対応
  1. 行政指導の内容:
    • 障害保健福祉部は本日、株式会社恵に対し、以下の事項を指導した(別添3)。
    • 定期的な報告の提出を求め、和6年7月31日までに初回の報告を要求している。
    • 利用者や家族に対する丁寧な説明の実施
    • 同社が運営する各障害福祉サービス事業所での指定更新が到来するまでの間、確実なサービス提供の実施
    • 事業所の利用者に対する継続的なサービスの確保
    • 過大徴収した食材料費の返済の確実な実施
    • 国や都道府県に対する進捗状況の定期報告

関係自治体との連携:

  • 厚生労働省は本日、各都道府県に対し、以下の事項について通知しました(別添4)。
  • 都道府県と緊密な連携を取りながら、以下の指導を引き続き実施していくことが明記されています。
  • 各事業所でのサービスの確実な提供に関する指導
  • 株式会社恵の事業所の利用者に対する継続的なサービスの確保に関する指導
  • 相談窓口の設置などを通じた利用者やその家族への必要な情報提供

投稿者:

山下 洋輔

千葉県議会議員(柏市選出)。 元高校教諭。理想の学校を設立したいと大学院に進学。教員経験、教育学研究や地域活動から、教育は、学校だけの課題ではなく、家庭・地域・社会と学校が支え合うべきものと考え、「教育のまち」を目指し活動。著書『地域の力を引き出す学びの方程式』 2011年から柏市議会議員を3期10年を経て、柏市長選に挑戦(43,834票)。落選後の2年間、シリコンバレーのベンチャー企業Fractaの政策企画部長として公民連携によってAIで水道管を救う仕事を経験。 柏まちなかカレッジ学長/(社)305Basketball監事。 千葉県立東葛飾高校卒業。早稲田大学教育学部卒。 早稲田大学大学院教育学研究科修士課程修了後、土浦日大高校にて高校教諭。早稲田大学教育学研究科後期博士課程単位取得後退学。 家族 妻、長男(2014年生まれ)、長女(2017年生まれ)