ペアレントクラシーと学力格差

メリトクラシ」ーから「ペアレントクラシー」に社会が移行しているという話を、大学院の仲間から聞きました。
簡単に言うと、能力と努力が成功の鍵だった社会から富を背景とした親の願望で決まる社会に変化しているそうです。先進国のどこも程度の差こそあれ、直面している問題らしいです。
平等な試験の結果であっても、学ぶ機会を平等に得られないおそれがあります。学校選択制の議論などを考えると、まさにペアレントクラシーに移行していると感じ始めました。学力格差は、教育だけの問題だけではありません。

社会全体の問題と関係するものであり、政策による改善も必要となってきます。

※お茶の水女子大学文教育学部教授の耳塚寛明先生の論文を参考に書きました。
「格差社会と学校教育-メリトクラシーからペアレントクラシー」お茶の水女子大学附属小学校『児童教育』19、2009年2月、NPO法人お茶の水教育研究会、pp34-43,
「学力格差と『ペアレントクラシー』の問題─教育資源の重点配分と『底上げ指導』を─」BERD No.8 2007

投稿者:

山下 洋輔

千葉県議会議員(柏市選出)。 元高校教諭。理想の学校を設立したいと大学院に進学。教員経験、教育学研究や地域活動から、教育は、学校だけの課題ではなく、家庭・地域・社会と学校が支え合うべきものと考え、「教育のまち」を目指し活動。著書『地域の力を引き出す学びの方程式』 2011年から柏市議会議員を3期10年を経て、柏市長選に挑戦(43,834票)。落選後の2年間、シリコンバレーのベンチャー企業Fractaの政策企画部長として公民連携によってAIで水道管を救う仕事を経験。 柏まちなかカレッジ学長/(社)305Basketball監事。 千葉県立東葛飾高校卒業。早稲田大学教育学部卒。 早稲田大学大学院教育学研究科修士課程修了後、土浦日大高校にて高校教諭。早稲田大学教育学研究科後期博士課程単位取得後退学。 家族 妻、長男(2014年生まれ)、長女(2017年生まれ)