本日の県議会をいち早くお伝えいたします。
※複数人体制でチェックしてはいますが、できるだけ早く、皆様に議会での議論をお届けしたいと文字起こしをしているため、誤字などもあります。ご容赦いただき、各自、ご確認ください。
本日(2025/2/3)午後一人目の一般質問は、公明党の鈴木和宏議員でした。
質問項目
- 認知症対策について
- 高齢ドライバー対策について
- 空き家対策について
- 県営住宅について
- 解体工事の安全確保について
- 中小企業支援について
- 子どもの付き添い入院補助について
- 子どもの性被害防止について
- 自殺の再発防止について
- フェイクニュース対策について
- その他
議会質問・答弁の書き起こし全文
質問(第1回目)鈴木和宏 議員
–鈴木和宏 議員
皆さんこんにちは。
市原市選出、公明党の鈴木和宏でございます。
本日は、地元市原より伊佐和子議員、吉田あけみ議員、秋田 信一議員、目黒秀樹議員、堀田ゆうすけ議員が傍聴に来ていただいております。
ありがとうございます。
今年2025年は団塊の世代の方全員が75歳以上になり、総人口の5人に1人が後期高齢者となる社会を迎えます。
社会構造や体制が大きな分岐点を迎え、医療、福祉、雇用など様々な分野に影響を与えるため、2025年問題とも言われています。
日本が直面している少子高齢社会を乗り越え、高齢者も現役世代も子供も、あらゆる世代が安心で豊かな社会生活を送れることを願い、質問に移らせていただきます。
認知症対策について伺います。
厚生労働省の推計によると、2022年における国内の認知症の高齢者数は443万人であり、団塊のジュニア世代が65歳以上となる2040年には584万人に達する見込みとされています。
認知症は誰もが当事者やその家族になりうるという認識のもと、共生社会の実現を加速することが重要です。
政府は昨年12月、認知症になっても自分らしく安心して暮らせる共生社会の実現を目指し、認知症基本法に基づいた認知症施策推進基本計画を閣議決定いたしました。
基本計画では、認知症になったら何もできなくなるのではなく住み慣れた地域で希望を持って暮らし続けられるという新しい認知症感を提唱するとともに、基本的施策として、認知症の人に関する国民の理解の増進、複雑化、複合化したニーズに対する、包括的な支援体制の整備、若年性認知症の人の継続雇用、予防、診断、治療といった研究の推進など12項目にわたって明記しています。
認知症に関する知識や認知症の人に対する理解については、1人1人が自分事として捉えることが重要です。
そのためにも、行政が軸となって、学校教育を初め、地域の企業や経済団体、自治会等との連携による地域認知症サポーター講座の更なる展開や、新しい認知症感を定着させるための啓発資料の作成配布など理解を深める取り組みが求められます。
そこで伺います。
認知症に関する知識および認知症の人に対する理解の促進についてどのように取り組んでいくのか。
若年性認知症の方々を含め、認知症の人が生きがいや希望を持ち、その個性と能力を十分に発揮することができるよう、社会参加の機会を増やすとともに、家族や事業主が安心して適切な支援が行える環境を整えることも必要です。
認知症と診断されても、希望を失うことなく、新たな目標に向かって行動できるようにするためにも、認知症の本人や家族が同じ経験をした方々と情報共有ができ、アドバイスが受けられるよう、ピアサポート環境を整備することが求められます。
そこで伺います。
地域における認知症ピアサポート環境の整備について、どのように取り組んでいくのか。
高齢ドライバー対策について伺います。
警察庁がまとめた運転免許統計によると、昭和58年に4881万人だった運転免許保有者数は年々増加し、令和5年では約1.7倍の8186万人となりました。
一方、免許更新時に高齢者講習の受講を必要とする70歳以上の運転免許保有者数は、昭和58年が54万人であったのに対して、令和5年は1362万人となるなど、40年間で約25倍に増加しました。
そのうち認知機能検査が必要となる75歳以上の運転免許保有者数は、令和5年では728万人となっています。
高齢者の運転免許保有者は今後も増加が予想されることから、高齢ドライバーへの対応が求められます。
そこで伺います。
本県における高齢ドライバーによる交通事故の現状はどうか。
以前に比べると、ニュースなどで高齢ドライバーによる交通死亡事故が取り上げられることは少なくなりました。
しかし近年では、高齢ドライバーによる交通事故の占める割合は増加しており高齢者が逆走しているのを目撃したので、何らかの対策をしてほしいといった相談をいただくことがあります。
また現在、多くのメーカーから、安全運転サポート機能付きの車が販売されていますが、高齢者にとっては、新車への買い替えのハードルは高く、後付けの安全運転支援装置の購入補助を望む声もいただきます。
高齢ドライバーの交通事故を防ぐことは、地域社会の安全安心に不可欠な要素であり、その対策が求められます。
そこで伺います。
県警では、高齢ドライバーによる交通事故防止に向けて、どのように取り組んでいるのか。
空き家対策について伺います。
高齢者施設への入所や、自宅で一人暮らしをしていた高齢者が亡くなり、それまで住んでいた住宅が空き家となるケースが増えています。
また、住宅を相続したものの、遠方に住んでいるなどの理由から、相続を放棄したり、手続きが滞ったりしてしまうと、住宅が放置され、空き家となってしまうケースも少なくありません。
2023年に総務省が実施した令和5年住宅土地統計調査によると、全国の空き家の数は前回の調査年である2018年からの5年間で51万戸の増加となり900万戸となる他、過去30年間では約2倍となっているため、本県の状況が気になるところであります。
そこで伺います。
本県における空き家の現状と課題はどうか。
空き家を適切に管理せず放置すると資産価値が下がるだけでなく、地域の活力を低下させるとともに、景観や防犯面、安全面からも近隣の住民に悪影響を及ぼします。
空き家問題が増えることが予想される中、既存の空き家をどうするかという消極的な対応だけでなく、空き家を発生させない積極的な取り組みが重要です。
高齢者が住む住宅が将来空き家とならないよう、相続や活用方法、処分等について、事前に家族と話し合っておくことが大切です。
そこで伺います。
空き家発生を抑制するため、県ではどのような取り組みを行っているのか。
県営住宅について伺います。
県内には、住宅に困窮する方が低廉な家賃で入居できるよう、公営住宅法に基づいて建てられた一般県営住宅が142団地あります。
県営住宅に入居するためには、通常年4回行われる空き家住宅の入居募集に応募し、抽選で当選しなければ入居できませんが、入居率の低さや応募率の低さから、常時募集を行っている県営住宅があります。
私の地元の市原市にある菊間県営住宅と、袖ケ浦市の蔵並県営住宅では、平成29年から常時募集を行っています。
しかし、年々入居者数が減少しているのが現状です。
空き家が増えると、防犯の面からも、自治会運営の面からも支障をきたすことがあり、住民の方々からは度々ご相談をいただきます。
昨年の6月議会で行った公明党の代表質問において、老朽化が進む県営住宅の再編整備の進め方を質問したところ、今年度末に改定する千葉県県営住宅長寿命化計画に基づき整備を進めていくとのご答弁をいただきました。
今後の整備の方向性が気になるところです。
そこで2点伺います。
常時募集を行っている菊間県営住宅と蔵並県営住宅の空き家の現状と課題はどうか。
改定後の千葉県県営住宅長寿命化計画における内房地域の整備の方向性はどうか。
解体工事の安全確保について伺います。
昨年の9月20日、千葉市にある3階建てビルの解体工事現場で足場と建物の一部が崩れて散乱し、1ヶ月以上歩道をふさぐ状態になりました。
また、本年の1月9日、旧千葉市文化交流プラザの解体工事現場において、3階部分の除去作業中、切断した梁を2階の床に置いたところ、床が崩れ落ち、1階で作業をしていた男性2人ががれきの下敷きとなり亡くなりました。
このような事故は作業員の命を脅かすだけでなく、周辺住民への被害や地域の経済活動に大きな影響を与えます。
事故の原因としては、老朽化した建物の構造的な問題、安全対策の不十分さ、作業手順の誤りなどが考えられますが、これらの事故は、解体工事の危険性を改めて認識させるとともに、安全確保の重要性を強く訴えかけています。
コンクリートの寿命は50年から60年と言われていますが、今後、高度経済成長期以降に建てられた建物が寿命を迎え、建て替えや解体が増えることが予想される中、解体工事現場における事故を未然に防ぐことが求められます。
そこで伺います。
解体工事の安全確保について、県ではどのように取り組んでいるのか。
昨年9月に発生した倒壊事故の解体工事現場では、夜間作業であったことや、飛散防止対策がされていなかったこと、石綿の事前調査結果が掲示されていなかったことなど、様々な問題があったことが指摘されています。
関係者が千葉市に問い合わせたところ、解体の元請け業者からはリサイクル法の届け出がされておらず、石綿事前調査結果報告もされていないなど多くの法令違反が行われていました。
業者が違法行為を行う背景には、解体に伴う工事費を少しでも安く抑えたいとの施主や施工業者の思惑があります。
一方、大気汚染防止法などの改正により規制が強化され、2022年4月より、一定規模以上の解体改修工事には、事前調査結果の報告が必須となった他、2023年10月からは有資格者による事前調査が義務化されました。
このことにより、調査者等の資格取得費用や事前調査費用を初め、アスベストを含む建材の除去費用や廃棄費用などアスベスト対策の費用負担が増加しています。
業者が法令を遵守して、適切なアスベスト対策を講じ、県民や作業員の命と健康を守るためにも、アスベスト解体時にかかる費用の助成を行うべきではないでしょうか。
そこで伺います。
アスベスト解体時の助成を行うべきと考えるがどうか。
中小企業支援について伺います。
人口減少と少子高齢化が進む日本において、中小企業は深刻な担い手不足に直面しています。
働き手が減っていく中、労働市場では人材の獲得競争が激しさを増しており、初任給が30万円を超える企業も出てまいりました。
中小企業が希少な人材を獲得するためには、仕事に見合った報酬や働く環境を整備しなければなりません。
また、近年の物価高騰により、生産コストが持続的に上昇していく時代において、中小企業が生き残るためには、デジタル技術による業務の効率化や省力化、AIの活用による判断の自動化など、1人1人の労働生産性を高め、少ない人数で最大限の成果を出す生産性の向上が必要不可欠となります。
県ではこれまで、生産性の向上を図るための設備投資を行った中小企業に対して、補助金による助成を行ってきました。
しかし今後、人口減少が加速していく中で、人手不足を克服し、物価高を上回る賃上げを実現するためには、中小企業における生産性向上の取り組みをさらに支援していくことが必要であり、我が会派では、議会質問や予算要望を通して、これまでも幾度となく求めてきたところであります。
そこで伺います。
中小企業の生産性向上に向けた設備投資に対し、今後どのように支援していくのか。
子供の付き添い入院補助について伺います。
子供が小児がんや心臓病などの重い病気にかかった場合、質の高い医療を受けるため、医療スタッフや設備が整った拠点病院に入院し、治療を受けることになります。
しかし、拠点病院は自宅から離れた場所にあることが多く、交通費の負担や移動による疲労などから、家族が病院に泊まり込んで世話をする付き添い入院が行われています。
また、子供が小さい場合、自分で身の回りのことができないことや看護師らの人手不足などの理由から、病院から付き添い入院を求められることもあるようであります。
入院している子供とその家族を支援するNPO団体キープママSmilingが行った実態調査によると、付き添い入院時に子供と同じベッドで寝た人が51.8%、熟睡感がない人は85.4%、体調を崩したことがある人は51.3%の結果となりました。
このような中、こども家庭庁では、付き添い入院に関する環境を改善するため、令和6年度補正予算に関連費用1億9000万円を計上いたしました。
この環境改善事業では、医療機関に対して家族が利用できる休憩スペースの設置を初め、簡易ベッドや家族用の調理器具の他、付き添い入院できない場合に、小児患者と家族等をオンラインで繋ぐタブレット端末の購入費費用が補助されます。
入院する子供を抱える家族の負担を軽減するためにも、今後の取り組みが気になるところであります。
そこで伺います。
入院中の子供を持つ家族の付き添いに関する環境改善について、県ではどのように取り組んでいくのか。
子供の性被害防止について伺います。
内閣府が行った令和5年度青少年のインターネット利用環境実態調査によると、インターネットを利用している割合は、98.7%と高く、そのうち子供専用のスマートフォンを利用している割合は、小学生が70.4%、中学生が93.0%、高校生が99.3%となりました。
スマートフォンの普及により、SNSの利用者も増えており、近年では撮影した写真や動画を投稿したり、共有したりすることが定着してきました。
しかし、ネット上での自撮り写真や動画の共有は危険が伴うことを忘れてはなりません。
警察庁がまとめた令和5年における少年非行および子供の性被害の状況によると、児童ポルノ事犯の検挙人数は1849人であり、そのうち10代の検挙人数は889人と48%を占めていました。
その内訳は、高校生487人と中学生270人で大半を占めており、違反の内容は製造時半376人、公然陳列事犯264人、提供時半207人となっています。
一方、検挙を通じて特定された被害児童数は1444人であり、その内訳は、中学生が592人と最も多く、次いで高校生541人、小学生232人となりました。
また被害内容で一番多かったのが、児童が自ら撮影をした画像に伴う被害であり、36.5%を占めました。
スマートフォンが身近に利用できるようになった今、子供たちが被害者や加害者にならないよう、性犯罪から守る取り組みが求められます。
そこで2点伺います。
児童ポルノ事犯から子供たちを守るため、県警ではどのように取り組んでいくのか。
児童生徒を被害者にも加害者にもさせないため、県教育委員会ではどのように取り組んでいくのか。
自殺の再発防止について伺います。
一昨年、県立高校に通う女子生徒が教員との関係に悩み、何度もSOSを発信していたにもかかわらず、適切な対応がされなかったために自ら命を絶った事案について、県の教育委員会は第三者委員会による調査結果公表しました。
調査結果によると、生徒はいじめアンケートや授業アンケート、作文など、様々な機会を通して訴えていましたが、これらの声は見過ごされ、精神的に追い詰められていた中で、進路に関するネガティブな指導があったとされています。
その上で今回の事態は単なる過失ではなく、教員であれば当たり前に行うべき指導をいくつもの場面で、不作為または不適切な指導に終始した結果だと指摘しています。
当該事案で実施されたアンケートは、担任や担当教員止まりとなっており、学校組織として共有がされていませんでした。
いじめやハラスメント、学校生活といった教員や学校が相談の対象となりうるアンケートを実施する場合には、担任や担当教員を介さずにWebアンケートなどを活用して自動集約し、結果については、学校全体で把握するとともに、県教育委員会とも共有できるようにするべきではないでしょうか。
また自殺を図った前日、生徒は学校を欠席するために自ら連絡を入れていますが、生徒からの欠席連絡の場合は必ず保護者に連絡を入れるという基本的なルールが守られていませんでした。
生徒は学校を欠席したまま自宅には戻ってこなかったとのことで、仮に保護者が欠席の連絡を知らされていれば、何らかの対応ができた可能性も指摘されています。
このような事態を2度と起こさないためにも、教育は子供の幸福のためにあるとの視点に立ち、生徒1人1人に寄り添った適切な指導が行えるよう、教員の意識改革と研鑽が必要であることはもとより、一方で人的ミスやエラーについてはシステムによってカバーすることも重要です。
そこで伺います。
学校でのアンケートや欠席連絡を確実に把握し、情報を共有するため、ICTの活用が有効と考えるかどうか。
フェイクニュース対策について伺います。
インターネットとSNSの発達により、情報へのアクセスが容易になったと同時に多くの情報に触れる機会が増えました。
誰でも簡単に情報発信者となれる時代になった一方、根拠のない偽情報や誤情報といった、いわゆるフェイクニュースが拡散されやすくなり、社会に混乱をもたらすといった問題も深刻化しています。
国際大学グローバルコミュニケーションセンターの山口真一准教授がまとめたレポートによると、フェイクニュースを見聞きした上で誤っていると気づいている人の割合は、政治関連では13%しかなく、コロナワクチンが43.4%、陰謀論が41.7%でありました。
また、フェイクニュースの拡散については、フェイクニュースを信じている人や情報リテラシーが低い人ほど拡散行動を起こしやすく、事実のニュースよりも約6倍も早く拡散するとのことであります。
さらに、AI技術の発展により、誰もがディープフェイクを使うことができるディープフェイクの大衆化が起こったことで、今後はさらに偽情報や誤情報が爆発的に増加するWithフェイク2.0時代が到来すると予想しています。
この指摘を踏まえると、今後、フェイクニュースが県民生活に与える影響は大変大きいのではないかと危惧をしているところであります。
そこで伺います。
フェイクニュースへの対応や注意喚起はどのように行っているのか。
また今後どのように取り組んでいくのか。
以上、壇上からの質問といたします。
ご答弁よろしくお願いいたします。
答弁(第1回目)
–議長
鈴木和宏君の質問に対する当局の答弁を求めます。
知事 熊谷俊人君。
–熊谷俊人 知事
公明党の鈴木和宏議員のご質問にお答えをいたします。
まず認知症対策についてお答えいたします。
認知症に関する理解の促進についてのご質問ですが、認知症の方が住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けるためには、認知症に関する正しい知識を家族や介護者だけでなく、社会全体に普及し理解を深めていくことが必要です。
現在認知症について正しく理解をし、本人やその家族を見守り応援する認知症サポーターを学校や企業等と連携をして要請するとともに、認知症の方が自身の体験や活動を自らの言葉で県民に発信をする取り組みを推進しているところです。
また世界アルツハイマー月間などの機会を捉えて、市町村等と連携をし、街頭で啓発活動を行う他、千葉ポートタワーをオレンジにライトアップするイベントを実施するなど、引き続き認知症の理解促進に取り組んでまいります。
次に中小企業支援についてお答えいたします。
中小企業の生産性向上に向けた設備投資についてのご質問ですが、物価高騰や人手不足など厳しい経済環境が続く中、中小企業の生産性向上は急務となっています。
これまで県では経営改善に関する相談対応や、専門家派遣などの伴走支援に加え、省力化や業務効率化を図るために設備投資を行う事業者に対し、県単独で補助を行ってまいりました。
県内経済は全体として緩やかな回復基調にあるものの、中小企業にとってはいまだ厳しい状況が続いているものと考えられます。
このため積極的な設備投資を行う中小企業が地域の景気や雇用を支える企業へと成長できるよう、2月補正予算において17億円の補助金を計上いたしました。
今後も関係団体と連携をしながら、こうした支援の周知を図り、中小企業の生産性向上に向けた設備投資を促進してまいります。
私からは以上です。
他の質問につきましては、担当部局長からお答えをいたします。
–議長
健康福祉部長 岡田慎太郎君。
–岡田慎太郎 健康福祉部長
認知症ピアサポートについてのご質問にお答えします。
認知症の方やそのご家族同士が悩みや体験を共有し、互いに支え合うピアサポート活動は、不安を乗り越え、前向きに暮らしていく上で有効な取り組みと考えます。
県では認知症の方や家族が気軽に集い、情報交換や相互の相談ができる交流会を県内各地の公民館や臨床疾患医療センターなどで開催する他、市町村が行う認知症カフェなどの交流の場の設置を支援しています。
さらに認知症の方本人を千葉オレンジ大使として委嘱し、イベントなどにおいて参加者と意見交換などを行っていただいており、今後も相互に支え合う仕組み作りに取り組んでまいります。
以上でございます。
–議長
警察本部長 宮沢忠孝君。
–宮沢忠孝 警察本部長
私からはまず、高齢ドライバー対策についてお答えいたします。
高齢ドライバーによる交通事故の現状に関するご質問ですが、昨年中の65歳以上の高齢運転者が、第1当事者となった交通事故の発生件数は3149件で、全交通事故の約26,9%を占めており、5年前の令和元年中と比較して約2,1ポイント増加しています。
次に、ドライバーの交通事故防止に向けた取り組みに関するご質問ですが、県警では関係機関団体と連携し、加齢に伴う身体機能の低下を実感させるための参加体験実践型の交通安全教育を行っている他、いわゆるサポカーの普及や健康および体調を考慮し、適切な運転行動をとるはればれ運転の周知に向けた広報啓発活動を推進しております。
また運転免許証を自主返納しやすい環境作りを促進するため、自治体や企業等による支援措置の拡充について働きかけを行うなどの取り組みを推進しているところです。
引き続き関係機関団体と連携し、高齢運転者の交通事故防止に向けた取り組みを推進してまいります。
最後に子供の性被害防止についてお答えいたします。
児童ポルノ事犯から子供を守るための取り組みに関するご質問ですが、児童ポルノ事犯は、子供の心身に有害な影響を及ぼし、かつその人権を著しく侵害する極めて悪質な行為であり、近年はインターネット上のSNSを通じて被害に遭うケースが多いと認識しております。
県警では県民からの通報やインターネットホットラインセンターからの情報提供、街頭活動やサイバーパトロール等の各種警察活動を通じて、児童ポルノ事犯の情報収集に努めており、これを把握した場合には速やかに必要な捜査を行うなど、取り締まりを強化しております。
また学校等と連携した非行防止教室などを通じて、子供や保護者等に対し、インターネットの危険性やSNSの適正な利用方法について周知するなど、被害防止のための啓発活動に取り組んでいるところです。
引き続き、関係機関と連携して、児童ポルノ事犯の根絶と被害防止に努めてまいります。
以上でございます。
–議長
局長 澤宏幸君。
–澤宏幸 都市整備局長
私からはまず、空き家対策についてのご質問にお答えいたします。
はじめに空き家の現状についてのご質問ですが、国が5年毎に実施している住宅土地統計調査によると、令和5年における県内の空き家件数は、前回調査の平成30年から1万1600戸増加し、39万4100戸と過去最多となっております。
そのうち別荘や賃貸用などを除く使用目的のない空き家は令和5年では15万8500戸と平成30年から1万4100戸増加しており過去の調査結果を見ても、増加し続けています。
空き家が適切に管理されずに放置されると、倒壊の危険や防犯上の問題、景観の悪化など、周辺に悪影響を及ぼす恐れがあることから、除却等の促進に加え、適切な管理を行っていくための取り組みが必要と考えております。
次に空き家の発生抑制についてのご質問ですが、住まいが空き家とならないようにするには将来の活用方法や、相続について事前に家族などと話し合い、整理しておくことが重要であることから、所有者などに早めの備えを促す必要があると認識しております。
このため県では今後の住まいの使われ方や相続についての整理するための住まいのエンディングノートを不動産関係団体と連携して作成し周知しているところです。
また、市町村が開催する空き家に関する講習会や相談会に専門家を派遣し、活用方法や相続などの相談対応を行っているところであり引き続き、市町村や関係団体と連携しながら、空き家の発生抑制に向けて取り組んでまいります。
次に、菊間県営住宅および船見県営住宅の空き家についてのご質問ですが、令和5年度末の空き家率は、改修のため募集を停止している住戸を除くと、菊間県営住宅が27.3%、倉並県営住宅が19.0%であり、県営住宅の空き家率17.6%と比較して高くなっています。
空き家が多い要因として、エレベーターが設置されていないこと、建設から40年以上経過していること、また菊間県営住宅については、公共交通によるアクセスが不便であることなどが考えられます。
県では、住戸内の設備更新やバリアフリー化等を実施している他、身体機能が低下した方の低層階への住み替えなどを行っており、引き続き住環境の改善を図り、空き家戸数の縮減に努めてまいります。
次に内房地域における県営住宅の整備の方向性についてのご質問ですが、千葉県営住宅長寿命化計画は、今年度末の改定を目指し作業を進めており、中長期的な管理戸数の目標に加えて、これまで県全体で設定していたところ、需要動向を踏まえて、地域ごとに設定する予定です。
内房地域においてはすでに多くの県営住宅が立地していること、また、将来的に人口や世帯数の減少が認められることなどを踏まえ、計画の改定案では、集約再編も含め地域の実情に応じた供給を行う方針としております。
集約再編をする場合には入居されている方へ丁寧な説明をするとともに、地域の需要に応じた適切な管理戸数となるよう、地元市と協議しながら進めてまいります。
次に解体工事の安全確保についてのご質問ですが、建築基準法では、工事現場の危害防止を図るため工事の施工者は仮囲いの設置や落下物による危害防止等の措置を講じることとされております。
国においては解体工事における事故の危険性を幅広く捉えた建築物の解体工事における外壁の崩壊による公衆災害防止対策に関するガイドラインを策定し施工者等に対して事故を防止するための留意事項を示しているところです。
県としては法令順守およびガイドラインに基づく被害防止策の徹底により、建築物の解体工事における安全確保が図られるよう、特定行政庁および解体工事関係団体に周知してまいります。
次に、アスベスト解体時の除染についてのご質問、国では、吹きつけアスベストの飛散による建物利用者の健康被害防止のため、吹きつけアスベストに対する含有調査費や除染費用等への助成を行う数量に対し、その経費の一部を支援しております。
今年度、県内ではこの支援制度を活用し、3団体が吹き付けアスベスト対策に係る助成を実施しています。
県としては引き続き、全国アスベスト安全に係るリーフレットを活用し、建物所有者へ対策の必要性を啓発するとともに、支援制度について県内自治体へ周知してまいります。
以上でございます。
–議長
保健医療担当部長 鈴木貴士君。
–鈴木貴士 保健医療担当部長
入院中の子供の付き添いについてのご質問にお答えいたします。
小児患者が入院する場合には、医師の許可を得れば、家族などが付き添うことができることとされていますが、国が実施した実態調査によると、付添人が十分な休息を確保できていないなどといった課題が指摘をされています。
このような状況を改善するべく、国は令和6年度補正予算において、付き添いをする家族が休息できるスペースの設置を目的とした病院内の修繕や、簡易ベッド等の物品購入に対する補助事業を創設したところです。
そのため県では今後、医療機関に対する要望調査など必要な対応を行ってまいります。
以上でございます。
–議長
教育長 冨塚昌子君。
–冨塚昌子 教育長
児童生徒を性暴力の被害者にも加害者にもさせないための取り組みについてのご質問ですが、性暴力を防止するためには、児童生徒が性犯罪性暴力に関する正確な知識をもとに、相手を傷つけない行動や、被害に遭いそうになった場合の対応等について、発達段階に応じて学習できるよう取り組むことが重要だと考えています。
そのため学校では、命の安全教育を通して、いわゆるプライベートゾーンや人との距離感等について、小学校低学年から学習し、中学校、高等学校では、デートDVやSNSを通じた被害等について、実例をもとに考えさせるなど、実践的な取り組みを推進しています。
県教育委員会では、命の安全教育が、保健体育や道徳など複数教科に渡ることから、相互に関連付けて効果的に活用できるよう各学校を指導するとともに、警察や医療等の専門家に外部講師を依頼するなど、関係機関との連携を一層強化し、取り組みの充実を図ってまいります。
学校でのアンケートや欠席連絡へのICTの活用についてのご質問ですが県教育委員会では一昨年の事案発生後、直ちに県立学校に対し生徒が発したSOSを組織として共有し対応すること、生徒の欠席について確認を徹底することなどを指示しました。
しかしながら重要な情報の見逃しなど人的なミスを防止するためにはこれらの徹底に加え、ICTの活用が重要だと考えており、まずは徐々に導入が進んでいるWEB上のアンケートやICTを活用した欠席連絡をすべての県立学校で実施するよう取り組んでまいります。
更に生徒の小さな異変等についても、組織全体に警告を発するなど、ICTを活用した優れたシステムがあることから、導入事例等を研究しているところあり、生徒のSOSを確実に捉えることができるよう取り組みを進めてまいります。
以上でございます。
–議長
総合企画部長 冨沢昇君。
–冨沢昇 総合企画部長
フェイクニュースに関するご質問にお答えいたします。
偽情報や誤情報の発信拡散は、社会生活に深刻な影響を及ぼす恐れがあることから、国はこうした問題に対処するため、有識者による検討を行うとともに、通信事業者など、関連する様々な企業や団体と連携した推進体制を構築し、総合的な対策に取り組んでいくこととしています。
県としては、偽情報等を広めないためには、正確な情報を広く県民等に届けることが重要と考えており、県ホームページやSNSなどを活用し、積極的に発信しています。
また、特に県民に不安や混乱が生じることが懸念される場合には、自治体等の発信する情報をもとに行動をとるよう注意喚起を行っています。
今後も県民が正確な情報に基づいて判断や行動ができるよう、各部局間で連携し、迅速かつ積極的な情報発信を行うとともに、国の進める対策の動向を注視してまいります。
以上でございます。
–議長
鈴木和宏君。
質問・要望(第2回目)鈴木和宏 議員
–鈴木和宏 議員
知事初め執行部の皆様、ご答弁ありがとうございました。
それでは自席よりご要望と再質問させていただきます。
初めに、高齢ドライバー対策についてご要望を申し上げます。
高齢ドライバーが逆走しやすい例として、けいろうが複雑な交差点や交差する片側2車線の道路に右折で進入するときに、誤って逆の車線に入ってしまうようであります。
カラー舗装を行って通行帯を明確化したことで、逆走する車がなくなった事例もあるようですので、カラー舗装による逆走防止対策を始め、後付け安全運転支援装置への補助等についても、ぜひご検討いただき高齢ドライバーによる交通事故防止に努めていただくよう要望いたします。
空き家対策について要望と再質問をさせていただきます。
県では、住まいのエンディングノートを作成し、周知しているとありましたが、まだまだ周知が足りないのではないかと思います。
住まいのエンディングノートについては、県のホームページからもわかりやすく検索でき、またダウンロードできるようにする他、県民だより等で特集をするなど、空き家の発生抑制に向けた更なる周知、啓発をお願いいたします。
また、周知啓発の他、空き家を利活用していくことも重要であります。
兵庫県では、空き家の活用を支援するため、改修工事費の一部を補助しています。
また東京都では、住宅の確保が困難な人に対して、手頃な家賃で空き家を貸し出すアフォーダブル住宅の提供に向けた検討が始まったようです。
本県においても同様の取り組みにより、空き家の発生抑制に努めるべきではないでしょうか。
そこで伺います。
空き家を活用するための補助制度を創設すべきと考えるがどうか。
県営住宅について再質問いたします。
空き家となっている公営住宅を積極的に活用し、従来の入居対象者だけでなく、地域の利便に合わせて、より広い層に住宅を提供することを目的とした制度として、公営住宅の地域対応活用が図られています。
公営住宅の地域対応活用は、入居対象者を居住を妨げないなどの一定の条件のもと、原則として1年ごとの期間で設定されています。
活用例としては、三重県では、自治会活動に参加することを条件に、学生や教員用の住宅として、岩手県では、移住定住を希望する若者の住宅として、兵庫県神戸市では、市内に事業所を有する事業者の社宅として公営住宅が活用されています。
空き家の有効活用と財政負担の軽減を図るためにも地域対応活用を行うべきと考えます。
そこで伺います。
県営住宅の空き家対策として、学生寮や社宅など地域対応活用を行うべきと考えるがどうか。
解体工事の安全確保について要望いたします。
アスベスト対策の費用負担を軽減するため、自治体によっては、アスベストの含有調査費を初め、撤去工事費や資格取得講習費を補助しています。
市町村に対しては国の支援制度の周知を徹底いただくとともに、県としても、アスベスト対策への支援を検討頂きますよう要望いたします。
中小企業支援について要望いたします。
人口減少時代において、人材不足や後継者不在に生き残っていくことが難しい企業が発生する可能性もあります。
業界の垣根を越えた企業間での統合や優れた企業の買収など集約されていくことの予想されます。
今後、事業継続に困難が生じた時には、企業間連携やM&Aをはじめ、事業の再生、および廃業の円滑化、成長分野への進出促進など、企業の新代謝陳を促すような支援の他、失業なき労働への支援についても一層の充実を図っていただきますよう要望いたします。
子供の性被害防止について要望いたします。
子供による性的な自撮りに関する被害が増えている中、愛知県警を含めた産学官が連携し、AIを利用して被害を防止するアプリが開発されました。
このアプリでは子供がわいせつな画像をスマートフォンで撮影保存した際、AIが撮影データを判別し、画像の削除を促す通知が表示されるとともに、保護者にも通知がされるものであります。
撮影データの判別はサーバーを介さず端末のアプリ上で行われるため画像が端末の外に共有されません。
このようなアプリの周知や導入についても検討いただき子供の性被害防止に努めていただきますよう要望いたします。
自殺の再発防止についてご要望があります。
先月、厚生労働省は2024年に自殺した小中高生の数が過去最多となったことを公表しました。
県教育委員会では、児童や生徒が気軽に悩みを相談できるよう、LINEアプリを使ったSNS相談事業を行っています。
そのSNS相談at千葉の周知については、入学時や長期休みの前に行われていると思いますが、相談先が常に目につき、いざというときに相談できるよう、教室や校内に貼っておくなどの対応をお願いいたします。
フェイクニュース対策について要望いたします。
フェイクニュースが生みだされる主な背景には、経済的理由と政治的理由があると言われています。
現代はサイトの閲覧数や動画の再生回数がお金に変わる時代であり、情報発信者には常に意図や目的があることを意識しなければなりません。
これまでも災害や戦争などの有事に、社会を混乱させる投稿を始め、政治的意図を持って流された情報や詐欺行為、医療健康に関するフェイクニュースがありましたが、フェイクニュースが拡散されると、人々の判断を誤らせるだけでなく、社会の分断や対立を煽る原因となり、時には人の命を奪う事態にも発展させるため対策が必要です。
フェイクニュースに関する注意喚起やファクトチェックを促す動画、またはリーフレットの作成の他、フェイクニュースに付随させる形での正しい情報の発信、ネット上の不適切な投稿をスクリーニングするAI投稿監視システムの導入などフェイクニュースへの対策強化していただきますよう要望いたします。
以上、2回目といたします。
答弁(第2回目)
–議長
都市整備局長 澤宏幸君。
–澤宏幸 都市整備局長
まず空き家に関するご質問ですが、県では市町村や関係団体で構成する協議会において、市町村が実施する空き家バンクの運営や、改修費の助成の取り組み事例を紹介するなど支援しているところであり、引き続き空き家の有効活用に取り組んでまいります。
次に、県営住宅の活用についてのご質問ですが、県では昨年、県営住宅設置管理条例を改正し、60歳未満の単身入居を可能とするなど、県有財産の有効活用に努めているところです。
引き続き入居状況を注視するとともに、なお、空き家の解消が進まない場合には、地域の実情に応じ、学生寮や社宅など、弾力的な活用について、他の自治体の事例等を研究してまいります。
以上でございます。
-議長
鈴木和宏君。
要望(第3回目)鈴木和宏 議員
–鈴木和宏 議員
ありがとうございました。
それでは最後に要望させていただきます。
県営住宅についてでありますが、内房地域については、既に多くの県営住宅があり、将来的に人口や世帯数の減少が見込まれるとのことでありました。
そのような状況ですので、特に空き家の多い常時募集を行っている県営住宅については、早期の地域対応活用を行っていただくよう要望いたします。
以上で質問を終了いたします。
ありがとうございました。