先輩に勧められていた『運動部活動の教育学-歴史とのダイアローグ』(神谷拓 著、大修館書店)をやっと読み始めました。
自分自身も部活動に育てられ、教員としても高校で部活動の監督や、全国から集まった選手たちの学生寮に住み込みの舎監を経験したので、その意義や可能性、そして課題も十分に理解しています。
今、少子化や希望する競技の多様化もあり、一つの学校でチームが組むことが難しくなってきている地域も出てきています。
子どもたちの機会をいかに保障するか。
また、教員の多忙化も指摘されています。
部活動を学校だけではなく、地域のスポーツ施設を充実させ、複数の学校の生徒でチームを編成し、大会を学校単位からチーム単位での参加に移行していくことも検討されています。
そのために総合型地域スポーツクラブを整えていこうと動き始めています。
学校教育(部活動)と社会教育(社会体育)が力を合わせていくというものです。
長野県では、部活動を社会で支えていくよう打ち出してきました。
しかし、そう簡単にいくものでもありません。
にもかかわらず、当事者から離れたところで、部活動に関する議論は加熱してきているようにも感じます。
この本は、これまでの経緯を紹介しながら、議論を整理し、そして私たちにも考えるヒントを示し、対話を試みるものでした。
部活動についての議論を始める際には、ぜひ、この本を読むことが、遠回りのように見えて近道になります。