部活動について-『運動部活動の教育学』

先輩に勧められていた『運動部活動の教育学-歴史とのダイアローグ』(神谷拓 著、大修館書店)をやっと読み始めました。

自分自身も部活動に育てられ、教員としても高校で部活動の監督や、全国から集まった選手たちの学生寮に住み込みの舎監を経験したので、その意義や可能性、そして課題も十分に理解しています。

今、少子化や希望する競技の多様化もあり、一つの学校でチームが組むことが難しくなってきている地域も出てきています。
子どもたちの機会をいかに保障するか。
また、教員の多忙化も指摘されています。

部活動を学校だけではなく、地域のスポーツ施設を充実させ、複数の学校の生徒でチームを編成し、大会を学校単位からチーム単位での参加に移行していくことも検討されています。
そのために総合型地域スポーツクラブを整えていこうと動き始めています。
学校教育(部活動)と社会教育(社会体育)が力を合わせていくというものです。
長野県では、部活動を社会で支えていくよう打ち出してきました。

しかし、そう簡単にいくものでもありません。
にもかかわらず、当事者から離れたところで、部活動に関する議論は加熱してきているようにも感じます。

imageこの本は、これまでの経緯を紹介しながら、議論を整理し、そして私たちにも考えるヒントを示し、対話を試みるものでした。
部活動についての議論を始める際には、ぜひ、この本を読むことが、遠回りのように見えて近道になります。

投稿者:

山下 洋輔

千葉県議会議員(柏市選出)。 元高校教諭。理想の学校を設立したいと大学院に進学。教員経験、教育学研究や地域活動から、教育は、学校だけの課題ではなく、家庭・地域・社会と学校が支え合うべきものと考え、「教育のまち」を目指し活動。著書『地域の力を引き出す学びの方程式』 2011年から柏市議会議員を3期10年を経て、柏市長選に挑戦(43,834票)。落選後の2年間、シリコンバレーのベンチャー企業Fractaの政策企画部長として公民連携によってAIで水道管を救う仕事を経験。 柏まちなかカレッジ学長/(社)305Basketball監事。 千葉県立東葛飾高校卒業。早稲田大学教育学部卒。 早稲田大学大学院教育学研究科修士課程修了後、土浦日大高校にて高校教諭。早稲田大学教育学研究科後期博士課程単位取得後退学。 家族 妻、長男(2014年生まれ)、長女(2017年生まれ)