「子ども司書」と教育格差解消の取り組み

昨年度の「子ども司書」が、みなさんに読んでほしいおすすめ本の「帯」を作成した「おびコレ2024」が、柏市立図書館本館で9/1まで展示されています。

子ども司書が選ぶ本やその紹介に、心が動かされます。

本に親しみ、本を活用する楽しさを知る司書としての知識・技術を身につけた「子ども司書」を育成し、「子ども司書」が、本と人とをつなぐ役割を担うことで、本に親しみ、本を活用する活動を学校や家庭、地域に広めることを目的とするものです。

この「子ども司書」には、子どもたちの探究心を育むだけでなく、教育格差の解消にとって、大きな意義があります。

いわゆる従来のテストで良い点数を取るための学力を伸ばすのなら、その対策すればよいのですが、その支援を必要とする児童生徒に届かないという課題があります。

「学力の格差」の前に、「体験の格差」、「興味・関心・意欲の格差」が深刻です。

柏市では、確かな学力を身につけるために、児童生徒の「学ぶ意欲と学ぶ習慣」の育成を目指す「学びづくりフロンティアプロジェクト」を、平成25年度からスタートさせました。

このプロジェクトは大阪府茨木市の「一人も見捨てへん」教育(茨木っ子プラン22)からも学んでおり、学力低位層を減少させ、教育困難校をなくしていこうとするものでもありました。

すべての子どもの学力向上に挑む

第1次プロジェクト校では、「読書」に力が入れられました。

「学校図書館を有効に活用した授業づくり」に取り組み、土小学校は、「平成29年度子供の読書活動優秀実践校」において、文部科学大臣表彰を受けました。

「本を読む」という習慣は、家庭の教育環境に左右され、子どもたちの「興味・関心・意欲の格差」にも関わってきました。

いま、小中学校では、図書の時間や読書活動などをとして、子どもたちの読書習慣は身についています。

さらに、子どもたちが本を読むことで、家庭や地域でも読書活動が広がることも目指そうという意欲的な目的もありました。

さて、その地域の読書活動を広めるために大きな役割を果足しているのが「子ども司書」です。

柏市の「子ども司書」は平成22年度から始まり、これまで3436名の児童・生徒が認定されています。昨年度は、191名の参加がありました。

「子ども司書」となった児童・生徒たちは、各校で読み聞かせ会やブックトーク・パネルシアターなどの機会を設けたり、また。図書委員会に所属して、図書館に特集コーナーを設置することや、季節に合ったイベントを企画するときのリーダー的存在として活躍しています。

投稿者:

山下 洋輔

千葉県議会議員(柏市選出)。 元高校教諭。理想の学校を設立したいと大学院に進学。教員経験、教育学研究や地域活動から、教育は、学校だけの課題ではなく、家庭・地域・社会と学校が支え合うべきものと考え、「教育のまち」を目指し活動。著書『地域の力を引き出す学びの方程式』 2011年から柏市議会議員を3期10年を経て、柏市長選に挑戦(43,834票)。落選後の2年間、シリコンバレーのベンチャー企業Fractaの政策企画部長として公民連携によってAIで水道管を救う仕事を経験。 柏まちなかカレッジ学長/(社)305Basketball監事。 千葉県立東葛飾高校卒業。早稲田大学教育学部卒。 早稲田大学大学院教育学研究科修士課程修了後、土浦日大高校にて高校教諭。早稲田大学教育学研究科後期博士課程単位取得後退学。 家族 妻、長男(2014年生まれ)、長女(2017年生まれ)