- 今日は、CoderDojo Kashiwa 100回記念パーティーに参加しました。
継続は力なり。
宮島 衣瑛さんが、高校に入学したての頃から、丸5年。毎月2回のペースで、継続して開催。
最初は、宮島さんと私の知り合いだけでしたが、今では全国、いや世界でも有名なCoderDojoです。
※CoderDojoは、2011年にアイルランドで始まった子どもを対象にしたプログラミング道場です。
CoderDojoはプログラミング教室ではなく、子どもたちが自分のプロジェクトに取り組む場です。
人種や性別、貧富の差によって学ぶ機会を制限することはないよう、参加費は無料です。
これからPDFで公開されるそうですが、私とCoderDojoの関わりについて、今日の記念冊子に寄稿しましたので、ここでご紹介いたします。
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宮島君たちの保護者役からパートナーへ
「今まで16年間過ごしてきたこの街に何か恩返しはできないだろうか」
すべては宮島代表から送られた1通のメールから始まった。
そのメールには、柏への愛と自分の夢が書かれていた。まだ高校に入学したばかりという宮島君が、1週間後に初めてCoderDojoを開催しようとしているが、人が集まらずに困っている、と。
「ここで力になれなかったら、大人として恥ずかしい」
すぐにCoderDojoについて調べ、宮島君に電話をした。興味を持ってくれそうな小学生や知り合いに参加してもらえるよう、呼びかけた。少人数であったが、初期の参加者や今でも続くメンターに集まってもらうことができた。
私は、「柏まちなかカレッジ」という地域の学びのコミュニティを運営している。そこで培われてきたネットワークを、CoderDojo Kashiwaの活動につないでいった。
現在、会場となっているNoblesse Oblige は、CoderDojo Kashiwaが立ち上がった2か月後にオープンした。私は、オーナーの細田真一さんと企画し、立ち上げに関わっていたので、会場として使わせてもらえるようになった。
高校生のスタッフたちが、Noblesse Obligeで出会った大人から受けた影響は少なくないはずだ。Noblesse Obligeにも、新鮮な風と希望の光を与えてくれた。
また、私は、柏市議会議員として、教育委員会や市内の学校と、CoderDojoをつなぐ役割も果たした。柏市のプログラミング教育が全国的に注目されているのは、CoderDojo Kashiwaのお陰といっても過言ではない。
私の教育学研究や社会活動の仲間たちにも、宮島君の活動を紹介してきた。イトナブ石巻の古山隆幸さんも、そんな中で出会った一人。
今では、宮島君が面白い知り合いを、私に紹介しくれることが増えてきた。
出会った当時、私は、宮島君の保護者役としてサポートしてきた。
たとえば、会場を予約するにも、未成年ということで制約があった。まだまだ、若い人たちが活躍しにくい社会だと痛感した。社会を変えなければと活動するとともに、手続きなどはサポートした。
そんな延長で、株式会社Innovation Powerを設立することになった。企業からワークショップを依頼されることも増えたが、ここでも未成年という壁があった。未成年との契約ではなく、法人との契約とするための会社であった。私は、保護者として取締役として参加することになった。
今では、株式会社Innovation Powerは、CoderDojo Kashiwaをサポートしている。また、プログラミング教育だけでなく、哲学や市民性など未来を生きる力を育むPowerLabという学びの場も運営し、私も一緒に活動している。
私は、宮島君たちの保護者役だったが、この100回を開催する間に、一緒に活動するパートナーへと役割は変化した。そのことを何よりも嬉しく思い、彼らとの出会いに感謝してやまない。
宮島君からのメールがなければ知らなかったであろうCoderDojo の世界に出会い、私の視野は広がった。CoderDojo Kashiwaは、参加した子どもたちはもちろん、メンターや柏市教育委員会や教員をはじめ多くの大人を巻き込み、刺激とパワーを与えてきた。
地域社会が教育を支え、教育が地域社会をより良くしていく。CoderDojo Kashiwaの活動は、まさに、その理想を実現している。
CoderDojo Kashiwa 100回開催、誠におめでとうございます
山下洋輔」