【速報】本日の千葉県議会 ー 天野行雄議員(国民)の一般質問 2024年9月27日午前1

本日の県議会をいち早くお伝えいたします。
※複数人体制でチェックしてはいますが、できるだけ早く、皆様に議会での議論をお届けしたいと文字起こしをしているため、誤字などもあります。ご容赦いただき、各自、ご確認ください。

 

本日(2024/9/27)午前一人目の一般質問は、国民民主党の天野行雄議員した。

質問項目

  1. 知事の政治姿勢について
  2. エネルギー対策について
  3. 工業用水道事業について
  4. 鉄道問題について
  5. その他

 

議会質問・答弁の書き起こし全文


質問(第1回目)天野行雄 議員


–天野行雄 議員
おはようございます、千葉市稲毛区選手の国民民主党天野行雄です。
本日も議会傍聴に駆けつけていただきました傍聴者の皆様ありがとうございます。

本日は、カーボンニュートラルの推進と経済と環境の好循環を念頭に置き、千葉県経済の活性化に向けて質問と要望させてもらいます。
また、今年5月には、千葉県資源エネルギー問題懇話会で欧州エネルギー事情視察を行い、水素事業や、省エネルギー対策再エネが拡大する中での安定供給、浮体式洋上風力など、幅広い課題について調査を行いその内容を踏まえて質問いたします。

初めに知事の政治姿勢について、大型プロジェクトの誘致による新産業の創出について伺います。
県経済の更なる活性化には、成長産業分野における千葉県での新たな事業展開による産業誘致が必要です。
本県の強みとして、成田空港や千葉港などの国際空港や貿易港。
県内の発電力量は日本で一番であり、再生可能エネルギーも上位に位置づけ位置付けられます。

そして、供給能力のある工業用水道、以下工水としますも有しています。
成長産業としては、新エネルギーである水素やアンモニア事業、電子部品や半導体産業IT関連産業など、戦略的に千葉県に呼び込むべきです。
ここで、水素事業の大型プロジェクトを2点紹介します。

一つは大規模水素サプライチェーン構築プロジェクトの一環として、川崎市の臨海部に液化水素の大規模タンクを建設し、オーストラリアからの液化水素の受け入れとして商用化に向けた実証事業を始め開始しました。
川崎市は約10年前の15年に、水素社会実現に向けた川崎水素戦略を策定し、水素の国際輸送に関するプロジェクトを進めてきました。
二つには、国内初のPSG事業会社山口ハイドロジェンカンパニーが22年2月、甲府市内に設立されました。

設立者は18年に山梨水素エネルギー社会実現ロードマップを策定した山梨県県東京電力ホールディングスです。この事業は、NEDOの委託事業として、再エネ電源からグリーン水素を製造し、貯蔵利用するPCシステムの開発成果を共同で発展に繋げるためです。
21年には事業拡大し、水素サプライチェーン構築に向けた実証試験も行っています。
このように、川崎市は大規模水素サプライチェーンを形成するエネルギー供給地点として位置づけられることになり、山梨県は水質を燃料電池バレーとしての一歩を踏み出しました。

このようなプロジェクトや実証試験を行うことで、その周辺地域に関連する企業や人材の集積育成に繋がり、新たな産業のスタートに繋がっていきます。
正しく事業なくして新産業の創出やサプライチェーンの構築はないということだと思います。
大型プロジェクトの計画から実現まで早くても5から10年の期間が必要と考えますが、森田県政の取り組みの結果が現在の千葉県の状況であり、大型プロジェクトおよびかなかった千葉県の将来に危惧をいただいています。

また、千葉県の京葉臨海工業地域もカーボンニュートラルの実現に向けて、水素やアンモニアなどの新エネルギーへのエネルギーシフトが推進されていますが、今後、工業地帯の産業構造の変化も想定され、企業の事業内容の見直しや状況により撤退が起こる可能性も否定できません。
千葉県の産業規模を維持拡大するためにも、県として、大型プロジェクトの誘致による新産業の創出に向けて、戦略的な取り組みが必要であり方向性を明確にすべきです。

ここで伺います。

新たな産業の創出に向け、県はどのように取り組んでいくのか。

次は半導体産業ですが、日本政府の支援もあり、日本各地で工場の新設や増設が行われています。
今年2月に台湾企業のTSMCが熊本県に進出しました。
現在は第2工場の建設に取り組んでいます。

また、北海道の千歳市には、ソニーやトヨタ自動車など、日本国内大手企業8社が出資したラピダスの工場の建設が進められています。
目指すのは半導体の開発と量産化です。
日本政府も本腰を入れて支援しており、TSMCの第1第2工場におよそ1兆2000億円、ラピダスには9200億円の開発費を拠出する予定です。
進出により、地価の上昇や雇用の創出、人口の増加などにより地域経済は活性化し波及効果が拡大しています。

九州沖縄山口における半導体関連産業の設備投資により、経済波及効果は10年間で約20兆円であるとシンクタンクの発表がありました。
岸田政権において、日韓関係の改善により、日韓の半導体同盟の可能性や、ラピダスの新工場でのサムソンとの共同運営など観測が浮上しています。
日本の反動産業の将来に明るい兆しが見えています。

ここで千葉県への半導体産業の充実という視点で話します。
半導体産業は、企業誘致を進めるに欠かせない条件は、一つには、施設の設置に必要な広大な土地、二つには電力です。
これからは再エネ電源の利用が必須となります。
三つには大量の工水が必要で、熊本県のTSMCでは1日に1万立米の地下水が使用されています。
これらに加えて、アクセスや労働力などが求められ、それぞれのプライスや条件などにより総合的な判断がされます。

初めに電力ですが、資源エネルギー庁の2022年電力調査統計都道府県別発電実績によると、千葉県は日本一の発電量を誇る電源県です。
また、再エネ電源の発電実績は全国で12番目、関東地方で見ると、一番目は茨城県千葉県は2番目となっています。
太陽光では、全国で8番目、風力が全国19番目という状況です。

再エネでは、将来の洋上風力の開発を加味すると、関東地方で一番目の発電量となる可能性は高いと考えられ、関東地方で一番再エネ電源の入手しやすい県となり、再エネ電源を求める企業は優先して選択する県になることも想定されます。
次に工水ですが、房総臨海地区では、日量で約2万9000立米の水があります。TSMCの1日の利用量は1万立米であり、TSMCの三つの工場に供給できる水量が確保されています。

ただし、工水が利用できる産業用地については、わずか1ヶ所で1.8平米、1.8ヘクタールしかなく、土地開発については水部門と連携の上、産業用地の開発が必要です。
企業が寄留する条件整備を図ることにより、大規模な半導体産業の誘致や集積も可能であり、千葉シリコンバレーの実現も夢ではありません。
千葉県のポテンシャルを十分に生かした企業用地を進めるべきです。

ここで伺います。

今後県内で整備が検討されている。
産業用地については、水や電力などのインフラを充実することで、より有益な企業誘致が進んでいくものと考えるがどうか。

次にエネルギー関係の質問に移ります。
千葉県では、印西地域を中心に国内外のIT企業の大規模データセンターの建設が進み、その8割強が東京圏と大阪圏に集中しており、現在も国内に新設計画は50余であり、今後もこの傾向は続く見込みです。

東京電力ホールディングスの試算では、千葉印西エリアの電力需要は、27年には17年の6倍に達すると予想しています。
国内の電力需要は、カーボンニュートラルの推進により省エネが進み、消費電力は減少すると想定されていましたが、電力中央研究所の試算では、21年の実績9240億kW50年には1万2650億kW最大で37%増加すると予想されています。

データセンターや半導体産業などの電力需要の高まりにより、消費量は減少から拡大によって大きく変化しており、新たな電源の確保が必要となっていることは認識すべきです。
電力供給を支える再エネ電源ですが、第6次エネルギー基本計画では、30年度の電源構成に占める比率を36から38%に引き上げる目標を掲げていますが、22年度は21.7%で、8年間で約1.7倍という高いハードルとなっています。

風力は未稼働が多い状況にあり、地熱は開発自体が進んでいません。
今後発電容量が中心することは難しく、このままでは30年までに施設整備が間に合うのか透明な状況にあります。
現在の第7次エネルギー基本計画の策定に向けて議論が進められていますが、国の動向を注視する必要があります。
再エネ産業ですが、太陽光パネルは2005年ごろに日本メーカーが世界シェアの50%に至りましたが、中国等の海外勢に押され、現在は1%未満まで縮小しています。
風力発電も太陽光と同様に、中国と欧州のメーカーに押されて、日本企業は海外での競争力はありません。

思ったように、再エネで産業振興や雇用の創出に繋がっていないのが現状です。
このような厳しい状況ですが、千葉県として、再エネ電源の開発に役割を果たすとともに、カーボンニュートラルの推進を経済の好循環に繋げるためにも、戦略性を持って取り組むべきです。
このような中で注目されるのは、ペロブスカイト太陽電池と浮体式の洋上風力です。
次世代型太陽電池として期待されるペロブスカイト太陽電池ですが、軽量で柔軟なフィルム型は、現時点では耐用年数がわずか10年程度であり、更なる技術開発が必要です。

千葉県として、今注目すべきは、浮体式の洋上風力だと思います。
日本風力発電協会は、水深50メーターまでの着床式で1億2800万kW100から300メーターの浮体式が4億2400万kWと3.3倍の発電能力をもつと試算しています。
日本は排他的経済水域、EEZも含めると、浮体式を設置可能な地海域は多く、また海洋構造物の施工技術は世界トップクラスにあります。
日本と浮体式のサプライチェーンを構築できる国は世界にそうはないと言われており、世界の政府のバックアップを期待する事業者も多く存在しています。

洋上風力の産業競争力強化に向けた官民協議会が第1次洋上風力産業ビジョンでは、30年までに10Gw40年には30から45Gwの発電施設を形成する目標を設定しました。
アジアへの展開を見据えた浮体式風力の次世代技術開発をして技術開発ロードマップの策定や基金も活用した技術開発支援を示しています。

政府は、浮体式設備の設置場所を現行の領海内からEEZに拡大する方針であり、第二次ビジョンの策定に向けて期待し洋上風力の産業戦略が議論されています。
繰り返しになりますが、関東地方において再エネの発電量は、茨城県に次いで2番目です。

風評は千葉県の方がよく、浮体式設備の導入により逆転し、一番になる可能性は高く、これは千葉県において産業誘致に大きなアドバンテージとなります。
浮体式の電源開発でも欧州や中国が先行していますが、開発生産では、船舶や橋梁などの製造技術が必要とされ、高度な海洋土木技術を持つ日本の得意分野です。

次世代風力である浮体式の事業化に向けて、電力会社を中心に、今年3月に日本日本企業14社が、連携し、発電システムの基盤技術を共同開発するとともに、各社の研究成果を集約して、量産技術の早期確立に向けて動き出し動き始めています。
千葉県沖の海底は朝と急に深くなる地形と変化に富んでおり、様々な条件の中で、浮体式の洋上風力が可能な地域と判断します。
また、将来の浮体式風力発電設置の有望地域でもあると思います。

そこで伺います。

浮体式洋上風力発電の導入について、県はどのように考えているのか。

次に、再エネの地産地消による企業誘致や支援について伺います。
考え方ですが、関東地方で千葉県は、最大の供給量は現在2番目であり、RE100やスコープⅢなどに取り組む企業に対して、県が支援策を設けることにより、企業誘致や起業支援に繋げていくという考え方です。
同時にカーボンニュートラルの推進もはかることができ、経済と環境の好循環に繋がります。

資料1と2をご覧ください。RE100は、企業が自らの事業の使用電力を100%再エネで賄うことを目指す国際的なイニシアチブです。
日本企業の参加は24年9月時点でアメリカに次いで2番目で、88社が登録しています。日本では、中小企業や自治体等を対象とした取り組みとして、19年10月に再エネ宣言リアクションが発足しており、大企業だけの取り組みではありません。
その達成時期は50年までの自社が設定した期限としていますが、30年の達成を目指す企業や自治体も存在します。

次にスコープワンツースリーですが、このサプライチェーンを通じた温室効果ガスの排出量という考え方です。
国際サステナビリティ基準審議会からスコープⅢの開示基準が公開され、各国で今後上場企業に取引先などサプライチェーン全体のスコープⅢを含めた排出量の情報公開を運用するための動きが進展しています。

Appleでは30年までにスコープⅢを含めた供給網全体の排出をゼロにする目標を考えています。
部材などを供給する日本企業も同時に取り組むことになりますが、この動きはAppleだけでなく、上場企業に対してスコープ3の開示を求めていく方向にあります。
このような流れから30年以降になると、クリーンエネルギーの争奪戦が本格化するというするとみる企業もあります。

また、GX、グリーントランスフォーメーションにおける産業立地は、再エネや送電網の整備状況など新たなエネルギーの供給拠点等を踏まえた産業用地の提供も考慮する必要があります。
このような流れは既に始まっています。

資料3をご覧ください。
熊本県では、産業集積拠点として、テクノリサーチパークやりんくうテクノパークを中心としたエリアにおいて、民間施設に太陽光発電蓄電池を導入するとともに、ダム湖には、太陽光発電、木質バイオマス発電を導入し、再エネ供給によりRE100を目指す企業の誘致を進めています。

電気は県主導の地域エネルギー会社を設立し、再エネ電力の供給をしています。
RE100やスコープワンツースリーに取り組む企業が再エネ電源を確保する方法として、電力購買契約以下TTAとしますがあり、企業や自治体が保有する施設の屋上や遊休地を事業者から借用し、無償で太陽光など発電設備を設置し、発電した電気を使うことで電気料金とCO2の排出削減ができる仕組みです。

世界のRE100やスコープワンツースリーに取り組む企業ではTTAが増加傾向にありますが、日本は他国と比較して、大規模なTTAが限定的であり、財源確保が難しいと指摘があり、自治体として企業に対する支援策が必要とされています。
再エネ電源を活用し、RE100やスコープⅢに取り組む企業やTTAの導入を支援することにより、企業誘致や起業支援をする枠組み作りが求められています。

そこで伺います。

再生可能エネルギーによる電力を求める企業の増加を見据えて、県は企業の支援にどのように取り組んでいくのか。

次に燃料電池トラックについて伺います。
地域の物流を支える中小型トラックは脱炭素を目的に、パワートレインの多様化が進んでいます。EVトラックが実用化されましたが、充電の長さと比較して短い走行距離、寒冷地での課題など、EVの難しさが指摘されていました。
小型燃料電池トラックの開発が進み、車両価格の問題や水素ステーションの整備など課題はありますが、実証走行により課題を整理し、条件整備を進める必要があります。

そこで伺います。

物流事業等における燃料電池トラックの導入を促進するため、県はどのように取り組んでいくのか。

次に資料4の工業用水道事業について伺います。
工水は、産業の血液ともいわれ、産業インフラとして、企業の生産活動に欠かすことのできないものです。
本県の工業用水道事業は、昭和39年に五井市原地区で給水を開始し、京葉臨海工業地帯を中心に安定的に工業用水を供給することにより、本県経済の活力の向上に貢献してきました。
現在7地区において、日量約113万立米の供給能力を有する全国屈指の規模となっていますが、そのうち約109立方は企業に活用されているものの、残りの約4万立方は活用されていない未売水となっています。

ここで伺います。

未売水が発生していることに対する認識はどうか。

次に千原線についてです。
千葉中央駅からちはら台駅の10.9kmを結ぶ京成千原線は、元々第3セクターである千葉急行鉄道により運行されていました。
1977年に千葉市と市原市にあるニュータウンのアクセス鉄道として建設が開始されましたが、工事の遅れに伴う開業延期により、建設費用が大きく膨らみ、1992年の開業当初から運賃は高く設定されることになりました。

しかしながら高額な運賃がネックとなり、利用者数は見込みより少なかったことなどから、1998年千葉急行電鉄は経営破綻しました。
その後、京成電鉄がこの路線を現在の千原線として引き継ぐこととなり、同じ京成線でも千原線の運賃は高い水準となっています。

例えば千葉中央駅からちはら台駅まで380円であるのに対し、他の路線で、同程度の距離では250円と約1.5倍となっています。
また、JRと比べても運賃は高く、住んでいる地区によっては、千原線を利用しなくても、やむを得ずJRを利用している方もいるのではないでしょうか。

このように千原線の運賃問題は、沿線住民にとって生活に直結する切実なものとなっています。
千原千原線の22年度の1日平均の乗車人数は約2万2000人であり、今後、運賃の引き下げを可能とするためにも、利用客をさらに増加させていくための取り組みを進めていく必要があると思います。

そこで伺います。

京成電鉄千原線の運賃引き下げに対する認識と、利用者増加に向けた取り組みはどうか。

以上で1回目の質問を終わります。
よろしくお願いいたします。


答弁(第1回目)


–議長
天野行雄君の質問に対する当局の答弁を求めます。
知事 熊谷俊人君。

–熊谷俊人 知事
国民民主党の天野行雄議員のご質問にお答えをいたします。
政治姿勢についてお答えいたします。
新産業の創出に向けた県の取り組みに関するご質問ですが、県では本県経済を牽引していくことが期待される地域の産業集積に繋がるよう、現状や将来性、民間の投資動向等を把握するとともに、これらの地域への立地可能性、周辺産業や雇用への効果などの詳細な分析を進めるなど、新たな産業地域作りに向けた取り組みを進めているところです。

このうち成田空港を核とした地域においては、様々な産業の集積に向けて、国家戦略特区や地域未来投資促進法の活用に加え人、物、投資を呼び込む、エアポートシティの形成に向け、県と空港会社で議論を開始したところです。
また臨海コンビナートの脱炭素化や洋上風力発電の導入、健康医療もの作り産業の振興などを契機とした新たな産業の創出に取り組むなど県内各地域の更なる発展にも繋げてまいります。

インフラの充実による企業誘致についてのご質問ですが、企業が必要とする水や電力などのインフラ需要は産業ごとに異なっており、県内に戦略的に産業集積を進めていくためには産業に応じた工業用水や電力等のニーズを踏まえて検討していくことが重要であると考えています。

このため本県経済を牽引していくことが期待される地域などの調査の中で、集積を目指す産業分野とともに工業用水や電力など必要となるインフラ条件についても整理を進めているところです。
今後はそれらの検討結果をもとに必要となるインフラを供給する関係機関とも連携をしながら、戦略的な企業誘致を進めてまいります。
私からは以上でございます。
他の質問につきましては担当部局長からお答えをいたします。

–議長
商工労働部長 野村宗作君。

–野村宗作 商工労働部長
まず浮体式洋上風力発電の導入に関するご質問にお答えいたします。
再生可能エネルギーによる電力の導入促進を図るためには、主力電源化の切り札として期待されている洋上風力発電をさらに促進していく必要がございます。

そのためには現在導入が進んでいる着床式だけではなく、水深が深い海域でも発電が可能な浮体式に取り組んでいく必要があり国では早期の社会実装を目指して実証事業に着手するところです。
本県の太平洋沿岸の沖合には、浮体式に適した水深の海域もありますので、県としても今後、実証事業の結果や技術開発の動向などを注視しながら、導入の可能性を検討してまいります。

次に再生可能エネルギーによる電力を求める企業の支援に関するご質問ですが、再生可能エネルギーによる発電量を増やしていくためには、発電事業者による取り組みだけでなく住宅や公共施設等における太陽光発電などを促進する他、企業が自ら再生可能エネルギーによる電力を確保する取り組みに対して支援することも有効な手段の一つと考えております。

このため県では令和5年度に事業者向けに太陽光発電設備の共同購入支援事業を開始したところであり、今年度からさらに太陽光発電設備のTTAやリース方式の共同調達支援事業も実施することとしております。
再生可能エネルギーによる電力の必要量確保に向けては国に対し導入拡大に向けた対策の強化を要望していく他、県内の需給状況もしっかり見極めながら、適時適切な施策を実施してまいります。

物流事業等における燃料電池トラックの導入に関するご質問ですが、カーボンニュートラルの実現に向けて、運輸部門では電動車への転換を進めていく必要がありますが、荷物を積んで長距離走行を求められるトラックやバスなどについては、電気自動車では対応が難しいため、燃料電池自動車の導入が検討されております。

このため県では今年度、物流事業者や地域交通事業者などと連携しトラックやバスなどについて、燃料電池自動車の実証事業に向けた検討を進めているところです。
実証では燃料電池自動車を実際に走行させて、運用上の課題を注視するとともに、水素ステーションの活用についても、経済性を含む検討を行う予定であり、この実証を通じて、その後の運輸部門における燃料電池自動車の導入促進に繋げてまいります。
以上でございます。

–議長
企業局長 三神彰君。

–三神彰 企業局長
工業用水未売水が生じていることに対する認識についてのご質問ですが、本県の工業用水道事業は日量約113万立方メートルの給水能力を有していますが、事業開始後の経済情勢の変化等により、想定していた水量の契約には至っておらず、昨年度末現在で、日量約4万㎥の未売水が生じているところです。
これにより、受水企業に契約している水量に加え、未売水に係る制限費等にもついても負担していただくことや、本県が有する貴重な資源を県経済の活性化に十分活用できていないことなどが課題と認識しております。
以上でございます。

–議長
総合企画部長 冨沢昇君。

–冨沢昇 総合企画部長
京成電鉄ちはら線に関する質問にお答えいたします。
千原線については契約化により、事業継続困難となった千葉急行電鉄の営業を引き継いだ経緯があり、また近年は利用客が伸び悩んでいることから、現時点での運賃の引き下げは難しい状況であると会社から聞いております。

京成電鉄では千原先生におけるプロバスケットボールの試合への招待や、ワンデーパス等の企画乗車券の販売などにより、利用客の増加を図っているところです。
県では毎年度、沿線市や京成電鉄で構成する検討会議において、千原線沿線の活性化策について意見交換しており、京成電鉄に対して、千原線の利用促進を図るための取り組みを働きかけてまいります。
以上でございます。

–議長
天野行雄君。


質問・要望(第2回目)天野行雄 議員


–天野行雄 議員
知事を初め、答弁をいただきましてありがとうございました。
それでは要望と質問をさせてもらいます。
新産業の企業誘致を中心に質問しましたが、カーボンニュートラルへの対応により、エネルギーシフトが進み、化石燃料から電気や新エネルギーへの転換が求められる中で、千葉県のこれからの産業構造の変化を、想定することが非常に難しい状況にあります。

代替燃料であるグリーン水素と産業廃棄ガスなどから回収したCO2から製造されたガソリンやSAF、メタネーションで製造された合成メタン、いわゆる都市ガスなどの流通価格がどこまで低廉化できるかにより、エネルギー関連産業の構造の変化は不透明な状況です。

また、京葉臨海工業地域の出荷額の半分以上を占める石油化学産業において、中国の増産により化学品が供給過多となり、県内の企業を含めた製造施設の統合や精神の絞り込みなど、再編計画が表面化してきました。
これは、半導体や自動車産業など多くの産業に影響を及ぼします。
このような状況下においても、県内産業の規模を維持拡大し、雇用の確保と創出をしていくために、県の英断が求められています。

RE100やスコープⅢへの対応が可能なGX、グリーントランスフォーメーションに適合した産業用地の開発と提供を望む企業の要請に応えるためにも、新たな産業用地を確保し、工水や再エネなど県内資源を有効的に活用し、新産業の誘致が必要です。
知事からも、新たな産業地域作りに向けて、土地の立地の可能性について分析中とのことです。

また、県内インフラの充実により、戦略的な企業誘致を進めるとの力強い回答があり、期待をしています。工水の未売水に対する認識は、貴重な資源を経済の活性化に利用できないことは課題との回答がありましたが、企業に提供できる産業用地がないと、未売水の回収には繋がりません。
県内で販売中の産業用地は、4地域21区画で29.22ヘクタールで、水の利用が可能なのはわずか1地域、2区画、1.8ヘクタールという状況です。

資料4をご覧ください。
契約水量と1日最大の使用量の差は1日約28万立米ですが、実水量契約方式の見直しより販売がこの28万立米が可能となります。
戦略数持って、責任水量制を見直し、企業誘致に活用すべきです。

エネルギーですが、米国でもデータセンター事業により極度の電力不足となっています。
クリーンで常時大量に供給可能な電力を求め、原子力災害を起こした3マイル原発事故炉は2号機ですが、5年前に提示した1号機を28年に再稼働し、米マイクロソフトがデータセンターの専用電源として、活用する方針が示されました。

今後、再エネの確保が企業誘致のキーワードとなることが想定され、再エネの地産地消対策を推進し、他県との差別化を図るべきです。
浮体式の洋上風力はEEZまで拡大する見込みで、地理的には房総半島への基地港湾建設の可能性もあります。

浮体式風力の実証試験の誘致と、発電所の設置に向けて取り組むべきです。
要望が多数ありまして、ここで総括して要望させていただきます。

一つ新たな産業創出と企業誘致として
1、産業振興ビジョンや水素戦略など中長期にわたる産業政策の明示。
2、DXグリーントランスフォーメーションに適応した産業用地の開発。
3、RE100やスコープⅢに対応するため、送配電設備の整備も含めた再エネ電源の確保と供給。
4、企業との綿密な連携による企業ニーズの把握と情報提供。

二つ、再エネの地産地消などのエネルギー対策として
1,浮体式洋上風力の実証施設の誘致と将来に向けての条件整備。
2、今後開発される洋上風力が発電する電力の県内企業への供給する制度の構築。
3、他の自治体に負けないPTAの支援策の拡充。
4、再エネ電源の確保供給を担う自治体新電力や連携する地域エネルギー会社の設置。

三つ、工業用水道の未売水の活用として
1、水の供給が可能な産業用地の開発。
2、工水の責任水量制の戦略的な見直しによる企業誘致。
3、工水事業の脱炭素化に向けた検討、これは重要になると思います。

四つ、企業誘致機能の強化に向けた体制整備として
産業用地の開発と分譲工業用水道事業と、上水道事業企業の誘致機能、再エネ電源の開発と確保、供給を行う自治体新電力など、産業誘致関連部門が一体となった体制の整備以上でございます。

次に、千原線について要望いたします。
県沿線市京成電鉄では、情報交換やイベントなどを通じて利用促進を図っているとのことですが、利用客をさらに増やすためには、抜本的な対策が必要です。
現在、千原線は20分に1本程度の間隔で運行していますが、増便により利便性が高まり、利用客の増加が期待されます。

また、通学定期だけでも値下げすれば千原線を利用する学生が増える他、千原線沿線に子育て世帯が増え、将来的には利用者がさらに増加することも期待されます。
県沿線市京成電鉄構成する検討会議において、運行本数の増加や通学定期の値下げについて議論するよう要望します。

最後に質問ですが、私は前年9月の一般質問において、水素社会の実現に向けて質疑を交わし、各論として大型燃料電池トラックの水素ステーションの早期整備を要望しました。
近隣の東京都や神奈川県、茨城県などで察知な物流の実現に向けて、昨年5月から大型燃料電池トラックの実証走行が開始されています。
また、いすゞ自動車は3年後の27年には、市場導入する予定であることを発表しました。

ここで伺います。

大型の燃料電池トラックに対応できる水素ステーションの整備をする促進していくべきと考えるがどうか。
以上で2回目の質問を終わります。


答弁(第2回目)


–議長
商工労働部長 野村宗作君。

–野村宗作 商工労働部長
はい。大型燃料電池トラックの水素ステーションの整備に関するご質問ですけれども、今ご指摘ありました通り、自動車メーカーや物流事業者が昨年度後半から走行の実証を行っておりますけれども千葉県がそのエリアには含まれておりません。
このため大型トラックの場合ですね、水素の充填方法が、乗用車等とは異なってくるというふうに聞いておりますので、これらが普及していくためには、大型に対応したですね、ステーションが必要になってくるというふうに考えております。

県としてもですね、車の開発これから進んで市販されると思いますが、これに遅れることのないようにですね、物流事業者ですとか燃料の需給企業との協議を進めましてですね、県内の水素ステーションの設置促進に向けた議論をですね、深めてまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。

–議長
天野行雄君。


質問・要望(第3回目)天野行雄 議員


ありがとうございました。
県内において大型トラック用含めた水素ステーションの整備を計画的に進めていただくよう、よろしくお願いをいたします。
県内の再エネの地産地消や工水などのインフラ資源を有効的に活用して、戦略的な企業誘致に取り組みをお願いいたしまして、私の質問を終わらさせていただきます。
ありがとうございました。