議会質問と答弁「指定廃棄物の保管場所の確保について」抜粋
次に、指定廃棄物等についてです。
指定廃棄物の保管場所の確保についておたずねいたします。
山下
指定廃棄物は、2011年3月11日の東日本大震災に伴う福島第一原発の建屋爆発で、放射性物質が大気中に飛散したことを起因に発生しました。
風で運ばれ、雨に流されて柏市を含む東葛地域に多く降下し、付着したゴミを処理した焼却灰が、8000ベクレルを超える高濃度の指定廃棄物となりました。
環境省では、この指定廃棄物の処理を、千葉県内1カ所集約することを決定しましたが、設置箇所をめぐって話がまとまらず、柏市などの県内の各所において、今なお仮保管が続いています。 「仮」保管の状態が9年となり、柏市としては本保管場所への移転を要望しています。
仮に保管させていただいている地元との約束もあります。昨年9月に会派で視察した柏市北部清掃工場では、敷地の真ん中に仮保管され、老朽化した工場の建替え計画などにも支障をきたしています。 指定廃棄物は、厚さ30cmのコンクリートのボックスカルバートに密閉されているといっても、年月とともに、内部のゴムは剥がれていき、漏水を懸念する声をお聞きします。大雨で、ボックスカルバートが水に浮いてしまうリスクも指摘されています。
指定廃棄物の本保管場所の確保に向けて、千葉県としてどのように取り組んでいるのか、お聞かせください。
次に、県内で保管している除去土壌の処分についてです。
福島第一原発事故の後、放射性物質で傷ついた環境を回復させるために除去された土壌は「除去土壌」と呼ばれます。
ホットスポットとなった東葛地域では、除去土壌を、校庭や公園、個人宅の庭に、埋設処理し、そのままとなっています。
県内で保管している除去土壌の処分について、千葉県としてどのように取り組んでいくのか、お聞かせください。
–井上容子 環境生活部長
指定廃棄物等について、保管場所確保に向けた取り組みに関するご質問についてお答えいたします。
指定廃棄物は、放射性物質汚染対処特別措置法に基づき、国の責任において処理することとされており、県内の指定廃棄物が安全安心かつ速やかに処理されるためには、長期管理施設の設置等の様々な課題に国が責任を持って対応していくことが不可欠であると考えています。本県の指定廃棄物については、国が1ヶ所での集約処理の方針を決定し、責任を持って地元に地元の理解を得る努力を続けていくとしていることから、県としても国に課題解決にしっかり取り組むよう要望しているところであり、できる限りの協力を行ってまいります。以上でございます。
山下
次に、指定廃棄物の仮保管についてです。
この指定廃棄物の問題を風化させてはならないと考えます。この指定廃棄物の問題に関しては、今月5月に、柏市、松戸市、流山市、我孫子市、印西市の市長が環境省を訪れ、副大臣に、県内1ヶ所で保管する長期管理施設を確保するよう要望書を提出しています。
この要望活動は今回で11回目になります。セレモニーのようになってしまうことを危惧しています。
ご答弁では、「国の責任で」という言葉が強調されますが、確かにその通りではありますが、千葉県としても課題解決を一歩でも進めていけるよう要望いたします。