本日の県議会をいち早くお伝えいたします。
※複数人体制でチェックしてはいますが、できるだけ早く、皆様に議会での議論をお届けしたいと文字起こしをしているため、誤字などもあります。ご容赦いただき、各自、ご確認ください。
本日(2024/6/21)午前一人目の一般質問は、自由民主党の三沢智議員でした。
質問項目
- 病院局の清掃委託について
- 歴史教科書について
- 広域連携について
- 水産教育について
- 県内の周遊観光について
- 農林水産業の振興について
- 消防団について
- 館山港における地域振興について
- その他
議会質問・答弁の書き起こし全文
質問(第1回目)三沢智 議員
皆様おはようございます。自由民主党館山市選出三沢智です。
登壇の機会を与えていただきました会派の先輩、同僚の皆様に感謝を申し上げます。
本日は、傍聴に歴史教育の藤岡先生、JA安房からは笹子さん、佐野さんは初め多くの方が傍聴に来ていただきました。
ありがとうございます。
本日より一般質問が始まります。
トップバッターとして務めさせていただきます。
これから多くの県議会議員が質問に登壇します。
知事を初め執行部の皆様には、全員に明快で前向きな答弁をよろしくお願いしまして、通告に従いまして、質問をさせていただきます。
病院局の清掃委託について
初めに、病院局の清掃委託について質問します。
病院局では、昨年度、清掃業務の委託について、価格だけではなく、技術力も評価する総合評価方式を用いて、5病院まとめて一つの業者に委託する手法を導入しました。
病院の衛生面にも配慮した入札方法であったようですが、県外事業者が受託し、価格は3年前の入札時と比べて、大きく値上がりする結果となりました。
私は昨年の12月県議会で、病院の清掃委託の価格が下がらなかったことや、地域の活性化や雇用の確保という観点から、県内の事業者が、受託できなかったことについて問題提起し、5病院をまとめて入札した方法を見直すべく検討するよう強く要望したところです。
この清掃委託については、昨年12月および今年2月の健康福祉常任委員会の中でも取り上げられ、病院局から結果として、委託の価格が下がらなかったことから、見直しの検討を行う必要があるとの回答があったと聞いています。
病院局としては、県立病院の経営状況が大変厳しい中、経営改善を図るため、いろいろと考えて実施したこととは思いますが、次回の入札に当たっては、価格を抑える工夫等を県内業者を初め、多くの事業者が参画の機会を得られる競争性の確保された手法への見直しが必要ではないかと改めて強く感じています。
そこで質問します。
昨年同病院の清掃委託について、入札方法の見直しを検討するとの答弁があったが、その検討状況はどうか。
歴史教科書について
次に、歴史教科書について質問します。
小中学校では、正しい日本の歴史を教えているのでしょうか。
歴史教育は、適切に記載された教科書を使って行うべきであると考えます。
例えば3年前に内閣が従軍慰安婦という用語を用いることは、誤解を招く恐れがある。
単に慰安婦という用語を用いることが適切であるといった答弁書を閣議決定した際には、教科書会社が訂正申請を行い、従軍慰安婦などの記述の削除や表現の変更を行ったということがありました。
当時、県教育委員会では、年度途中にも関わらず、訂正のあった教科使用をしている全ての学校に対して、適切に事業を行うよう速やかに周知していただいたところですが、今後も歴史教科書の内容については注視していく必要があると思います。
改めて言うまでもなく教科書は、教育活動の中心的な教材として子供たちの教育に重要な役割を担っているものです。
公立学校においては、どの教科書を使って子供たちに教えるのか採択の権限は教育委員会にあります。
特に今年は、各地区で中学校の教科書採択が行われるということです。
そこで質問します。
令和7年度に使用される中学校歴史教科書の採択にどう取り組むのか。
広域連携について
次に、広域連携について質問します。
先日、民間の有識者による人口戦略会議によって、地方自治体の持続可能性に関する報告書が発表されました。
本県でも22の市町が、今後人口減少は深刻化する消滅可能性自治体として分類されました。
私の地元の安房地域でも、南房総市や鋸南町がリストアップされています。
10年前の報告で入っていた立山氏は今回、脱却してはいますが、数字上で消滅可能性自治体と大きな差はありません。
消滅可能性自治体だけではなく他の市町村においても、今後人口減少、少子高齢化などはますます進んでいきます。
こうした人口構造の変化は、行政サービスの持続可能性に影響を及ぼすことが懸念され、もはや全ての行政サービスを単独の市町村で維持していくことは困難であると言えます。
私の地元の館山市も、南房総市と令和2年に定住自立圏を形成し、さらには令和4年9月に館山市、南房総市定住自立圏共生ビジョンを策定し、介護人材確保に向けた共同での普及啓発や、ふるさと納税共通返礼品の企画開発など多くの分野で連携に取り組むこととしたところであります。
住民に最も身近な基礎自治体である市町村が、今後も持続可能な形で行政サービスを提供していくためには、他の市町村との公益的な連携が重要になります。
観光振興や交流人口の増加など共通の課題に対して、地域で広域的に取り組むことで、より高い効果が望めるのは、数多く存在すると考えます。
そこで質問します。
持続可能な地域を形成していくために、市町村が行う広域連携について県はどう考えるか。
水産教育について
次に、水産教育について質問します。
千葉県においては、漁業は基幹産業の一つであり、県の魅力であります。
私の地元、館山市の近海は良好な漁場に恵まれ、沿岸漁業を中心に定置網やまき網などが盛んに行われています。
また、作り育てる漁業などにより、水産物の安定的な供給の確保にも取り組まれています。
一方、本県の漁業就労者は減少傾向にあり、65歳以上の就業者が多く、高齢化が進行しています。
また、近年では、燃油の高騰や環境、海洋環境の変化など漁業を取り巻く環境に変化が生じ、漁業就業者の更なる減少が懸念されているところであり、漁業の生産規模を維持していくため、新規漁業就業者の確保育成対策を強化していくことが必要となっています。
三沢智 議員
県教育委員会においては、令和4年3月策定の県立高校改革推進プランにおいて、本県の水産業や海洋関連産業の将来を支える担い手を、育成するため、地元漁業協同組合、企業、大学、研究機関、行政機関等との連携の強化や、海洋関連産業を唱えた水産教育を推進し、海洋開発や新たな視点でのコース学びなど、幅広い水産教育の充実を図ることとしています。
館山市では、県立館山総合高校に海洋科が設置されており、他の水産系高校とともに、千葉県の漁業を支える人材の育成が期待されるところです。
そこで質問します。
漁業の担い手育成に関わる水産系高校の課題は何か、また今後どのように取り組んでいくのか。
県内の周遊観光について
次に県内の周遊観光について質問します。
我が会派の代表質問でも申し上げた通り、本県の観光需要は長期間に及んだ新型コロナウイルス感染症の影響をようやく脱しつつあり、観光庁の宿泊旅行統計調査によれば、一時は半減していた県内の宿泊客数も、令和5年にコロナ禍の9割に相当する約2万7000人まで回復してきています。
こうした需要回復の波に乗りつつ、今後、成田空港の機能強化や、京王道の全線開通などのチャンスをしっかりと生かし、観光需要の拡大を図っていくためには、新たな取り組みにも積極的にチャレンジしていく必要があると考えます。
私の地元館山市では現在、里見のまち作りと題した観光キャンペーンが展開されています。
これは、大規模災害や感染拡大の影響により、しばらく中止となっていた南総里見祭りについて再開に向けた検討は行われた結果、従来の1日限りのイベントを年間を通じて館山市を楽しんでもらうキャンペーンとして一新したもので、まさにチャレンジングな取り組みです。
城山公園でのスカイランタンの打ち上げ里見の街を巡るバスツアーやタクシーツアー、地域ならではの食を楽しみながら、歴史文化を知り、最後に温泉も満喫できるウォーキングイベントなど、市内では魅力的な企画が多数とり行われており、誘客促進に一定の効果が期待されているところです。
しかし一方、こうした単独の市町村による取り組みにはどうしても限界があります。
より高い経済効果を得るためには、県も積極的に関与して、地域を越えた取り組みを促すことで周遊を生み出し、千葉県観光の磁力を底上げしていく必要があるのではないでしょうか。
そこで2点質問します。
広域での周遊観光を促進するため、県ではどのように取り組んでいるのか。
安房地域を含めた広域的な取り組みとしては、具体的にどのようなものがあるのか。
農林水産業の振興について
次に、農林水産業の推進について質問します。
まずは海業の取り組みについてです。
私の地元である館山市は、温暖な気候と豊かな自然環境に恵まれ、年間を通じて様々な花が咲き誇る花のまちであるとともに、多くの海水浴客や釣り客が訪れる海の街でもあります。
鏡ヶ浦と呼ばれる館山湾では、毎年8月に花火大会が開催され、県内外の方々を魅了するイベントの一つとなっております。
首都圏からアクセスも良いことから、県内有数の観光地となっており、中でも四季折々に水揚げされる新鮮な魚介類を使った料理は、市を訪れる多くの観光客にとって大きな楽しみの一つとなっています。
しかしながら、市内の漁港では、水揚げ量の減少や、魚価の低迷などにより、かつての活力が失われつつあります。
そのため市では、水産物流通の拠点である船形漁港周辺の活性化を検討することとし、老朽化した荷捌き施設の建て替えを進め、新たに衛生管理機能を強化した施設が本年2月に完成したところです。
また近年は、海や漁港などを活用して、地域の賑わいを創出する海業の取り組みが注目されています。
市においても、船形立山線、通称中田バイパスの整備とあわせて、船形漁港周辺で海業を振興するための検討が始まり、本年3月に国が重点的な支援を行う地区に中田地区が選定されました。
この検討には私も参加させていただいています。
このような状況の中、県においては本年2月議会で自民党代表質問で、海業の推進に向けた構想を策定するとともに、地域の取り組みを支援していくとの答弁がありました。
そこで質問します。
船形地区における海業の取り組みに対し、県はどのように支援していくのか。
次に、高温による農作物への影響について質問します。
昨年の夏は記録的な暑さとなりましたが、千葉県の各地で6月から8月の平均気温は平年に比べ高く推移し、9月に入っても最高気温が30℃を超える真夏日が多かったところです。
このような高温に見舞われたことにより、水稲や野菜などの多くの農作物に、品質の低下や収穫量の減少といった被害がもたらされたところです。
今年においても、気象庁が5月21に発表した3月予報によると、千葉県が位置する東日本太平洋側の6月から8月までの基本は、平年より高い見込みとなっており、昨年に引き続き、農業生産の現場では、夏の高温に備えていく必要があると思われます。
私の地元の館山市では、カーネーションやストックなどの切花生産が盛んですが、植え付けの時期が夏場となるため、高温に見舞われることで、収穫に影響が出てしまうのではないかと懸念されるところです。
千葉県で生産されている農作物は、水稲野菜から夏季果樹、品目数が多く、地球温暖化に伴って、夏の暑さは年々厳しさを増している中、農業生産への高温の影響を最小限に抑えるため、それぞれの品目に対応した効果的な対策が求められます。
そこで質問します。
県として、高温による農作物への影響に対応するため、どのように取り組んでいくのか。
次に肥料価格の高騰について質問します。
肥料は昨年生産においてし、作物生産において必要不可欠な農業資材の一つでありますが、世界的な穀物需要の増加やエネルギー価格の上昇に加え、ロシアによるウクライナ侵略の影響等により、令和3年以降、肥料の価格が高騰し、農業経営に大きな影響が出ています。
これに対し、国や県による肥料価格高騰対策の支援事業は行われていたものの、令和5年度には終了したところです。
しかしながら、肥料価格は依然として高止まりをしており、引き続き農家にとって重い負担となっています。
また、世界情勢の変化により、供給が不安定となる状況も懸念されます。本県農業が将来にわたって安定的に持続していくためには、この肥料価格の高騰に対し、県として何らかの対応をする必要があると考えます。
そこで質問します。
肥料価格の高騰に対し、県はどのように対応していくのか。
消防団について
次に、消防団について質問します。
消防団は、地域密着性、動員力、即時対応力を生かし消火活動のみならず、地震や風水害等多数の動員を必要とする大規模災害時の救助、救出、避難誘導、災害防御活動など、非常に重要な役割を果たしています。
また平常時においても、住民への防火指導、火災警戒、応急手当指導等、地域に密着した活動を展開するなど、地域における消防力、防災力の向上、地域コミュニティの活性化に大きな役割を果たしており、その活動に対する住民からの期待は非常に大きなものがあります。
今年は年明け早々、震度7の能登半島地震が発生し、地元の消防団員は自らも被災者でありながら、地域のため、地震発生直後から避難の呼びかけや、倒壊家屋からの救助、避難所の運営支援などに充てられていたことも記憶に新しいと思います。
毎年のように各地で大規模な災害が起きていて、千葉県においても、首都直下地震など危惧されている中、消防団が持てる力を発揮するためには、資機材や装備品の充実は重要だと考えています。
しかし、消防団によっては、資機材の資機材を自前で用意するなど、市町村で十分な予算措置ができたいないところもあるようです。
また、災害が激甚化頻発化する中、地域防災力の要と言われる千葉県内の消防団員数は、令和5年4月1日時点で約2万3000人と、昨年より500人以上減っており、5年前に比べると2000人以上減少し、減少に歯止めがかからない状況が続いています。
特に地震や台風など大規模な災害では、様々な被害が同時に起こり、常備消防の到着にも時間がかかることから、地域住民でもある消防団の活躍が、非常に重要だと考えます。
そこで2点質問します。
消防団の資機材や装備品等の整備に対する補助の状況はどうか。
消防団への加入を促進するため、県はどのように取り組みを行っているのか。
館山港における地域振興について
次に、館山港における地域振興について質問します。
首都圏にありながら、三方を海に囲まれている特徴を持っており、海の美しさやマリンスポーツ、旅行地域ならではの食文化や伝統を有している我が千葉県においては、海の魅力を最大限に活用していくことが、今後の地域活性化を図る上で非常に重要になってきています。
そこで、昨年度立ち上げましたマリンレジャーによる観光地域振興を実現する議員連盟のメンバーたちと一緒に千葉県一部エリア水際視察クルーズと銘打ち、先月の24日、クルーザーにより田子漁港館山港など、内房エリアと対岸の神奈川県の横浜ベイサイドマリーナを視察してきました。
当日は館山港の背後市である館山市や港湾関係者ととも意見交換を行い、現状や課題などについてヒアリングを行いました。
視察を通して、内房エリアは都市部から多くのニーズがあることもわかり、館山港から多目的桟橋までのエリアでは改めて地元の海の魅力を感じることができました。
また、館山市では、海に開かれたまち作りに向け、官民でプレジャーボートの係留や、船での往来がしやすい環境作りが進められているところであり、活用の仕方によっては、観光の目玉にもなり得ると実感することができました。
そこで質問します。
館山港におけるマリンレジャーを活用した地域活性化についてどのように取り組んでいるのか。
以上で1回目の質問とします。
知事を初め執行部の皆様には、明快で前向きなご答弁をよろしくお願いします。
答弁(第1回目)
–議長
三沢智くんの質問に対する当局の答弁を求めます。
知事、熊谷俊人君。
–熊谷俊人 知事
自民党の三沢智議員のご質問にお答えいたします。
まず県内の周遊観光についてお答えいたします。
広域での周遊観光の促進についてのご質問ですが、滞在時間の長期化や宿泊による観光消費額の増加を図るためには、市町村域を超えた誘客の取り組みが重要であると考えています。
そこで県ではテーマ性のある広域的なモデルコースを観光ウェブサイトで紹介をしている他、鉄道周遊フリー切符の販売やデジタルポイントラリーの実施など周遊を促すための様々なプロモーションを展開しています。
また民間事業者等が実施する市町村域を超えた付加価値の高い観光コンテンツの開発造成などに対し、財政支援を行っているところです。
県としましては今後も市町村や民間事業者等と連携し、戦略的なプロモーションや地域資源の磨き上げなどを行っていくことにより、観光客の広域的な周遊を促し経済効果が広く波及するよう努めてまいります。
農林水産業の振興についてお答えをいたします。
農作物の高温対策についてのご質問ですが、近年の気温の上昇や猛暑により、米の品質低下、カーネーションの病気の発生や収穫時期の遅れ、なしでは晩生のニイタカの果実障害等が発生しており、被害を回避軽減するための対応が喫緊の課題となっています。
このため県では高温に備えるための技術指導マニュアルを作成し、水稲の水の管理方法や肥料の与え方、カーネーションの遮光やハウスの換気方法など品質収量を低下させない技術指導を行う他、なしでは県育成の秋美月への植え替えを支援しています。
また県が昨年度開発をした生育予測アプリ、デルタを活用し、米の品質が低下しないよう、適切な水稲の管理を促そうかカーネーションの発病を抑制する技術や効果的な遮光方法の確立などの試験研究を進め、農作物の総合的な高温対策技術の開発に取り組んでまいります。
私からは以上でございます。
他の質問につきましては担当部局長からお答えをいたします。
–議長
病院局長、山崎晋一朗君。
–山崎晋一朗 病院局長
私からは清掃の入札方法を見直しに係る検討状況についてお答えいたします。
病院局では、昨年度、県立呉病院を一括して、総合評価方式による入札を実施しましたが、人件費や物価の上昇の影響もあり、結果として前回契約に比べ、契約価格は約3割増加しました。
そこで清掃の品質を維持しながら、費用を削減できるよう、令和8年度実施予定の次回入札へ向け、発注方法の見直しを検討することとし、今年度は一括入札の見直しや総合評価における各店の割合を検討するため、他病院の入札方法や仕様等を調査いたします。
また、県内事業者を初めとした清掃事業者に、ヒアリングを実施し、多くの事業者が入札に参加できるよう検討してまいります。
今後もより多くの事業者が参加し、入札の競争性を確保することで、業務の質を維持しつつ、低廉な価格で調達できるよう努めてまいります。以上でございます。
–議長
教育長、冨塚昌子君。
–冨塚昌子 教育長
中学校歴史教科書の採択についてのご質問ですが、公立中学校の教科書採択に当たっては、法令に基づき、県教育委員会が設置した教科用図書選定審議会において、全ての教科書について調査研究を行っています。
令和7年度使用教科書については、既に審議会での調査研究が行われており、県教育委員会としては、公正かつ適正に作業が進められるよう、性質な環境の確保に努めています。
今後は審議会の意見を踏まえ、市町村立中学校については、各市町村教育委員会に指導、助言、援助を行うとともに、県立中学校については、県教育委員会会議において適切に採択してまいります。
漁業の担い手育成に向けた水産系高校の課題と取り組みについてのご質問ですが、本県の水産系高校では近年、募集定員に満たない状況が続いており、生徒募集が課題となっています。
また、卒業後の海洋関係への進学就職者は約3割いるものの、漁業就業は1割未満であり、水産業界のニーズを踏まえた教育内容の充実も課題です。
県教育委員会では、昨年度の新規漁業就業者確保育成対策検討会議の提言を踏まえ、今年度、有識者や学校関係者等から、水産系高校の教育内容の見直しなどについて意見を伺うこととしています。
具体的には、スマート水産技術の活用など、実践的授業のあり方や入学生確保の取り組み遠隔地からの生徒の受け入れ体制等について検討いただき、地域との連携による魅力ある高校作りを進めてまいります。以上でございます。
–議長
総務部長 高梨みちえ君。
–高梨みちえ 健康福祉部長
私からは、市町村の広域連携に関するご質問にお答えいたします。
市町村が複雑多様な行政課題に直面する中で、効率的で効果的な行政運営をするために、広域的に連携していくことは大変重要なことであると考えています。
広域連携の手法としては、周辺市町村間での定住自立圏形成による相互連携や、一部事務組合や事務の委託など、多様な手法があります。
県としては、各地域において最適と判断した広域的な取り組みに対してできる限りの支援をしてまいります。以上でございます。
–議長
商工労働部長 野村宗作君。
–野村宗作 商工労働部長
はい。私からは安房地域を含めた広域的な周遊観光の取り組みについてのご質問にお答えいたします。
県では観光ウェブサイトに掲載しております広域的な周遊戻りコースの中で、安房地域についても、海の魅力やグルメを満喫できるプランなどを多数紹介している他、富浦枇杷倶楽部や、本年2月にオープンしたグリーンファーム館山など、人気の道の駅を県内の道の駅マップに掲載しまして周遊を促しております。
また、房総開拓したとされております安房忌部ゆかりの神社を、館山市から勝浦市を巡る、周遊プランの開発やモニターツアーの再考を支援したところでございまして、今後はモバイルスタンプラリーも実施し、観光コンテンツとしての定着を図ることとしております。
引き続き安房地域を初め県内市町村と連携いたしまして、広域的な観光振興に取り組んでまいります。以上でございます。
–議長
農林水産部長 前田敏也君。
–前田敏也 農林水産部長
私からはまず船形地区における海業の取り組み支援についてお答えいたします。
館山市では新鮮な海の幸や、豊富な観光資源などを活用した地域活性化を目指すため、昨年12月に地元関係者や有識者等から成る海業推進協議会が設置され、これまでに直売所やレストランの整備など船形漁港を核とした取り組みが検討されているところです。
県では、海業を推進するための指針となる千葉県海業推進基本構想を年度内に策定するとともに、各地区が事業計画を策定する際に必要となる調査や専門家の派遣に要する費用などを支援することとしております。
また、館山市の協議会に参画して、先行事例の紹介や事業実施に向けた助言など、積極的な支援を行うことにより、旅行を核とした賑わい創出や、水産物の消費拡大による漁村地域の活性化を図ってまいります。
次に肥料価格の高騰についてのご質問ですが、肥料価格は、国の統計データによると、令和5年4月をピークに若干下落したものの、依然高水準にあり、農業者にとって厳しい経営環境が続いていると認識しています。
このため県では、化学肥料の使用量を抑えるため、生産者に対し土に含まれる栄養分を考慮した。
肥料の量の適正化や作物の根の周辺にのみ肥料を使用する技術を指導する他、家畜フン堆肥や緑肥など化学肥料の代替となる有機物の活用を促しているところです。
今後はこれらの取り組みを一層推進するとともに、コストの低減に向け、スマート農業など先端的な技術の活用促進を図りながら、農業経営の安定化に向けて取り組んでまいります。以上でございます。
–議長
防災管理部長 添谷進君。
–添谷進 防災危機管理部長
私からはまず、消防団に対する補助についてのご質問にお答えをいたします。
消防団の車両や装備品などの整備については、県独自の補助制度を設けており、令和5年度は消防団車両や活動拠点の整備などに対し、42団体に8119万円の補助を行ったところです。
この中で、令和4年度から3年間、機能別消防団員制度を新たに導入するなど、入団促進に積極的に取り組んだ市町村に対し、団員の活動服など装備品等の整備について補助率のかさ上げを行っています。
また、国においても、消防団が救助活動に使用するチェーンソーやジャッキ、救命ボートなどへの補助を行っており、これら国や県の財政支援制度の活用を促し、消防団の資機材の充実を図ってまいります。
次に、消防団への加入促進の取り組みについてお答えいたします。
県では、特定の活動のみに参加する機能別消防団員制度や、学生が就職活動でアピールできる学生消防団活動認証制度の導入など消防団への加入を促す取り組みを市町村に働きかけているところです。
また、令和4年度から市町村と連携し、学生の多い地域においては、若者を対象とし、女性団員の少ない地域においては、女性を主な対象として、地域の実情に応じた消防団への加入促進の取り組みを実施しています。
今後も防災イベントにおける学生や女性団員の活動紹介に加え、SNSを活用した若者向けの広報を行うなど、ターゲットを絞った入団の働きかけにより、消防団の加入促進に取り組んでまいります。以上でございます。
–議長
県土整備部長 池口正晃君。
–池口正晃 県土整備部長
私からは、館山港を活用した地域活性化への取り組みについてのご質問にお答えします。
館山港は、観光レクリエーション分野での地域振興が期待されることから、国より特定地域振興重要港湾に選定されており、県ではこれまでに、港湾施設、海岸保全施設の整備に努めてきたところです。
現在は海水浴場として利用される北条海岸の砂浜の保全を始め、クルーズ船や観光遊覧船が着岸する桟橋の一部拡幅などを行っております。
引き続き、地元市や関係者と連携しながら、マリンレジャーの環境整備を通じた地域活性化に取り組んでまいります。以上でございます。
–議長
三沢智君。
質問・要望(第2回目)
–三沢智 議員
はい。知事を初め執行部の皆様には丁寧なご答弁をいただきありがとうございました。
それでは何点か再質問と要望させていただきます。
初めに、病院局の清掃委託について要望します。
次回入札に向け、見直しを検討することとし、今年度は他病院の入札方法や仕様等を調査するとの答弁でした。
入札方法の見直しに当たっては、経費削減を図りながら、地元業者などに入札機会を提供できるような方法を検討するよう強く要望します。
次に、歴史教科書について要望します。
私は愛国心を持つ日本人が非常に少なくなっていると感じています。
その原因は今の自虐的な歴史教科書にあるのではないでしょうか、 歴史は光と影の側面があります。
良い事例、悪い事例を知ってもらうことが大事だと思います。
先の大戦は本当に日本が仕掛けた侵略戦争だったのか、植民地の解放や諸外国に植民地にされないためという側面もあったのではないか。
また、従軍慰安婦以外にも、強制連行などといった誤解を招く表現は、今なお教科書に掲載されているようです。
教育は、本当の酷寒だと思います。
どうやって日本が植民地にならなかったのか、日露戦争は、国民が一体となってどう戦ったのか、なぜ、神話を教えないのか。
こうしたことを十分に調査研究した上で、我が国と郷土を愛することができる子供を育てられるような教科書になっているか、よく検討して採択していただくことを要望します。
次に、広域連携について要望します。
県としては、各地域において最適と判断した広域的な取り組みに対し、できる限りの支援をしていくとの答弁でした。
人口減少などの社会情勢の変化の中、どの市町村も大変厳しい行政運営を行っております。
今後も市町村が行政サービスを提供していくためには、広域連携を避けて通ることはできません。
将来にわたって持続可能な地域となるように、県には積極的な支援をいただくよう要望します。
次に水産教育について要望します。
県教育委員会では今後、有識者等から、水産系高校の教育内容の見直しなどについて意見を伺い、魅力ある高校作りを進めていくとの答弁でした。
漁業の担い手育成は喫緊の課題です。
地元で活躍できる漁業人材の育成確保に向けて、スピード感を持って取り組んでいただくよう要望します。
次に周遊観光について要望します。
先ほど1回目の質問で取り上げた里見に関することですが、本年10月には、八犬伝を題材とした映画が公開予定であるという話も聞いており、今後、里見の街である館山から地域活性化の波が起きていくのではないかと大いに期待しています。
こうしたトピックもぜひ有効に活用しながら、県も地元市町や関係団体とタッグを組んで、誘客の促進に積極的に取り組んでいただくことを要望します。
次に、運用について再質問します。
船形地区における取り組みについては、漁業体験の他、情報交流拠点を兼ねた直売所やレストラン等の整備などが検討されていますが、海業を推進していくためには、地元の漁協や自治体だけでなく、意欲ある民間事業者などの参入が必要不可欠だと考えます。
そこで質問します。
民間事業者の参入に向けて、県はどのように取り組んでいくのか。
次に、肥料価格の高騰について再質問いたします。
肥料価格の高騰への対応について、化学肥料の使用量低減等に取り組むとの答弁でした。
一方で、肥料以外にも、燃料など、生産資材全体の価格が高止まりしている中、農産物の販売価格に生産コストを転嫁できていないことも、農業者の負担の増加に繋がっており、自助努力だけでは対応できない状況にあります。
これは本県にとどまらず、国全体の問題であると考えます。
そこで質問します。
生産コストが農業物価高に転嫁されるよう国に働きかけていくべきと思うかどうか。
以上で2回目の質問と要望といたします。
答弁(第2回目)
–議長
農林水産部長 前田敏也君。
–前田敏也 農林水産部長
まず海業への民間事業者の参入に関するご質問ですが、海業の推進には民間事業者が持つノウハウ等を活用することが、重要だと考えておりまして、県が策定する基本構想においても、漁業者自治体と、意欲ある民間企業が連携することにより漁村地域の賑わいや所得と雇用を生み出す仕組みについて盛り込むことを現在検討しているところでございます。
続いて、価格転嫁について農産物の価格転嫁についてのご質問でございますが、県ではこれまでも生産コストを考慮した価格形成について国に対し要望を行ってきたところでございます。
また先月、食料農業農村基本法が改正され、食料の合理的な価格形成に関する規定も盛り込まれましたことから、引き続き国に適切な対応を働きかけてまいります。以上でございます。
–議長
三沢智君。
要望(第3回目)
–三沢智 議員
それでは要望させていただきます。
農産物への価格転嫁について、国に適切な対応を働きかけていくとの答弁でした。
農業者のコストを削減の努力も限界があります。
国に対しては、農業者の置かれた厳しい状況をご理解いただき、合理的な価格形成に向けて取り組むよう強く要望していただきたいと思います。
以上で私の質問を終わります。
ありがとうございました。