【速報】本日の千葉県議会 ー 西ケ谷正士議員(自民党)の一般質問 2024年6月27日午前1

本日の県議会をいち早くお伝えいたします。
※複数人体制でチェックしてはいますが、できるだけ早く、皆様に議会での議論をお届けしたいと文字起こしをしているため、誤字などもあります。ご容赦いただき、各自、ご確認ください。

 

本日(2024/6/27)午前一人目の一般質問は、自由民主党の西ケ谷正士議員した。

質問項目

  1. 災害対策について
  2. 河川について
  3. 中小企業支援について
  4. 産業用地について
  5. 農業について
  6. 道路整備について
  7. その他

 

議会質問・答弁の書き起こし全文


質問(第1回目) 西ケ谷正士 議員


おはようございます。
自民党新人、茂原市選出の西ケ谷正士ございます。
今回登壇する機会をいただきました先輩並びに同僚の議員の皆様に心から感謝を申し上げます。
また、傍聴席には、地元茂原市より茂原市議会議員、商工会議所建設部会の皆さん、講演会女性部の皆様、また元県議の鶴岡氏も駆けつけてくれております。
本当にありがとうございます。
それでは通告に従い質問をさせていただきます。

災害対策について

最初に災害対策について伺います。

能登半島地震では多数の住宅や建築物の倒壊をしている映像が報道され、強く印象に残っています。
がれきが道路にまで広がり、道路通行はもとより、援助活動や復旧作業においても大きな障害となっていました。
県では大規模災害時に避難救助を始め、物資の供給施設の復旧などを広範な応急対策活動を広域的に実施するため、非常事態の対応として、重要な路線を緊急搬送道路として定めています。
この緊急搬送道路の増員の建築物がもし倒壊してしまったら、道路を閉塞させ、震災発生時の救助救援の活動や、緊急物資の搬送活動に支障が生じる恐れがあることから、沿道の建築物の耐震化は非常に重要であると認識しています。

そこで伺います。
緊急搬送道路沿いの建築物の耐震化の取り組みはどうか。

次に、広域避難についてですが、能登半島地震では住居被害が多数に及んだ他、広範囲で水道や電気などのライフラインが遮断され、特に上下水道の復旧に時間がかかり、避難生活が長期化しています。
避難場所に関しましては、1.5次避難や2次避難などの言い方で被災地以外の旅館やホテルなどへの広域的な避難が行われたところです。
今後、大規模な災害が起こった際には、住居としている市町村を越えて、県外への避難が必要となることも想定されます。
避難所の確保などの避難者の対策は市町村の役割であると認識していますが、現実問題として、大規模災害時には市町村だけで対応するのは難しいと思いますし、広域避難を円滑に進めることは被害者にとって重要ですので、県としても広域的な避難について、平時から整えることが必要ではないかと考えます。

そこで伺います。
2次避難所の開設運営について、他県との連携はどうなっているのか。

次に、災害時における医療体制についてですが、大規模災害が発生した場合、多数の傷病者や同時に、かつ集中して発生することが想定されます。
また能登半島地震のように、避難生活が長期化すれば、体調や持病が悪化しやすくなります。
しかしながら、多くの病院では、平時は通常の患者が通院して通院や入院していることが予想され、そのようなところに命の危機に瀕した患者が大勢押し寄せた場合、ベッドや衣料品が足りなくなるなど、適切な医療の提供が困難になる懸念があります。
特に災害が発生した際の混乱の中で、多くの負傷者を救護して命を守るためには、災害の拠点となる病院の体制を整えておくことが極めて重要であると考えます。

そこで伺います。
大規模災害時における傷病者の棟の受け入れ体制の確保対策はどうなっているのか。

次に、個別避難計画の作成についてです。
高齢者や障害にある方などを避難行動に支援を要する方が、これまでの災害で大きな被害を受けてきたことから、令和3年5月に災害対策基本法が改正され、避難行動要支援者1人1人の状況に合わせた個別避難計画を作成することが市町村の努力義務とされています。
避難行動に支援を要する方の円滑かつ迅速な避難を確保するため、個別避難計画の作成は、早急に進めていく必要がありますが、対象となる方の事情がそれぞれ異なることもあり、作成に取り組む市町村では、様々な課題を抱えていると聞いています。
令和5年10月1日時点の県内市町村の作成状況は、全部または一部作成済みの団体が41団体にとどまり、13団体では未作成となっていることから、計画の作成を加速する必要があると考えます。

そこで伺います。
県内市町村の個別避難計画作成に関わる課題に対し、県はどのように支援していくのか。

次に要配慮者利用施設における避難確保計画です。
平成29年に水防法、土砂災害防止法が開催され、社会福祉施設や学校など様医療利用施設の避難体制の強化を図るため、市町村の地域防災計画に定められた浸水予定区域や土砂災害警戒区域内の要配慮者利用施設は、避難確保計画の作成と避難計画の実施が義務づけられております。
この法改正から7年が経過し、この間も毎年のように国内で大規模な自然発生が進む中、計画の作成は待ったなしの状況であります。
また、県では土砂災害防止法に基づく基礎調査予定箇所、残り9000ヶ所について、令和7年末までの区域指定完了を目指して取り組んでいることから、今後新たな区域指定に伴い、計画の作成が必要となる施設が増えてくることが見込まれます。
このような中、要配慮利用施設の安全性の向上を図るため、計画の早期作成に向けた更なる取り組みが必要です。

そこで伺います。
要配慮利用施設における避難確保計画の作成状況はどうか。

また、避難確保計画の早期作成に向けて今後どのように取り組んでいくのか。
次に、避難所の受付業務等のデジタル化についてです。

大規模災害時には、対応にあたる自治体職員も被災者となる中で、確実かつ迅速な応急対応や被災者支援が求められており、これを実現するためには、防災業務のデジタル化を一層推進していく必要があります。
今回の能登半島地震では、Suicaを利用して避難所の利用状況を把握し、このデータを活用して、被災者台帳の作成や、物資支援の効率化を図る取り組みが行われました。
また、デジタル庁においては自治体と連携し、大規模災害時にマイナンバーカードやスマートフォンを利用して、避難者の入退所対象手続きや状況把握を行うシステムの実証実験が実施され、被災者支援業務の効率化に加え、自治体職員の業務負担の軽減にも繋がったと報告されているところです。

そこで伺います。
避難所の受付等の業務のデジタル化について、市町村の取り組みを支援するべきと考えるかどうか。

次に、災害時の道路情報についてです。
道路は平時だけでなく、災害時にも重要なインフラですが、災害により道路が破損したり危険な状態になってしまったら、安全を確保するために通行止めなどの規制をとることはやむを得ないものです。
一方で災害時にも、避難や生活のためで移動することはありますので、交通規制の情報を住民が早期に的確に把握することができれば安全に移動することが可能となります。
道路情報の発信は重要と考えます。

そこで伺います。
県では、災害時の道路の通行止め情報をどのように提供しているのか。

河川について

続いて、河川について伺います。
令和元年10月の豪雨は、茂原市を含む一宮川流域に対して過去最大の浸水をもたらしました。
県はこれと同規模の降雨に対し、令和11年度末までに、家屋や主要施設の浸水被害ゼロを実現することとし、中流域の川幅を広げる河川整備を中核とする一宮川流域浸水対策特別緊急事業を実施しています。
また、この事業において、降水を多く流せる稼働を早期に実現するため、5年間という期限付きながら、国から河川激甚災害対策特別緊急事業の採択を受け、一宮川に対し、これまでにないほど集中的に予算を配分し、事業を進めてまいりましたが、昨年9月に台風13号の接近に伴う大雨により、再び浸水被害が発生してしまったことは本当に残念でなりません。
昨年の大雨は、令和元年を超える豪雨であり、多くの住民が水害に見舞われましたが、その一方で、被害者家屋は半減するなど、これまでやってきた河川整備の効果は確かに表れていたと言えます。
残り、河川整備メニューは、それはそれでしっかりと進めていかなければなりません。
一方で、仮に現在の事業が完了していたとして、果たして昨年の水害被害を防ぐことができたのか、昨今の気候変動の影響を踏まえますと、今後ますます強い雨が降るのではないかとそのような心配の声が多く届いております。

県は、検証会議の中で、河川のみならず、下水道施設の現状も組み入れた複雑なシミュレーションモデルを構築し、台風当日の状況を再現することで、難しい水の流れを解析していると我が党の代表質問にもご答弁いただきましたが、水害の激甚化頻発化が懸念される中、今後の浸水対策の検討をどのように進めていくのか。
水害に遭われた多くの住民が希望を持てるような明確な答弁をいただきたいと思います。

一つ目として、一宮川における河川整備の進捗状況はどうか。
二つ目として、検証会議の結果も踏まえ、更なる浸水対策が必要と考えるがどうか。

中小企業支援について

続きまして、中小企業支援について伺います。
中小企業が直面している課題として、原材料の高騰や人手不足の深刻化などが挙げられますが、我が国の状況を踏まえますと、そういった経営環境の改善の見通しは厳しいように思います。
このような状況の中、県内の中小企業が継続して成長していくためには、既存の事業にとらわれず、デジタル化やグローバル化の推進、SDGs、カーボンニュートラルなど、社会経済環境の変化に対応し、新たな事業の展開に積極的に取り組み、生産の向上を図っていくことが重要と考えます。

そこで伺います。
新たな事業展開を考えている中小企業に対し、県はどのように支援をしているのか。

産業用地について

続きまして、産業用地について伺います。
企業誘致は雇用や税収の確保に資する重要な施策であり、その受け皿となる産業用地の整備についても、県としてしっかりと取り組んでいかなければなりません。
県は産業用地の確保のため、可能性調査やインフラ整備に対する補助など、市町村に対する財政支援の制度を用意していますが、規模の小さな市町村では、やる気や良い土地があっても、ノウハウ不足や人材不足であり、検討が思うように進まず、このような制度を活用できる段階になかなかたどり着けないのではないかと考えます。
産業用地の整備や候補の選定から、地権者との調整、農地や、森林などの土地利用調整、開発工数行為と非常に長い年月と労力をかけて行うもので、それぞれの段階で県がきちんと市町村を支援して、それぞれの課題を解決しながら進めていく必要があると考えます。

そこで伺います。
産業用地の確保に向けて、市町村に対して、実務面においてもしっかりと支援すべきであると考えるが、県としてどのように取り組んでいるのか伺います。

農業について

続きまして、農業について伺います。
まず、堆肥の地産地消の推進です。

2020年農林業センサスによると、本県では水稲を作付けする農家の多くが、作付け面積3ヘクタール未満の農家で占められており、農業農産の維持において、小規模農家は重要な役割を果たしていると言えます。
一方、令和3年から値上がりが始まった肥料などの生産資材価格は現在も高止まりしている状況であり、これら農家の経営を大きく圧迫しているところであります。
このような中、農業経営を安定させるためには、肥料の代替として、県内で生産されている家畜フン堆肥を有効に利用すること、すなわち、堆肥の地産地消を推進していくことが考えられます。

そこで、肥料等の資材が高騰している中、堆肥の3種を推進すべきと考えるがどうか。
次に、小規模農家等が支える農村集落の支援についてですが、農村集落は小規模農家や兼業農家の方々が中心となり、日々農業を営んでおります。
そして、小規模農家等の皆様が、営農を継続されているおかげで、イノシシ等のすみかとなる耕作放棄地の発生の防止や水田が維持され、大雨による洪水被害の軽減に繋がるなど、地域の農業ばかりでなく、環境も守っていただいています。
また、大規模農家が効率的に農業を行っている地域であっても、用水路やポンプ場など農業水利施設の管理は、地域の役員や当番が担当されており、農道や排水路の保全は、地域の農業者全員で行われています。
このような活動により、農村集落は維持され、成り立っていることから、地域農業が将来にわたり存続していくためには、地域を支えている小規模農家等が、継続的に活動を行っていけるよう、農村集落を支援することが重要と言えます。

そこで伺います。
県は小規模農家や兼業農家が支えている農村集落の支援について、どのように取り組んでいるのか。

道路整備について

最後に、長生グリーンラインについて伺います。
長生グリーンラインは外房地域の道路ネットワークの骨格となり、圏央道等の高規格道路と一体となって機能し、物流の効率化、観光振興、防災力の強化を初め、交通の転換による渋滞の緩和や安全性の向上に寄与するとともに、長生地域における緊急搬送時間の短縮等により、緊急医療活動の支援などにも繋がっております。
令和8年度の開通に向けて整備が進められている圏央道の全線開通の効果を外房地区に広く波及させるためには、圏央道と外房地域を結ぶ長生グリーンラインの早期整備が必要であります。
本年3月には、長南町道から県道茂原大多喜線までの2.5キロが開通し、圏央道から4kmが供用され、地元の期待は高まっており、これに続く広域農道までの区間の1日も早い開通が望まれているところです。

そこで伺います。
長生グリーンラインの県道茂原大多喜線から広域農道までの区間の推進状況はどうか。

以上で1回目の質問とさせていただきます。
執行部の明快で前向きな答弁をよろしくお願いいたします。


答弁(第1回目)


–議長
西ケ谷正士君の質問に対する当局の答弁を求めます。
知事、熊谷俊人君。

–熊谷俊人 知事
自民党の西ケ谷正士議員のご質問にお答えをいたします。
まず新たな事業展開を考えている中小企業に対する支援についてのご質問にお答えをいたします。
県内中小企業が物価高騰や人手不足など厳しい経営環境に置かれている中で、企業の持続的な成長を促し、本県経済を活性化させていくためには、個々の企業の収益性を高め、新たな事業の展開や新分野への参入を支援していくことが重要です。
このため県では従来から新たな事業展開に向けた経営革新計画の策定支援等を行っていますが、更なる支援の充実を図るため、相談対応や専門家派遣などの伴走支援を強化するとともに、昨年度県単独の補助金を創設し、生産性向上に資する設備投資への助成も行っているところです。
引き続きこうした取り組みを通じて、企業が新たな取り組みに挑戦していく機運を高め、積極的に新市場の開拓や新たな事業展開にチャレンジする中小企業を後押ししてまいります。

次に産業用地の確保に向けた市町村への支援についてのご質問にお答えをいたします。
県では市町村が産業用地整備の検討を開始する段階から、開発に向けた課題等について意見交換の場を設け、県が有する企業ニーズや他自治体の開発事例に関する情報提供を行う他、ノウハウに長けた民間事業者の紹介などの支援を行っています。
また農地転用等の土地利用調整など、産業用地整備における大きな課題については、関係部局と連携して一元的に相談に応じるなど、実務経験が十分でない市町村でも検討を進めることができるよう寄り添った対応を行っています。
これらの取り組みとあわせて、事業可能性調整、公共インフラ整備に対する補助を行うことにより、今後も市町村と連携をしながら産業用地の確保に努めてまいります。
私からは以上でございます。
他の質問につきましては担当部局長からお答えをいたします。

–議長
都市整備局長 澤宏幸君。

–澤宏幸 都市整備局長
私からは、緊急輸送道路沿いの建築物の耐震化の取り組みについてのご質問にお答えします。
県では、耐震診断を義務付ける道路として、緊急輸送道路のうち、隣接都県との連携を図る上で重要な高規格道路や、広域連携を担う国道を指定しています。
その上で、指定した道路の沿道建築物の耐震化に向けては、所有者の負担を軽減するため、耐震診断や設計、改修工事等に対する補助制度を創設し、申請窓口となる市町村とともに活用を促しているところです。
引き続き市町村と連携しながら、建築物の所有者に対して耐震化の重要性を周知するとともに、必要な改修等を促し、緊急輸送道路沿いの建築物の耐震化に努めてまいります。
以上でございます。

–議長
防災危機管理部長 添谷進君。

–添谷進 防災危機管理部長
私からは、2次避難についてのご質問にお答えいたします。

災害発生時にインフラの復旧の遅れなどにより、避難の長期化が見込まれる場合には、良好な避難環境を確保するため、いわゆる1.5次避難、2次避難と呼ばれる広域的な避難を検討する必要があります。
このため、9都県市や追加において、避難施設の確保など、広域的な避難を含めた相互応援協定を締結している他、災害時には、県内市町村や国とも連携し、公共施設やホテル旅館などの活用、移動手段の確保について調整をすることとしております。
今後も、災害発生時に円滑な広域避難が実施できるよう、関係機関と連携して取り組んでまいります。

次に、個別避難計画の作成に関するご質問ですが、個別避難計画の作成を速やかに進めるためには、地域の実情に応じ、避難を支援する人材を確保することや、支援に関する専門的な知識を有する関係者と連携することなどが重要です。
このため県では、地域住民や事業者、民生委員や福祉専門職などと連携した計画の作成方法を手引き書に示している他、県内の介護関係者が加入している団体を訪問し、計画作成への参画を依頼するなど、関係者の協力が得られるよう努めているところです。
今後も個別に市町村を訪問し、それぞれの課題や状況に合わせた助言を行うとともに、計画作成にかかる経費の助成を行うなど、個別避難計画作成に係る市町村の取り組みを支援してまいります。

最後に、避難所受付業務のデジタル化に関するご質問ですが、避難所における受付業務などのデジタル化を進めることは、避難所の混み具合やライフラインの状況など住民がリアルタイムで把握できる他、運営面では、避難者の入退所管理やそれに基づく物資支援物資支援などを的確に実施するために有効です。
このため県では、スマートフォン等を使った避難所運営システムの導入に対し、地域防災力の充実強化補助金において、補助上限額を引き上げ、重点的に支援をしているところです。
今後も補助金を活用した整備を促すとともに、デジタル技術を活用した避難所運営についての研修を実施するなど、市町村における避難所運営のデジタル化の取り組みを支援してまいります。
以上でございます。

–議長
保健医療担当部長 鈴木貴士君。

–鈴木貴士 保健医療担当部長
私からは、大規模災害時における傷病者等の受け入れ体制についてのご質問にお答えいたします。

県では、災害時の医療救護活動の拠点として、高度な救急診療機能やDMATの派遣機能を有するとともに、病院機能を維持するための食料、飲料水、医薬品等を備蓄した災害拠点病院を27ヶ所指定しています。
災害拠点病院においては、患者の多数発生時に対応可能なスペースや、簡易ベッドを保有しており、災害時にはこれらを活用することで、多数の傷病者等を受け入れる体制を確保しているところです。
引き続き、国の補助金を活用し、災害拠点病院の機能をより一層拡充させることで、県内で大規模災害が発生した場合でも、県民が必要な医療を受けられるよう取り組んでまいります。
以上でございます。

–議長
県土整備部長 池口正晃君。

–池口正晃 県土整備部長
私からはまず、要配慮者利用施設の避難確保計画についてのご質問にお答えします。

市町村の地域防災計画に位置づけられた要配慮者利用施設について、昨年9月現在で、県内河川の浸水想定区域内に所在する2683施設のうち、2190施設が避難確保計画を作成済みです。
また、県内では1万2391ヶ所を土砂災害警戒区域等に指定しており、区域内に所在する154施設のうち、127施設が計画を作成済みです。
今後、新たに土砂災害警戒区域等を指定する際は、地域防災計画に位置づけている要配慮者利用施設の追加を適切に行うよう、市町村に促してまいります。
また、施設管理者による避難確保計画の作成が早期に進むよう指導する市町村を通じて作成の手引きや、避難における好事例を紹介するなど、引き続き支援してまいります。

次に、災害時における道路の通行止め情報の提供についてのご質問ですが、災害時における県管理道路の通行止め情報については、日本道路交通情報センターを通じて、ラジオやカーナビゲーションシステム等で情報を提供しています。
また、県の防災ポータルサイトからも、同センターの道路情報サービスにアクセスできるようにしており、引き続き安全な道路利用が図られるよう、適切な情報提供に努めてまいります。

続いて、一宮川における河川整備についてのご質問ですが、一宮川中流域のうち、水沢川合流点から豊田川合流点までの約7.1km区間においては、洪水を安全に流すため、築堤や護岸工など、河道の拡大工事を進めております。
さらに一宮川第2調整池の増設工事については、令和6年3月末までに掘削が完了し、対岸にある既存の調整池の貯留容量70万立方メートルと合わせて、計画容量に当たる110万立方メートルへの増量が完了したところです。
また、上流域都市線では、今年度も引き続き河道改修の設計を進めるとともに、長柄町小江本地区に計画している一宮川第3調節地に置いて、工事用道路の整備などを実施する予定です。

次に更なる浸水対策についてのご質問ですが、一宮川流域での浸水被害を踏まえ、設置した検証会議では、次回会議の開催に向けて、昨年9月の浸水状況を再現するシミュレーションモデルの構築に加え、浸水要因の分析や、これまで実施してきた河川整備の治水効果等の確認を進めております。
また現在進めている河川整備が全て完了した後に、昨年9月の大雨に相当する降雨があった場合、浸水被害がどの程度改善するのかもあわせて確認を進めているところです。
検証会議の結果を踏まえ、今後の浸水対策について、流域市町村と協働し、検討してまいります。

最後に長生グリーンラインの進捗状況についてのご質問ですが、長生グリーンラインは、圏央道の整備効果を外房地域に広く波及させる上で大変重要な道路です。
県道茂原大多喜線から広域農道までの2.5km区間については、用地取得を進めており、その取得率は約6割となっています。
今年度は、交差道路に設置する函渠などの構造物の設計を実施するとともに、工事に必要な進入炉の整備を進める予定です。
引き続き地元の皆様のご理解とご協力をいただきながら事業を推進してまいります。
以上でございます。

–議長
農林水産部長 前田敏也君。

–前田敏也 農林水産部長
私からは農業についてお答えいたします。

まず、堆肥の活用促進についてのご質問ですが、化学肥料は原料の大部分を海外に依存しており、その価格は国際情勢の影響を受けやすいことから、化学肥料の代替として、県内で生産される家畜フン堆肥を使用することは、農業経営の安定化に向けた有効な対策の一つだと考えております。
このため県では、流通に適した良質な堆肥の生産を推進するため、畜産農家等に対し、県単事業により必要な設備導入を支援する他、飼料メーカー等との連携による堆肥生産を支援する国事業の活用を促しています。
また、野菜農家や稲作農家等に対し、圃場への散布に必要な機械の導入を支援する他、堆肥の成分や価格等の情報を県ホームページに掲載するなど、畜産農家とのマッチングを支援しながら、引き続き堆肥活用促進に取り組んでまいります。

次に、農村集落の支援についてのご質問ですが、本県の農村集落の状況は、農地集積が進んで、大規模農家が中心となっている地域がある一方で、小規模農家や兼業農家の方々の力により支えられている地域が数多くあると認識しております。
県では、農村集落の農業者等で構成する保存会などの活動組織が共同で実施する農道や水路等の保全活動を国の多面的機能支払交付金を活用して支援してきたところです。
なお、活動組織にとって、交付金事務が負担となっていることから、小規模な活動組織の統合による広域化を進めるとともに、土地改良区へ事務委託を推進するなどにより、活動組織の事務負担の軽減に取り組んでおります。
引き続き多面的機能が適切に維持発揮されるよう、農村集落の支援に取り組んでまいります。
以上でございます。

–議長
西ケ谷正士君。


質問・要望(第2回目)


–西ケ谷正士 議員
知事はじめ、執行部の皆様、ご答弁ありがとうございました。

それでは再質問と要望をさせていただきます。
最初に災害対策についてですが、災害時における市町村の業務の中で、避難所運営に関する業務は大きな負担となっております。
その効率化を図ることは極めて重要であります。
避難所の受付などに業務のデジタル化について、しっかりと市町村の取り組みを支援していただくよう要望いたします。

続いて、災害時の道路情報についてですが、災害時には、各自治体がそれぞれ管内の道路情報を発信していますが、複数の市町村をまたがったり、移動する際には仕様が異なり、ルート上の市町村のホームページを調べる手間など、使いにくいと考えています。
県の管理道路だけでなく、国道や市町村等の情報についても、県が一元化して発信できるような体制を整備していただくことを要望いたします。

次に、河川について再質問いたします。
茂原市八千代、大柴地区では、個別に浸水対策を講じたにも関わらず、被災し、本地域を離れることを余儀なくされた方が数件おります。
元々水の溜まりやすい地形であり、内水の影響も多分に考えられることから、下水道を組み込んだ複雑なシミュレーションモデルを構築し、河川工学の専門家の指導を受けながら検証作業を進めているため、非常に時間を要していると聞いております。
まもなく公表される検証会議の結果を踏まえ、特定の地域だけでなく、上下流を含めた一宮川流域全体の見直しについて、どのエリアでどのような浸水対策をしていくのかが大変重要と考えます。

そこで伺います。
一宮川流域の浸水対策についてどのように検討を進めていくのか。

次に、中小企業支援についてですが、私が今回この質問をしようとしたきっかけは今春、大手企業が大幅な賃金引き上げを実施したとのニュースが相次いだ一方、中小企業においては、価格の転嫁が困難であり、賃金の引き上げは、大手企業のようにはいかないだろうと思いました。
厳しい経営環境の中、中小企業が賃上げに対応することは難しく、県が新たな事業展開をしていく中小企業の成長を後押しすることで、賃金での減少を確保し、継続的な賃上げに繋がるのではないかと考えました。
県において引き続き、きめ細やかな支援をしっかりと継続してもらい、中小企業が賃金を上げることができる環境整備などに努めてもらうよう要望いたします。

次に、産業用地についてですが、県内産業用地が不足する中、県では市町村と連携しながら、産業用地を確保していくことであり、財政等、実務の両面から市町村をしっかり支援していくことが重要だと思います。
圏央道の外側に位置する県北東部や南部など、産業用地の整備が進みにくい地域に対しても、長生グリーンラインなどを基幹道路の整備が着実に進められておりますので、積極的な支援をに取り組んでいただくことを強く要望いたします。

続いて農業でございます。
多面的補助金の土地改良など、事務移管、こういったものについては、速やかに実施できるようお願いを申し上げます。
また、農村集落の農地や農道など環境を守っている小規模農家の方々の日々の取り組みによるものです。
小規模農家の方々が、農業をやめてしまわれたら、農村集落は成り立たなくなります。
千葉県農林水産業振興計画においても、小規模農家の取り組みを支援していくと記載されていることから、来年度当初予算に向け、小規模農家の営農継続のための更なる支援策を検討していただくよう強く要望いたします。

最後に、道路整備について再質問いたします。
令和5年度に広域農道から一宮町までの5キロが2期区間として新たな事業化されました。
盛り土橋梁構造による浸水性、想定より高い道路構造とすることで、幹線道路の少ない外房地域において、緊急輸送道路ネットワークの強化に資する長生グリーンラインの早期整備は大変重要であり、現在設計が進められている2期区間の早期の用地買収の着手を望んでいるところであります。

そこで長生グリーンラインの広域農道から一宮町までの区間はどのように取り組んでいくのか。
以上で2回目の質問要望といたします。


答弁(第2回目)


–議長
県土整備部長 池口正晃君。

–池口正晃 県土整備部長
まず一宮川流域の浸水対策に関するご質問ですが、今後の検証会議で、一宮川の流域特性に適した浸水対策について流域治水の視点も踏まえた技術的な見解をいただいた上で、具体的な対策について、関係市町村からなる一宮川流域治水協議会で検討してまいります。

次に、長生グリーンラインに関するご質問ですが、広域農道から一宮町までの5km区間については、今年度から道路設計を実施するとともに、集中的に発生する関係機関協議などの業務について、民間の技術力を活用して進める事業管理を導入して体制を強化したところです。
県としては効率的なマネジメントを行い、迅速に設計業務を進めることで、早期に用地取得に着手できるよう事業を推進してまいります。
以上でございます。

–議長
西ケ谷正士君。


要望(第3回目)


–西ケ谷正士 議員
ご答弁ありがとうございました。最後に要望させていただきます。

河川についてですが、今回河川や下水道をリアルに再現したシミュレーションモデルが一宮川で構築されたということは、内水対策も含め、今後追加すべきより効果の高い浸水対策を見極めることが可能となるため、これまで費やした時間は無駄でなく、将来的にも大変意味のあることだと考えています。
であるからこそ一宮川の検証会議の結果や、今後の浸水対策について県はしっかりとした根拠を背景に、流域市町村の住民にわかりやすく説明を尽くしていただくよう要望いたします。

道路整備についてですが、長生グリーンラインは、圏央道と外房地域を結ぶ、茂原市はもとより、長生地域の活性化や住民の利便性の向上に資する重要な道路であり、また長生グリーンラインに続く一宮から鴨川市までの高規格道路についても、外房地域の骨格となり、同地域の発展に必要不可欠な道路であります。
昨年4月には二つの規制同盟会が一本化し、高規格道路、茂原一宮大原道路、鴨川大原道路、建設促進期成同盟会が設立されたところであり、地元が一致団結し、機運が高まっていることから、一宮から鴨川間の道路計画の早期具体化を強く要望いたします。

以上をもちまして私の質問を終わりにいたします。
ありがとうございました。