本日の県議会をいち早くお伝えいたします。
本日(2024/2/28)午前一人目の一般質問は、立憲民主党の小宮明史議員でした。
質問項目
- 高齢者福祉について
- がん対策について
- 障がい者差別の禁止について
- インクルーシブ教育について
- 外国人住民について
- 子ども食堂について
- 道路整備について
- その他
議会質問・答弁の書き起こし全文
【午前一人目】一般質問 小宮明史議員(立憲民)
–議長
これより本日の会議を開きます。
日程第1、議案第1号ないし第85号、報告第1号および第2号を一括議題とし、これより質疑並びに一般質問を行います。
順次発言を許します。通告順により、小宮あかし君。
–小宮あかし 議員
皆さんこんにちは。流山市選出立憲民主党の小宮あかしです。
県議会議員となって初めての一般質問となります。よろしくお願いいたします。
早速ですが、質問に入らせていただきます。
初めに高齢者福祉について伺います。
高齢者を取り巻く現状については、超高齢社会の到来というフレーズとともに、常に問題視されてきました。団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年問題についても、その到来は来年に迫っており、普段の対策が必要とされる状況は変わっていません。
県は来年度からの千葉県高齢者保健福祉計画、福祉保健計画の試案を取りまとめ、現在パブリックコメントを募集中ですが、その中でも、県内の高齢化のますますの進展が指摘されています。
特に注目すべきは高齢世帯の構成の状況です。
一人暮らしの高齢世帯については、令和2年に30万世帯だったものが、令和12年には37万世帯、令和22年には43万世帯に増加するものと推計されています。
これに夫婦のみの高齢世帯を合わせると、令和22年には、県内の全世帯の3割以上が、一人暮らしの高齢世帯か、夫婦のみの高齢世帯になってしまいます。
この状況は、これらの世帯が要介護となった場合、一人暮らし世帯については、孤立化の問題、夫婦のみの高齢世帯については、老々介護の問題が多数生じる可能性があることを意味しています。
現時点においても、孤立化、老々介護といった困難事例の対応は重要な課題ですが、これらの事例には当事者本人が自ら声を上げられず、行政による助けを受けることができない。
行政サービスの存在さえ十分に知ることができないという構造的な問題があると感じています。行政側が積極的に、困難事例の把握に努め、行き届いた対応をしていく体制を整備することが、将来の困難事例の増大を前に必要であると考えます。
そこで伺います。高齢者の孤立化や老老介護などの困難を抱えている世帯を把握し対応するため、県としてどのように取り組んでいるのか。
また、これらの困難事例も含め、現場での対応を行っているのは、基礎自治体が実施主体となっている地域包括ケアシステムです。
地域包括ケアシステムは、高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けることを目的とし、さらに将来のビジョンとされる地域共生社会の基盤となるものであり、地域特性に応じた運営が市町村に委ねられています。
しかし、先ほどのような困難事例の対応などの必要的な業務に関し、地域間での格差が生じてしまうことは避けなければなりません。
次期千葉県高齢者福祉保健計画においても、地域包括ケアシステムの推進に向けた市町村の取り組み支援が基本政策として掲げられており、支援の重要性を県も強く認識していると思われます。
それを超えて、県全体での高齢者福祉の底上げを図るためには、市町村任せではない県としての取り組みが不可欠であると考えます。
そこで伺います。市町村における地域包括ケアシステムの推進に向け、県がより積極的に支援すべきと考えるがどうか。
さらに、高齢化の進展の中で、避けることができないのが、認知症の問題です。
県内における認知症高齢者は、令和2年に約30万人でしたが、推計によれば、令和12年には40万人令和22年には47万人に増えるとされています。
このような患者数の増大に伴う伴い、認知症高齢者が徘徊により行方不明となる事案が問題となっています。千葉県内における認知症高齢者、またはその疑いのある行方不明者の届け出件数は、令和4年には年間467人と過去5年で最多、1日に1件以上の行方不明事案が優に生じているような状況です。
実際に行方不明事案が生じた場合、初めに届け出がされるのは、居住する市町村の福祉課や警察署ですが徘徊をしてしまう認知症患者の早期発見のためには、市町村を超えたより広域でのしっかりした情報共有が重要であると考えます。
また、県内の市町村では、位置情報を知るためのGPS機器の利用に対する助成や、身元確認機能を有するQRコードのついたシールを配布するなどの取り組みが行われており、有効な対策として、注目すべきと考えます。
そこで伺います。認知症高齢者の行方不明時の早期発見に向け県はどのように取り組んでいるのか。
次にがん対策について伺います。がんについては、長年日本人の死因第1位であり、依然として不治の病としての認識が残っていると思います。
一方で、予防啓発、検診の充実による早期発見が可能となったこと、新薬や放射線などの各種の医療技術が進展したことにより、その生存率も向上しています。その結果として、がんを患いながらも、社会生活や療養生活を送ることへの政策的関与が必要とされ、がんとともに生きるがんとの共生という観点から取り組みがなされています。
県でも、基本計画である千葉県がん対策推進計画では、がんとの共生を施策の大項目として掲げるとともに、千葉県がん対策審議会ではがんとの共生推進部会が設けられ、がんとの共生の視点は、がん対策において不可欠なものとなっています。
そして、がんとの共生に関しては、患者のクオリティオブライフ、QOLの維持向上が重要なものとなります。
がんそれ自体の症状として、あるいは治療による副作用として、がん患者は様々な生活上の困難を強いられることになります。病状の進行に伴う生活力の低下や、手術や副作用による外見の変化などQOLの向上のために行政が手を伸ばせる分野が、多数あるはずです。
そこで伺います。千葉県がん患者QOL向上事業について、県内市町村の実施状況はどうか。
また、がんとの共生に関しては、がんを患った人の就労も課題となります。
がん患者の3人に1人は20歳から64歳までの就労可能世代であり、仕事と治療の両立についての支援も行っていく必要があります。がんと診断されたことで仕事を辞めてしまうと、社会との繋がりが断たれるだけでなく、収入をしない場合によっては得られたはずの健康保険からの傷病手当金の給付が受けられなくなることもあります。
一方で、がん患者が治療と並行して就労するためには、勤務時間の短縮や業務内容の変更などについての使用者側における配慮が必要となり、これを患者自身が率先して行うことは必ずしも容易ではありません。
そこで伺います。がん患者の就労支援についての取り組み状況はどうか。
次に障害者差別の禁止について伺います。
千葉県は平成18年に障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県作り条例を制定し、障害者差別の解消に取り組んできました。
この条例は、平成25年に制定された障害者差別解消法に先駆けるものであり、理念条例にとどまることなく、差別に関する相談を受ける地域相談員、広域専門指導員、助言斡旋を行う調整委員会について規定するなど、実質的な体制を整えたものとなっています。
それに加えて、昨年令和5年12月議会では、多様性尊重条例が成立し、その基本理念の一つとして、障害の有無に関わらず、互いの立場を尊重し合い、安心して生活活躍できる社会の実現を目指すことが定められました。
今後はこの多様性条例に基づいて具体的で実効的な施策を進めていくことが期待されますが、その前提として、改めて県内における障害者差別の現状と対応状況について確認しておく必要があると考えます。
そこで伺います。障害者条例に基づき、障害者差別の相談に応じている相談員の配置状況と相談件数はどうか。
また、障害者差別解消法に関しては、令和3年の改正に基づき、事業者による障害のある人への合理的配慮の提供が、本年4月から義務化されることになっています。
しかし合理的配慮と一口に言っても、その具体的内容は、障害の種類や、事業の種別によって多様なものであり、事業者が意識して積極的に取り入れる行動をとらなければ、十分な提供は難しいと言わざるを得ません。
またどこまでが合理的でどこからが均衡視した過度の負担になるのか、その線引きについての判断が容易でないケースも想定されます。
さらに義務者義務化の対象となる事業者ですが、企業店舗だけでなく、個人事業主やボランティア団体も含まれ、日常生活および社会生活に関わる分野が広く対象となっています。
そのため、県において広範かつ効果的な啓発活動を行うことや、法違反に関する相談に厳正に対応する必要があると考えます。
そこで伺います。事業者による合理的配慮の提供の義務化への対応などの課題に、広域専門指導員はどのように対処していくのか。
次にインクルーシブ教育について伺います。
令和4年9月国連の障害者権利委員会は、障害者権利条約に関し、日本政府に対して、日本における特別支援教育が、障害のある子供を分離するものであるとして中止を求めるという内容の勧告をしました。
国連が、日本の障害者教育は分離教育であると断じたと、強調された報じられ方も一部ではあり、衝撃的な受け止めをされた方もいるかと思います。
この国連勧告に言うインクルーシブ教育では、障害のある子もない子も同じ場でともに学ぶことが重視されており、日本における特別支援教育が、これに反するものであるとして改善を求めたと解されています。
これに対し、文部科学省は、特別支援学校、特別支援学級、通級指導、通常学級という、多様な学びの場を用意しておくことが、個別の教育的ニーズに最も的確に応えるものであるという従来の立場を、今日でも変えていません。
文部科学省も、特別支援教育は、共生社会の形成に向けて、インクルーシブ教育システム構築のために必要不可欠なものであるとしていますが、国連勧告の意味するものとは、意味合いが異なると思われます。
そこで伺います。県教育委員会では、インクルーシブ教育についてどのように考えているのか。
また国連勧告では、障害のある生徒児童に対する合理的配慮の提供が不十分であるということも指摘されています。
千葉県も第3次千葉県特別支援教育推進基本計画において、合理的配慮の主な施策として掲げていますが、国連勧告を踏まえれば、より一層の取り組みが必要になると解されます。
そこで伺います。障害のある児童生徒に対する合理的配慮の提供について、どのような取り組みが行われているのか。
さらに、国連勧告は障害のある全ての生徒児童の通常学校へのアクセスを確保し、通常学校による在籍拒否を許さない措置をとるべきことを要請しています。
現状では、制度上は保護者の意向が尊重されることとなっていますが、この勧告が出たことからすれば、実態として、通常学校による在籍拒否が行われていることが示唆されます。
そこで伺います。県内における障害のある児童生徒に対する就学の手続きはどのように行われているのか。
次に、外国人住民について伺います。
令和5年12月議会で成立した多様性尊重条例では、国籍および文化的背景の違いに関わらず尊重され、活躍できる社会を基本理念として掲げています。
県内在住の外国籍の住民は、令和5年6月時点で約19万人となっており、言語や文化の壁を越えた適切な配慮が図られていく必要があります。そのためにまず十分な対応が求められるのが条例を制定した行政機関自体、すなわち県や県内市町村における行政サービスの窓口の場面です。
実態として、日本語がネイティブではない外国人住民の中には、日本語の会話をすることができても、文字の読み書きができない方が多く存在します。
そのような外国人住民には、県や市町村から届く通知について、その内容を理解することができず、重要性の判別は難しいという状況が生まれてしまいます。
この問題の解決のためには対面での対応がなされる、県や市町村の窓口、そして行政相談の利便性を向上させることが必要であると考えます。
そこで伺います。外国人住民のために、窓口の多言語化や行政相談にどのように取り組んでいるのか。
また、外国人住民への対応については、本議会における我が会派の代表質問にもありましたように、災害時における支援への取り組みも重要です。
外国人住民は、地域防災計画の中でも要配慮者として位置づけられていますが、実際に災害が起こると、それぞれの国籍のコミュニティを頼ってしまい、その結果日本人と同様の支援が行き届いていないという事態もあると聞いています。
直近の令和5年中には、5月に木更津市で震度5強を観測する地震が発生し、9月には台風13号による大規模な水害が発生しました。いつ起こるとも知れない震災に加え、本県では、豪雨による水害が毎年のように発生しており、外国人住民が支援の輪から取り残されることがないよう対応していく必要があると考えます。
そこで伺います。昨年県内では2度大きな災害があったが、外国人住民を支援するために県はどのように対応したのか。
次に子供食堂について伺います。
子供食堂については、子供への食事提供を通じて、生活困窮家庭や1人親家庭を支援するという本来の目的の他、子供の居場所作りや多世代にとっての地域の交流拠点となるという機能も注目されています。
子供食堂の数は年々増加しており、県の調査によれば、県内の子供食堂の数は、令和5年6月時点で297ヶ所となっています。
県は今年度、子供食堂に対し、エネルギーや食料品価格の高騰に対する支援として、令和4年度補正予算の繰り越しによる給付金を支給しており、子供食堂は純粋な民間主導の取り組みにとどまらない意義を有するものとなっています。
そこで伺います。子供食堂に対する支援や連携はどのようになっているのか。
また、子供食堂が多数運営されている現状では、地域におけるネットワークの必要性が高まっています。
子供食堂の運営上の課題としては、まず食料の過不足が挙げられます。小売店や農家から食材の提供を受けても、子供食堂の開催日に合わせて調理をしなければならないため、ある時は足りなかったり、ある時は余ってしまうような状況が起こり得ます。
これに対して例えば私の地元の東葛地域では、民間のフードバンクが、食材の分配についての調整を行うなど、ネットワーク機能を発揮して、多数の子供食堂の運営をサポートしています。それ以外にも、ボランティア頼みとなる運営スタッフのやりくりや、食事の提供が本当に必要な家庭、子供についての地元学校との情報共有など、ネットワークが機能することで解決する課題が多数存在します。
このようなネットワークの形成に関して、県は令和6年度に子供食堂サポートセンター事業を予算計上し、その取り組みが期待されています。
そこで伺います。子供食堂のネットワーク形成について、県が主導的に取り組むべきと考えるがどうか。
最後に、道路整備について伺います。
自民党武田県議もの一般質問にもありましたが、私の地元流山市では、江戸川を渡って、埼玉県三郷市と結ぶ、三郷流山橋が昨年11月26日に開通しました。
慢性的に問題となっていた流山橋および流山8丁目交差点を初めとする市内の交通渋滞の緩和とともに、物流拠点商業施設の更なる誘致発展や、災害発生時の輸送避難ルートとしての機能など、多くの効果が期待されています。
そして三郷流山橋の開通それ自体も大変意義のあることですが、橋と接続する道路が十分に整備されていることも、渋滞解消などのために、同様に肝心なところです。
三郷流山橋は、埼玉県三郷市から江戸川を渡って流山市そして柏市を通り、今度は利根川を渡って、茨城県守谷市、つくばみらい市、つくば市を結ぶ都市軸道路の一部を構成するものであり、都市軸道路全線の開通整備がなされてこそ、三郷流山橋の最大の供用効果を得られるものと思われます。
そこで伺います。三郷流山橋有料道路の、流山市側の接続道路である。都市計画道路下塙小牧線の進捗状況はどうか。
以上で、壇上での質問を終わらせていただきます。ご答弁のほどよろしくお願いいたします。
–議長
小宮あかし君の質問に対する当局の答弁を求めます。知事 熊谷俊人君。
–熊谷俊人 知事
立憲民主党の小宮明史議員のご質問にお答えをいたします。
まず高齢者福祉についてお答えをいたします。
困難を抱える高齢者等に関する取り組みについてのご質問ですが、高齢化の進展に伴い、高齢者の社会的孤立や老々介護高齢の親がひきこもりの子供を支える8050問題など複雑で困難な事情を抱える高齢者の増加が見込まれます。
そこで県では高齢者が孤立することのないよう、民間企業と協定を締結し、高齢者世帯への声掛けや見守り等の地域支えあい活動を推進しております。
また高齢者からの相談に応じる地域包括支援センターの対応力の向上が図られるよう、事例検討も含めた研修を実施している他、中核地域生活支援センターを設置し、24時間365日体制で分野横断的な対応を行っているところです。
今後も市町村と連携をして、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らしていけるよう取り組んでまいります。
次に子供食堂についてお答えをいたします。
子供食堂のネットワーク形成に関するご質問ですが、子供食堂は主に民間団体がそれぞれの理念を持って取り組んでおり、その自発性や多様性を尊重することが重要であるため、各地域における子供食堂や企業、行政等とのネットワークで個々の子供食堂を支えることが持続的な運営に有効と考えます。
このため県では来年度から各地域のネットワークの構築や運営を支援し、地域ネットワーク間の調整を行うこども食堂サポートセンターを支援経験を有する団体への委託により設置するとともに、県が開催してきたネットワーク会議等をセンターにおいて一括して実施し、更なる連携強化を図ってまいります。
今後も子供食堂が地域の連携により自立的に運営されるよう、市町村や民間団体とも協力しながらネットワークの構築を支援をしてまいります。私からは以上でございます。他の質問につきましては担当部局長からお答えをいたします。
–議長
健康福祉部長 高梨みちえ君。
–高梨みちえ 健康福祉部長
私からはまず、地域包括ケアシステムの推進についてお答えいたします。
県では、地域包括ケアシステムを構築する各市町村の取り組み状況について、県内統一の評価方法により把握しており、要支援者等を対象とした介護予防サービスや生活支援サービスにおいて、進捗に差が生じているものと認識しています。
このため、高齢者のニーズ等、地域の実情に応じた地域包括ケアシステムの構築が進められるよう、特に支援が必要な市町村に対して、医療介護等の専門家を派遣する他、研修等において好事例を紹介し、横展開を図るなどの支援を行っているところです。
今後も、市町村や関係団体等と連携しながら、地域包括ケアシステムの効果的な推進と機能強化が図られるよう取り組んでまいります。
次に、認知症高齢者の行方不明時の早期発見についてのご質問ですが、県では、認知症等による行方不明者を早期に発見するため、市町村や警察、自治会などの関係機関と、徘徊見守りSOSネットワークを構築しており、広域的な捜索が必要な場合は、市町村からの依頼を受け、県内市町村や他県等に協力依頼を行っているところです。
また、認知症高齢者の見守り等を行う市町村に対し、介護保険制度の地域支援事業を通じて、経費の一部を助成しており、県内33の市町で、GPSや衣服等に貼り付けるQRコードなどを活用した取り組みが行われています。
今後も市町村等と連携し、認知症の方やその家族が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう取り組んでまいります。
次に、障害者差別の禁止についてお答えいたします。
まず、障害者差別に係る相談員の配置状況と相談件数に関するご質問ですが、県では障害者条例に基づき、身近な地域で障害を理由とする差別に関する相談に応じる地域相談員と、地域における相談活動を総括し、必要に応じて当事者間の調整を行うなど、事案の解決に中心的な役割を担う。
広域専門指導員を、障害保健福祉圏域ごとに配置しています。令和5年3月1日現在、地域相談員は511人、広域専門指導員は16人配置しているところです。
また障害者条例の相談窓口には、日常の悩みや不安な気持ちなどを含め、様々な相談が寄せられていますが、令和4年度の相談件数は全体で415件であり、そのうち、障害者差別に関する相談は90件でした。
次に、広域専門指導員に関するご質問ですが、事業者による合理的配慮の提供の義務化に伴い、広域専門指導員には、障害のある人だけではなく、事業者など様々な方から多様な相談が寄せられることが見込まれます。
また、障害のある人の地域生活への移行の進展などを背景に、住まいの確保や障害福祉サービスを利用する際の障害を理由とする差別の相談の中には、専門性を要する事案もあります。
このため県では、広域専門指導員の資質の向上を図るため、障害特性や障害福祉サービス、住宅賃貸などの専門性を高める研修や相談事例を共有するための会議を定期的に開催しており、引き続き対応力の強化を図ってまいります。
最後に子供食堂に対する支援等についてお答えいたします。
子供食堂は、十分な食事をとれない子供への食事の提供や孤食の解消、学習支援や居場所作りなど様々な目的で、地域のボランティア等により運営されており、地域の交流拠点として重要な役割を担っています。
県はホームページ等で活動情報を発信するとともに、運営者等を対象としたネットワーク会議を継続的に開催するなど、市町村や企業、民間団体等と連携しながら活動を支援してまいりました。
さらに今年度は、物価高騰の影響を受ける子供食堂が、その支援活動を継続できるよう、1団体当たり10万円の給付金を申請のあった175団体に支給したところです。以上でございます。
–議長
保健医療担当部長 鈴木貴士君。
–鈴木貴士 保健医療担当部長
私からは、がん対策についてお答えいたします。
まず、千葉県がん患者QOL向上事業についてのご質問ですが、県では今年度から、若年末期がん患者の在宅療養に必要な訪問介護等のサービス費用や、がん治療に伴う外見の変化への不安を和らげる医療ウィッグ等のアピアランスケア用品の購入費用等について、市町村が助成事業を実施する場合、その費用の一部を補助する本事業を開始しました。
その結果、助成事業を実施する市町村が、令和4年度末から本年2月までの間に、若年末期がん患者の在宅療養については4団体から10団体に、アピアランスケア用品の購入等については、5団体から12団体に増加しています。
さらに、令和6年度から実施を検討している団体もあり、県の事業開始により、市町村の制度創設の機運が高まり、実施数の増加に繋がったものと考えており、引き続き市町村と連携しながら、がん患者とその家族の負担軽減や、QOLの向上を図ってまいります。
次に、がん患者の就労支援についてのご質問ですが、がん診療連携拠点病院等に設置されたがん相談支援センターでは、ハローワークや社会保険労務士などの外部の専門職と連携し、がん患者の適正、希望、治療状況等を考慮した、就職支援にも取り組んでいます。
また、治療と仕事の両立に向け、柔軟な勤務制度の導入や、休職期間中のサポートなど、企業側の受け入れ体制の整備を促すため、県では、職場の環境作りに関する相談窓口や利用可能な支援制度、企業の取り組み事例などを紹介するリーフレットを作成し、周知を図っているところです。今後もがん患者への就労支援とともに、企業に対する情報発信、相談対応などに取り組み、がんと診断されても就労を継続しやすい環境の整備に努めてまいります。以上でございます。
–議長
教育長 冨塚昌子君。
–冨塚昌子 教育長
初めにインクルーシブ教育についてのご質問ですが、国においては、障害者の権利に関する条約に基づき、インクルーシブ教育システムとして、共生社会の形成に向け、障害のある子供とない子供がともに学ぶことを追求するとともに、多様で柔軟な仕組みを整備することが重要としています。
県教育委員会では、こうした国の方針にのっとり、可能な限り同じ場でともに学ぶことに配慮するとともに、連続性のある多様な学びの場において、児童生徒1人1人の教育的ニーズに応じた支援の充実を図ることとしています。
次に障害のある児童生徒に対する合理的配慮の提供についてのご質問ですが、県教育委員会では、1人1人の児童生徒の障害特性に応じた適切な配慮が提供されるよう、公立の小・中高等学校に合理的配慮事例集を配布し、理解促進を図っています。
また、全ての県立高等学校においては、学校全体で組織的に支援が行えるよう、校長が特別支援教育コーディネーターを指名し、生徒本人や保護者からの合理的配慮に係る相談などに応じております。さらに必要に応じて、特別支援教育支援員を配置し、学校生活全般の介助などの支援を行っております。
最後に就学の手続きについてのご質問ですが、障害のある児童生徒の就学に当たっては、市町村教育委員会などが就学先となる小・中学校や特別支援学校の情報提供を十分に行うとともに、本人保護者の意見を最大限尊重し、教育的ニーズと必要な支援について合意形成を行うことを原則としております。
最終的な就学先は、市町村教育委員会が総合的に判断しますが、就学決定後も、それぞれの児童生徒の障害の状態等を勘案しながら、医療や福祉など関係機関の意見も踏まえ、就学先を見直すなど柔軟な対応を行っています。以上でございます。
–議長
総合企画部長 冨沢昇君。
–冨沢昇 総合企画部長
まず、外国人住民のための窓口対応や行政相談に関するご質問にお答えいたします。
外国人住民が本県で安心して生活を営むためには必要とする行政サービスを適切に受けられることが重要です。
そこで、県や市町村の窓口においては、国の通訳支援制度の活用や、やさしい日本語の使用により、外国人住民との円滑なコミュニケーションに努めているところです。
さらに、県や一部の市では、外国人相談として、各種制度や対応窓口に係る案内や、弁護士等による専門相談も実施しております。
今後とも、外国人住民が安心して暮らし、地域社会の一員として活躍できるよう、市町村と連携して、窓口対応の向上に努めてまいります。
次に、昨年の災害時における外国人住民への対応に関するご質問です。
県は、令和2年に千葉国際コンベンションビューローと協定を締結し、大規模災害が発生した際に、外国人住民への支援を円滑に行うため、多言語支援センターを設置することとしております。
昨年の災害発生時には、余震への注意や風水害への備え、防災ポータルサイトへの案内について、多言語での情報発信を行った他、時間外での相談体制の構築や、市町村からの依頼に備えて、語学ボランティアに協力を呼びかけるなどの対応をとったところです。
今後も災害時に外国人住民が自宅や避難所などで必要な情報や支援を得ることができるよう、様々な関係者と連携して取り組んでまいります。私からは以上です。
–議長
県土整備部長 池口正晃君。
–池口正晃 県土整備部長
私からは、都市計画道路下花輪小牧線の進捗状況についてのご質問にお答えします。
都市計画道路下花輪小牧線は、交通渋滞の緩和や歩行者の安全を図るため、流山市三輪野山から大畔地先までの0.7km区間で、4車線化する道路改良工事を行っています。
本工事区間には全線にわたり、上下水道やガス管などの専用物が埋設されているため、事業者が道路改良工事に先行して、専用物の移設工事を行う必要があります。
現在、移設工事が終わった区間において、道路改良工事を行っているところであり、引き続き事業者と連携し、早期完成を目指して、事業を推進してまいります。以上でございます。
–議長
小宮あかし君。
–小宮あかし 議員
はい。ご答弁ありがとうございました。それでは、2回目の質問要望をさせていただきます。
まず、高齢者福祉についてですが、認知症対策に関して要望いたします。
徘徊見回りネットワークを構築するなど、県が認知症による行方不明者の問題に前向きに取り組んでいるということがわかりました。
市町村に対するGPS機器や、QRコードに関しての助成も行っているとのことですが、これはあくまでも介護保険制度の地域支援事業を通じてのものということでした。
認知症高齢者の安全な生活を確保すべきことは、県内の市町村に住んでいても重要なことであり、全県での取り組みが必要だと考えます。
ぜひ、県独自の事業として、GPS機器や、QRコードの利用に対する助成制度を設けられるよう要望いたします。
次に、がん対策について再質問いたします。
千葉県がん患者QOL向上事業について、市町村による実施数が着実に増加しているとのことでした。
県による指導的な取り組みを高く評価し、今後も多様なQOLの向上について、事業の継続と展開を期待いたします。
他方、がん患者の就労支援について、働き手である患者側のサポートへの取り組みこれがあることはわかりますが、受け入れる使用者側、企業側の理解は十分と言えるでしょうか。ただでさえがん患者は、肉体的、精神的に厳しい状況にあり、行政がしっかりと使用者側へとアプローチし、就労支援の素地を作っていく必要があると感じています。
そこで再質問しますが、がん患者の受け入れ体制作りのため、企業に対してどのように周知啓発をしているのか。
次に、障害者差別の禁止について要望させていただきます。
障害者差別の解消について、地域相談員と広域専門指導員の方々が組織的に配置され、事業者による合理的配慮の提供の義務化に向けても、高い意識を持って臨まれているということが理解できました。
障害者差別の解消は、千葉県が先進的に取り組んできた分野でもあり、これまで培ってきた相談体制と相談実績があると思います。
多様性尊重条例が成立し、事業者による合理的配慮が義務化される今後においても、しっかりとした取り組みが継続されることを要望いたします。
次に、インクルーシブ教育について要望させていただきます。
インクルーシブ教育についてご答弁いただきましたが、多様な学びの場において、支援の充実を図るとのことであり、文部科学省の考えを踏襲しているものと捉えております。
しかしながら、日本は障害者権利条約の締結国として少なくとも4年に一度、国内の状況を報告する条約上の義務を負っています。
現状の特別支援教育のままでは、国連の委員会から再び厳しい勧告がなされることが許されます。県内では、特別支援学校への入学希望者が急増し、新設校の整備が進められていますが、その背景には、合理的配慮が不十分であるために、普通学級への進学を保護者側が断念しているというケースもあるかと思います。
県として、国の方針をたがえることは難しいと思いますけれども、国際社会の中で、日本の特別支援教育がどのような評価をされているか、その視点を忘れることなく、合理的配慮の提供への取り組みを進めていただくよう要望いたします。
次に、外国人住民について要望いたします。
災害時における外国人住民の支援のために、多言語支援センターの設置や、語学ボランティア派遣などの具体的な支援体制が用意されていることがわかりました。
ただその利用実績についてはどうでしょうか。
せっかく窓口を設けたのに、ほとんど外国人の利用が認められなかったとの報告もあり、今後の課題であると感じています。
災害という緊急時には、手取り足取りの対応は難しいということもありますが、必要な窓口さえ備えておけば良し、利用するしないは、外国人住民次第であるというのでは、外国人住民はいつまでたっても部外者になってしまいます。
外国人コミュニティの壁を越えて、実績のある取り組みを図られるように、ページも含め、外国人住民が地域に溶け込めるよう対応を要望します。
最後に、道路整備についてです。
都市軸道路整備の進捗につき、流山市市内の下花輪小牧線についてご答弁をいただきました。
都市軸道路については、それ以外にも、柏市、流山市の市境付近の4車線化工事、柏市内の国道16号下のアンダーパス工事、そして茨城県へと渡る利根川と下部の工事などが残っており、全線の開通に向けての道のりには長いものがあります。
三郷流山橋の開通も、流山市民にとって長年の希望でしたが、先輩議員や地権者の方を始め、多くの方の協力によって、供用を迎えることができました。
今後も、流山市民だけでなく、広く統括地域の住民の生活と産業発展のために、都市軸道路の着実かつ迅速な整備を進められるよう要望いたします。以上2回目となります。
再質問へのご答弁よろしくお願いいたします。
–議長
保健医療担当部長 鈴木貴士君。
–鈴木貴士 保健医療担当部長
がん患者の受け入れ体制作りのための企業への周知啓発についてのご質問ですが、県では、県内の商工団体等の協力を得て、会員企業に対し、リーフレット等を送付し、呼びかけを行うとともに、県等が運営する企業向けのフェイスブックやメールマガジンを活用し、職場の環境作りに関する情報発信を行っているところです。
今後も、あらゆる広報機会を捉えて、企業への周知啓発に努めてまいります。以上でございます。
–議長
小宮あかし君。
–小宮あかし 議員
ご答弁ありがとうございました。企業への様々な方法による周知啓発について、これについては基本的な取り組みとして重要であり、継続的に効果的に行われることを期待いたします。
ただ、関心の低い企業も多数あると思われ、一方的な情報発信では意識を変えていくことは、難しい面もあると思います。県では、がん検診に関しては、企業と連携した普及啓発活動なども行われています。
がん患者の就労についても企業が主体となる取り組みが行われるよう要望させていただきます。
以上で私の一般質問を終えさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。