本日の県議会をいち早くお伝えいたします。
※複数人体制でチェックしてはいますが、できるだけ早く、皆様に議会での議論をお届けしたいと文字起こしをしているため、誤字などもあります。ご容赦いただき、各自、ご確認ください。
本日(2024/6/19)午後の代表質問は、立憲民主党の網中肇議員でした。
質問項目
-
- 知事の政治姿勢について
- 県職員へのカスタマーハラスメント対策について
- 文書の所在不明問題について
- 交通問題について
- 多様性が尊重される社会づくりについて
- 福祉サービスにおける県内市町村の地域格差について
- 働きづらさを抱える人の就労支援について
- 校内居場所カフェの推進について
- 結婚支援について
- 福祉の報酬の不正請求について
- 千葉県環境研究センターと市町村との連携について
- 洋上風力発電について
- 県内の人手不足対策について
- 農林水産業の振興について
- 港湾カーボンニュートラルの推進について
- 教職員のメンタルヘルス対策について
- 県立高等学校入学者選抜について
- 高等学校DX加速化推進について
- 千葉県特定金属類取扱業の規制に関する条例案について
- その他
議会質問・答弁の書き起こし全文
【午後】代表質問 網中肇議員(立憲民)
質問(第1回目)網中肇 議員
皆様こんにちは立憲民主党の網中 肇でございます。
通告に従いまして会派を代表して質問に入ります。
知事の政治姿勢について-防災対策
知事の政治姿勢のうち防災対策について伺います。
本年元日に発生した能登半島地震では土砂崩れなどで道路が寸断され、最大24地区3345人に上る孤立集落が発生。
備蓄物資の不足や、支援物資が届けられないなどの問題が生じました。
同じ半島性を有する本県も同様の孤立集落の発生が懸念されます。
内閣府が平成17年度初めとして3回実施した調査によれば、本県の孤立する可能性のある集落は極めて少ない数となっていましたが、当時本県では土砂災害警戒区域の指定が進んでおらず、孤立する可能性のある集落の正確な把握ができていなかった可能性等があったため、本年2月の議会で県による再調査の実施を我が党から強く要望したところです。
そこでお伺いいたします。
孤立可能性集落について調査結果はどうだったのか、今後どのように対応するのか。
また、内閣府が実施した最新の調査から、女性の視点を入れた防災対策について本県の市町村54団体の状況を見ると、防災危機管理部局に女性職員が1人もいない。
0人の割合は35団体で64.8%男女共同参画の視点からの防災をテーマにした研修の実施状況では、43団体で79.6%約8割の団体がそうした研修を実施しておらず、男女共同参画に取り組む部署の役割を地域防災計画で明確にしていないのは42団体で77.8%にも上っています。
防災分野において女性の視点を入れることについて本県は大変遅れている状況です。
そこでお伺いいたします。
県内市町村における女性の視点を生かした防災対策を進めるための県の取り組み状況はどうか、また今後さらに推進していくべきと考えるがどうか。
また能登半島地震では発生後およそ11万4000戸が断水し、現在でもなお断水が続いている地域もあるとのことです。
本県でも同様の地震が発生した場合、県営水道における長時間にわたる断水への対策の状況がどのようになっているのか、県民の御関心が寄せられています。
そこでお伺いいたします。
長時間の断水を発生させないよう、県営水道ではどのように取り組んでいるのか。
知事の政治姿勢について-県土整備部で発生した汚職事件
次に県土整備部で発生した汚職事件について伺います。
令和6年1月から2月にかけて北千葉道路建設事務所の元所長および県土整備部道路整備課の元班長が収賄容疑で逮捕され6月3日、千葉地裁は両名に対し懲役1年6ヶ月、執行猶予3年の有罪判決を言い渡し先日確定をしました。そして検察の冒頭陳述の中で、元所長元班長ともに、贈賄で逮捕された元社長とは県職員OBを通じて知り合い、平成29年の春ごろから接待を受け、平成31年の4月の倫理条例制定後も、そうした関係を続けていたことが明らかになりました。
元所長は他の建設業者にも入札情報を漏洩していたことも認めました。
また元班長の供述として贈賄で逮捕された元社長の経営する建設会社が入札で有利になるように県土整備部の共有フォルダーー全体を閲覧し、その中から当該建設会社に適した工事を自ら検索し、入札情報漏えいしていたと述べていました。
また、当時のシステム上、県土整備部の職員なら全ての職員が県土整備部全体の入札情報を含む共有フォルダーを閲覧することができ、さらにそうした行為は禁じられていなかったとも供述をしていました。
高額な入札情報を扱う県土整備部のセキュリティ管理の驚くほどの杜撰さにあきれ果て声を失います。
結果として犯行を助長してしまった犯行を防ぐことができなかったセキュリティ環境を作った県土整備部全体の責任も強く問われると考えます。
そして平成29年の東葛土木での官製談合、今回の汚職について、入札情報を知りうる職員が入札情報建設会社に漏洩したなど同様の犯行対応となっています。
現在、県土整備専門部会で各種の入札制度の見直しが議論されていますが、県土整備部においては、入札情報が漏洩する前提で入札制度を改革しなければ、今後もこうした犯行はなくならないと考えます。
また、県土整備部の入札における競争性の確保も引き続き大きな課題となっています。
そこでお伺いします。
他の業者への情報漏えいの状況や共有フォルダーの状況はどうだったのか。
ランダム係数を用いた最低制限価格および調査基準価格の算出、変動型最低制限価格制度の導入など入札改革を実施すべきと思うがどうか。
併せて、一般競争入札とする予定価格の下限額について全国における千葉県の状況はどうか。
今後どのような再発防止策を講じるのか。
県職員へのカスタマーハラスメント対策について
次に県職員のカスタマーハラスメント、いわゆるカスハラ対策についてお伺いします。
県職員のカスハラ対策については、既に昨年の9月議会の我が党の代表質問でも取り上げたところですが、引き続いて今議会でも取り上げます。
令和元年6月5日に労働施策総合推進法等が改正されたことを踏まえ、令和2年1月に厚生労働省告示が策定され、カスハラに関して、事業主が適切に対応するための体制整備等についての望ましい対応等が定められました。
また厚労省が令和5年度に実施した実態調査によると、企業に対する調査では過去3年間に、顧客等からの著しい迷惑行為の相談があった企業の割合は27.9%また労働者に対する調査では、過去3年間に勤務先で顧客等からの著しい迷惑行為を一度以上経験したと回答した割合は10.8%となりこうした行為に悩む企業労働者は少なくない状況となっています。
自治労が令和2年10月に行った実態調査では、地方公務員の半数近く46%が迷惑行為悪質クレームを受けていることが明らかとなりました。
職員個人が矢面に立たされ1人で悩みを抱え込み、結果、業務の妨げや職員の精神的負担になっているなど自治体としても非常に深刻な課題となっています。
こうしたことから、昨年の野田議員作成の質問以降、県職員へのカスハラの実態調査と対応策の実施について、我が党から県執行部に強く要望したところです。
そこで伺います。
県職員へのカスハラに関するアンケート調査結果はどうだったのか、今後どのように対応するのか。
文書の所在不明問題について
次に、多数の県の文書の所在が不明になっていることについてお伺いします。
報道によれば県に関する重要な文書の簿冊139冊が所在不明、誤廃棄されているとのことです。
平成30年当時、国では財務省などで国有地貸付や売却に関する文書の改ざん、隠蔽、破棄、差し替え問題が発生し、同様に本県においても、安房土木事務所で文書を作成せず、所長の口頭での指示で工事を中止した事案。
健康福祉部では、保健師等修学資金に係る借用証書等について所在不明となってしまった事案。 県文書館においては第二次大戦の関連文書、本来保存すべき歴史公文書を誤廃棄してしまった事案が相次いで発生をいたしました。
こうしたことから平成30年6月議会で会派の代表質問などで、公文書管理条例の制定と電子化の推進による誤廃棄所在不明等の防止を提案したところですが、それから約6年が経過しこの間も度々、代表質問、一般質問、委員会質問で改善を要望し、直近では先の2月議会でも要望していますが、現在に至るまで実効的な改善がなされていません。
また、毎年度こうした所在不明等の文書リストを作成しているにもかかわらず、公表していなかったことも今回明らかになり、隠蔽とも返される行為ではないかとの指摘もあるところとなっています。
そこでお伺いします。
県民の貴重な共有財産である県の文書が多数所在不明となっていることに関し、今後の再発防止にどのように取り組んでいくのか、公文書管理の条例化についてどのように考えているのか。
交通問題について
次に、交通問題について伺います。
まずバスの運転手不足に伴う児童生徒への影響について伺います。
時間外労働の上限や勤務間インターバルなどが規制される、いわゆる2024年問題によって、バスの運転手不足が深刻な状況となっています。
その影響は学校生活にも出始めており、先月には都内の中学校において修学旅行の貸し切りバスを手配することができず、急遽旅行の行程が変更となる事態も発生しています。
また、特別支援学校はもとより、小学校中学校でも地域によっては民間事業者に委託して、スクールバスを運行している学校もあり、通学への影響も懸念されるところです。
そこでお伺いします。
バス運転手不足に伴う児童生徒への影響と県の対応はどうか。
次にライドシェアについてお伺いします。
いわゆる日本型ライドシェアについては昨年10月から国において検討が進められてきました。
本制度は主にタクシーの運転手不足を補うことを目的としており、地域や時間帯を限定して、本年4月に東京都などの一部地域で解禁され、本県でも6月から導入されたとのことです。
タクシー会社が一般のドライバーを採用し、運行管理を行うとされていますが、安全性の問題、さらには本制度の導入により従前のドライバーの処遇悪化に繋がる可能性があり、不安視する声が聞こえてきます。
こうした行為がある中で、県がライドシェアについてどのように考えているのか気になるところです。
そこで伺います。
日本型ライドシェアが解禁され、本県においても導入が進められているが県の認識はどうか。
多様性が尊重される社会づくりについて
次に多様性が尊重される社会作りについて伺います。
全国の都道府県政令指定都市で唯一、男女共同参画条例がなかった本県において、多様性尊重条例が本年1月1日から施行されました。
これに伴い本条例に基づく施策について県を挙げて推進するため県は熊谷知事を本部長とする千葉県多様性社会推進本部を設置し、5月23日に第1回目の会議が開催されました。
この会議の中で熊谷知事は条例の理念を具体的な施策に繋げていくことが大切と述べておりかねてより、多様性尊重条例の制定を強く要望してきた我が会派としては、これから様々な取り組みが行われていくものと大いに期待をしているところです。
一方で条例の内容や、多様性尊重の意義については、県民や事業者の皆様に周知しきれていない面もあると認識をしています。
今後もしっかりと多様性尊重の意義を広め、意識醸成を図っていくことが重要であると考えます。
そこでお伺いします。
多様性尊重条例の制定を踏まえ、多様性尊重の意義について、県民や事業者が理解を深められるようにしていくことが重要と考えるが、どのように取り組むものか。
次に学校における性的マイノリティとされる児童生徒への対応について伺います。
平成27年および平成28年に文部科学省より、性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応等についての通知等が発出され、教職員の適切な対応等が必要とされています。
繰り返しになりますが本県では多様性尊重条例が施行されたところです。
現在では全ての県立高校で生徒は性別を問わずスラックスを着用することが可能となり、また県立高校の大規模改修時には多目的トイレ等の整備を推進することとしています。
そこで伺います。教育現場において、性的マイノリティとされる児童生徒に対してどのような配慮がなされているのか。
福祉サービスにおける県内市町村の地域格差について
次に福祉サービスにおける県内市町村の地域格差についてお伺いします。
人工肛門や人工膀胱などの特別な装具を装着した方々をオストメイトと呼びますが、令和5年3月末現在県内の人数は1万652人でそのうち約8割の8572人は65歳以上の高齢者です。
またオストメイトの方々が装着するストーマ装具等は、市町村が実施主体である日常生活用具給付等事業によって補助されることとなっています。
しかし2022年11月第9回オストメイト生活実態基本調査報告書によると、8割以上のオストメイトが現在の給付基準額は少ないと回答しています。
そしてこの給付基準額は長期間にわたって見直しがされていません。
素材が高騰によりストーム装具等も値上げされそのために高齢のオストメイトの中には費用を節約するために、装具の交換回数を少なくし、皮膚が垂れるのを我慢しているという事案も報告される現状となっています。
同事業における装具等への給付基準額は、一般的には尿路系が1万1640円、消化器系が8860円ですが県内の市町村によって金額が違い、例えば船橋市は尿路系が1万3000円、A市では1万500円で2500円の開き、消化器系でも船橋市が1万円、A市が8000円で2000円の開きというように市町村によって大きな差が生じています。
また、厚労省の報告書では障害者への給付貸与の対象となる品目の利用ニーズの把握を特に行っていないという自治体は81.1%、また対象品目の見直しを特に行っていないとした自治体は30.3%でした。
そこで伺います。
日常生活用具給付等事業における県内市町村の地域格差について、県は実態を把握しているのか、また県は今後どのように取り組むのか。
働きづらさを抱える人の就労支援について
次に働きづらさを抱える人の就労支援の促進について伺います。
病気や引きこもりなど様々な理由で働きづらさを抱える方々に対し、県は平成4年度から日本財団の助成事業を活用し、新たな就労支援体制の構築に向けたモデル事業を実施しています。
これは一般就労に向けて障害福祉サービスの就労支援事業所等に通いながら、実際に働いたり、仕事に向けた訓練を行うものですが、今年度で事業が終了となることから、これまでの取り組みについて検証し、成果や課題を明らかにする必要があります。
特に長く社会から断絶されているひきこもりの方への支援が難しく、いわゆる8050問題も深刻化しており、就労や社会復帰に向けて公的な支援の重要性は増しています。
また多様性や共生社会が社会政策の潮流となる中、全ての人に居場所と出番がある地域社会を作り出していくことは、多様性尊重条例を制定した千葉県に期待されるところです。
そこでお伺いします。
働きづらさを抱える人を対象にした就労支援モデル事業の実施状況はどうか、今後どのような活用を考えているのか。
校内居場所カフェの推進について
次に校内居場所カフェの推進について伺います。
いじめや貧困、ひきこもり等、困難を抱えながらも公的支援に繋がらず、孤立する若者への対応が求められています。
こうした問題を解消するためには、子供の頃から支援者と日常的に出会い、不安や心配事があれば気軽に援助が求められる状況を作り出すことや早期発見、支援に結びつけることが必要であると言われています。
特に高校を中退や進路未決定等で離れていく世代へのアプローチは脆弱で、福祉的支援が届きづらい現状があり、生徒の抱える課題を事前に発見する予防型支援、アウトリーチ機能を持つ校内居場所カフェが注目されています。
千葉県内での校内居場所カフェは新型コロナウイルス感染症の流行に前後して、県立匝瑳高校や市川工業高校、生浜高校でNPO等との連携により始められ、その後令和4年度から熊谷知事の英断により、県事業として県立高校5校で実施。
令和5年度は5校増え、今年度は3校の県立高校で新たに実施をされています。
県は中核地域生活支援センターに事業を委託し、地域で活動する子供食堂や若者支援等のNPO団体と連携、地域住民や大学生ボランティアの協力を得て運営されています。
委託期間は2年間とし、翌年度からは自力での運営を求めていますが、3年目を迎えた現場では財政面での厳しさに直面するなど課題が生じています。
そこでお伺いします。
県は本事業の効果をどのように捉えているのか、また今後の事業の方向性をどのように考えているのか。
校内居場所カフェの現場では、地域の大人と生徒との交流が自然と生まれ学校を核とする地域との繋がりが広がるなど副次的効果も広がっています。
地域で子供たちを応援していこうという気運も見られるところとなっています。
現在県立学校においては、地域とともにある学校を目指し、保護者や地域住民等が学校運営に参画するコミュニティスクールを推進しています。
この活動の一環として、九十九里、松尾、生浜高校では校内居場所カフェを実施していると伺っています。
そこでお伺いします。
県立高校におけるコミュニティスクールの活動の一環として校内居場所カフェを取り入れたらどうか。
結婚支援について
次に結婚支援について伺います。
国立社会保障人口問題研究所の人口統計資料集2023年によると、令和2年の50歳時の未婚率は男性が28.25%、女性が17.81%でした。
これはおよそ男性の4人に1人、女性の6人に1人が相当することとなります。
また令和3年、全国の18歳以上55歳未満の独身者を対象として実施された厚労省の結婚と出産に関する全国調査によると、いずれは結婚しようと考えている18歳から34歳の未婚者の割合は、男性81.4%女性84.3%で多くの方が結婚を望んでいることがわかります。
配偶者を求めていても未だ出会えていない経済的に厳しい状況にあるというのが実情です。
東京都ではTOKYOふたりSTORY、AIマッチングシステムとするマッチングシステムを独自に開発、この夏ごろからは本格運用する予定とのことです。
AIによる紹介スタッフによる相談支援などを活用し結婚に関心がある人に対し官民で出会いのきっかけ作りを後押しする取り組みを実施するとのことです。
本県においても同様の取り組みを検討することも必要と考えます。
そこで伺います。
結婚を希望する者の出会いなどの機会がない者に対する結婚支援の必要性について県はどのように認識しているのか。
結婚に繋がる出会いの場を創出するため、デジタル技術等を活用した県の取り組みが必要であると考えるがどうか。
福祉の報酬の不正請求について
次に福祉の報酬の不正請求、代理受領制度の運用状況について伺います。
代理受領制度とは、福祉サービス等に限定すれば、サービス利用者が本来サービス提供事業者に対してサービス利用の対価を一部ないしは全額を支払い、その一部ないし全額を自治体から受領すべきところ利用者を介さず直接自治体からサービス提供事業者へ支払いを実施することを指します。
こうした代理受領制度は適正に活用されれば利用者事業者、自治体ともに便宜上のメリットはありますが、不正な申請受給が後を絶たないのが現状となっています。
この5月6月の読売新聞によれば千葉市において、障害福祉サービスの第二次医療制度を悪用したとも返される報道がなされています。
当該報道において、千葉市の担当者のコメントでは、業者側に悪意があった場合は不正を見抜けないとしています。
不正を防止、排除を発見する実効的な仕組みを導入しないと、一部の悪意のある事業者により、代理受領制度自体が不正の温床になっている可能性も否定できません。
千葉市では、代理受領制度を利用した事業者に対し、金額などを記した生産記録である代理受領通知書を利用者に交付することを義務づけていますが当該通知書が適正に送付されているか、また利用者が受け取っているかを確認をしていないとのことです。
本県も千葉市や他の市町村と同様に、福祉サービス等に関して、代理受領制度を採用していると伺っています。
そこでお伺いします。
健康福祉部が所管する福祉サービス事業所で代理受領制度を悪用するなど不正請求により処分した例はあるのか。
またこのような不正請求を防ぐため県はどのような対策を講じているのか。
千葉県環境研究センターと市町村との連携について
次に千葉県環境研究センターについて伺います。
環境研究センターは大気汚染、水質汚濁、地盤沈下や産業廃棄物の適正処理などの問題に行政部門と一体となって取り組み、多くの成果を上げてきました。
騒音振動悪臭などの環境問題はその多くが地域住民に近いところで発生しており、日頃から相談や苦情が市町村に寄せられていますが、これに当たる市町村の多くでは環境の専門職員が配置されず、マンパワーの面から対応に苦慮していると伺っています。
市町村に対する支援は県が担うべき大きな役割の一つと認識していますが、環境研究センターが有する技術や知見、マンパワーを市町村の環境行政にも役立てるべきと考えます。
そこで伺います。
千葉県環境研究センターでは市町村に対してどのような技術支援を行っているのか。
また県では本年3月に策定された千葉県環境研究センター基本構想において、施設を建て替えるとともに分散している庁舎設備を集約化し、これにあわせ調査研究はもとより市町村職員に対する技術支援や情報提供などについても機能強化を図るとしています。
市町村においても、多様化、複雑化する環境問題に対応するため、例えば佐倉市では今年4月に県内市町村初となる気候変動適応センターを設置するなど、独自の取り組みも進みつつあります。
市町村が施策を進めるに当たり、環境研究センターの職員が持つ技術や経験、またセンターに蓄積集約される情報を必要とする場面は今後ますます増えてくると考えられます。
そこでお伺いします。
今後の市町村への支援の強化についてはどのように考えるのか。
洋上風力発電について
次に洋上風力発電について伺います。
我が国では2050年カーボンニュートラルに向けた取り組みが進められており、いわゆるグリーン成長戦略において、洋上風力発電が位置づけられています。
経済産業省および国土交通省は、海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律に基づき、銚子沖を含む3地域について、いずれも令和2年7月に促進区域として指定をしました。
銚子沖においては水面から高さ約250mの千葉ポートタワーの倍近くの高さの風車が31基設置され、最大出力40.3万kW約28万世帯の電力需要を賄うこととなります。
銚子沖が指定を受けたことを契機に、さらに県北東部を中心とする県内の経済活性化にも繋げ繋げるべきと考えます。
そこで伺います。
銚子沖の洋上風力発電の進捗状況と令和10年9月の運転開始予定に変更はないのか。
また、県内全体への経済効果をどのように考えているのか。
また銚子市の名洗港が洋上風力発電のメンテナンスの拠点として活用されることとなりました。
今後名洗港では、促進区域の指定を契機に将来的に拡大が期待されている千葉県太平洋沖の洋上風力発電事業にする港湾として、建設補助や維持管理の拠点としての機能強化が求められるとともに産業振興という点では、銚子市旭市の主要産業である。
水産加工業を初めとする地域産業の物流効率化に向けて、海上輸送の拠点形成が求められています。
そこで伺います。
洋上風力発電のメンテナンスの拠点として活用される名洗港の整備状況はどうか。
県内の人手不足対策について
次に県内の人手不足対策について伺います。
日本経済がコロナ禍での落ち込みから回復に向かう中、企業では人手不足感が強まっています。
本年3月の日銀短観における雇用人員判断DIはマイナス36と、1991年以来33年ぶりの水準となっており今後更なる人手不足の深刻化が予想されています。
令和4年の厚労省の雇用動向調査によれば、企業の未充足求人は約130万人に上り、特に宿泊、飲食や運輸郵便等の業種において人手が不足しているとされています。
県内でも観光業においては人手が足りず、顧客を受け入れることができないといった機会損失が生じ県内経済にも悪影響を及ぼしていると聞いています。
県内の観光業は、2018年には観光消費額で約1兆3400億円、経済波及効果が約1兆3000億円、2016年の従業者は宿泊業や飲食店向けだけでも約19万人に達する県内経済の柱の一つであり、人材の確保の動きが注目されるところです。
そこで伺います。
観光業の人手不足について、県はどのような要因があると考えているのか。
人手不足を解消するために今後どのような政策が必要と考えているか。
また本年2月、千葉県新しい観光振興に向けた研究会から意見書が提出されました。
この中において、観光施策の財源として宿泊税導入に向けた検討を早期に開始することが適当との意見が示されたことを受け、本年3月に千葉県観光振興財源検討会議が設置されたと伺っています。
そこで伺います。
宿泊税の人としては、観光業の長期的な人手不足対策として人材育成支援を最優先すべきと考えるが、県の考えはどうか。
農林水産業の振興について
次に県産農林水産物の消費拡大に向けた県の魅力発信策について伺います。
千葉の農林水産物について、今年度も昨年に引き続き県内外の消費者に向けて千葉の顔となる品目を核とした集中プロモーション等を行っていますが、実際にイメージアップに繋がっているのか大変気になるところです。
県民には更なる地産地消を促し、首都近郊の潜在消費者には千葉の農林水産物の美味しさを的確に伝え、手に取っていただきリピーターとなっていただくことが大切です。
その手段として県がプロモーションにおいてしっかりと役割を果たしていくことが欠かせません。
そこで伺います。
県産農林水産物の消費拡大に向け、県は魅力発信にどのように取り組んでいくのか。
次に本県の秋の顔生産量栽培面積算出額ともに日本一の千葉の梨について伺います。
千葉の梨栽培は江戸時代から長い年月を通して生産技術の開発や改良がなされ、昨今では貯蔵技術の進歩により、高級果実として輸出されるまでになっています。
一方、ここ最近の異常気象や中国で発生したか傷病による花粉の輸入停止の影響に加え、生産者の高齢化が進行していることから農家への支援のみならず、産地への支援を強化していくことが千葉の梨日本一を維持していくためには欠かせません。
そこで伺います。
千葉の梨の生産振興について、今年度どのように取り組んでいくのか。
次に全国豊かな海作り大会について伺います。
先日、千葉県議会議長大会の招致について要望があったと伺っております。
三方海に囲まれた本県は変化に富んだ豊かな漁場に恵まれ地域ごとに多様な漁業が営まれています。
四季折々に水揚げされる水産物は、本県水産業の活力を支える重要な資源です。
一方で県内の水産業は水産資源の減少や魚価の低迷、燃油価格の高止まりなどにより、極めて厳しい状況が続いています。
また漁村地域では、漁業者の減少や高齢化が進むなど、地域の活力が低下しているように感じます。
このような中、全国豊かな海作り大会の招致を絶好の機会と捉え関係者が一丸となって水産業の成長産業化や、漁村地域の賑わい創出に向けた機運を高め、本県の水産業の振興と漁村地域の活性化を図るべきと考えます。
そこで伺います。
全国豊かな海作り大会の招致にあわせて、本県水産業の振興と漁村地域の活性化にどのように取り組んでいくのか。
港湾カーボンニュートラルの推進について
次に港湾カーボンニュートラルの推進について伺います。
千葉県では令和3年2月に、2050年二酸化炭素排出実質ゼロ宣言を行い、千葉県カーボンニュートラル推進方針を策定するなど、国や国際社会と同じ目標に向かい多様な分野で脱炭素化の取り組みがなされています。
この推進方針では、千葉県が取り組むべき項目の一つとして港湾の脱炭素化、カーボンニュートラルポートの形成が掲げられ、そのアウトラインが示されました。
その後、令和4年国はより具体的な取り組みに向けた体制を構築するために港湾法を改正し、これを受け本県では千葉港および木更津港を対象とする港湾脱炭素推進協議会を設置し具体的な事業内容を定める。
港湾脱炭素化推進計画を現在策定中であると伺っています。
両校は火力発電鉄鋼業、声優業などの分野を中心とする国内有数の工業高として、脱炭素化の効果および必要性は極めて重要であると考えます。
他方で国内においては、既に同推進計画の策定を完了し、具体的なカーボンニュートラルの取り組みに着手している港湾も複数存在しています。
例えば川崎港においては民間企業などを含む40歳による計108つの脱炭素化推進事業が定められるとともに、新エネルギーとして水素の供給拠点となる方針を明確に打ち出しています。
同じく首都圏に位置する大規模港湾として両校においても、適時かつ効果的な脱炭素化推進計画の策定が強く求められていると考えます。
そこでお伺いします。
千葉港木更津港における港湾脱炭素化推進計画の策定について取り組み状況はどうか。
教職員のメンタルヘルス対策について
次に教員のメンタルヘルス対策について伺います。
本県の教職員の精神疾患による病気休職者数は、令和2年度177人、令和3年度は183人、令和4年度は208人と年々増えています。
休息をとる前に退職してしまう退職してしまう教員もいるとのことです。
教員不足の解消に取り組む中、現職の教員が休職退職してしまうことは大変大きな課題です。
教員の精神疾患や病気、不祥事の要因の一つにストレスが考えられます。
教員の仕事は多くのストレスを抱えやすい仕事と言われており、そのため誰もが精神を病んでしまう可能性があると言っても過言ではありません。
そこで伺います。
教職員のメンタルヘルス対策について、さらに進めていくべきと思うが、県教育委員会の考えはどうか。
県立高等学校入学者選抜について
次に、県立高等学校入学者選抜について伺います。
まず障害等のある方の配慮申請について伺います。
配慮申請とは障害等のために受験に際して、例えば車椅子展示会と代筆回答などの配慮を希望する場合、当該配慮を志望先の校長に提出するものです。
障害のある方の受験時における配慮申請について東京都立高校の状況を見ると、原則として12月中旬までに申請することになっており、許可通知は通常の場合、1月中旬頃には送付され試験日までには1ヶ月間程度は確保されるようです。
また配慮申請の様式も配慮の内容等が類型化されて記載されておりどのような配慮が可能なのか等がわかりやすい申請書となっています。
翻って本県の状況を見ると、配慮申請書の提出は出願日の前日までとなっています。
配慮申請が提出期限間際の提出になると最も遅い場合、許可通知は試験日の前日になるようなケースも想定されます。
万が一、配慮申請をした内容と異なる配慮しか認められなかった場合、中学校3年間で培ってきた試験を受ける際の配慮と異なる対応をわずか数日で修正しなくてはなりません。
この短期間では実質的には対応することは不可能です。 また本県の配慮申請の書式を見ると、例示等が一切なく配慮の内容等が自由記載となっており、とてもわかりづらい書式となっています。
多様性推進条例も制定されました。
あらゆる受験生にとってわかりやすい対応しやすいスケジュールや組織にすべきと考えます。
そこで伺います。
特別配慮申請の運用についてより対象者に寄り添った改善が必要と考えるが県教育委員会の考えはどうか。
次に、定員内不合格の状況について伺います。
インクルーシブ教育を積極的に推進する都道府県教育委員会が増加しつつあります。
そうした中、文部科学省は令和5年度の定員内評価に関する調査を実施しました。
その調査結果を見ると、大都市を抱える都道府県を中心に定員内不合格を出さない団体も多く存在するようです。
その一方本県では定員内不合格が多数出ているとのことです。
そこで伺います。
定員内不合格者を出していない都道府県の状況はどうか。
千葉県においても、定員内不合格を出さない運用をすべきと思うが、県教育委員会の考えはどうか。
高等学校DX加速化推進について
次に、高等学校DX加速化推進事業について伺います。
大学教育段階でデジタル理数分野への学部転換の取り組みが進む中、その政策効果を最大限に発揮するため、高校段階におけるデジタル等成長分野を支える人材育成の強化が必要となっています。
こうしたことから、情報数学等の教育を重視するカリキュラムを強化する高等学校に対して、高等学校DX加速化推進事業が国から示され、環境整備等の経費が支援されることとなっています。
本県においては公立27校、私立11校、計38校がその対象とされました。
そこで伺います。
各学校で高等学校DX加速化推進事業の効果を最大限発揮するため、県教育委員会としてどのように取り組んでいくのか。
千葉県特定金属類取扱業の規制に関する条例案について
次に千葉県特定金属類取り扱い業の規制に関する条例案について伺います。
全国の金属盗難の被害件数を見ると、令和5年は令和2年以降で最多となり、特に関東を中心に被害が目立っているとのことです。
また県内の令和5年の被害件数を令和4年と比較すると約2倍にも上っており、金属価格の高騰を背景とした金属盗難の状況は大変深刻なものとなっています。
先日、警察庁長官が定例記者会見の場において、外国人グループが複数の県において犯行を重ね、被害品をまとめて買い取り業者に売却している実態があると発言しており、日本人の他に外国人による犯行の実態を指摘していました。
このような金属類の買い取り業者において、盗難品が持ち込まれるという恐れがあるという問題を認識し、金属盗難の犯人の収入源とならないようにすること、また今回提出された条例案については、金属類取り扱い業を営んでいる方々が条例に基づく許可を取得し、規則を遵守して適正に営業を行うことが重要であると考えます。
そこで伺います。
対象となる金属類取り扱い業を営む者には外国の方も多いと思われるが、外国の方に対する周知はどのように行うのか。
許可事業者が適正に営業しているか否かについてはどのように確認し指導していくのか。
以上で1回目の質問を終わります。
ご答弁をよろしくお願いいたします。
答弁(第一回目)
–議長
網中肇くんの質問に対する当局の答弁を求めます。
知事熊谷俊人君。
–熊谷俊人 知事
立憲民主党の網中肇議員の代表質問にお答えをいたします。
まず政治姿勢についてお答えをいたします。
孤立可能性集落についてのご質問ですが、能登半島地震を受けて本県も半島という地理的特性を有することから、災害時に孤立する可能性がある集落およびその集落における備蓄等の状況を把握するため調査を実施いたしました。
その計画法律の可能性がある集落が530に確認され当該集落内において避難が可能な施設が確保されている割合は約38%備蓄物資の確保状況は飲料水については約13%、食料は約12%となっています。
集落が孤立した場合には、外部からの救援等が困難となるため、集落内における避難施設の確保や備蓄の強化を行う必要があることから、本調査結果も踏まえ、速やかに6月補正予算を編成し、新たな補助制度を創設することにより、市町村の取り組みを支援することといたしました。
女性の視点を生かした防災対策に関するご質問ですが、男女双方の視点に配慮した防災対策を進めるため、平時からの災害への備えや、避難所の運営等において、男女共同参画の視点を取り入れた体制を確立する必要があります。
このため避難所運営の手引きにおいて、避難所運営組織への女性の参画を初め、物資の配布やトイレの設置に関する配慮女性相談窓口の必要性などを示し、女性の視点を生かした防災対策が行えるよう市町村に働きかけているところです。
今後も市町村の地域防災計画に男女共同参画部局の役割を位置づけるよう促すことや、避難所運営組織への女性登用が進んでいる事例を紹介するなど、防災対策に女性の視点が生かされるよう取り組んでまいります。
職員の収賄事件にかかる再発防止策についてのご質問ですが、再発防止策の検討のため、現在県土整備部不適正事案に係る検討会議のもとに設置をした二つの専門部会において、事件の経緯やこれまでの取り組みの調査検証を進めています。
部会では利害関係者との飲食が不適切な関係に繋がることを防ぐ仕組みや、利害関係者からの働きかけに組織的に対応する仕組みなどについて議論をいただいているところです。
また入札契約のあり方の他、秘匿を要する情報への職員の関与を減らす仕組みや、県土整備部の業務の特性を踏まえた事業者との関係性のあり方などについても議論をいただいているところです。
こうした部会の議論を踏まえ、実効性のある再発防止策の早期策定に向け検討を進めてまいります。
次に多様性が尊重される社会作りについてお答えいたします。
県民や事業者の理解促進についてのご質問ですが、本条例が目指す社会を実現するためには、県民や事業者の役割が大きいことから、多様性尊重に関する意識の醸成を図り、様々な主体による取り組みが広く展開されることが重要と考えています。
今月16日に開催された千葉県誕生150周年記念事業のフィナーレイベントでは、様々な方々に参加をいただき、誰もがその人らしく活躍できる社会作りに取り組むことを共同で宣言するとともに、多様性尊重の意義を県民等と広く共有していくための新たなロゴマークを発表いたしました。
今後はロゴマークを活用した普及啓発の他、啓発動画やリーフレットの作成、企業向けセミナーの実施等により、多様性尊重の理解促進を図り、県民や事業者の皆様と力を合わせ、生きづらさの解消や多様な人材が活躍できる千葉県作りを進めてまいります。
次に結婚支援についてお答えいたします。
結婚支援の必要性に関するご質問ですが、少子化の進行に伴う急激な人口減少への対応が課題となる中、希望する誰もが結婚妊娠出産子育てができる環境作りを進めていくことが重要だと認識をしています。
このため県では国の交付金を活用し、地域の実情に応じて市町村が実施する結婚支援に関する取り組みを支援するとともに、県と市町村で構成する少子化対策協議会において、地域における先進的な取り組み事例の共有や意見交換を行っているところです。
県としては市町村の意見を引き続き丁寧に伺うとともに、出会いの場に関する若い世代のニーズ等の把握に努め、結婚支援を含めた少子化対策に全庁を挙げて取り組んでまいります。
次に県内の人手不足対策についてお答えいたします。
観光業の人手不足についてのご質問ですが、観光宿泊業において人手不足が深刻である要因として、感染症の拡大に伴う施設の長期休業等により、他業種に流出した人材の復職が将来への不安などから進んでいないことが考えられます。
また通年で24時間営業している宿泊施設などが多く、勤務時間が長時間かつ不規則になりやすいことや、休暇などが取得しづらいこと、他の産業と比べて収益性が低く、業務内容に対して賃金水準が低いことなど労働環境や待遇面での課題がありますこの他観光宿泊業に特化したマッチングの機会が少なく、求職者に仕事の魅力を直接伝えづらいことも原因の一つとして挙げられます。
人手不足の解消に向けた取り組みについてのご質問ですが、県では観光宿泊業に対する求職者の関心を高めるため、業界で働くことの魅力ややりがいなどを紹介するセミナーを開催しています。
また事業者に対し、労働環境の改善を促していくため、働きやすい職場作りなどに関するセミナーを開催している他、新たに専門家派遣による支援を行うこととしています。
さらに求職者と県内事業者とのマッチングの機会を確保するため、セミナーに参加した方を対象に就職相談会を開催するとともに、今年度は外国人材の受け入れに特化したセミナーやマッチング支援を実施してまいります。
中長期的には業界全体の収益性を高め、賃金水準の引き上げなどに繋げていくことが重要です。
そのため地域において観光地経営や施設経営を担う高度な人材の育成、生産性の向上などに資するDXの活用などについても支援を検討してまいります。
宿泊税を人材育成支援に優先して活用すべきとのご質問ですが、千葉県観光振興財源検討会議において、委員の方々からは、宿泊税の使途として、観光人材の確保育成定着の他、広域的な観光誘客の仕組み作り、インバウンドを受け入れるための環境整備など、様々な施策について検討が必要とのご意見をいただいております。
また宿泊事業者や市町村に対しても宿泊税の使途についてのアンケート調査を実施し、現在その結果を取りまとめているところです。
今後このアンケート結果を検討会議に報告をした上で、宿泊税の使途について議論を深めてまいりたいと考えています。
最後に農林水産業の振興についてお答えいたします。
梨の生産振興の今年度の取り組みについてのご質問ですが、梨の生産においては機械化が難しく、熟練の技術が求められるなどの課題がある中で、県では省力化や生産性の向上等について繋がるスマート農業技術の導入促進や担い手の確保に取り組んできたところです。
今年度は生産者者や専門家を交えて防除や収穫など、作業上の課題を洗い出す他、ICT機器を効果的に活用できるよう、機器の改良や枝の形状の見直しなどについて検討するとともに、選定技術などを伝承していくため、スマートグラスを活用した遠隔指導の実証事業に取り組むこととしております。
また産地の担い手の受け入れ状況等の情報を集約して、新規参入希望者と産地を繋ぐワンストップ窓口を設置することとしており、これらの取り組みにより、日本一の梨産地の維持に向けて取り組んでまいります。
全国豊かな海作り大会の招致に合わせた水産業の振興等に関するご質問ですが、本県の新鮮で豊富な水産物を安定的に供給することに加え、豊かな自然や魚介類などの地域資源を生かして県内への来訪を促すことは、本県の水産業を振興し、漁村地域の活性化を図る上で重要な取り組みだと認識をしています。
そのため県では水産業の成長産業化に向け、スマート水産技術の導入促進や流通拠点漁港の機能強化などに取り組むとともに、漁村が持つ価値や魅力を生かした海業の推進に向け、漁協食堂やダイビング施設などの整備を支援しているところです。
全国豊かな海作り大会は天皇皇后両陛下のご臨席のもと、毎年開催される注目度の高い国民的行事であり、大会招致に合わせて千葉県が誇る水産物や漁村の魅力を全国に発信することにより、本県水産業の更なる振興と、漁村地域の活性化を図ってまいります。
私からは以上でございます。
他の質問につきましては副知事および担当部局長からお答えをいたします。
–議長
副知事 穴澤幸男君。
–穴澤幸男 副知事
私からはまず防災対策についてお答えいたします。
県営水道における長時間の断水を発生させないための取り組みについてのご質問ですが、大規模な地震が起きた際に長時間の断水を発生させないためには浄水場や管路など、水道施設の強靱化を進めていくことが重要です。
そのため、県営水道では、水道施設の老朽度や重要度等を勘案して耐震化を進めており、特に管路については、東日本大震災で甚大な被害が生じた湾岸埋立地域等を優先して取り組んでいるところです。
また、長時間の停電に備え、非常用自家発電設備の強化に取り組むとともに、一時的に浄水場や送水機能が停止した場合でも、他の浄水場や給水場から水を融通できるよう管路のネットワーク化等を図っています。
今後も水道施設の耐震化やバックアップ体制の確保に計画的に取り組み、災害に強い水道を構築してまいります。
次に、県土整備部における入札情報の管理に関するご質問にお答えいたします。
今回の収賄事件に関しては、先日判決が確定したところですが、後半において県の元所長が、今回の事件に関係した業者以外の建設業者へも情報を提供を行っていたと検察から指摘された点も含め、今後、訴訟記録の確認などを更なる調査を行ってまいります。
また、事件当時、県土整備部内でのファイルのやり取りに利用していた共有フォルダーに関しては、ファイルにパスワードを設定するなどの利用ルールを定めていましたが情報管理の状況を調べたところ、このルールが十分には徹底されていなかったことが確認されたところです。
なお、現在はこの共有フォルダーを廃止し、アクセス権限を限定できる全長入る共有システムを使用しているところであり、業務に関係のない職員が、機密性の高いファイルにアクセスすることがないよう、情報管理の更なる徹底を図ってまいります。
入札制度の改革についてのご質問ですが、入札契約のあり方については、外部有識者による検討会議のもとに設置した県土整備専門部会において、現在、調査検証を行っているところです。
今月11日に開催した第3回の部会では、委員から情報漏えいのリスクがより低い入札事務のあり方を検討すべき入札方法について他の都道府県における工夫などをさらに調査すべきなどのご意見をいただいており、引き続き調査検証を進めてまいります。
また、一般共同競争入札を適用する予定価格の下限額については、令和3年度の国の調査によると、本県を含め10団体が下限額を5000万円以上としています。
次に、県職員へのカスハラ対策についてお答えいたします。 アンケート調査の結果今後の対応についてのご質問ですが、職員が安心して働ける職場環境であるためには、県民等からの著しい迷惑行為に組織として適切に対応することが重要であることから実態を把握し、対応策の参考とするため、昨年度職員に対するアンケートを実施したところです。
回答が約3300名のうち約4割が過去3年間、職場で県民等からの著しい迷惑行為を受けたと回答しており、その内容は複数回答で、長時間の拘束や同じ内容のクレームが78.9%名誉毀損侮辱ひどい暴言が51%でした。 アンケート結果を踏まえ、社会通念上相当とされる要求等に組織として毅然とした対応を行えるよう、新たに対応マニュアルを作成する他、職員の負担を軽減できるよう、他団体の取り組みも参考に対策を検討し、職員が安心して働ける職場作りに努めてまいります。
次に文書の所在不明問題についてお答えいたします。
今後の再発防止に関するご質問ですが、県の作成する行政文書は本県の施策決定のみならず、地域に関する重要な情報や個人情報等が含まれているものもあり、適切な管理が求められることから、そうした文書を含む簿冊が所在不明となることは、県民からの信頼に関わる問題であると認識しております。
県では、適切な文書管理の理解促進を図るため、職員向けの研修を実施するとともに、個々の職員に対し、文書の適正管理に関わるセルフチェックをその項目を見直しながら行ってきたところです。
今後とも、所在が不明となっている簿冊の所在確認を継続的に実施するとともに、文書や簿冊が適切に管理される仕組み作りなど更なる再発防止策についても検討してまいります。
公文書管理の条例化に関するご質問ですが、行政文書や歴史公文書など、公文書の管理が適切に行われるためにはまずは職員1人1人が、行政文書管理規則があるのを関係規程の意義や重要性を理解するよう、周知の徹底を図ることが必要であると考えております。
一方、文書の電子化の進展や、県行政を取り巻く社会環境の変化に伴い、文書管理の実施方法等が大きく変わっていく可能性もあることから、今後も国や他の自治体の動向も踏まえつつ、デジタル技術の活用や条例化の必要性も含め、適切かつ効率的な文書管理のあり方について、検討を行ってまいります。
次に交通問題についてお答えします。
日本型ライドシェアの認識に関するご質問ですが、いわゆるライドシェアについては、利用者の安全性や公平な競争条件の確保に留意する必要がありますが、運転手が不足する時間帯に運用されることから、移動手段の確保に繋がることが期待されます。
本県では今月から千葉市などでライドシェアが開始されたことから、今後利用状況等を把握するため、タクシー事業者を初め関係者との意見交換を行ってまいります。
また国では、今後運転やイベント時の突発的なニーズに対応できるよう、曜日や時間帯等を緩和することなどを検討することとしており、県としても地域の実情に応じた適切なライドシェアが実現されるよう制度の改善等を求めてまいります。
次に洋上風力発電について、名洗港の整備状況についてのご質問にお答えします。
名洗港は、銚子沖洋上風力発電事業の維持管理の拠点として活用されることから、令和4年3月に港湾計画を改定し、必要となる施設の規模や配置等について定めたところです。
これまでに洋上風力発電の作業船等を係留する修繕工事や、港内の静穏度を確保するための防波堤の延伸を行っています。
また、今年度からは銚子土木事務所に名洗港改修化を新設して、体制の強化を図り、新たに既存の防波堤の延伸にも着手するなど、令和10年9月の洋上風力発電の運転開始に合わせて必要な整備を進めてまいります。
次に、農林水産業の振興についてお答えいたします。
県産農林水産物の魅力発信についてのご質問ですが、県内各地域の多様な農林水産物の魅力を様々な方法で県内外に発信することは認知度の向上や販路の確保、ひいては少子拡大に繋がる重要な取り組みであると考えています。
県では、Webサイト教えて千葉の恵みにおいて、品目ごとの旬の時期、代表的な産地、保存方法やレシピなどの情報を積極的に発信するとともに、関係団体と連携しその時々の旬な農林水産物を県内外の量販店で販売する。
千葉県フェアを実施しているところです。
さらに、千葉県にゆかりの深い醤油を加え、多彩な県産農林水産物を堪能できる黒アヒージョといった料理を通じた魅力発信の他、サツマイモや日本梨などを千葉県の顔となる品目を核とした集中的なプロモーションを展開するなど、より一層の消費拡大を図ってまいります。
最後に、法案脱炭素化推進計画の取り組み状況についてのご質問にお答えいたします。
県では令和4年の港湾法改正を受け、令和5年3月に千葉港木更津港の港湾脱炭素化推進協議会を設立し、港湾地域でのカーボンニュートラル実現に向けた計画の策定を進めているところです。
これまでに開催した協議会では、温室効果ガスの削減目標等を示すとともに、公共埠頭における停泊船舶への電力供給設備や太陽光発電設備等の設置についての検討の他、港湾背後に立地する各企業の具体的な取り組みについてのヒアリングを実施してきました。
現在計画の素案について、国と調整しているところであり、臨海部に位置する企業等と連携した港湾地域の面的な脱炭素化の取り組みを推進していくため、早期の計画策定を目指してまいります。
以上でございます。
–議長
副知事 黒野嘉之君。
–黒野嘉之 副知事
私からまず日常生活用具給付等事業に関するご質問にお答えいたします。
日常生活用具給付等事業における給付品目や給付基準額は、事業の実施主体である市町村が、地域の実情に応じて決定しており、市町村間で差異が生じていることは認識しております。
また令和2年度の国の調査においても、一部の市町村で給付品目や給付基準額の見直しが行われていないとの指摘がなされていることから、県としても県内市町村における事業の実施状況を把握する予定です。
今後状況把握の結果を踏まえ、効果的な取り組み事例を共有するなど、市町村に助言や情報提供を行うとともに、必要な財源の確保について引き続き国に要望するなど事業の適切かつ円滑な運営の確保に努めてまいります。
次に、働きづらさを抱える人の就労支援についてお答えいたします。
就労支援モデル事業の実施状況についてのご質問ですが、モデル事業では公募により選定した事業者と、様々な支援機関が分野を超えて連携し、病気やひきこもり等により働きづらさを抱える人の個々の希望や特性を踏まえ、障害者就労支援事業所の定員の空きなどを活用した就労訓練等を行い一般就労に向けた支援を行っております。
事業開始した令和4年9月から本年3月までの主な実績は就労訓練を行った82名のうち、一般就労に繋がった方が12名、障害者手帳を取得するなどして福祉的就労に繋がった方が36名その他、引き続き支援をしている方などが34名となっております。
また、利用者からは就労に向けたハードルが低く調整しやすいこと、サポート体制が整っていることから、仕事に対する自信がつき、気持ちが前向きになる等の意見が寄せられているところです。
就労支援モデル事業の今後の活用についてのご質問ですが、県ではモデル事業の最終年度となる今年度においても、就労訓練を実施する事業所の更なる拡大を図るとともに、個々の支援ケースに対応したノウハウの蓄積を進めているところです。
一方国では障害者就労支援事業所等の定員の空きを活用して、働きづらさを抱えた人等の受け入れを促進することとしておりますが、事業所の指定や報酬請求の運用などについて詳細な基準は示されていない状況です。
県としては引き続き、国に対して運用基準の提示や、必要な財政措置について要望するとともに、モデル事業で得た支援手法等について、県内支援機関などと協議を図り、今後の活用を検討してまいります。
次に構内場所カフェの推進についてお答えいたします。
校内の居場所作りの効果や方向性についてのご質問ですが、子供の貧困や悩み等は、周囲から気づきにくいため、福祉的な支援に繋げる機会を確保できるよう県では、地域の様々な大人が関わる校内の居場所の設置運営を中核地域生活支援センターに委託するモデル事業を実施しております。
本事業は同センターと支援団体、高校等が連携して昨年度まで20校で実施しており、生徒が教員や親以外の大人と交流し、悩み等を共有することにより生徒の心理的負担の軽減や支援団体等による早期支援の実施などに繋がっております。
一方、モデル事業終了後に運営を引き継ぐ団体や、安定的な運営費の確保などの課題も把握できたことから県としては、今後も困難な状況にある生徒の居場所を安定的に確保できるよう、関係機関等と協議しながら必要な支援を行ってまいります。
次にデジタル技術等を活用した出会いの場の創出に関するご質問ですが、少子化の背景には様々な要因が複雑に絡み合っており、その一つに、若い世代における出会いの機会の減少があるものと考えております。
そのため、デジタル技術等を活用することで、気軽にコミュニケーションを図ることができる取り組みとして、今年度、仮想空間であるメタバースの中で結婚を希望する若い世代の出会いの場を創出するモデル事業を実施することとしております。
県ではこうした取り組みの効果を検証するとともに、マッチングアプリなどデジタル技術等を活用した他の取り組みについても、他自治体等の状況を見ながら研究してまいります。
次に福祉サービスの報酬請求についてお答えいたします。
福祉サービス事業所の不正請求についてのご質問ですが、健康福祉部が所管する福祉サービス事業所に対し、不正請求を原因として処分を行った例は過去5年間で4件ありました。
県では毎年、事業者を対象に、制度内容や法令遵守について周知するための説明会等を実施するとともに、健康福祉センターが定期的に行う実地指導において、サービスの提供内容等の確認を行っているところです。
また、通報等により不正が疑われる場合には、必要に応じて事業者から報告を求める他、立ち入り検査などを実施して事実確認を行った上で指導しており、これらを通じて事業所の適正な運営の確保に努めております。
次に千葉県環境研究センターと市町村との連携についてお答えいたします。
市町村への技術支援に関するご質問ですが、千葉県環境研究センターでは、県内全ての市町村を対象として、騒音、振動などの各種測定機器の取り扱いや、悪臭などの分析サンプルの採取方法等の技術研修を実施し、市町村職員の現場対応力の向上を図っております。
また市町村からの依頼に基づき、騒音の測定に関する技術指導を実施している他、地下水汚染の原因解明や浄化対策に関する技術的助言などの支援を行っております。
さらに市町村から調査や研究に関する要望を募集し、採用したテーマについてセンターが調査分析を行い、その結果を市町村にフィードバックするなど様々な支援を行っているところです。
次に、今後の市町村への支援の強化に関するご質問ですが、本年3月に策定した基本構想を踏まえ、ハードとソフトの両面からセンターの機能強化を図っていく中で、市町村に向けた支援を強化することは重要な柱の一つであると認識しております。
このため、市町村のニーズを的確に把握した上で、研修内容や苦情相談対応への助言などに反映させていくとともに、他自治体の先進的な施策や、研究機関、大学等の調査データを積極的に収集し提供するなど、市町村に対する支援の充実を図ってまいります。
また、市町村への支援を進める上では、センター職員の資質向上が不可欠であることから、他の研究機関との交流の機会を増やして知識の習得やスキルの向上を図るなど、職員の育成にも取り組んでまいります。
最後に洋上風力発電についてお答えいたします。
銚子市沖洋上風力発電の進捗状況と経済効果に関するご質問ですが、銚子市沖洋上風力発電については、発電事業者から令和10年9月の運転開始に向けてスケジュール通りに事業が進んでいると伺っており、今後は送変電設備や風車の設置工事に着手する予定です。
県では洋上風力発電の導入を県内経済の活性化に繋げていくことが重要であると考えており、風車部材の製造に係る商談会等を開催して、県内企業の受注促進に取り組んだ他、地元では風車のメンテナンスを担う会社を設立し、発電事業者等の協力を得て、人材育成等の準備を進めております。
今後は風車を活用した観光振興や保守機器製造等の関連産業の誘致の検討を進めるとともに、日本企業による風車主要部分の製造が本格的に始まる動きなども踏まえ、より多くの県内企業にサプライチェーンの新規参入を呼びかけることなどを通じて、県内全体への経済効果を高めるよう取り組んでまいります。
私からは以上でございます。
–議長
教育長 冨塚昌子君。
–冨塚昌子 教育長
初めにバスの運転手不足に伴う児童生徒への影響と県の対応についてのご質問ですが、本県では特別支援学校のスクールバスの運行委託において、バスの運転手不足が主な理由で入札の不成立や落札後の辞退契約自体が発生し、仕様を見直すなどして事業者を確保したところです。
また他県においては、バスの手配ができず、修学旅行の工程変更が必要となるなど、全国的にバスの運転手不足による教育活動への影響が懸念されています。
県教育委員会としては各学校に対し、修学旅行や校外学習を計画する際は、旅行会社等と連絡を密に取りながら、早めに立案するよう通知したところであり、バスの運転手不足が教育活動に影響することのないよう引き続き努めてまいります。
次に、性的マイノリティとされる児童生徒への配慮に関するご質問ですが、性的マイノリティとされる児童生徒への配慮に当たっては、教職員の理解を深め、児童生徒が相談しやすい環境を整えるとともに、発達段階や心情等を十分考慮し、状況に応じて柔軟に対処していくことが重要だと考えています。
学校では、性別にとらわれない服装の選択や保健室を利用した気概を認めるなど、様々な配慮を行う他、県立高校においては、大規模改修工事などで多目的トイレの設置を進めており、本年6月時点で、本校舎等128施設のうち52.3%で設置済みとなっています。
県教育委員会では今後とも、全ての児童生徒が安心して学校生活を送れるよう、多様性を尊重する環境の醸成に努めてまいります。
次に県立高校におけるコミュニティスクール活動としての校内居場所カフェに関するご質問です。
コミュニティスクールでは、学校運営に地域の声を積極的に生かし、地域と一体となって、特色ある学校作りを進めていくため、学校、保護者、地域住民等が協働して様々な活動を行っています。
一部の県立高校においては、コミュニティスクールの活動の一つとして、地域の方々と生徒との交流の場や家庭の悩みについて相談する機会等を提供するため、地元の大学やNPO等の関係団体が主体となり、校内居場所カフェを実施しています。
実施校の生徒からは、地域の方に悩みを聞いてもらえてよかった。
先生以外の大人と気軽に話す場所があると良いと思ったなどの声があることから、県教育委員会としては、今後も校内居場所カフェを始めとした特色ある取り組み事例について、県ホームページや研修会等を通じて各学校に周知してまいります。
次に教職員のメンタルヘルス対策についてのご質問ですが、教職員は児童生徒の人格形成に大きな影響を与える立場にあることから、心の健康の保持増進は、学校教育を円滑に実施する上でも極めて重要であると考えています。
県教育委員会では、メンタルヘルスへの理解を深めるため、全教職員に啓発資料を配布するとともに、年代別研修会で心の健康について取り扱う他、悩みを抱える教職員に、いち早く気づくため管理職等を対象とした研修会を実施しているところです。
今年度は、教職員自身が早期に心身の変化に気づき、改善に繋げられるよう、ストレスチェックの実施時期を例年より早めるとともに、新たに精神科医が作成したストレスへの対処等に関する動画資料を配信し、活用を促すなど予防的な取り組みの充実に努めてまいります。
次に、県立高等学校入学者選抜における特別配慮申請の運用についてのご質問ですが、千葉県公立高等学校入学者選抜において、特別配慮申請の件数は増加傾向にあり、希望する配慮の内容も多様化しております。
令和6年度選抜においても、志願者の個々の状況を丁寧に聞き取った上で、別室での受験検査時間の延長、検査問題に振り仮名を振るなどの配慮を、延べ276名に行いました。
今後とも配慮が必要な制度が確実に申請できるよう、中学校および高等学校の教員に特別配慮申請の運用方法などを周知するとともに、他県の状況を参考に申請書の見直しを行うなど、対象者に寄り添った改善を進めてまいります。
定員内不合格者を出していない都道府県の状況についてのご質問ですが、文部科学省の調査によると令和5年度高等学校入学者選抜において、定員内不合格者がいないと報告しているのは北海道、東京都、愛知県、大阪府等の9都道府県となっております。
定員内不合格者を出さない運用をすべきとのご質問ですが、入学者の決定は、調査書等の書類の審査学力検査の成績および面接等の結果を選抜の資料とし、各学校の教育を受けるに足る能力、適性等を総合的に判定し、校長が行うこととなっております。
県教育委員会では、令和6年度選抜から特に慎重に審議する必要のある受験者についてより正確かつ適切な合否判定をするため、校長が外部専門家から意見を聴取できる制度を設け、11件の利用があったところです。
今後は、この制度の活用を含め、学ぶ意欲があると判断できる受験者をすることのないよう、各種会議等で引き続き指導してまいります。
最後に、高等学校DX加速化推進事業に関する県教育委員会の取り組みについてのご質問ですが、当該事業は、国がデジタルなどの成長分野の担い手を育成するため、データサイエンスなどの発展的な科目等の導入や、ICTを活用した文理横断的な学びの強化などに取り組む学校を支援するものです。
本県の県立高校では、普通科や情報化だけでなく、農業、工業、商業等の専門学科設置校など26校が採択されたところであり、ハイスペックなICT機器の整備や大学など外部専門人材と連携した学びを計画しています。
県教育委員会では、各学校の取り組みがデジタルスキルによって課題を見いだし解決できる人材の育成に繋がるよう、採択された学校間のネットワークを構築し、相互の情報交換や先進事例の紹介を行うなど、各学校を支援してまいります。
以上でございます。
–議長
警察本部長 宮沢忠孝君。
–宮沢忠孝 警察本部長
私からは、千葉県特定金属類取り扱い業の規制に関する条例案についてお答えいたします。
外国の方に対する周知に関するご質問ですが、本条例案の規制の対象となる特定金属類取り扱い業を営む事業者には、外国籍の方がいることも考えられるため県警では、予想される言語に対応した広報チラシを活用するなどして周知を行ってまいります。
また、本条例案に基づき、許可を受ける必要のある事業者は、千葉県特定再生資源屋外保管業の規制に関する条例の規制対象と重なる場合があると考えられることから、県警としては、同条例を運用する県とも連携しつつ、効果的かつ効率的に周知を行ってまいります。
次に、許可事業者の営業状況の確認指導に関するご質問ですが、本条例案では、価格規定の実効性を確保するため、警察が特定金属類取り扱い業者に対して、立ち入り検査や報告徴収等を行うことができることとされています。
県警では、これらの規定を通じて、特定金属類取り扱い業者が適正に営業を行っているかについて、確認するとともに、必要な指導を行ってまいります。
なお、警察の指導に従わないなど悪質な事業者に対しては、行政処分や、事件化による罰則の適用を検討してまいります。
以上でございます。
質問・要望(第2回目)
–議長
網中肇君。
–網中 肇 議員
知事副知事教育長、警察本部長からご答弁をいただきましたありがとうございました。
2回目の質問に入ります。
まず防災の件です。
我が党の要望通り孤立集落の調査を実施するとともに、備蓄強化等に対応いただきました評価をさせていただきます。
引き続き市町村と連携し、孤立可能性集落対策を強化するよう要望いたします。
女性視点を入れた防災対策の県内市町村の状況は全国と比較して遅れています。
県として必要な助言等を行うよう要望いたします。
また断水の件ですが、能登半島地震では本県から復旧のために、職員とともに被災地に派遣された民間の事業者の技術やノウハウが現地で生かされたと伺っており、その知見は県として残していくべきであると考えます。
そこで伺います。
断水を迅速に復旧させていくためには、ハード面の整備だけではなく、技術を継承し、人材を育成することも重要と考えるがどうか。
県道整備部の汚職の件です。
元所長による他の業者への情報漏えいの状況を今後更なる調査を行うとのことですが、可能な限り速やかにかつ詳細に検証し必要に応じ、指名停止等の処分を実施するよう要望いたします。
また、再発防止策は二つの専門部会で検討しているとのことですが、本件において、今後2度と官製談合や補足が発生することがないよう、全国でも最も厳しい内容となるよう要望いたします。
また本県の一般競争入札とする予定価格の下限額が5000万円以上となっていますが、これについては47都道府県の中でも高い方の10団体に入っているとのことでした。
そこで伺います。
原則として一般競争入札の予定価格の下限額を5000万円未満で設定している都道府県について下限額と団体数のはどのようになっているのか、また下限額を設定していない団体の数はどのようになっているのか。
県職員に対するカスハラの件です我が党の要望通り調査を実施していただき感謝を申し上げます。約4割の職員の皆様が、カスハラと思われる被害に遭っているとのことでした。
県としても新たに対応マニュアルを策定するなど、対応を図っていただけるとのことで、県職員の皆様が安心して働ける職場作りについて更なる対応を要望します。
また同調査を実施したこと等について、県内市町村への周知も要望いたします。
文書の所在不明問題の件です。
県は、公文書管理条例の制定の必要性も含めて再発防止策を検討するとのことで一歩前進しましたが遅いのではないでしょうか。
私達会派は、平成30年から繰り返しそれら再発防止策を含めた文書管理制度さらに文書管理システムなどデジタル技術を活用した文書管理を要望するとともにそれらを裏付け、職員の意識向上に資する。
公文書管理条例の制定を要望しています。
また現在少なくとも都道府県レベルではもう既に19の団体が同条例を交付済みとなっています。
今回の不祥事を奇貨として、最も実効性のある公文書管理条例を制定するよう強く要望します。
バスの運転手不足の件です。
現時点では修学旅行や通学に影響が出ていないとのことですが、今後も影響は出ないとは言い切れません。
運転手確保は喫緊の課題であることから、ぜひ県にはバス事業者と一緒に当事者意識を持ってこの問題に取り組むよう強く要望します。
また、ライドシェアについては、県は国制度の改善を求めていくとの答弁がありました。
まだ当該サービスも始まったばかりであり、今後課題が明らかになると考えます。
冒頭で申し上げましたがライドシェアを導入することで十全なドライバーの処遇悪化が懸念されます。
また今回のライドシェア導入にあたりアプリでの予約が活用される例が取り上げられていましたが、利用者がアプリ内で重複して予約を入れ、最も先に来た車に乗ってしまい多くのキャンセルが出たという事例が多発していると伺っています。
このような課題に対して、国として県に県として国に改善要望を出すとともに、県としても対策を講じるよう要望いたします。
福祉サービスの市町村格差の件です。
県は県内市町村に対し、日常生活用具給付等事業に係る実態把握を実施するとのご答弁でした。
我が会派の要望に対応くださり感謝を申し上げます。
今年3月に厚労省が作成した資料では、都道府県に対し、市町村における事業の適切な実施に向けた対応をお願いするとあるように、この分野における県の市町村に対する積極的な対応が求められており、福祉サービスにおける地域格差解消に取り組んでいく必要があると考えます。
そこで伺います。
日常生活用具給付等事業に係る県の実態把握は、福祉サービスにおける地域格差解消の取り組みの一環で行うのか。
働きづらさを抱える人の就労支援の件です。
ひきこもりの方の数は全国約146万人、千葉県内では約7万8000人との推計があります。
県が運営する千葉県ひきこもり地域支援センターでは、昨年度716件の相談支援を行ったと聞いていますが、10代から40代までが405人と6割を占め、主な相談内容は話を聞いてほしいなどが6割を超えるとのことでした。
就労や社会復帰に繋げる相談支援の強化や交流の場の必要性を強く感じます。
そこで伺います。
千葉県ひきこもり地域支援センターにおける相談支援体制などを強化すべきと考えるがどうか。
校内居場所カフェの件です。
安定的な運営に向けて県として必要な支援を行っていくとのご答弁、大変ありがとうございます。
継続して運営していくことが大変重要ですので引き続きよろしくお願いいたします。
また地域とともにある学校を推進する上でも、この取り組みを学校現場でさらに広げていくべきと考えます。
県立学校のコミュニティスクール導入の進捗状況は6割弱と聞いています。
したがいまして、学校現場への積極的な周知広報を要望いたします。
代理受領制度の件です。
千葉市で発生したものと同様の不正が、県所管の事業所等で4件あったとのことです。
代理受理制度の問題点は不正を防止排除発見する実効的な仕組みがないこと。
このため一部の悪意のある事業者により、代理受領制度自体が不正の温床になる可能性を排除できていないことであると考えられます。
そこで伺います。
不正請求を原因とする処分が4件あったとのことだが、具体的にどのような不正請求があったのか。
環境研究センターの件です。
まず環境研究センターの機能強化と市町村との連携をさらに強めていくことを要望します。
また、世界中が環境問題に直面する中、令和2年度から千葉県気候変動適応センターが設置され、今後市町村においても同様のセンターが設立されると予想されます。
市町村と連携し、地球温暖化に適応するための広報啓発等を行いながら、温暖化に対する調査も実施するよう要望いたします。
人手不足対策の件です。
今後の人口減少局面において観光業は県内経済の牽引役と言えます。
宿泊税の人はこれまで一般財源や、国の交付金で実施してきたWi-Fiや看板等のハードウェア整備事業ではなく、ぜひ人材育成具体的にはDM法人観光地域作り法人等に従事する地域経営人材、観光業の企業経営人材、観光業の実務を担う人材の育成に資する事業を優先していただくことを要望いたします。
港湾カーボンニュートラルの件です。
港湾周辺の各企業等々、調整しながら脱炭素化推進計画の策定を進めているとのご答弁でした。
両校の脱炭素化の意義は、二酸化炭素排出量の削減という環境面の効果だけにとどまるものではありません。
世界的にカーボンニュートラルを進む中で、輸出入の拠点として選ばれるためには、脱炭素に適合した港湾としての体制の整備が不可欠になることは確実です。
環境面とともに、経済的な競争力の面からも、早期かつ具体的な港湾脱炭素化推進計画の策定を強く要望いたします。
教職員のメンタルヘルス対策の件です。
県教育委員会では、ストレス対策等の趣旨の対策を講じていることがわかりました。
しかし令和4年度に実施したストレスチェックの結果を受け、高ストレス者とされ面接指導を進められている教員が764人いたものの、実際に面接を受診したのは26人で3.4%と、受診率は低く、その原因の分析と、職場環境や働き方の改善などの対策は急務です。
また労働安全衛生法では80時間以上時間外勤務を行った教員に対して、申し出により医師との面談を実施することとされており、同法の規定を踏まえた適正な対応が、県教育委員会においてなされているのか確認する必要があります。
そこでお伺いします。
80時間以上時間外勤務を行った者に対する医師との面談の実施状況はどうか。
県立高等学校入学者選抜の件です。
まず特別配慮申請の手続きなどについて、障害を持った受験生に寄り添った改善をしていただけるとのことでしたこれはご対応に感謝を申し上げます。
配慮申請から許可まで、受験者が安心して受験できるスケジュールで対応するよう、そして中学校時代に認められていた合理的配慮は当然認められるよう強く要望いたします。
また、定員内不合格を出していない団体は9都道府県とのことでした。
千葉県教育委員会は、これらの団体と同様の対応は取らず、校長が外部専門家から意見を聴取できる制度の活用も含め、学ぶ意欲があると判断できる受験者を定員内不合格とすることのないよう指導をしていくとのことでした。
先日これらの問題について、東京都、埼玉県、神奈川県などを視察するなどして、ご担当者からお話を伺いましたが、定員内不合格は出さないという運用しているため、この専門家からの意見聴取制度も導入されていないということでした。
また本件は定員内不合格が出た場合に、事後的に県教育委員会は、当該校長からヒアリングをしているとのことですが、合否判定を出してからのヒアリングに実効性はあるのでしょうか。
埼玉県では定員内報告を出そうとする場合に、事前に当該校長は教育委員会に協議をすることとしており、埼玉県教育委員会は定員内不合格は出さないという方針を繰り返し、当該校長に説明をして理解をいただいているということでした。
こうした取り組みによって、店員が不合格が0人になっているとのことでした。
そして障害を持ったお子さんが県立高校を受験し、定員内であるにもかかわらず、不合格とされた場合、学ぶ意欲はあっても学習する機会が与えられないこととなります。
そこでお伺いします。
人口の多い順に、都道府県別の上位8団体の定員内不合格者数について都道府県名と定員内不合格者数の状況はどうか。
障害を持ちながら学ぶ意欲があるにもかかわらず、学習の場を与えられない生徒、子供について県教育委員会はどのように考えるのか。
以上で2回目の質問を終わります。
答弁(第2回目)
–議長
企業局長 三神彰君。
–三神彰 企業局長
断水を早期復旧するための人材の育成についてのご質問ですが、断水を迅速に復旧するためには、被害状況に応じた修繕方法などを的確に判断できる人材を育成することが重要です。
このため、県営水道ではこれまでもベテラン職員による漏水箇所など、現場での技術指導や管の接合等の体験型研修を行っておりますけれども、今後はさらに能登半島地震で民間事業者と連携して活動した実績につきましても、職員間でしっかりと共有してまいります。
以上でございます。
–議長
県土整備部長 池口正晃君。
–池口正晃 県土整備部長
一般競争入札の予定価格に関するご質問ですが、令和3年度の国の調査によると、一般競争入札の下限額を5000万円未満です。
徹底している都道府県のうち、1000万円超としている団体は7団体、1000万円としている団体は13団体、500万円としている団体は2団体、250万円を基準としている団体は8団体であり、下限額を設定していない団体は7団体となります。
以上でございます。
–議長
健康福祉部長 岡田慎太郎君。
–岡田慎太郎君 健康福祉部長
日常生活用具給付等事業についてのご質問ですが、日常生活用具給付等事業は障害のある方のニーズや実勢価格等を踏まえ、地域の実情に即した適切な時給付基準額等となるよう市町村においては、市町村において定期的に見直しを行うことが求められています。
県では、市町村が給付基準額等を決定する際の参考となるよう状況把握の結果を活用し、事業の適切かつ円滑な運営の確保に努めてまいります。
次に、ひきこもり地域支援センターに関するご質問ですが、県では、ひきこもり地域支援センターを設置し、コーディネーターが相談に応じ、関係機関と連携して適切な支援に繋げています。
さらに今年度は同じような悩みを持つ当事者の家族が、交流できる場をセンター内に設置したところであり、引き続き当事者の社会参加のきっかけとなる支援を進めてまいります。
次に、不正請求に関するご質問ですが、処分の原因となった不正請求の内容としては、障害福祉サービスにおいて利用実績がないにもかかわらず、給付費を請求していた事案、また専門職がいると偽って加算を請求していた事案などです。
以上でございます。
–議長
教育長 冨塚昌子君。
–冨塚昌子 教育長
まず教職員のメンタルヘルス対策に関するご質問ですが、県教育委員会が実施した教員等の出退勤実態調査では県立学校教職員で、令和5年11月に時間外在校等時間が月当たり80時間を超えたものは329名でした。
医師の面接指導は法令上本人の申し出により遅滞なく実施することとなっており、調査の翌月に当たる同年12月の実施件数は27件でした。
次に、定員内不合格者数に関するご質問ですが、文科省の調査によりますと令和4年10月現在の人口上位8都道府県の中では令和5年度入試で定員内不合格者の報告があるのは、千葉県のみで56名でした。
その他の都道府県名は東京都、神奈川県、大阪府、愛知県、埼玉県兵庫県北海道となっています。
最後に障害のある生徒の学習の場の確保に関するご質問ですが、県教育委員会では引き続き各高等学校の校長に定員を遵守するよう指導するとともに、学ぶ意欲や現時点での実力がより一層発揮できるような体制作りに努めてまいります。
またあわせて、1人1人の教育的ニーズに的確に応えられる学びの場の充実を図ってまいります。
以上でございます。
質問・要望(第3回目)
–議長
網中肇君。
–網中 肇 議員
はい、ご答弁ありがとうございました3回目の質問に入ります。
入札の件です本県の一般競争入札の下限額の高さがわかりました。
都道府県で見ると下限額1000万円以下が30団体であることがわかりました。
下限額1000万円以下が30団体です。
本件の下限額5000万円がどれだけ高額であるかご理解いただけたかと存じます。
県土整備専門部会でも本県の一般競争入札の件数が少ないことが指摘されています。
これは当然ながら、この下限額の高さと表裏一体の関係です。
入札改革においても、全国でも最も厳しい内容となるよう強く要望いたします。
福祉サービスの市町村格差の件です。
福祉には様々な分野があり、そのサービスも多岐にわたっていますが、その多くが市町村においてバラバラに運営されており、その充実度に大きな開きがあります。
今回はオストメイトへの日常生活用具給付等事業をその一例として取り上げましたが、今後はその他の福祉サービスにおける市町村格差の実態把握に努め、広域行政を担うという責務を全うし格差解消に努めていただくよう要望いたします。
働きづらさを抱える人の就労支援の件です。
ひきこもりの方やご家族に対し交流の場の設置など社会参加のきっかけとなる取り組みの支援を進めていくとのことですが、待ちの姿勢ではなく市町村との連携でアウトリーチしていく必要があると考えますその先に就労支援があります。
今回のモデル事業を通じて様々な社会資源を活用したネットワーク作りを進めていただくことを要望いたします。
代理受領制度の件です。
県においては実地指導通報に基づく監査等これまでと同様に行うのではなく、サンプル調査でもいいので利用者に対してサービス利用の事実確認を実施するなど実効性のある給付費の適正化、不正防止策を講ずるよう強く要望をいたします。
教職員のメンタルヘルス対策の件です。
労働安全衛生法に基づき、県教育委員会は80時間以上時間外勤務を行った者に対して本人の申し出により医師との面接指導を実施しなければならないとされ、県教育委員会の通知ですけれども、通知では本人の申し出がなくても医師との面接指導の対象としています。
それにもかかわらずその実施率は、先ほどご答弁いただきましたが割合でいうと8.2%と1割を切っておりまして極めて低い現状です。
千葉県教育委員会として、教職員の皆様の健康を守っていくため、教職員の勤務時間を正確に把握し、その結果以下に応じ各種労働法政等に基づく適正な対応を講ずるよう強く要望いたします。
県立高等学校入学者選抜の件です。
人口が多い8都道府県の定員内不合格者数をご答弁いただきました。
繰り返しになりますが、人口が多い順に東京都0人、神奈川県0人、大阪府0人、愛知県0人、埼玉県0人、千葉県56人、兵庫県0人、北海道0人ということです。
本県以外は0人、本県のみが56人と突出して多いことがわかりました。
一般的に人口が多い都道府県は多様性もあり財政的にも恵まれ、その恩恵を子供の教育に投資するということが可能である団体であり、さっきの本県以外の7都道府県は、実際にそのように取り組んでいます。
本件だけができない理由は導入しない合理的な理由があるのでしょうか。
またご答弁では、県教育委員会では、各高校の校長に定員を遵守するように指導しているとのことでしたが、現状を見るとその指導は受け入れられていない状況です。
国際的な状況を見ると平成27年の国連サミットにおいて規定されたSDGsの17のゴールの一つである目標4教育においては、全ての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保することが掲げられています。
また、令和4年9月、国連障害者権利委員会から、我が国が平成26年に批准した障害者権利条約の実施状況に対して、特別支援教育を分離教育と懸念し、その中心に向けてインクルーシブ教育に関する国の行動計画を採択するよう求めています。
国内の障害者関係法令の状況を見ると、平成25年6月に障害者差別解消法が制定され、障害者に対して不当な差別的取り扱いを行うことが禁止されるとともに、国や公立学校を含む地方公共団体において、合理的配慮の提供義務が課されました。
そして本県では障害者差別解消法に先立ち、平成19年に障害のある人もない人もともに暮らしやすい千葉県作り条例が施行されています。
また本年からは多様性推進条例も施行されています。
高校進学を巡る国内の状況を見ますと、戦後の新生高等学校の整備において当時の学校教育法施行規則では、原則定員内の不合格は認められていませんでした。
その後1960年代にベビーブーム世代が高校進学をする時代になると、文部省は昭和38年にいわゆる適格者主義を明示した通知を発出し、希望者全員入学を認めないようになりました。
しかし、高校進学率の飛躍的な向上を背景に、文部省は昭和59年には適格者主義の考え方を大きく転換し、高等学校教育を受けるに値する能力適性を一律のものとして捉えない。
考えない立場を明らかにしました。
平成3年の中教審の答申では、こんにちの高等学校には生徒の実態に対応し、できる限り幅広く柔軟な教育を実施することが必要となってきているとし柔軟な対応が認められました。また平成25年の高等学校学習指導要領では、義務教育段階の学び直しも高等学校教育の目標に適合するとして、いわゆる適格者主義は実質的に終焉したと解される状況になっています。
令和5年2月の閣議後の会見で当時の長岡文科大臣は、文科省としては、仮に障害のみを理由として入学を認めなかったということがあった場合には、これはあってはならないと考えていると発言されています。
そしてそもそも我が国の高等学校における教育は先進国では中等教育の好機と見なされています。
学ぶ意欲のある者には、公の責任で提供されるべきものであると考えます。
また近年の高校無償化の流れは生徒の権利として設定された受給権が定員内不合格により実際に行使できない場合、多くの問題を抱えることとなります。
また、先日、当事者の皆様からお話を伺う機会をいただきました。
あるお子さんは重度の障害を持ちながらも、中学校の定期考査では合理的配慮のもと、学年1位の成績を取ることですが、普通高校からは受け入れ前例がない、特別支援学校からは教科指導できる体制がないと入学に難色を示され、さらに入学者選抜における合理的配慮、中学校時代の配慮が認められるか不透明な状況が続きとても不安定な状況に置かれています。
またあるお子さんは知的障害を抱えながらも、小学校中学校と地域の公立学校の普通級に在籍し、学校の適切な合理的配慮により同級生とともに、支障なく学校生活を送ることができました。
本人は高校で学びたい友人を作りたいという強い意欲、希望を有していながらも受験先の校長から学ぶ意欲が足りていないなどとして、定員内でありながら不合格とされました。
同世代の仲間、友人と過ごすことができず、また通学していない15歳のお子さんに対する福祉サービス等もそれを想定していないためか全く不十分であり、ご本人は閉じこもり気味となり、精神状態も不安定となってきているとのことです。
子供は子供の中で育つとも言われます。
障害や病気の有無、性別といった違いを超えて多様な子供たちが学校に通い、ともに過ごすことで自分とは異なる個性や価値観を受け入れる心や多様性の視点が育まれるのではないでしょうか。
県教育委員会においては現状の入学者選抜のあり方を見直し、障害を持った受験生が安心して受験することができる環境作りに速やかに取り組むよう強く要望いたします。
また、障害を有していても、学ぶ意欲のある者に対して教育を受ける機会を保障するよう、お隣の東京都、埼玉県、神奈川県同様に定員内不合格を0人とするよう強く要望をいたします。
以上で会派を代表しての質問を終わります。
ご清聴どうもありがとうございました。
–議長
以上をもって本日の日程は終了しました。
明日20日は定刻より会議を開きます。
これにて散会します。