本日の県議会をいち早くお伝えいたします。
本日(2024/2/29)午後一人目の一般質問は、自由民主党の宮坂奈緒議員でした。
質問項目
- 防災について
- 高齢者支援について
- 障害者支援について
- 教育問題について
- 県営水道事業について
- 浦安市における諸課題について
- その他
議会質問・答弁の書き起こし全文
【午後一人目】一般質問 宮坂奈緒議員(自民党)
–議長
休憩前に引き続き会議を開きます。
引き続き質疑並びに一般質問を行います。
通告順により、宮坂なお君。
–宮坂なお 議員
皆様こんにちは。
自由民主党浦安市選出、宮坂なおでございます。
登壇の機会をお与えくださいました、先輩同僚の議員の皆様に感謝を申し上げます。
本日は浦安市議会より、犀川市議会議員そして地元の明海大学よりインターンの学生さんも傍聴に来ていただいております。未来を担う若い人たちに、政治に希望を持っていただけるような質問をしていきたいと思っております。
それでは質問を始めます。
まず初めに、防災について。能登半島地震の一報を耳にしたとき、全国の多くの方が、今年1年健康で幸せに過ごせるようにと、未来に希望を持っていた矢先ではなかったでしょうか。
私は東日本大震災の日の液状化で地面が目の前で割れ、いたるところで泥水が噴出し、それに大切な家や車が沈んでしまったあの光景を思い出し、当時のフラッシュバックに襲われながら、どうか皆さん助かってほしいとひたすら祈るばかりでした。
お亡くなりになられた方にお悔やみを申し上げるとともに、被災されていらっしゃる方々へ心よりお見舞いを申し上げます。
昨日の議会終了後には、自民党フェーズフリー政策推進議員連盟の勉強会があり、現在の地震被害想定等について情報共有をし、南海トラフ地震や首都直下地震の発生が高い確率で想定されている中、災害から県民の生命財産を守っていく減災防災については、行政にとって1丁目1番地であること。
フェーズフリーの意識を持ち、いざというときの被害を軽減し、県民の命を守っていくことを改めて決意する機会となりました。
今定例会でも防災に関して多くの議員から質問がされておりますので、項目が重複しないように質問をしてまいります。
行政と県民が将来の災害への備えをしっかりと進めるにあたり、
私は特に被災した際に、いかに迅速かつ的確に情報を入手し行動できるための環境整備が必要だと考えております。
能登半島地震の際にも、道路の寸断や土砂災害により伝送路の復旧作業や、移動基地局の搬入ができず、通信ネットワークの迅速な復旧に努めているものの、基地局の復旧に時間がかかる状況があったようです。
このように、通信手段が途絶しても、被災者、行政、ボランティア等が切れ目なく情報の収集発信を可能とするために、県は日頃より環境整備に努める必要があります。
現在の情報発信のあり方について、必要な情報を有事の際に確実に届けるためにどのような工夫をしているのか、避難所等のWi-Fi整備状況は整っているのか気になるところです。
そこで伺います。
避難所に指定されている県有施設における災害時の通信環境の確保に向けた県の取り組みはどうか。
次に個別避難計画についてです。
これまでにも、個別避難計画の重要性、市町村が早期に計画を作成できるように、県のサポート体制の加速を求めてまいりましたが、災害弱者の逃げ遅れの予防、早期の安否確認のため改めて県の考えを伺います。
個別避難計画につきましては、近年多発する災害を踏まえ、自ら避難することが困難な高齢者や障害のある方などの要支援者が迅速かつ円滑に避難ができるよう、関係機関と連携しながら市町村が取り組んでいるものの、課題も多くスムーズに進んでいないのが現状です。
個別避難計画の進捗状況は、全部または一部策定済みの団体が54市町村中41団体となっておりますが、個別避難計画を作成後に実際に活用するための取り組みをどのように進めているのか確認したいと思います。
そこで伺います。
各市町村に対し、個別避難計画の作成やこれに基づく実効性のある取り組みを促すべきと考えるがどうか。
次に、災害救助犬の訓練環境の確保に向けた県の取り組みについてでございます。
近年の災害で人命救助等に活躍している災害救助犬は、地震や土砂崩れ等の災害で倒壊家屋や土砂等に埋もれた人を、その嗅覚によって迅速に見つけ、その救助を助けるように訓練された犬のことで、阪神淡路大震災から注目がされ、以降その必要性が認識されてきました。
9都県市合同防災訓練におきましても、NPO法人日本救助犬協会等が日ごろの練習の成果を救出救助訓練という項目の中で披露し、能登半島地震においても出動し、現地で被災、行方不明者の捜索にあたったとのことでした。
この議場でも以前より、災害救助犬の必要性について取り上げられており、平成27年の防災危機管理部長のご答弁では、東日本大震災などの災害において、労働事例があり行方不明者の捜索に効果が期待できるものと考えていて、県では災害救助犬に関する県民の理解の場を提供するとともに、災害救助犬に関する県民の認知度を高めるための支援を行っていき、更なる支援のあり方については検討してまいりたいとのご答弁を議事録で確認いたしました。
そこでその活動をどのように支援していくのか改めて確認するため質問をいたします。
大規模災害時において、災害救助犬による支援活動は効果的と考えるが、県の認識と取り組みはどうか。
次に千葉県と、公益社団法人千葉県獣医師会は昨年災害時における動物救護活動に関する協定書を交わし、災害時の対応強化を図ろうとしています。
実際に被災地となった場合には、ペットの同行避難がスムーズに行うことができるのか。
迷子になったペットを減らすためのマイクロチップ装着は進んでいるのかと課題は山積しており、災害発生時におきまして、被災地における動物救護活動を実施し、被災動物やその飼育者に対して必要な支援を行うことは、ペット人口が増える中で重要なことです。
そこで伺います。
災害時のペット救護体制についてどのように取り組んでいるのか。
続きまして高齢者支援についてです。
高齢者のデジタルデバイド、すなわち情報格差を解消するための県の取り組みについてです。
この日曜日、浦安市災害ボランティアセンター移行運営訓練に参加をしてまいりました。
今年度の訓練では、新たにボランティアの登録から活動終了までをデジタル化し、紙では成し遂げることのできない円滑さや正確さを体感し、運営側の負担軽減にも繋がる、防災DXの可能性を感じてまいりました。
一方で参加者の中には、QRコードの使い方がわからない、使える環境にない方もおり、そもそものアプリダウンロードができずに戸惑っていた方もいらっしゃいました。
千葉県では昨年DX推進戦略を策定し、暮らしや産業行政など幅広い分野において、DXを推進し、心豊かに暮らせる社会や活力ある地域社会の実現を目指す方針が示されております。
DXが広く、県庁や県民に普及され、行政手続きのオンライン化や、自治体情報システムの標準化への対応など、デジタル技術の活用による市民の利便性向上と業務の効率化となることは、確かに心豊かに暮らせる社会や活力のある地域社会と繋がっていくと思いますが、IT機器を使えない方々との乖離について懸念をしており、市町村と連携して高齢者の方を初め、取り残さないDX推進をどのように進めていくのか確認をいたします。
そこで伺います。
県は、高齢者のデジタルデバイドを解消するためにどのように取り組んでいるのか。
次にヒアリングフレイル予防のための県の取り組みについてです。
ヒアリングフレイルとは、聴覚機能の衰えのことですが、聴覚の機能が低下することによって生じるコミュニケーションの問題は、コロナ禍での外出自粛の際には、人との関わりが減り、耳の聞こえの問題に傷つきにくくなっていると言われており、会話に消極的になったり、活動範囲が狭まったりすることがコミュニケーション不足に繋がり、認知症やうつ状態のリスクが高まると言われております。
ヒアリングフレイル予防の専門家を呼んで講習会を開催したりと、認知症予防や健康増進のための策を講じる市町村も増加傾向にあり、さらには補聴器の購入の際の補助は県内で4市が導入しており、東京都では補助を行っている区に対して補助を行っている中で、千葉県としても補助を行う市町村を支援していく必要があると考えます。
そこで伺います。
補聴器購入補助を行う市町村に対する支援について、県の考え方はどうか。
次に障害者支援についてです。
今年の4月1日より、障害のある方への合理的配慮の提供が、事業者への義務となります。
合理的配慮の提供に当たっては、事業者と障害のある方との両者が対話を重ね、一緒に解決策を検討していくことが重要であり、合理的配慮とは具体的にどのようなことを指すのか、障害のある方に退避する際、対応する際、事業者はどのような点に注意するべきなのか等の周知を徹底し、建設的対話を推進するための工夫を取り入れていく必要があると考えます。
私は千葉県障害のある人の相談に関する調整委員会の委員として会議に参加させていただいておりますが、先日の会議の中でも、精神障害の方は、他の障害と比べて見た目からは困難を抱えていることがわかりづらい傾向にあり、誤解を招いてしまうケースも少なくないとの意見もありました。
そこで伺います。
事業者による合理的配慮の提供が義務化となる中で、障害者差別に関する相談に、県はどのように対応をしていくのか。
次に教育問題についてです。
医療的ケア児の通学手段についてです、浦安市の障害のある児童生徒は現在、浦安市立の小・中学校の他に、市外の市川特別支援学校、船橋特別支援学校、および船橋夏見特別支援学校に通学し、多くの児童生徒がスクールバスを利用しておりますが、特に医療的ケアが必要な児童生徒は看護師等の付き添いがないことから、スクールバスを利用することができず、多くの家庭では保護者が送迎をしている現状があり、これまでにも一般質問等でその必要性を訴えてまいりました。
この医療的ケア児のバスの利用については全国的にも課題となっており、子供の平等な教育の機会を守るためにも、医療的ケア児の通学支援が求められております。
来年度予算において、医療的ケア児の通学支援事業が計上されておりますが、保護者の方々は実際にどんな方法で支援が受けられるのか大変気になっているところだと思います。
そこで伺います。
医療的ケア児の通学に関わる保護者支援モデル事業では、どのような方法で、保護者の負担を軽減していくのか。
次に、特別支援学校の設置についてです。
浦安市立明海南小学校を活用した新設校については、知的障害および肢体不自由の小中学生の生徒100人規模で、令和9年度をめどに設置を予定しております。
第3次県立特別支援学校整備計画に基づき、特別支援学校の設置に向けて整備を進めていることと思いますが、この新設校を設置することにより、葛南地域の特別支援学校の過密化の解消、浦安市周辺から通学する児童生徒の通学時間の短縮が図られ、期待も大きいところです。
新設校開校後の学校環境や、学習環境がイメージしづらいなどのことにより、これまで複数回地域住民や保護者等へ説明会を行っていると伺っております。
新設校におきましても、隣接する小中学校においても、障害の有無に関わらず、子供たちには最大限学び、成長できる環境を提供してあげたいと考えます。
また、特別支援学校と地元公立小・中学校との隣接は今までにない取り組みになると思われ、共生社会の形成を目指したモデルになると期待されます。
そこで伺います。
浦安市に整備する特別支援学校の進捗はどうか、また保護者や地域に対してどのように説明を行っていくのか。
次に経営水道事業について伺います。
千葉県営水道は約300万人の県民に水を供給する事業体ですが、昭和40年代から50年代にかけて集中的に建設された浄水給水場等の施設の老朽化が急速に進み、計画的な更新整備が課題となっております。
その一方で、昨今の資材価格や電気料金の物価高騰の影響や、今後人口減少社会を迎える中で、給水収益の減少が予想されております。
このように県営水道を取り巻く経営環境はますます厳しくなる中、県民生活を支えるインフラ事業者として、健全な経営を維持しながら、安定給水の確保に努める重大な責務が求められていると考えております。
そこで伺います。
県営水道事業における令和6年度当初予算案の状況はどうか。
また今後の見通しと対応についてはどうか。
次に、県営水道のお客様サービスの向上の取り組みについて伺います。
先日は地元の社会福祉協議会の研修会にて、安全美味しい水プロジェクトの取り組みの一つでもあります。
安全で美味しい水道水を知っていただくため、給水区域内の小学校や自治会などを対象として行っている水道出前講座の依頼があり、参加者の方からは毎日口にする水道水がどこから来て、どんな努力をして安定供給をしてくれているのかが理解できたとの声をいただき、県営水道をより身近に感じていただくことができました。
県営水道では、千葉県営水道、ICT等を活用したお客様サービス業務改善方針に基づき、令和4年度には水道料金等のクレジットカード払いの導入を、今年度にはウェブ口座振替受付を開始するなど、利便性向上の取り組みが行われてきました。
先ほど、県営水道の経営環境は非常に厳しいのではとの指摘をいたしましたが、このような中でも利便性の向上のため、サービス改善を図っていくことは非常に重要なことであると考えます。
そこで伺います。
令和6年度におけるICTを活用したお客様サービス向上のための取り組みはどうか。
続きまして、浦安市の諸課題についてです。
まず、旧江戸川河口部の浚渫工事についてです。
杜鵑峡を流れる旧江戸川沿いでは、市川市の常夜灯公園や、広尾防災公園に千葉県地域防災計画に定める緊急用船着場が設置されており、浦安市においても、堀江ドックの護岸改修とあわせ、緊急時の船着場の整備を検討しているとの話を聞いております。
三方水に囲まれている浦安市は緊急輸送ネットワークの一つとして、物資の輸送やけが人の搬送等での船舶の活用が期待されます。
また屋形船や釣り船などの遊漁船業は、浦安市における主要産業であり、多くの遊漁船が日常的に旧江戸川を航行している中、その河口部は上流からの土砂の流れ込みによって浅くなり、干潮時には船舶の運航が困難となっております。
議長の許可をいただきまして資料を配付させていただきましたので、1枚目の写真をご覧ください。
2021年には、旧江戸川河口部にあたる東京ディズニーランド西側の東京湾で民間のプレジャーボートが座礁し、緊急通報を受けた海上保安庁や東京消防庁が出動して、子供4人を含む11人が救助される事故が発生しており、旧江戸川の河口付近は上流から流れる土砂が堆積して航路を読み取ることができないと、満潮でも座礁してしまう箇所がいくつかあると、東京海上保安部でも危険なエリアが点在しているということを注意喚起をしております。
また2022年5月には船が浅瀬に乗り上げたと、東京海上保安部に118番通報があり、旧江戸川から船橋に向かっていた小型のタンカーが座礁し潮が満ちたら自力で移動するということでけが人はなかったものの、これまでにもこのような小型船が座礁する水難事故やタンカーが座礁する事案が発生しており、県として安全性の面からも、早急に対策を考える必要があると思います。
令和3年には内田市長より、熊谷知事への単独要望書、さらには令和4年千葉県市長会千葉県当初予算編成に対する要望回答と、これまでにも県に対し浚渫工事の実施を求める要望がされております。
この問題については、私は千葉県地域防災計画における旧江戸川の緊急輸送機能は県の責任において確保するべきと考えますが、要望等に対する県の考え方は浚渫を必要とする事業者自らの責任において行うものとの回答が続いております。
この件の回答は、屋形船の事業者自らに浚渫工事を担わせるという無理難題を押し付けているとしか思えません。当該地域におきまして、潮汐に左右されず運行が可能となることは、確かに地域資源を活用した観光振興にも寄与するかもしれませんが、その屋形船が堆積土砂で座礁し、そのタイミングでもし災害が発生したとき、県は緊急輸送をどのようにするのでしょうか。
指摘されてきたことの解決をしないまま、災害が発生したときの対応に影響が出る。これは令和元年の房総半島台風以降、県が一番見直しを進めてきたことではなかったでしょうか。
旧江戸川河口については、江戸川からの土砂の堆積が著しく、度々大型船が座礁しており、この問題は緊急時における防災機能の確保の問題であり、事業者だけの問題に留まるものでないことは明確です。
そのため県の責任において浚渫工事を行うべきであると考えていますが、まずはとにかく現状の県の姿勢を改めていただき、それらを解決するための取り組みを進めていきたいと考えております。
そこで伺います。
旧江戸川河口部について、地元市と浚渫に向けた話し合いを進めてほしいと思うがどうか。
続きまして、見明川河口部の海岸高潮対策の取り組み状況について伺います。
浦安市を流れる見明川河口部は、県企業庁が埋め立て造成し、鉄鋼団地協同組合に引き渡したもので、企業が船からの値上げを行う企業岸壁が整備されているため、海岸保全区域ラインが当該企業の敷地の外周道路に設定されております。
この埋め立て地域は、昭和50年代頃から全域での地盤沈下の影響により防護高さが不足したことから、県では過去に暫定措置として、企業用地の海側を無償借地し、暫定護岸を整備しましたが、その後もさらに地盤沈下は進み、東日本大震災の液状化等で道路高が防潮堤計画の一番高い部分である天端高を満たしておりません。
配布資料2枚目をご覧ください。
鉄鋼団地協同組合は、現在約220の会社が所属をしており、日本一の鉄の流通基地と称されておりますが、地図のように隣接して住宅街も広がっており、見明川周辺住民の皆様からは、高潮等による浸水被害を大変心配する不安の声をいただいております。2019年の台風19号の際には水面が天端まで迫っており、地図の赤い部分の伝平橋から黄色い部分工団地方面の写真となりますが、この伝平橋の後ろは住宅街です。
高潮による浸水から市民を守るため、県の責任において、県が主体となって企業と調整し、天端高の確保をするようにと、最近では1月29日に京王広域行政連絡協議会にて海岸保全施設としての機能を確保するように、質問要望が繰り返されてきました。浦安の大きな課題の一つでもあります。
そこで伺います。三宅川河口部の海岸高潮対策の取り組み状況はどうか。
以上で1回目とさせていただきますご答弁よろしくお願いいたします。
–議長
宮坂なお君の質問に対する当局の答弁を求めます。知事 熊谷俊人君。。
–熊谷俊人 知事
自民党の宮坂なお議員のご質問にお答えをいたします。
まず防災についてお答えいたします。
個別避難計画の作成に関するご質問ですが、個別避難計画は障害者高齢者など避難の際に支援が必要な方の避難先や避難行動を支援する人などを事前に定めるもので、迅速かつ円滑な避難のために重要です。
県では市町村における計画作成が進むよう、研修会の開催や作成経費に対する助成に加えて、避難に支援が必要な方の状況をよく知る福祉関係者の協力を得るため、関係団体と調整するなどの取り組みを進めているところです。
また福祉関係者と連携した計画の作成方法や、作成した計画に沿った避難訓練の実施事例などの先進的な取り組み事例について、市町村に広く紹介するなど、引き続き市町村における実効性のある取り組みの実施を促してまいります。
次に障害者差別に関する相談対応についてのご質問にお答えをいたします。
障害を理由とした差別の解消に当たっては、障害のある人からの相談に対応し、障害のある人とない人の相互理解を促し、対話による解決を図る体制の整備が重要です。
県は広域専門指導員を障害保健福祉圏域ごとに配置し、市町村等と連携して相談に対応するとともに、解決が困難な事案については、障害当事者や専門的知識を有する者等で構成される千葉県障害のある人の相談に関する調整委員会に、助言あっせんを求め解決にあたっています。
障害のある人からの相談は、事業者による合理的配慮の提供の義務化に伴い増加が見込まれ、複雑多様化してきていることから、広域専門指導員や市町村担当者等への研修の充実を図るとともに、市町村障害者差別解消支援地域協議会と、広域専門指導員との連携を深め、より地域に根ざした相談体制の強化を図ってまいります。
私からは以上でございます。他の質問につきましては担当部局長からお答えをいたします。
–議長
防災危機管理部長 添谷進君。
–添谷進 防災危機管理部長
私からは避難所に指定されている県有施設の通信環境についてお答えをいたします。
災害時に被災者が正確な情報を入手することができるよう、避難所において携帯電話などを使用するための通信環境の確保が重要です。
このため市町村が県有施設を避難所として利用する際は、必要に応じて市町村と施設管理者との間で通信環境を含めた避難環境の整備についても調整を行うこととしています。
また、通信環境に支障が生じた場合は事業者に対し、移動基地局の配備や災害時の公衆Wi-Fiの提供について、速やかに要請するなど県有施設も含めた避難所、通信環境の確保に努めてまいります。
次に、災害救助犬による救助活動についてのご質問ですが、災害救助犬については、これまで大規模地震などの災害において活動事例があり、建物の崩壊や土砂崩れなどによる行方不明者の捜索に効果が期待できるものと認識をしております。このため、県が毎年実施している9都県市合同防災訓練において、災害救助犬の活動を行う団体が、自衛隊などと連携した救出訓練を実施するとともに、訓練会場内に災害救助犬の活動をPRする場を設けているところです。
今後も災害救助犬団体と関係機関が連携した訓練の実施や災害救助犬の活動を県民に知っていただく機会の提供などに努めてまいります。以上でございます。
–議長
保健医療担当部長 鈴木貴士君。
–鈴木貴士 保健医療担当部長
私からは、災害時のペット救護体制についてお答えいたします。
大規模災害が発生した場合、県は協定を締結している千葉県獣医師会の協力を得て保護した負傷動物の治療を行うこととしています。
また、避難所を運営する市町村に対し、飼い主と避難しているペットについて、治療や健康観察が円滑に行われるよう地域獣医師会など関係団体との協定締結についての検討を働きかけています。
今後も市町村の担当者が参加する会議等において、関係団体との連携の重要性を周知するなど、円滑なペット救護体制が取れるよう取り組んでまいります。以上でございます。
–議長
デジタル改革推進局長 板倉由妃子君。
–板倉由妃子 デジタル改革推進局長
私からは高齢者支援について、デジタルデバイドの解消に関すご質問にお答えいたします。
社会のデジタル化を進める上では、高齢者などデジタル機器に不慣れな方への支援を進め、誰もがその恩恵を享受できる環境を整備していくことも必要と考えています。
そのため県では、住民に身近な市町村に対し、公民館等においてスマホ操作やオンライン手続きについて学ぶ講習会などを実施するよう働きかけてきたところであり、これまで48の市町村において、携帯ショップや老人クラブと連携した講習会など様々な取り組みが実施されているところです。
今後とも、市町村における取り組み状況を把握するとともに、効果的な事例の共有など、市町村への継続的な働きかけを行い、誰もがデジタルの利便性を実感できる社会の実現を目指して取り組んでまいります。
以上でございます。
–議長
健康福祉部長 高梨みちえ君。
–高梨みちえ 健康福祉部長
私からは、補聴器購入補助を行う市町村への支援についてお答えいたします。
難聴は認知症の危険因子の一つであると認識していますが、補聴器の装着の有無による認知症発症率の差については、国立長寿医療研究センターにおいて研究が継続中であると聞いています。
また、補聴器の購入費用については年齢に関わらず難聴の程度により、障害者総合支援法に基づく支援の対象となりますが、高齢者を対象として助成を実施している団体は一部にとどまっています。
県としてはこうした状況を踏まえ、引き続き情報収集に努めてまいります。以上でございます。
–議長
教育長 冨塚昌子君。
–冨塚昌子 教育長
始めに医療的ケア児の通学支援事業についてのご質問にお答えいたします。
本事業は、県立特別支援学校に通う医療的ケア児の保護者が行う送迎の負担を軽減するため、新たな通学支援体制を構築し、松戸特別支援学校など5校においてモデル事業として検証を行うものです。
具体的には、家庭や仕事の都合で保護者による送迎が困難な場合に、看護師等が福祉タクシー等に同乗して送迎を行い、これらにかかる費用は県が負担することとしています。実施にあたっては、保護者や事業者等の関係者に対し、文書や説明動画によりわかりやすく事業を説明し、安全で円滑な事業の実施に努めてまいります。
次に、浦安市に新設する特別支援学校についてのご質問ですが、浦安市立明海南小学校が活用した新設校の整備については、現在基本設計を行っており、来年度は実施設計に着手する予定です。
これまで関係する特別支援学校の保護者への説明に続き、明海地区の小・中学校の保護者や周辺住民の方々に対しても、新設校の概要や整備のスケジュール特別支援学校の学習や生活の様子について具体的な説明を重ねてきたところです。
今後も、浦安市と十分に連携し、保護者や地域の方々に対して、進捗状況に応じた丁寧な説明を行いながら、地域において魅力ある学校となるよう開校に向けて準備を進めてまいります。
以上でございます。
–議長
企業局長 吉野美砂子君。
–吉野美砂子 企業局長
私から、県営水道事業についてのご質問にお答えします。
令和6年度当初予算案における収益的収支については、新型コロナウイルス感染症の5類移行後、給水収益が回復傾向にあるものの減価償却費や修繕費などの支出が増加するため、純利益は前年度に比べ約1億円減の約2億6000万円となる見込みです。
次に、資本的収支については、厳しい経営状況の中においても、強靭な水道の構築に向け、管路の耐震化や停電対策などを積極的に進めるため、企業債の発行額を369億円とし、前年度と比べ119億円増額して対応することとしています。
今後は更新工事等に伴う減価償却費や企業債償還費の増加等により、経営状況が一層厳しくなると予想しており、現在実施中の施設の老朽度や水需要予測の調査を踏まえ、令和7年度中に策定する次期中期経営計画において、事業の精査や収入確保策の検討を行ってまいります。
次に、ICTを活用したお客様サービスの向上に関するご質問ですが、県営水道では令和7年度にお客様の利便性向上に資する各種サービスを導入する予定であり、令和6年度からこのためのシステム開発を進めていくこととしています。
具体的には、スマートフォンなどからいつでも手軽に水道料金等の確認や水道の使用開始、中止等の各種手続きの申し込みができる、お客様専用ページの開設と、お客様が入力した質問に自動で回答するチャットボットを導入することとしています。
さらに、県水お客様センターでの電話応対業務の品質向上のため、オペレーターがお客様の問い合わせに的確かつ迅速に応えられるよう、よくある質問と回答を整理したFAQシステムを導入するなどICTを活用したサービスの向上にしっかりと取り組んでまいります。
以上でございます。
–議長
県土整備部長 池口正晃君。
–池口正晃 県土整備部長
私からはまず、旧江戸川河口部における浚渫についてのご質問にお答えします。
旧江戸川河口部は、法律により維持管理が求められていない一般海域であり、本会議での浚渫等を行う場合には国有財産法に基づき県が許可をすることとしています。
県では、本海域での浚渫は必要とする事業者自らが行うものと考えており、市が一般海域で航路浚渫等を行った事例前に許可した事例もあることから、今後地元市からご相談があれば対応してまいります。
次に、見明川河口部の海岸高潮対策についてのご質問ですが、見明川河口部周辺の海岸堤防は、この地域の埋め立て造成時に整備され、堤防の店舗は道路として利用されていますが、地盤沈下によって堤防高が計画より低くなっています今後、堤防計画高まで確保する必要がありますが、沿道には工場が密集しており、道路を嵩上げすることは困難であることから、県では地元浦安市と連携し、関係団体の意見を聞きつつ、実現可能な高潮対策について検討を進めているところです。
引き続き、高潮対策の実現に向け取り組んでまいります。
以上でございます。
–議長
宮坂なお君。
–宮坂なお 議員
ご答弁ありがとうございます。
順次要望と再質問をさせていただきます。
防災についてのうち、災害時の通信環境確保について要望です。
県内の2211ヶ所の避難所のうち1940ヶ所で防災行政無線、衛星電話などの通信設備の確保をしているとのことでしたが、実際の有事の際にトラブルがなく機能するようにメンテナンスを定期的に行うことと、未整備の県有施設等の避難所に対して、通信環境の確保を行っていただくように要望といたします。
続きまして個別避難計画のデジタル化推進に対する県の考えを再質問いたします。
今年にもNECが市町村向けに、高齢者らの災害時避難計画について、デジタル化するシステムを提供するという記事を拝見いたしました。
個別避難計画は、多くの市町村が、町内会などを通じて情報を集め紙で管理してきましたが、デジタル化を通じ安否情報を即時に共有することで、被災地の逃げ遅れ解消にも繋げることを考慮するとのことです。
そこで伺います。
個別避難計画のデジタル化に向けた県の取り組みはどうか。
続きまして救助犬についてです。
これまで浦安市において訓練場の提供を行っておりましたけれども、公園の整備に当たり、その練習場所がなくなってしまい被災地で活躍している犬たちの活動の場所がないというご相談もいただいております。
県としては活動を認識しているということでしたので、災害救助犬の力が有事の際に発揮できるよう、訓練活動への支援を必要としている団体の声をしっかりと聞いていただくことを要望といたします。
高齢者のデジタルデバイドについて要望です。
48の市町村、割合ですと県内の88.8%というふうになりますが、その市町村で何かしらの取り組みが実施されているとのことで、これは数字だけを見ますと一見デジタル活用支援が進んでいるようにも見えますが、実際高齢者等のデジタルデバイド当事者の意識は比例していないのではないかと考え、さらに市区町村への働きかけと連携を行い、取り残されないDXの推進を改めて要望とさせていただきます。
医療的ケア児の通学についてです。
医療的ケア児の通学に関わる保護者支援モデル事業への保護者の方の関心は高く、通学支援が一歩進んだことの喜びと同時に不安もあるようです。
引き続き丁寧な説明と、保護者負担の軽減に向けて取り組むようにお願いいたします。
特別支援学校の設置についてです。
引き続き浦安市や関係者と連携をして、小学部および中学部において、当初の予定通り令和9年度の開校に向け着実に計画を進めていただくということと、中学校卒業した生徒がより身近な場所で教育的ニーズに対応した指導や支援を受けられるよう、高等部を設置するよう強く要望とさせていただきます。
続きまして県営水道事業についてです。
水道事業の運営全般に対して、県民の理解や信頼を得るためには、ニーズを踏まえた上で、ICTを活用しサービスを向上させていくことが重要だと考えます。
先日、水道料金のクレジット払いを利用されている方から、10万円を超える支払いになるとクレジット払いができないという相談をいただきました。
確認したところ、手数料の問題もあり、本県では高額の場合はクレジット払いができないことになっておりましたが、実際にこの10万円を超える支払いの方というのも確認をしたところ、一定数いらっしゃいますので高額の支払いの方こそ、利便性の恩恵を受けられるようにするべきではないかと考えます。
変えられることはどんどん進化させながら引き続き積極的にICTを活用し、満足度の向上に努められるよう要望といたします。
続きまして旧江戸川河口部の浚渫工事についてです。
今回地元市から相談があれば対応をしていくというご答弁でした。
現状ですと浚渫必要な事業者自らが行うというこの県の主張と旧江戸川の緊急輸送機能を県の責任において確保するべきという浦安市の主張はずっと平行線となっており、本日も同じ答弁をいただいておりますけれども、困っている屋形船を初め、事業者の存在があるということと、また緊急輸送ネットワークの確保ということを主眼に置いていただいて、まずは県と市で対話をしていただくように、解決に向けて進めていただくよう要望といたします。
これはまた繰り返し繰り返しこの議場で取り上げていきたいと思います。
いい答弁が出るまで取り上げていきたいと思います。
地盤沈下の影響による高さの不足に対しまして、現在浦安市と連携し、高潮対策を進めようとしているということでしたけれども安全が確保されるまで住民の不安は計り知れないものがあります。
現状の進行において何が困難となっているのか、今後どのように高潮対策を進めようとしているのか、住民等の関係者に説明をしていく必要があるのではないでしょうか。
交渉努力をしてくださっていることを承知しておりますけれども、水面下で進めるだけではなくて、県が主体となって関係者を巻き込んだ説明会の開催も含み、高潮対策を行って安全の確保を行うように要望とさせていただいて2回目といたします。
–議長
防災危機管理部長 添谷進君。
–添谷進 防災危機管理部長
個別避難計画のデジタル化についてお答えをいたします。
避難の際に支援を要する方のデータを一元管理するなど、個別避難計画のデジタル化は、効率的な計画の作成あるいは活用に資するものであるというふうに考えております。
このため県の地域防災力充実強化補助金におきまして財政支援を行うなど、引き続き市町村の取り組みを支援をしてまいります。
以上です。
–議長
宮坂なお君。
–宮坂なお 議員
はい、ありがとうございました。
各市町村でも重要性を理解し作成に向けて奮闘されているということは理解しておりまして、その中でも難航していることは、多岐にわたる関係団体との調整ではないかと思います。
デジタル化が進めば、民生委員や町内会役員らが情報を聞き取って紙に記入しデジタル化することで、要支援者を円滑に避難誘導できる利点もありますし、改正災害対策基本法で個別避難計画を整えるように努力義務が市町村に課せられているわけですから、ぜひとも県内のDXと連動させながら、市町村の後押しをお願いいたします。
また地域ごとの実情に沿ってのサポートをお願いいたします。
質問を終わります。ありがとうございます。