青森県八戸市は2016年12月4日、中心市街地に市直営の施設「八戸ブックセンター」を開設します。
八戸ブックセンターは、『本のまち八戸』の中心拠点として、本に関する新たな公共サービスを提供する。市民に様々な本に親しんでいただき、豊かな想像力や思考力を育みながら、文化の薫り高いまちを目指すとともに、中心市街地の活性化にもつなげることを目的としているとのこと。
先週、八戸市の八戸ポータルミュージアム はっち を視察いたしました。
その視察内容は改めてご報告いたしますが、今、話題の「八戸ブックセンター」についても現地の方々にお話をお聞きしましたので、ご紹介します。
「八戸ブックセンター」は、八戸ポータルミュージアムの向かいに民間のビルが建ち、その中にYahoo!などIT企業と共に入ります。
八戸ブックセンターは、市の公共施設ですが、公立の「書店」ではないようです。
メディアは、わかりやすく伝えようとするあまり、「市立書店」と型にはめたり、TSUTAYA図書館など話題の施設とくくってしまうところがありますね。
前例のない公共施設なので、何とも表現できない施設なのは確かです。
「本のまち八戸」は、小林真市長が掲げた選挙公約で、市役所職員にも実現のイメージが浮かばない手探りの事業だったそうです。
計画には、下北沢の個性派書店「本屋B&B」を手がけるブック・コーディネーターの内沼晋太郎さんが、アドバイザーとして関わっています。
「本屋B&B」は、ビールを注文し、本を片手に飲めます。おしゃれな店内では雑貨も販売、毎日、旬の作家やクリエイターたちが登壇するイベントが開かれていて、多くの本好きの人たちでにぎわっています。
八戸にブックセンターでも、ビールが飲めるとのことです。
市の財政負担は、年間約4000万円。
「この予算で、図書館を充実させた方がいい」という意見もあるとのこと。
市長は読書家で、本の持つ可能性をまちづくりに活かしたいとのこと。
そのお気持ちはよくわかります。
『本のまち八戸』を達成するために、八戸ブックセンターは適切だったのか?
まだ、始まっていない八戸ブックセンターは、私たちをうならせるような取り組みで中心市街地を活性化させ、私たちに本の力を気づかせてくれるのか?
注目しています。
この八戸ブックセンターは、必ずしも図書館を中心としない「本のまち」の在り方を示してくれるのではないかと期待したいところです。
柏市においては、図書館、分館、学校図書館、子ども図書館のほか、読書会ネットや読み聞かせサークル、軒先ブックマーケット本まっち柏や柏まちカレ図書館など、本にまつわる活動が広がってきています。
成功も失敗も含めて、他市の事例を参考に、柏での活動に活かしていけるよう研究してまいります。