全国の公立小中高校の教職員が加入する「公立学校共済組合」の2023年度調査で、医師による面接が必要な「高ストレス」の教職員が過去最高の11・7%に上ったことが27日、わかりました。
千葉県の教職員の精神疾患による病気休職者数は、令和2年度177人、令和3年度は183人、令和4年度は208人と年々増えています。
教員不足の解消に取り組む中、現職の教員が休職退職してしまうことは大変大きな課題です。
この問題について、千葉県議会(2024/06/19)にて立憲民主党千葉県議員会を代表して、網中はじめ議員が質問しました。
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小学生にもわかるような議会報告
千葉県議会では、教育や子育てなど、小学生にも関わる内容が、議会では話し合われています。内容を短くまとめ、簡単な言葉に書き換えました。
ぜひ、小学生の皆さんにもご興味をお持ちいただければ嬉しいです。
【質問】網中肇 議員
次に先生たちの心の健康について質問します。
先生たちは、仕事のストレスで心の病気や問題を抱えることがあります。
先生の仕事はとても大変で、誰でも心の健康を損なうことがあると言えます。
そこで質問です。 先生たちの心の健康を守るための対策をもっと進めるべきだと思うのですが、県の教育委員会はどう考えていますか?
【質問への答え】–冨塚昌子 教育長
教職員のメンタルヘルス対策について、県教育委員会の取り組みは次の通りです。
1. 全教職員に啓発資料を配布し、メンタルヘルスへの理解を深める。
2. 年代別研修会で心の健康について取り扱う。
3. 悩みを抱える教職員に早く気づけるよう、管理職等を対象とした研修会を実施。
4. 【今年度、新たに!】今年度はストレスチェックの実施時期を早め、精神科医が作成した対処法動画を配信し、予防的な取り組みを充実。
【さらに質問】網中肇 議員
教職員のメンタルヘルス対策について質問します。
県教育委員会では、先生たちのストレス対策をしていますが、去年の調査で高いストレスを抱える先生が764人いることがわかりました。そのうち面接を受けたのは26人だけで、とても少ないです。この原因を調べて、学校の環境や働き方を改善することが大切です。
また、法律では月に80時間以上残業した先生は、希望すればお医者さんと面談できることになっています。県教育委員会がこの法律に従っているか確認したいです。
そこで質問します。
80時間以上残業した先生に対するお医者さんとの面談は、どのように行われていますか?
【質問への答え】-冨塚昌子 教育長
教職員のメンタルヘルス対策についての質問にお答えします。
県教育委員会の調査によると、2023年11月に80時間以上残業した県立学校の先生が329人いました。法律では、先生が希望すればすぐにお医者さんとの面談を受けられることになっています。翌月の12月には27人の先生が面談を受けました。
【考え・お願い】網中肇 議員
教職員のメンタルヘルスについてです。
先生たちが80時間以上残業すると、先生が希望すればお医者さんと面談することができます。県教育委員会の通知では、希望しなくても面談できることになっています。でも実際に面談している先生は全体の8.2%と少ないです。
千葉県教育委員会には、先生たちの健康を守るために、先生たちの勤務時間をしっかり確認し、法律に基づいた対応をしてほしいです。
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※要約やわかりやすく言い換えるため、完全な文章ではないかもしれません。
後半に、議会で議員や知事の言葉を、そのままのせていますので、確認してみて下さい。このように確認することで、テレビや新聞などのメディアやSNSでの情報にふりまわされない、メディアリテラシー・ネットリテラシーが身につけられると、私は考えます。
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議会の文字起こし
次に教員のメンタルヘルス対策について伺います。
本県の教職員の精神疾患による病気休職者数は、令和2年度177人、令和3年度は183人、令和4年度は208人と年々増えています。
休暇をとる前に退職してしまう退職してしまう教員もいるとのことです。
教員不足の解消に取り組む中、現職の教員が休職退職してしまうことは大変大きな課題です。
教員の精神疾患や病気、不祥事の要因の一つにストレスが考えられます。
教員の仕事は多くのストレスを抱えやすい仕事と言われており、そのため誰もが精神を病んでしまう可能性があると言っても過言ではありません。
そこで伺います。
教職員のメンタルヘルス対策について、さらに進めていくべきと思うが、県教育委員会の考えはどうか。
【答弁】–冨塚昌子 教育長
次に教職員のメンタルヘルス対策についてのご質問ですが、教職員は児童生徒の人格形成に大きな影響を与える立場にあることから、心の健康の保持増進は、学校教育を円滑に実施する上でも極めて重要であると考えています。
県教育委員会では、メンタルヘルスへの理解を深めるため、全教職員に啓発資料を配布するとともに、年代別研修会で心の健康について取り扱う他、悩みを抱える教職員に、いち早く気づくため管理職等を対象とした研修会を実施しているところです。
今年度は、教職員自身が早期に心身の変化に気づき、改善に繋げられるよう、ストレスチェックの実施時期を例年より早めるとともに、新たに精神科医が作成したストレスへの対処等に関する動画資料を配信し、活用を促すなど予防的な取り組みの充実に努めてまいります。
【質問2問目】網中肇 議員
教職員のメンタルヘルス対策の件です。
県教育委員会では、ストレス対策等の趣旨の対策を講じていることがわかりました。
しかし令和4年度に実施したストレスチェックの結果を受け、高ストレス者とされ面接指導を進められている教員が764人いたものの、実際に面接を受診したのは26人で3.4%と、受診率は低く、その原因の分析と、職場環境や働き方の改善などの対策は急務です。
また労働安全衛生法では80時間以上時間外勤務を行った教員に対して、申し出により医師との面談を実施することとされており、同法の規定を踏まえた適正な対応が、県教育委員会においてなされているのか確認する必要があります。
そこでお伺いします。
80時間以上時間外勤務を行った者に対する医師との面談の実施状況はどうか。
【答弁】–冨塚昌子 教育長
まず教職員のメンタルヘルス対策に関するご質問ですが、県教育委員会が実施した教員等の出退勤実態調査では県立学校教職員で、令和5年11月に時間外在校等時間が月当たり80時間を超えたものは329名でした。
医師の面接指導は法令上本人の申し出により遅滞なく実施することとなっており、調査の翌月に当たる同年12月の実施件数は27件でした。
【要望】網中肇 議員
教職員のメンタルヘルス対策の件です。
労働安全衛生法に基づき、県教育委員会は80時間以上時間外勤務を行った者に対して本人の申し出により医師との面接指導を実施しなければならないとされ、県教育委員会の通知ですけれども、通知では本人の申し出がなくても医師との面接指導の対象としています。
それにもかかわらずその実施率は、先ほどご答弁いただきましたが割合でいうと8.2%と1割を切っておりまして極めて低い現状です。
千葉県教育委員会として、教職員の皆様の健康を守っていくため、教職員の勤務時間を正確に把握し、その結果以下に応じ各種労働法政等に基づく適正な対応を講ずるよう強く要望いたします。