本日の県議会をいち早くお伝えいたします。
本日(2024/2/29)午後二人目の一般質問は、自由民主党の川名康介議員でした。
質問項目
- 災害対策について
- 災害への備えについて
- 過疎対策について
- 道路ネットワークについて
- 観光振興について
- 新規漁業就業者対策について
- 有害鳥獣対策について
- 中小企業のDX推進支援について
- その他
議会質問・答弁の書き起こし全文
【午後二人目】一般質問 川名康介議員(自民党)
–議長
次に、川名康介君。
–川名康介 議員
皆様こんにちは。
鴨川市南房総市安房郡選出、自由民主党川名康介でございます。
登壇の機会をいただきましたこと、会派の先輩、同僚議員の皆様方に感謝申し上げます。
今定例会の一般質問も最後となりました。
コロナは収束しつつも、各地で災害が発生しており引き続き行政には、県民に寄り添った対応が求められています。また本日冒頭、知事の発言にあったように、職員の収賄容疑での逮捕という県庁のガバナンスと、職員のコンプライアンスという課題も大きくなっています。
我が党の代表質問でも質問要望しておりますが、しっかりと事実の解明、検証、再発防止へと気を引き締めて取り組んでいただきたいと思います。
それでは、質問に入ります。
知事初め執行部の皆様には、県民に寄り添った中で、明快なご答弁をいただけますようよろしくお願い申し上げ、通告に従い質問してまいります。
まず、災害対策について質問します。
今年度も全国各地で様々な災害が発生しました。先ほどもですね議長を初め県内、震度3から4の地震ということで、ヒヤリとしたわけですけども、この1月1日には石川県を中心とする能登半島地震により、200名を超える方が亡くなるなど、甚大な被害が発生しました。
被災された方々にはお悔やみと、そしてお見舞いを心から申し上げますとともに、一刻も早い復旧復興に向けて、政府とも進めていただけますよう祈念しております。
さて、本県においても、昨年9月の台風13号では、線状降水帯による猛烈な雨により、茂原市を初め県内各地において、がけ崩れや河川の氾濫、浸水があった他、鉄道の運休による交通障害などにより県民生活に大きな被害をもたらしました。
私の地元鴨川市内においても、袋倉川の氾濫により、家屋の浸水や河岸の崩落など多くの被害が発生し、住民からは、河川の改良を求められています。
9月議会の私の質問に対する執行部の答弁では、5年度末をめどに袋倉川流域の特性に応じた河川整備を検討するといただきました。
さらに、昨年11月2日には鴨川市長とともに県庁を訪れ、被災直後に現地を確認に来られた穴澤副知事に、袋倉川の氾濫被害防止を目的とした整備促進を要望いたしました。
そこで伺います。袋倉川の対策について、どのように取り組んでいくのか。
ただいま、袋倉川の独自の対策について質問しました。
県内には60水系137の河川が2級河川となっており、鴨川市内でも12の2級河川があります。
これら河川への災害への対応はもちろんですが、大雨を安全に流すためには、河川の機能確保が重要です。
そのためには、災害時の対応だけでなく、普段から堤防や護岸の補修など、維持管理もしっかりと行わなくてはなりません。
そこで伺います。河川護岸等の維持管理について、県ではどのように対応しているのか。
次に、災害への備えということに関連して、森林の整備、防災意識の向上への取り組み、災害時の医療の備えについて質問します。
まず森林整備、災害に強い森林作りについてです。
県土の約3割を占める本県の森林は、木材の供給だけではなく県土の保全や、良質な水資源の確保など、様々な役割を果たしております。
また、健全な森林は大雨があってもしっかりと受け止めることができ、災害の防止にも寄与しています。
しかし近年は木材価格の低迷や森林所有者の高齢化等により、必要な管理が行き届かなくなった森林が増加しています。
令和元年房総半島台風の際には、県内各地で風倒木被害が発生したことはまだまだ記憶に新しいところです。
必要な管理が行き届かない森林は、その多面的公益的機能を十分に発揮できないだけでなく、逆に倒木などにより道路の寸断や停電など、各種ライフラインに大きな被害を及ぼす可能性があります。
先ほど質問しました、袋倉川においても令和5年台風13号の影響で氾濫し、上流の森林から多くの流木が発生して橋などに堆積し被害が大きくなったと考えられます。
河川において、先ほどの護岸や堤防の維持管理だけでなく、その流域の森林整備と保全が治山治水上大変重要な役割を持っています。
千葉県農林水産業振興計画では、森林林業の部門別戦略として、災害に強い森林作りと、森林資源の循環利用の推進が掲げられています。森林をきちんと整備して、これら激甚化する災害に対して森林が持っている公益的機能を十分発揮できるようにすることは、災害予防の観点からも極めて重要であると考えます。
そこで伺います。災害に強い森林を作るため、県はどのように取り組んでいるのか。
続いて、防災意識の向上への取り組みについて質問します。
先日、地震津波対策議員連盟で、能登半島地震への被災地派遣、派遣職員の報告会がありました。
能登半島地震で、本県から石川県珠洲市の支援、応援に向かった職員の方たちから現地でのお話を聞くと、被災地で公助の前の自助や共助の大切さを感じたとの意見がありました。
災害への対応の中で、国や地方公共団体が行う避難所の備蓄など、公助の取り組みはもちろん大事ですが、先ほどの職員の方たちによれば、現地で恒例の地域リーダーが避難所の運営に重要な役割を果たしていて、災害時の共助の機能を担っていたという話もありました。
高齢化の進んでいる地域において、地域の高齢者が頑張っているという話も良い話なんですけども、普段の地域の繋がりが強さの重要性と強さになるということ、そして、やはり1人1人の地域の防災に対する意識、防災に対する基礎知識を高め、啓発していくことが重要であると感じました。
最近はテレビなどでも防災啓発の番組などがあり、千葉県ホームページでも防災啓発サイトで、発災時の対応を選択式で学べる防災サバイバルのページなどもあります。
大地震のように突然襲ってくる災害に対しては、1人1人がいざというときに、どのように行動するべきかをあらかじめ知っているかどうか。
考えているかどうかが、その人の生死を分けることにもなりかねません。
県民1人1人が防災意識を高めるための、啓発に向けた取り組みが大事であると考えます。
そこで伺います。県民の防災意識を向上させる取り組みをさらに促進すべきと考えるかどうか。
続いて、災害時の医療への備えのうち、在宅医療のBCPについて質問します。
災害発生時には、医療提供体制を確保することも重要です。
災害時医療の中核としての役割を担う災害拠点病院は、県内に27ヶ所整備されています。
これらの病院においては、災害などの緊急時に診療機能への影響を最小限に抑え、また低下した機能があれば早期復帰を可能としていかなくてはなりません。
そのために、県内全ての災害拠点病院においては業務継続計画いわゆるBCPを策定し、万が一の際への準備体制や早期復旧に向けた方策等を取りまとめていると聞いています。
ただ、大規模な災害が発生した場合、災害拠点病院だけで全ての医療ニーズに対応することは不可能であり、他の医療機関においてもBCPを策定しておく等、万が一に備えることが大切です。
特に近年では、療養が必要であっても住み慣れた自宅や地域で家族や親しい人たちと一緒に自分らしく過ごしたいと考える方が増えていると感じています。
こうした方々を、日頃から支えている在宅医療を担う医療機関においても、BCPの策定が必要です。
しかし、今年度、県が実施した調査によると、在宅医療を担っている医療機関として、回答のあった564施設のうちBCPを策定済みの施設は1割未満の52施設であったと聞いています。万が一を想定すれば、やはりしっかりと策定をしていくべきものと考えます。
そこで伺います。在宅医療を担う医療機関におけるBCPの策定を促進すべきと思うがどうか。
次に、災害時の医療救護活動に携わる医療従事者の育成について伺います。
実際に災害が発生した場合、平時とは異なった医療需要が生じます。
このたびの能登半島地震を見ても現地の医療体制は混乱し、様々な困難な状況が生じたと伺っております。
災害が発生した際に活躍する医療チームといいますと、DMAT、災害派遣医療チームにまず思い当たります。
DMATは、大規模災害や事故の発生直後に現場に入り、負傷者の緊急治療などの活動ができるよう、特別な訓練等を積んだ医療チームであり、今回の能登半島地震においても、全国各地から現地にDMATが派遣され、医療救護活動等に従事しました。
もちろん、本県からも多数のDMATが派遣されました。
このように、有事の際には速やかに対応できる人材や体制の確保がとても重要になります。
ただし、DMATになるためには、国における研修を受けることが必要であり、その研修にも、数的な枠があって、なかなか希望通りに研修が受講できていない状況だと聞いております。
そのようなことから、県では、DMATに加え、災害急性期の医療救護体制の充実強化を目的として、CLDMATという医療チームの要請に独自に取り組んでいると聞いております。
そこで伺います。県で養成しているCLDMATの養成状況はどうか。
次に、過疎対策について質問します。
新過疎法が成立し、本県でも新たに六つの市町が指定され、本県のおよそ4分の1にあたる。
13の市町が過疎地域となりました。
過疎対策事業債は、自主財源の確保が難しく常に厳しい財政状況にある過疎地域において、産業振興や交通手段の確保、集落の維持および活性化など、地域の活力を高める重要な事業に幅広く活用されています。
例えば安房地域では、道の駅のリニューアルを行っております。
鋸南町では、昨年の10月に旧鋸南幼稚園を再活用し、道の駅保田附属幼稚園をオープンさせています。
雨でも子供たちが遊べるキッズスペースや、昨今のライフスタイルに合わせたワーキングスペースなどがあり、私もオープンの際に子供を連れ訪れましたが、多くの家族連れが利用し地域の賑わいの創出に大きく貢献していくものと感じました。
また、南房総市では、昨年12月に道の駅 三芳村鄙の里がリニューアルオープンし、今後は道の駅道の駅とみうら 枇杷倶楽部の大規模改修も予定されていると聞いています。
このように、過疎債は、過疎地域の発展には欠くことのできない大変重要な財源でありますが、国の地方債計画により、全国の過疎地域で活用できる財源に上限が設けられており、本県の必要額が十分に確保できるかどうかがポイントとなります。
そこで伺います。過疎対策事業債の必要額を確保するため、県ではどのように取り組んで行くのか。
次に道路ネットワークについて、富津館山道路の進捗状況について質問します。
富津館山道路は館山自動車道や、東京湾アクアライン、圏央道と一体となり南房総地域の活性化や、観光振興を図る上で極めて重要な道路です。
館山道は、令和2年3月までに暫定2車線区間が全線4車線化となりましたが、それに続く富津館山道路、富津竹岡インターチェンジから富村インターチェンジにおいては、いまだ全線暫定2車線となっています。
アクアラインに接続している道路として、近年は交通量が増えてきており休日では上下線での渋滞が発生することや、何よりも暫定2車線の対面通行となっていることから、安全で円滑な交通の確保は防災力を強化するためにも早期の全線4車線化が必要であると考えます。
令和5年6月議会では三沢議員が、同12月議会では渡辺議員が一般質問でも取り上げていましたが、現在県においては、4車線化に向けた都市計画と環境アセスメントの手続きを進めているとのことです。
我が県の防災力の強化の観点からも、道路ネットワークを構築していくための手続きを着実に進め、早期の4車線化を図っていただきたいと考えます。
そこで伺います。富津館山道路の4車線化に向けた都市計画等の手続きの進捗状況はどうか。
続いて、観光振興について質問します。
まず、我が党の代表質問でも取り上げましたが、東京湾アクアラインの時間帯別料金の社会実験に関して伺います。
アクアラインの交通量は増加しており、令和4年度には1日当たり5万1800台の過去最高の交通量を記録したとのことです。交通量の増加に伴って交通混雑が課題となっていたことから、昨年7月から時間帯別料金の社会実験が実施されています。
私としてはこの社会実験により、千葉県を訪れる方がより長く県内に滞在いただき、地域経済の活性化に繋がることを期待しています。
混雑する時間帯の料金の引き上げによって、交通量の減少など千葉県を訪れる観光客の減少を心配する声もあったものの、1月15日に公表された実験の中間報告によると、交通量は引き続き増加、交通の分散による混雑の緩和など、一定の効果があったと伺っています。では地域経済の活性化や観光客の行動にはどのような変化があったのでしょうか。
そこで伺います。東京湾アクアラインの時間帯別料金の社会実験に伴い、本県を訪れた県外在住者の行動の変化はどうか。
続いて、観光振興施策について質問します。
9月議会で登壇した際、私はインバウンド誘致について、訪日リピーターの確保の必要性を訴えその取り組みについて知事から答弁をいただきました。
外国人観光客はもちろん日本人観光客にも、観光の行き先として繰り返し選ばれるためには、観光コンテンツの充実が重要であり、そのキーワードとして体験といういう要素が挙げられます。
体験にも様々あります。千葉県には海山の自然があり、夏の海水浴や春のイチゴ狩りなど、既に多くの方が訪れており、その季節の風物詩といえます。
最近では、さらに体験ニーズが高まっており外国人、日本人問わず、直接自然に触れ合う体験アクティビティをどのように用意するのか、そして周知していくのかが今後の観光地の課題と言えます。
私の地元でも、様々な体験アクティビティを提供する事業者が出てきておりますが、まだ知られていない上に利用者も夏場に限られているといった声を聞いており、千葉県の観光コンテンツとして県による積極的な周知や利用促進の取り組みが必要と考えます。
そこで伺います。千葉県の自然を生かした体験型観光の利用促進に県はどのように取り組んでいくのか。
次に新規漁業就業者対策について質問します。
安房地域において、漁業は消費者への水産物の供給とあわせて、観光業などとともに密接に関係する基幹産業です。
また、長い歴史の中で、万祝、海の特徴的な文化を生み出すなど、県民生活を豊かにするとともに沿岸地域の賑わいを創造する重要な産業です。
一方、漁業就業者は減少している上、高齢化も顕著となっています。
また、近年の燃油の高騰や、海洋環境の変化など、漁業を取り巻く環境が大きく変化していることから、漁業をやめる人の増加が懸念されます。
今後も漁業の生産力と文化を維持するためには、漁業就業者の確保育成に重点的に取り組む必要があります。
県では、令和5年12月議会の我が党の代表質問に対して、検討会議を設置して新規漁業就業者対策の今後の方向性を検討すると答弁がありました。このほど検討会議から、新規漁業就業者確保育成対策に関する提言があったと聞いています。
そこで伺います。新規漁業就業者確保育成対策の提言内容はどのようなものか。
続いて、有害鳥獣対策について質問します。
令和4年度、県内の有害鳥獣による農作物被害額は、約2億7000万円とのことです。
有害鳥獣捕獲などの対策の努力により、前年度から約3000万円減少するなど、近年は減少傾向にあるようですが、中には鳥獣被害により営農を諦めてしまう方もおられるなど、引き続き対策に力を入れていかなくてはならない状況です。
一方で、有害鳥獣の捕獲の担い手は、主に猟友会の方々が担われていますが、少子化や高齢化が進む中担い手の不足が課題となっております。
有害鳥獣の捕獲には狩猟免許が必要ですが、コロナの影響で試験定員が削られ試験を受けたくても受けられない方が多くおられたなど、担い手の確保には厳しい状況が続いていました。
特に私の地元である鴨川市を初め県南の地域では、人の生活圏とイノシシの生息域が近く農業被害はもちろんのこと、イノシシと遭遇してけがをする事案の発生など、人の安全も脅かされている状況です。
県では、県南の地域の方を優先的に受け付ける試験の会を設けた他、試験定員の増加などに努めてきたと聞いていますが、今後も免許試験を始め県全体で継続した担い手の確保に向けた取り組みを一層進めていく必要があると考えます。
そこで伺います。県は捕獲の担い手確保に向け、どのように取り組んでいるのか。
有害鳥獣対策を進めるためには、担い手の確保と併せて捕獲したイノシシなどジビエとして活用していくことも重要と考えます。
県内で捕獲され食肉利用されたイノシシは、平成30年度は538頭だったものが、今年度は12月末時点で既に2000頭を超えており、全頭で放射性物質検査が実施されていると聞いています。
また、イノシシの食肉利用に向けた取り組みについて、昨年2月の一般質問でも取り上げたところ、処理加工施設における検査手続きの改善について取り組んでいく旨の答弁がありました。
そこで伺います。捕獲したイノシシ肉の放射性物質の検査状況および処理加工施設における省力化の取り組み状況はどうか。
登壇での最後に、中小企業のDX推進支援について伺います。
近年、通信インフラの整備やデジタル分野での技術革新伴い、スマートフォンの活用やキャッシュレス決済の普及、ネット通販の普及など、社会や産業の基盤としてデジタル技術が欠かせないものとなってきています。
今日もですね今回の議会からタブレットを導入してということで、皆様いろいろ調べながらまた、いろいろなところを活用していただいてるかと思います。
ぜひ、振り回されることなく活用していただくということでお願いいたします。
このようにデジタルが普及していくという社会環境の中で、これを好機と捉え、デジタル技術を取り入れながら成長を図る企業がいる一方で、多くの中小企業においては、人手不足や専門知識の不足などの理由から、デジタル化の潮流に乗りきれていない企業も数多くあるものと思われます。
中小企業を取り巻く環境はエネルギー、原材料の高騰や、賃上げ、人手不足の顕在化などの課題を抱え大変厳しい状況が続いています。
こうした状況を打開するため、地域経済を支える中小企業がデジタル技術を活用して、生産性向上や業務効率化等に取り組むことに県として後押しする必要があると考えます。
さて、令和6年度当初予算では、中小企業のデジタル化を進める予算が大幅に増額されています。
そこで伺います。中小企業のデジタル技術の導入促進に向けて、今後どのように取り組んでいくのか。
以上で私の登壇での質問を終わらせていただきます。答弁のほどよろしくお願い申し上げます。
–議長
川名康介くんの質問に対する当局の答弁を求めます。知事 熊谷俊人君。
–熊谷俊人 知事
自民党の川名康介議員のご質問にお答えをいたします。
まず災害への備えについてお答えいたします。
県民の防災意識の向上についてのご質問ですが、災害から自らを守る自助と、住民が相互に助け合う共助が広く実践されるようにするため、県民1人1人の防災意識を高めることが重要です。
このため県では日頃の備えや災害時にとるべき行動などについて、SNSや県民だよりを活用した広報や防災啓発サイトである自分防災で周知をしている他、防災研修センターにおいて県民や自主防災組織向けの講座を開催しております。
また本年度は子供たちに学校の授業で防災について学んでもらう、デジタル教材の防災副読本を作成しているところです。来年度は自分防災をスマートフォン対応とし過去の災害のアーカイブを掲載するなどリニューアルすることとしており今後も県民の防災意識を高める取り組みを積極的に進めてまいります。
次に中小企業のデジタル技術の導入促進に向けた取り組みについてのご質問にお答えをいたします。
現在中小企業のデジタル化を推進するため、導入事例をわかりやすく伝えるセミナーや人材育成のための実践型研修専門家相談など、企業ニーズに応じたきめ細やかな伴走型支援に取り組んできたところです。
一方中小企業の中にはデジタル化を検討するものの自社が抱える課題の整理ができておらず、導入までに踏み切れていないケースや、デジタル化の必要性を感じていない企業が未だ多く存在しております。
そこで県ではデジタル化に悩む中小企業とデジタル技術を提供する事業者とのマッチング支援の内容をより充実させるとともに、新たにプッシュ型の企業訪問による相談を行うなどの取り組みにより、中小企業のデジタル化を加速化させてまいります。
私からは以上でございます。
他の質問につきましては担当部局長からお答えをいたします。
–議長
県土整備部長 池口正晃君。
–池口正晃 県土整備部長
私からはまず袋倉川についてのご質問にお答えします。
流域の大半が山林で、狭隘な稼働が続く袋倉川については、昨年9月の記録的な大雨によって氾濫し住宅棟が浸水した他、河岸の崩落などが発生しました。
これまでに川久保橋上流左岸の竹木伐採や崩落した河岸の応急復旧工事が完了しております。
現在、袋倉川のこれまでの浸水状況を踏まえて効果的な対策メニューの抽出を行っており、今年度末までに地元住民の意見を聞くなど、引き続き市と連携して浸水対策を進めてまいります。
次に、河川護岸等の維持管理についてのご質問ですが、県では、定期的な巡視や出水後のパトロールにより河川施設の状況把握に努めており護岸等の補修が必要な箇所については、破損状況などに応じ緊急性の高い箇所から実施しているところです。また、台風や地震などにより護岸等が被災した際には、国の災害復旧事業を活用し早期復旧に努めております。引き続き、河川機能を維持するため護岸等の補修などを実施し、適切な維持管理に努めてまいります。
次に、アクアラインの社会実験についてのご質問ですが、先月15日に開催した国や高速道路会社、県で構成する検討会において携帯電話の位置情報を分析した結果、実験前と比較して本県を訪れた県外在住者の平均滞在時間は約20%増加したことが確認されました。
また、鴨川市内のレジャー施設を利用した後に、20時以降、アクアラインを通行した県外在住者の周遊履歴を分析した結果、南房総外房地域など、実験前と比較してより広い範囲を周遊していることも確認されたところです。
今後も社会実験を継続し、交通分散の効果や県内の滞在状況について分析評価を進めてまいります。以上でございます。
–議長
農林水産部長 前田敏也君。
–前田敏也 農林水産部長
まず災害に強い森林についてお答えいたします。
災害に強い森林作りを進める上では、個々の樹木の成長や根の発達を促すとともに、間伐などにより森林内に適度な光を入れ、下草を成長させるなど適切に森林を管理することで、森林が持つ公益的機能を維持していくことが重要です。
このため、県では災害予防などの治山事業の取り組みに加え、造林保育間伐に要する経費や、道路電線等の重要インフラ施設周辺における倒木被害の未然防止への取り組み経費などについて、森林組合等に対し助成しているところでございます。
また、来年度からは手入れ不足の森林の更なる解消に向け、森林環境譲与税を活用して各市町村の状況に応じた森林管理の集約化や、実行計画の作成を新たに支援していくこととしており、引き続き適切な森林管理による災害に強い森林作りを進めてまいります。
次に、新規漁業就業者確保育成対策に関するご質問ですが、漁業の生産力を維持する上で漁業就業者を確保育成することが重要なことから、昨年9月に有識者や漁業代表者で構成する、新規漁業就業者確保育成対策検討会議を設置し、3回の検討会議を経て先月26日に提言をいただきました。
その内容は、就業相談から独立までの伴走型の支援体制の整備や、スマート水産機器の導入等による儲かる漁業への転換の支援の他、即戦力となる人材の輩出に向けた水産系高校の実践実習の強化など全14項目となっております。
県といたしましてはこの提言を踏まえ、今後具体的な政策に反映できるよう検討を進めるとともに、引き続き関係市町や漁業関係者と連携して新規漁業就業者の確保育成を図ってまいります。
次に、猪肉の検査状況と省力化の取り組みについてのご質問ですが、猪の食肉としての放射性物質検査は平成26年度から10年間で9854頭を検査しており、全て基準値を下回っておりますが、国の制限のもとで出荷するためには市町村職員による放射性物質検査の他、処理加工施設への搬入時の立会いが必要となっています。
このため県では搬入時の立会いの省力化に向け、オンラインでの立会いについて現地で実証試験を行い、国と協議を進めてきた結果昨年12月から実施が可能になったところです。
現在県内4施設において、オンラインでの立会いが実施されており、実施している施設からは立会時間が1回当たり約1時間短縮されたなどの声があることから、今後は他施設への導入を働きかけてまいります。
以上でございます。
–議長
保健医療担当部長 鈴木貴士君。
–鈴木貴士 保健医療担当部長
私からはまず、在宅医療を担う医療機関のBCPについてお答えいたします。
今後、高齢者人口の増加に伴い、自宅等で療養生活を送る方が増加すると見込まれており、災害が発生した場合であっても、住み慣れた場所で必要な医療が受けられるよう診療体制を維持することが重要です。
このため県では災害時にあっても、診療機能の低下を最小限に抑え、早期復旧を可能とするための業務継続計画いわゆるBCPの策定に向けて、国の研修事業等を紹介し、医療機関の取り組みを促してきたところです。
しかしながら、国の研修会は支援枠に限りがあることなどから、県では、令和6年度から在宅医療に特化したBCPの策定を支援するための研修会を独自に開催することとしており、災害時にも在宅医療をはじめ必要な医療が円滑に提供されるよう、取り組みを強化してまいります。
次に、CLDMATの養成状況についてのご質問ですが、県では平成25年度から、災害拠点病院に勤務する医師などによる活動範囲を県内に限定した本県独自の災害派遣医療チームとして、chiba Limitedの頭文字をとったCLDMATを編成しています。構成員の養成研修は、国のDMAT研修に準拠して行っており、昨年4月1日時点における本県のDMATの養成人数の累計が327名であるのに対し、CLDMATは477名となっています。県内で大規模災害が発生した場合には、DMATと連携することで、幅の広い医療救護活動が可能になると期待できることから、今後もCLDMATの要請を図り、災害時の医療救護体制の充実に努めてまいります。以上でございます。
–議長
総務部長 鎌形悦弘君。
–鎌形悦弘 総務部長
過疎対策事業債に関するご質問ですが、過疎対策事業債は、過疎地域の市町にとって大変重要な財源であり、今年度の要望額は全13市町から46億200万円となっており、幅広い事業において活用されています。このため県では、国の施策に対する重点提案要望として、今年度新たに過疎対策事業債の必要額の確保を要望したところ、来年度の地方債計画においては、全体として今年度より300億円増となる5700億円が計上されたところです。
一方で、資材価格等の高騰による建設事業費が上昇していることから、住民生活に必要不可欠な施設の老朽化対策などをはじめとする本県の過疎対策の取り組みに支障が生じないよう必要額の確保について、引き続き国に要望してまいります。
以上でございます。
–議長
都市整備局長 小川剛志君。
–小川剛志 都市整備局長
私から、富津館山道路の4車線化についてのご質問にお答えいたします。
当該道路の4車線化は、安全で円滑な交通を確保し、観光振興や地域活性化に加え、更なる防災力の強化を図るため、大変重要であると考えております。
環境影響評価については、現地調査や予測評価等を終えたことから、本年1月から都市計画の案および環境影響評価準備書を縦覧し、また今月18日と25日は準備書に係る説明会を実施するなど、地元住民のご意見を丁寧に伺っているところです。
今後は、いただいたご意見等を踏まえ、環境影響評価書を作成するなど、地元市町と連携しながら、着実に手続きを進めてまいります。
私からは以上でございます。
–議長
商工労働部長 野村宗作君。
–野村宗作 商工労働部長
千葉の自然を生かした体験型観光についてのご質問でございますが、豊かな自然と温暖な気候に恵まれた千葉県は、様々な自然体験ができる環境にあり、県ではこれまで旬の味覚狩りや、キャンプ・グランピング等の情報発信や利用促進に努めてきたところでございます。
また近年は、サーフィンやサップ、サイクリングなど、体を動かして自然を楽しむ形の体験型観光の人気も高まっております。
そこで県では来年度、こうした体験型観光について、割引キャンペーンや特設ホームページ等によるプロモーションを実施して年間を通じて楽しめる観光メニューとして、利用者の増加と認知度向上を図りたいと考えております。
さらに外国人観光客にも自然体験型観光の人気は高いことから、外国人向け体験プログラムの情報を集約してホームページやSNS等で積極的に発信する他、外国語対応等の受け入れ環境の整備の支援も充実し、海外からの誘客増にも繋げてまいります。以上でございます。
–議長
環境生活部長 井上容子君。
–井上容子 環境生活部長
有害鳥獣対策について、捕獲の担い手確保に関するご質問にお答えいたします。
県では、有害鳥獣対策を進めるため、捕獲の担い手確保の強化に取り組んでいるところです。
具体的には、捕獲に必要となる狩猟免許の所持者の増加に向け、受験定員の拡充に加えて、申し込みにキャンセル待ちを導入することで、限られた定員の有効活用にも努めているところです。
この結果、今年度の受験者は、昨年度より123名多く、過去10年間で最も多い709名となりました。
さらに資料に興味のある方に、免許取得のきっかけを提供する新人ハンター入門セミナー、いわゆるペーパーハンターの捕獲技術習得を進めるための千葉県有害鳥獣捕獲協力隊に加え、捕獲従事者に罠や銃の技術向上のための研修も行っています。
以上でございます。
–議長
川名康介君。
–川名康介 議員
知事および執行部の皆様におかれましては、丁寧なご答弁ありがとうございました。それではまず、袋倉川について要望いたします。
対策のメニューをある程度取りまとめ方針としては、具体的な選択ができていると受け止めました。
地元住民には様々な思いがあります。丁寧に対応し、いち早く対策に着手いただけますよう要望します。
災害に強い森林作りについて、道路、電線等の重要インフラ施設周辺における倒木被害の未然防止への対策適切な森林管理を進めていくとの答弁をいただきました。
森林の公益的機能の維持は、災害の未然防止だけでなく、県民にとって多面的な利益をもたらすことは、再三述べている通りです。森林管理と併せ、県で進めている資産治水事業についても予算をしっかりと確保していただき、そしてしっかりと執行していただき事業の効果もしっかりと県民に見えるよう推進を要望します。
災害への備えについて、多くの議員からも質問があったように、県民の関心が高い分野です。在宅医療やCLDMATなどにもしっかりと取り組んでいることを答弁いただきました。
さて、防災意識向上への取り組みについて、自分防災のコンテンツ追加など取り組みを進めていただいているとのこと。
過去の災害の被害を踏まえた新しい防災知識を知っておくことは、先人の知恵の活用という意味でも、子供の頃からそういったことにしっかりと触れさせることも必要です。
そこで再質問です。子供の頃から防災意識の向上が図れるよう県として取り組むべきと思うがどうか。
次に、過疎対策について要望です。
今年度、新たに国の施策に対する重点提案要望に盛り込んでいただき、また鎌形総務部長には総務省まで要望書をお持ちいただきました。
そういったかいもあって300億円の増額となったと思います。しかし、答弁でもありましたが、資材価格等の高騰による建設事業費の上昇の影響は大きいと感じています。
また先ほど申し上げました、南房総市の道の駅は、オープンからおよそ30年が経過し、老朽化対策という面もあり、今後このような施設の大規模改修も続いていくので、本県における過疎対策の取り組みがしっかりできるよう、引き続き必要額の確保について国へ働きかけるよう要望いたします。
観光振興について、東京湾アクアラインの時間帯別料金の導入により、来県者はより広い範囲を周遊していると確認しているとのこと。
周遊するからには、多くのコンテンツを準備し、気持ちよく消費していただくことが重要です。
そのためにも、本日答弁いただいた体験型観光を含めたコンテンツ強化に引き続き取り組みを要望いたします。
次に、新規漁業就業者対策について。
先ほどの答弁で、検討会議の提言の中には、漁業就業を志す若者を輩出する水産系高校に対する内容もあったとのことです。
本県では、銚子商業高校、大原高校、そして館山総合高校の3校で水産教育を行っていますが、近年は入学志願者数の減少が課題となっています。提言を踏まえた対応の検討が必要と考えます。
そこで再質問です。新規漁業就業者の確保育成に向けて県教育委員会としてどのように取り組んでいくのか。
猪肉の検査状況および省力化について要望いたします。
省力化の取り組みについては時間が短縮されるとのことですので、導入を進めていただきたいと思います。
また、放射性物質検査については安全性確保という観点から重要であることは承知していますが、ここ10年基準値を超えていないとのことですので、安全性に配慮しつつ放射性物質検査の更なる緩和について国に働きかけていただくことを要望いたします。
以上で2回目といたします。
二つの再質問には答弁をお願いいたします。
–議長
防災管理部長 添谷進君。
–添谷進 防災危機管理部長
子供の頃からの防災意識の向上についてお答えをいたします。
本年度作成しました防災副読本を今後学校教育の場で活用するとともに、来年度はその内容を防災啓発サイトにも取り込んでいきまして、家族と一緒に防災について話し合い学んでいただけるようにするなど、引き続き子供の頃からの防災意識の向上に取り組んでまいります。
以上です。
–議長
教育長 冨塚昌子君。
–冨塚昌子 教育長
新規漁業就業者の確保育成についてのご質問ですが、水産系高校において入学者数が減少しているところはご指摘の通りです。
今後は提言を踏まえまして、まずは水産教育の専門家や漁業関係者等による検討会議を設置し、教育内容の見直しや、各地から生徒を受け入れる寮の整備など、体制作り等について意見を伺い、地元市とも連携しながら水産業界のニーズを踏まえた人材育成に取り組んでまいります。
以上でございます。
–議長
川名康介君。
–川名康介 議員
ご答弁ありがとうございました。最後に要望いたします。
防災意識の向上への取り組みについて、子供から家族に発信されることで、各家庭での防災意識の啓発にも役立つことと思います。
啓発サイトのリニューアルにおいて、いろいろな取り組みが有効に生かされるよう取り組んでいただきたいと思います。
また今後、能登半島地震など、直近の災害でわかってきた新たな知見など出てくると思います。
サイトのリニューアルの中では、そういった知見も内容に反映できるものは加えていただければと思います。
新規漁業就業者の確保育成について提言を踏まえ、教育内容の見直しや各地からの生徒の受け入れをできる量などの体制作り等についても検討するとのことです。
県立高校での水産教育の体制は地域との連携も強く、また教員の皆様も魅力的だと感じています。
全国から生徒を受け入れる環境をしっかり整えれば、まだまだ可能性はあると思います。
ぜひそのように準備を進めていただけますよう要望いたします。
以上で私の一般質問を終了いたします。長時間にわたりありがとうございました。
–議長
以上で質疑並びに一般質問を終結します。
ただいま議題となっております議案については、お手元に配付の議案付託表の通り、それぞれ所管の常任委員会に付託します。
本日知事から追加議案の送付があり、これを受理しましたのでご報告します。
日程第2議案第86号ないし88号を一括議題とします。知事に提案理由の説明を求めます。
–議長
知事 熊谷俊人君。
–熊谷俊人 知事
ただいま追加点をいたしました議案について説明をさせていただきます。
議案第86号は介護保険施設等の協力医療機関に係る要件を明確化するなどのため、議案第87号は児童福祉施設のうち新たに創設された里親支援センターの運営に関する基準を定めるなどのため、議案第88号は障害福祉サービスのうち、新たに創設された就労選択支援の運営に関する基準を定めるなどのため、それぞれ条例の一部改正等を行うものでございます。よろしくご審議くださいますようお願いをいたします。
–議長
質疑の通告がありませんので、質疑なしと認めます。
ただいま議題となっております議案については、健康福祉常任委員会に付託します。日程第3休会の件を議題とします。
お諮りします。3月1日は委員会審査準備のため、4日ないし6日は予算委員会開催のため、7日8日11日および12日は常任委員会開催のため、13日は委員会予備日のため、また14日総合調整のため休会としたいと思います。
これにご異議ありませんか。
ご異議ないものと認めます。よって3月1日、4日ないし8日、11日ないし14日は休会とすることに決定しました。
なお各常任委員会は、お手元に配付の常任委員会開催日程の通り開催されますので、ご了承願います。
以上をもって本日の日程は終了しました。
3月15日は午後1時から会議を開きます。
これにて散会します。