柏まちなかカレッジにて、小川幸夫さんの『農薬に頼らずつくる 虫と一緒に家庭菜園』(家の光協会)出版記念講演会を開催いたしました。
まちなかカレッジを立ち上げ頃から、柏まちなかカレッジでお話して頂きたかった小川さんの講座が、ついに実現して、私自身、興奮しています。
「畑には多くの虫がいたほうがいい」
一般的には逆説的に聞こえる主張ですが、小川さんのこれまでの実践を紹介しつつ、”よい循環”をつくり、持続的で、お金もかからない農業であることをお話しいただきました。
小川さんは、「虫キング」や「虫博士」と呼ばれるくらい虫が好きです。虫への愛情が溢れ出ていました。
「虫を使った」効果的な農業という人間中心の考えに否定的です。
ハチを飼うことにつちめも、セイヨウミツバチではなくニホンミツバチ。
そしてニホンミツバチを飼うのではなく、居てもらう。
ニホンミツバチはすぐに逃げ出すので、居てもらいやすい環境を作ること。
悪い虫にもいいところがあり、いい虫にも悪いところがある。
草食の虫は害虫と呼ばれ、肉食の虫は益虫と呼ばれるが、必ずしもそうではない。また、そのどちらでもない雑食の虫の存在も重要。
いろんな生物がいる畑が豊かである。
まさに生物多様性の考えです。
私が教員を辞め、大学院で研究していた頃、このお話を始めてお聞きしました。
そして「それぞれの生き物の必要性は、子どもたちそれぞれの存在意義にもつながるのです」との小川さんのお話は、今でも私の考えの基礎となっています。
小川さんは、朝市やマルシェ、蜜蜂と花の運動、ビオトープ、谷津田や里山保全、農業排水路や雨水排水路の自然配慮型への変更など、畑の中だけでなく、地域•社会全体に働きかけています。
講演の中でも、農家が街に出て、飲み、野菜がどのように料理されているのか興味を持ってもらえるよう、農家に話しているそうです。
このことも教育と通じるものを感じました。
学校の中だけでなく、地域•社会全体をより良くしなければならない。
柏まちなかカレッジのように、街に出て学ぶ機会を作りたい。
小川さんから学んできました。
小川さんの本を、できるだけ多くの方にお読み頂きたいと、熱望していますので、今日の会が実現できたこと、嬉しく思います。
小川幸夫さんの『農薬に頼らずつくる 虫と一緒に家庭菜園』(家の光協会)
今回、柏まちなかカレッジの所さんが中心に、丁寧に企画運営され、たくさんの方々が集まり、熱気ある会となりました。
今村さんにも、所さんの司会のアシスタントをお務め頂きました。
また、柏まちなかカレッジの福島さんが、オンライン会議システムZoomを活用し、会の内容が世界に発信されました。
会場は、出版記念講演会にふさわしいハックルベリーブックスにご協力頂き、ステキな雰囲気で開催することができました。
講演会終了後にも、参加できなかったけれど、小川さんにご挨拶したいと駆けつけてくださった仲間たち。
お陰さまで、心温まる会となりました。
今日の講演会映像です。