【小学生にもわかる要約版】福祉の報酬(代理受領)の不正請求についての質問ー網中肇議員・立憲民主党代表質問

代理受領制度とは、福祉サービスの利用者が自治体からの支払いを直接、事業者に受ける制度です。これにより利用者、事業者、自治体に利便性がありますが、不正受給が問題となっています。

2022年12月、柏市でも、約1050万円の不正請求があり、介護事業所に指定取り消し処分を出しています。
千葉県全体では、福祉サービス事業所などで過去5年間に5件の不正請求があり、その不正請求額は計約1億2850万円となります。いずれも代理受領制度が採用されています。

ここで、福祉サービスにおける代理受領制度について説明しますね。

福祉サービス:困っている人を助けるためのサービス。
お金の支払い:本当は福祉サービスを受けた人がサービスをしてくれた人にお金を払う。
代理受領制度:福祉サービスを受けた人が自分でお金を払わずに、代わりに市や県がサービスをしてくれた人にお金を払う仕組み。

どうして便利なの?
– 利用者のメリット:福祉サービスを受けた人が自分でお金を払わなくても良い。
– 事業者のメリット:福祉サービスをしてくれる人も、市や県から、すぐにお金を受け取れる。

どんな問題があるの?
不正請求:悪い人が嘘をついて、本当はサービスをしていないのにお金をもらおうとすることがある。
– 実際の事例:サービスをしていないのにお金を請求したり、いない専門家がいると言って多くのお金をもらおうとしたりすることがあった。

どうやって防ぐの?
– 確認:市や県が実際にサービスを受けた人に、本当にサービスを受けたかどうかを確認する。
– 定期的なチェック:サービスをしてくれる人たちがちゃんとルールを守っているかを定期的に調べる。

こんなふうにして、みんなが安心して福祉サービスを受けられるようにしているんだよ。

この問題について、千葉県議会(2024/06/19)にて、立憲民主党千葉県議員会を代表して、網中はじめ議員が質問しました。

【質問】網中肇 議員

福祉サービスについて質問します。

読売新聞によると、千葉市で障がいがある人を助ける福祉サービスで、不正があったとされています。千葉市の担当者は、悪い業者の不正を見つけられなかったと話しています。この問題を防ぐためには、効果的な仕組みが必要です。

千葉市では、代理受領通知書という書類を利用者に渡すことが決まっていますが、ちゃんと渡されているか確認していません。本県でも同じような制度を使っていると聞いています。

そこで質問です。

  1. 県が管理している福祉サービスで、代理受領制度を悪用したために処罰された例はありますか?
  2. 不正な請求を防ぐために、県はどんな対策をしていますか?

【答弁】黒野嘉之 副知事

福祉サービス事業所の不正請求についての質問にお答えします。

過去5年間で、福祉サービスを提供する事業所が不正な請求をして、県が4回処分しました。県は毎年、事業所の人たちにルールや法律を守るための説明会を開いています。そして、健康福祉センターが定期的に事業所を訪問して、ちゃんとサービスを提供しているか確認しています。不正が疑われるときは、通報を受けて、事業所に報告を求めたり、立ち入り検査をしたりして、不正がないようにしています。

【再質問】網中肇 議員

千葉市で起きた不正と同じようなことが、県が見ている事業所でも4件ありました。代理受領制度には、不正を防ぐ仕組みが足りない問題があります。そのため、悪いことをしようとする人がこの制度を悪用するかもしれません。

そこで質問です。
不正な請求が理由で4件処分があったと聞きましたが、どんな不正があったのか、具体的に教えてください。

【答弁】岡田慎太郎君 健康福祉部長

不正な請求についての質問にお答えします。

処分の理由は、障害福祉サービスを利用していないのにお金を請求したことや、専門の職員がいないのにいると嘘をついて多くのお金を請求したことなどです。

【要望】網中肇 議員

千葉県には、これまでのチェックや通報による調査だけでなく、サービスを利用した人に本当に使ったかどうかを確認するなど、効果的な不正防止策を強くお願いしたいです。

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※要約やわかりやすく言い換えるため、完全な文章ではないかもしれません。
後半に、議会で議員や知事の言葉を、そのままのせていますので、確認してみて下さい。このように確認することで、テレビや新聞などのメディアやSNSでの情報にふりまわされない、メディアリテラシー・ネットリテラシーが身につけられると、私は考えます。

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要約版

【質問】網中肇 議員

福祉サービスにおける代理受領制度の運用状況について質問します。

読売新聞の報道によると、千葉市で障害福祉サービスの不正利用が指摘されており、千葉市の担当者は業者の悪意による不正を見抜けないと述べています。
この問題を防ぐためには効果的な仕組みが必要です。

千葉市では、代理受領通知書を利用者に交付することを義務付けていますが、適正に送付されているか確認していません。本県でも同様の制度を採用していると聞いています。

そこで質問します。
1. 健康福祉部が所管する福祉サービス事業所で、代理受領制度の悪用による処分例はあるか。
2. 不正請求を防ぐために県はどのような対策をしているのか。

【答弁】黒野嘉之 副知事

福祉サービス事業所の不正請求についての質問についてお答えいたします。

過去5年間で健康福祉部が所管する福祉サービス事業所に対し、不正請求を理由に4件の処分を行いました。県は毎年、事業者向けに制度内容や法令遵守の説明会を開催し、健康福祉センターが定期的に実地指導を行ってサービス提供内容を確認しています。不正が疑われる場合には通報などを受け、必要に応じて事業者に報告を求めたり、立ち入り検査を行ったりして指導し、適正な運営の確保に努めています。

【再質問】網中肇 議員

千葉市で発生した不正と同様の事例が、県が所管する事業所で4件発生しました。代理受領制度の問題点は、不正を防ぐ仕組みが不足していることです。そのため、一部の悪意ある事業者が制度を悪用する可能性があります。

そこで質問です。
不正請求を理由に処分が4件あったとのことですが、具体的にはどのような不正請求があったのでしょうか。

【答弁】岡田慎太郎君 健康福祉部長

不正請求に関するご質問について、処分の原因は、障害福祉サービスで利用実績がないのに給付費を請求した事案や、専門職がいると偽って加算を請求した事案などです。

【要望】網中肇 議員

県には、これまで通りの実地指導や通報による監査だけでなく、利用者へのサービス利用の事実確認を行うなど、実効性のある不正防止策を強く要望します。

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議会の文字起こし

【質問】網中肇 議員

次に福祉の報酬の不正請求、代理受領制度の運用状況について伺います。
代理受領制度とは、福祉サービス等に限定すれば、サービス利用者が本来サービス提供事業者に対してサービス利用の対価を一部ないしは全額を支払い、その一部ないし全額を自治体から受領すべきところ利用者を介さず直接自治体からサービス提供事業者へ支払いを実施することを指します。
こうした代理受領制度は適正に活用されれば利用者事業者、自治体ともに便宜上のメリットはありますが、不正な申請受給が後を絶たないのが現状となっています。
この5月6月の読売新聞によれば千葉市において、障害福祉サービスの第二次医療制度を悪用したとも返される報道がなされています。
当該報道において、千葉市の担当者のコメントでは、業者側に悪意があった場合は不正を見抜けないとしています。
不正を防止、排除を発見する実効的な仕組みを導入しないと、一部の悪意のある事業者により、代理受領制度自体が不正の温床になっている可能性も否定できません。
千葉市では、代理受領制度を利用した事業者に対し、金額などを記した生産記録である代理受領通知書を利用者に交付することを義務づけていますが当該通知書が適正に送付されているか、また利用者が受け取っているかを確認をしていないとのことです。
本県も千葉市や他の市町村と同様に、福祉サービス等に関して、代理受領制度を採用していると伺っています。

そこでお伺いします。
健康福祉部が所管する福祉サービス事業所で代理受領制度を悪用するなど不正請求により処分した例はあるのか。
またこのような不正請求を防ぐため県はどのような対策を講じているのか。

【答弁】黒野嘉之 副知事

福祉サービスの報酬請求についてお答えいたします。
福祉サービス事業所の不正請求についてのご質問ですが、健康福祉部が所管する福祉サービス事業所に対し、不正請求を原因として処分を行った例は過去5年間で4件ありました。
県では毎年、事業者を対象に、制度内容や法令遵守について周知するための説明会等を実施するとともに、健康福祉センターが定期的に行う実地指導において、サービスの提供内容等の確認を行っているところです。
また、通報等により不正が疑われる場合には、必要に応じて事業者から報告を求める他、立ち入り検査などを実施して事実確認を行った上で指導しており、これらを通じて事業所の適正な運営の確保に努めております。

【再質問】網中肇 議員

代理受領制度の件です。
千葉市で発生したものと同様の不正が、県所管の事業所等で4件あったとのことです。
代理受理制度の問題点は不正を防止排除発見する実効的な仕組みがないこと。
このため一部の悪意のある事業者により、代理受領制度自体が不正の温床になる可能性を排除できていないことであると考えられます。

そこで伺います。
不正請求を原因とする処分が4件あったとのことだが、具体的にどのような不正請求があったのか。

【答弁】岡田慎太郎君 健康福祉部長

不正請求に関するご質問ですが、処分の原因となった不正請求の内容としては、障害福祉サービスにおいて利用実績がないにもかかわらず、給付費を請求していた事案、また専門職がいると偽って加算を請求していた事案などです。
以上でございます。

【要望】網中肇 議員

代理受領制度の件です。
県においては実地指導通報に基づく監査等これまでと同様に行うのではなく、サンプル調査でもいいので利用者に対してサービス利用の事実確認を実施するなど実効性のある給付費の適正化、不正防止策を講ずるよう強く要望をいたします。

投稿者:

山下 洋輔

千葉県議会議員(柏市選出)。 元高校教諭。理想の学校を設立したいと大学院に進学。教員経験、教育学研究や地域活動から、教育は、学校だけの課題ではなく、家庭・地域・社会と学校が支え合うべきものと考え、「教育のまち」を目指し活動。著書『地域の力を引き出す学びの方程式』 2011年から柏市議会議員を3期10年を経て、柏市長選に挑戦(43,834票)。落選後の2年間、シリコンバレーのベンチャー企業Fractaの政策企画部長として公民連携によってAIで水道管を救う仕事を経験。 柏まちなかカレッジ学長/(社)305Basketball監事。 千葉県立東葛飾高校卒業。早稲田大学教育学部卒。 早稲田大学大学院教育学研究科修士課程修了後、土浦日大高校にて高校教諭。早稲田大学教育学研究科後期博士課程単位取得後退学。 家族 妻、長男(2014年生まれ)、長女(2017年生まれ)