本日の県議会をいち早くお伝えいたします。
本日(2024/2/27)午後一人目の一般質問は、自由民主党の信田光保議員でした。
質問項目
- 県職員の確保・定着について
- 道路整備について
- 名洗港整備と洋上風力メンテナンス人材について
- 水産業の振興について
- 農水産物の輸出について
- 外国人の人材確保について
- 医師確保対策と医療連携について
- その他
議会質問・答弁の書き起こし全文
【午後一人目】一般質問 信田光保議員(自民党)
–議長
休憩前に引き続き会議を開きます。
引き続き質疑並びに一般質問を行います。
通告順により信田光保君。
–信田光保 議員
自由民主党銚子市香取郡東庄町選出、信田光保であります。
本議会において、質問の機会をいただいた自民党同僚議員の皆さんに感謝申し上げます。本日は私の地元から多くの皆さんに傍聴に駆けつけていただきました。
この場をお借りいたしまして感謝申し上げます。
今回の質問は、人手不足が顕著化する2030年問題が社会問題となり、今後県庁においても、働き方改革や人事制度の見直し、DXの推進など、適切に実施することで、人手不足の解消や生産性の向上を図っていかなければなりません。そのような視点から、今回の質問では、人口減少社会における人手不足人材の育成を念頭に、早速質問に入らせていただきます。
まず初めに、県職員の確保と職場環境の整備について伺います。
ちょうどこの質問を考えているとき、千葉県庁、週休3日制度を導入へ、柔軟な働き方で離職防止や優秀な人材確保の記事に目がとまり、今後、フレックスタイム制導入などを県の新たな取り組みが始まります。
民間企業でも、働き方改革や賃上げなど、待遇環境改善による人材獲得競争が加速しておりますが、千葉県としても、将来を見据え、真に県民のため、志の高い人材確保と定着に向け、更なる給料の見直しなど、待遇面の改善についても積極的に進めていただきたいと思います。
令和5年度の千葉県職員の採用試験の状況においても大変厳しい状況が続いており、特に土木、電気、林業等の専門職では採用予定者数に対して採用見込み者数が充足できない状況になっていることが、先日の議会答弁でも明らかになったところであります。
配付資料をご覧ください。令和5年度における県職員の年齢構成でありますが、上段の全職種については、若年層が多く、40歳代がやや少ないものの、全体的には概ねバランスが取れている一方、下段の土木職では、全体にM字型のカーブとなり、特に40歳前後の年齢層が非常に少なくなっていることがわかると思います。
そこで伺います。現在の職員の年齢構成についてどのように認識しているのか。
また、将来を見据えてどのように採用者数を見込んでいるのか。
土木職員については、民間との競合などにより、受験者が減少し、採用に苦慮していると伺っております。
また現在、管理職員と若手職員の繋ぎ役となる中堅職員が少ない状況となっております。このままでは、県内の道路整備の進捗にも影響が大きいのではないかと危惧しているところであります。
そこで伺います。
土木職において、中堅職員を初めとした職員不足に対し、行政運営に支障が生じないよう、どのように対応しているのか。また、今後、土木職の職員確保に向けてどのように取り組んでいくのか。
近年新規採用職員が、前任者から引き継ぎを十分してもらえず、また周囲の職員に相談することができず、1人で悩んでしまい、結果として、精神疾患を患ってしまい、長期療養に至ってしまう事例が大変増えているという現場の声を聞いております。知事部局においては、採用後3年以内に精神疾患により長期療養に至ってしまった職員数を、聞いたところ、平成30年度は31名であったのに対し、令和4年度は58名と大幅に増加していると、担当課からお聞きしました。希望を持って県庁に就職した若い職員へのフォローの強化が必要ではないでしょうか。
そこで伺います。職員が安心して働くために働けるために、どのように取り組んでいくのか。
次に道路整備について伺います。
昭和61年、沼田県政時代に故郷千葉5ヶ年計画において、県都一時間構想と高速道路アクセス30分構想が策定されました。この構想から38年が経過しました。昭和60年当初、県内の幹線道路ネットワークは脆弱でありましたが、現在の圏央道東金、横芝間である千葉東金道路二期や、館山自動車道などの高規格道路が順次開通し、さらにこれら幹線道路にアクセスする銚子連絡道路などの整備が進んでおります。来月3月31日には、いよいよ横芝光町から、匝瑳市間5km区間が開通する予定であり、県と1時間構想の達成、エリアの拡大が期待されております。
そこで伺います。銚子連絡道路の横芝光町から、匝瑳市間の開通により、県都1時間構想の達成率はどうなるのか。
銚子連絡道路は、圏央道の整備効果を東総地域へ広く波及させるため、非常に重要な道路であり、昨年度、匝瑳市から旭市間13kmが新規事業化されました。また、銚子川では、八木拡幅事業が現在進められているところであります。地元としては、銚子連絡道路の名称の通り、銚子まで繋がっていない。銚子連絡道路までの1日も早い全線開通を待ち望んでいるところであります。
そこで伺います。国道126号八木拡幅の進捗状況はどうか。
また、銚子連絡道路、匝瑳市から旭市間の進捗状況はどうか。
検討1時間構想の軸となる千葉市から銚子までの道路ネットワークとして、銚子連絡道路の他、利根川沿いの国道356号のルートもあります。この国道356号の整備は、千葉県北部地域の経済活動や観光産業の活性化とともに、災害における緊急輸送道路として、銚子連絡道路と合わせて、銚子方面へのダブルネットワークを形成することが大変重要であり、香取市から銚子市までの国道356号バイパスについても、早期完成を待つばかりであります。
未事業化区間でありました香取小見川バイパスについては、今年度中に事業化され、小見東庄バイパスと、銚子バイパスに挟まれた、銚子市か東庄町区間の未事業化区間についても、早期事業化を待ち望んでいるところであります。
そこで伺います。国道356号、銚子バイパスの進捗状況はどうか。また、国道356号銚子市から東庄町間の未事業化区間の取り組み状況はどうか。
次、名洗港の整備と、洋上風力発電に伴うメンテナンス人材の育成について伺います。
国策事業である銚子沖洋上風力発電事業については、令和2年、銚子市が促進区域に指定され、令和3年には、事業者として三菱商事を中心とした千葉銚子オフショアウィンドウ合同会社が発電事業者に選定され、13メガの巨大な風車31機が令和10年9月に運転を開始する予定であり、促進区域に最も近い名洗港が、洋上風力発電事業のメンテナンス港として整備が進められているところであります。
配布させていただいた名洗港の将来像のイメージ図をご覧ください。
この計画では、メンテナンス港としての活用の他、埠頭用地として、一般貨物の荷さばきし、保管施設が確保されることとなっており、地元の主要産業である水産加工業等の物資を名洗港から直接積み出すことが増えれば、貨物輸送の効率化に寄与することができます。さらに緊急物資を輸送する上で、地理的条件が有利な名洗港の活用が増えることは、地元の産業振興に繋がります。
そこで伺います。名洗港の活用に向け、今後どのように進めていくのか。
次に洋上風力発電のメンテナンス人材育成について伺います。
名洗港を活用して、地元が風車のメンテナンスを担っていくため、銚子市漁協、銚子商工会議所、銚子市が共同でメンテナンス業務等を行う、通称シーコースという会社を設立し、発電事業者の協力を得ながら現在準備を進めているところであります。
また国は、令和4年度より補助金を設けて、メンテナンス人材のトレーニングセンターの整備や、不足する洋上風力発電の人材育成を進めようとしております。こうした動きを踏まえ、地元では、県当局にも参加いただき、トレーニングセンターの整備など、人材育成のあり方について検討を行う、第1回、風力発電トレーニングセンター設置検討委員会が、先月1月30日に、開催されたところであります。
そこで伺います。風車等のメンテナンスを地元が長期的に担っていくため県はメンテナンス人材の育成にどのように取り組んでいくのか。
次に水産振興について伺います。
まず、漁港の整備であります。千葉県県域総合水産基盤整備事業計画では、六つの圏域を設定し、産地の生産力強化と水産業の成長産業化を図るため、全国屈指の水揚げ量を誇る銚子漁港を初めとする県内の拠点漁港の整備を推進し、水産業の生産基盤を強化させることが、重要であります。
そこで伺います。拠点漁港整備の進捗状況はどうか。
次に、銚子漁港を擁する町試験は、県全体の水産業を大きく左右する圏域となっておりますが、同圏域内に位置し、銚子産金目鯛の水揚げ拠点となる外川漁港では、砂により、航路や泊地の水深が浅くなりやすい現状があります。
そこで伺います。
外川漁港における航路や博士の埋没対策はどうか。
12年連続日本一の水揚げ量を誇る銚子漁港の昨年の水揚げ量は、海洋環境の変化などによるサバなどの水揚げ量の減少で、前年から2割減の約919万tとなり、釧路漁港とわずか451t差で、惜しくも釧路漁港の13年連続日本一の記録と、並ぶことができませんでしたが、逆に水揚げ金額は約2割アップして、前年比約44億円上回った結果となりました。
このように、漁業は水揚げ量も大事である一方、漁業者の経営面から考えれば、水揚げ金額の視点も重要であり、水揚げ量と合わせて漁価向上の取り組みも重要であります。銚子漁港では、現在価格形成力強化のため高度衛生管理型の市場の再整備事業が進められており、平成27年に完成した第1卸売市場に続いて今年の秋には第3卸売市場が、完成予定であります。
そこで伺います。銚子漁港第3卸売市場における価格形成力の強化の取り組み状況はどうか。
次に洋上風力発電事業と連携した漁場整備について伺います。
日本を代表する水産都市銚子と、脱炭素社会を目指した再生可能エネルギーの切り札といわれる洋上風力発電を推進していく上で、漁業との共生をどのように推進していくのか、全国的に注目を集めているところであります。
事業化が予定されている区域内では、過去に発電設備の実証研究が行われ、大型台風や塩害などの自然環境に対する安全性に加え、環境への影響などが検証されたところであります。
その結果、海中の風車の基礎部分には、藻類が付着し、イシダイやカンパチなどの魚類がだけでなく、タコやイセエビなどが住み着き、魚礁の効果があることが確認されたとの報告を受けております。
今後千葉県の太平洋沿岸地域一帯が洋上ウインドファームとなりさらに海洋牧場へと大きく変貌することも夢ではありません。地球温暖化などの影響により、漁場環境が変化し、水揚げ量が低迷する中、風車を活用して、豊かな水産資源を復活するための取り組みを県としても検討すべきと考えます。
そこで伺います。銚子沖の洋上風力発電事業と連携した漁場整備について県はどのように取り組んでいくのか。
次に農水産物の輸出について伺います。
新年度から組織改正の中で、県産農林水産物の輸出拡大と、新たな販路拡大に向けた取り組みを強化していくため、新年度より流通販売課を販売輸出戦略課に改名することが明らかにされました。千葉県が戦略的に県産農林水産物を輸出を促進しようとする意気込みを感じるとともに、大いに期待するところであります。
県産農水産物の輸出の拠点として、令和4年1月、成田市が施設整備費約150億円をかけ、成田市公設地方卸売市場を移転再整備したところであり、成田市の英断に深く敬意と感謝を申し上げたいと存じます。
さてこの市場は、水産棟と青果棟に加え、水産物や青果物を海外に輸出するための加工や手続きを行う高機能物流棟、食品関連棟が整備され、さらに今後、市場からおろされた新鮮な食材の買い物や、食事が楽しめる集客施設棟、飛行機の離着陸を間近に眺めることのできる展望デッキの建設も予定されているということであります。
特に高機能物流棟では、日本の農水産物を海外に輸出するため、必要な手続きを1ヶ所で、行うことができるワンストップ輸出拠点機能を備えており、このような機能を備える卸売市場は、全国初とのことであり、全国の市場関係者から注目をされているところでありますが、課題も多くあると伺っております。
そこで伺います。成田市場を活用した輸出の拡大に向けた課題は何か。
令和10年度に予定されている成田空港の第3滑走路の建設更なる機能強化の中で、成田空港周辺の物流機能がさらに拡大し、成田市場を通じて、本県の新鮮な農水産物を成田から世界へと期待が膨らんでいるところであり県としても主体的に関わっていただきたいと思います。
そこで伺います。成田市場を活用した輸出の拡大に向け県はどのような取り組みをしていくのか。
次に、外国人の人材確保について伺います。
全国の農林水産業は、担い手不足や高齢化がますます進んでおり、産業として維持するには、更なるスマート農業の普及促進や、テクノロジーの進歩などが挙げられておりますが、これらの研究や設備投資は個人では負担が大きく、投資採算が合わない領域においては、どうしても人手の確保が必要になります。その解決策の一つが、外国人による労働力の確保であり、今や外国人材なくして、日本の産業は成り立たないと言っても過言ではありません。このような状況を踏まえ、国では、実習制度を廃止し、外国人材の確保、育成を目的とした、在留期間3年の新制度を創設するなど、外国人による技能実習制度のあり方について、見直しが行われており、昨年8月には、特定技能制度における熟練した技能を有する外国人材の在留資格である、特定技能2号が農業分野にも拡大されたところであります。
そこで伺います。本県の農業分野における外国人労働者の状況を踏まえ国の制度改革をどのように捉えているのか。
国の制度のあり方に関する有識者会議では、最終報告書が昨年11月にまとめられたところであり、今後国から具体的な見直し内容について、示されると思われますが、県でも、国に対する令和6年度の新規要望として、農業の担い手および担い手組織に対する支援予算の拡充と、事業の改善項目が、追加されておりました。こうした動向に合わせ、千葉県が外国人労働者に選ばれるよう魅力ある就職先にしていくことが求められることになります。
そこで伺います。外国人労働者にとって、本県の農業が、魅力ある就職先となるよう、県としてどのように取り組んでいくのか。
次に、医師確保対策と医療連携について伺います。
地域の医療体制の整備のため、医師の確保が重要なのは、言うまでもなく県内の各病院において、医師確保のために様々な取り組みを行っておりますが、未だに医師確保は厳しい状況であります。県においては、千葉県全体の医師数を増加させるため、地域医療への従事を要件に、返還免除となる医学部生に対し、修学資金を貸し付けておりますがこの修学資金貸付制度が、創設されてから15年が経過しており、これまでどのような成果があったのか、大いに気になるところであります。
そこで伺います。医師修学資金貸付制度について、これまでの取り組みはどうか。
若手医師は、都市部の大規模な病院で勤務を希望する方が多いのではないかと思います。
一方で東総地域など、都市部でない地域においてはその地域の医療を支える重要な役割を担っている公立病院は、特に小規模な場合、医師の確保に苦慮しているのが現状であります。
そこで伺います。医師修学資金貸付は、小規模な公立病院など、特に医師の確保に苦慮している病院の医師不足の解消に、どのように寄与しているのか。
最後に東総地域の医療連携について伺います。
東総地域は高齢化が進み、人口も減少していくことが推測されており、医療ニーズも変化していくと思われます。この地域の公立病院は比較的規模が小さい病院であり、安心して医療が受けられるようにするには、周辺の医療機関が役割と連携強化により地域の医療提供体制を構築していくことが重要であります。
過去には銚子市、旭市、匝瑳市、東庄町で構成する東庄地域医療連携協議会が旭中央病院を筆頭に、地域間の医療連携などを議題として、有意義な協議会が開催されておりましたが、平成21年3月を最後に、開催されなくなってしまいました。
県内でも非常に評価の高い旭中央病院は、平成28年に地方独立行政法人へ移行されましたが、東総地域はもちろんのこと、香取海匝医療圏においても重要な医療機関であり、周辺の自治体病院にとって、医療の連携は長年の悲願であると認識しております。
そこで伺います。かつての地域医療連携協議会と同様、公立病院間の連携について協議を進めるべきと思うがどうか。
以上で登壇からの質問といたします。ありがとうございました。
–議長
信田光保君の質問に対する当局の答弁を求めます。知事 熊谷俊人君。
–熊谷俊人 知事
自民党の信田光保議員のご質問にお答えをいたします。
まず県職員の確保定着についてお答えいたします。職員が安心して働くための取り組みについてのご質問ですが、職員が働きやすい職場環境を整備することは、多様で有為な人材を確保し、質の高い県民サービスを安定的に提供していくために重要であると考えています。このため精神衛生面についてはメンタルヘルスプランに基づき、各省相談窓口の設置や管理監督者を対象とした研修等を実施するとともに、新規採用職員が職場にスムーズに適応していけるよう、今年度からメンター制度を本格的に導入し、先輩職員に不安や悩み等いつでも気軽に相談できる体制を整備したところです。
また令和6年度にはウェルビーイング推進室を新設し、職員の採用定着育成に向けた制度や仕組みの導入など、これまで以上に職員が安心して能力を発揮できる職場環境の構築に取り組んでまいります。
次に農水産物の輸出についてお答えいたします。
成田市場が活用した輸出の拡大に向けた県の取り組みについてのご質問ですが、県では市場の再整備や、輸出手続きのワンストップ化に向けた国との調整、市場と連携した海外バイヤー招聘による商談会の実施や、輸出EXPOへの出展などに取り組んでおります。
再来年度は新たに輸出君に取り組む事業者への専門家による相談助言や、現在策定中の取り組み方針も踏まえた、成田市場活用した新たな輸出モデルの実践や、事業者とバイヤーとのマッチングによる商流の強化、国等の予算を活用した施設整備への支援などに取り組んでまいります。
今後とも成田市と十分に連携を図り、事業者の声も聞きながら、輸出に向けた魅力ある市場となるよう、成田市場を活用した県産農林水産物の輸出拡大を図ってまいります。私からは以上でございます。他の質問につきましては担当部局長からお答えをいたします。
–議長
総務部長 鎌形悦弘君。
–鎌形悦弘 総務部長
職員の年齢構成と採用者数の見込みに関するご質問ですが、全職種と土木職の年齢構成を比較すると、土木職では40歳前後の年齢層が非常に少なくなっていますが、これは県職員を対象に、平成25年度まで実施した定員適正化計画により、採用者数を抑えたことなどの影響と考えております。
職員の採用については、職種ごとに退職者数や行政需要等を踏まえ、計画的な採用に取り組んでいるところですが、近年、採用予定者数を下回る状況が続いていることから、経験者採用試験の実施や試験の複数回実施等により、必要な職員数の確保に努めているところです。
現年度の採用状況は翌年度の採用予定者数の算定要素になることからこのような状況を解消し、計画的な人材確保を進めていけるよう、引き続き様々な取り組みを検討し、実施してまいります。以上でございます。
–議長
県土整備部長 池口正晃君。
–池口正晃 県土整備部長
私からはまず、土木職における中堅職員の不足および職員確保についてのご質問にお答えします。県では、土木職員の確保が困難な状況を踏まえ、工事監督や関係機関協議などの外部委託を積極的に進めるとともに、一時的な職員不足に対しては、臨時的任用職員の採用などにより、行政運営に支障が生じないよう努めております。
また、学生の採用に向けて、庁内にプロジェクトチームを設け、職員の出身大学での説明会や現場見学会などを実施しています。さらに、中堅職員確保のため、今年度、社会人採用における専門試験を廃止し、必要な民間企業等の経験年数を短縮した他、来年度は民間転職サイトを活用した採用情報の発信強化を検討しています。引き続き、こうした取り組みを通して、土木職員の確保や年齢構成の平準化に努めてまいります。
次に、県都一時間構想についてのご質問ですが、県では、県内の主要都市から県と千葉市までの到達時間をおおむね1時間に近づけるよう、昭和61年に県都1時間構想を掲げ、県内の幹線道路ネットワークの整備に努めてまいりました。
銚子連絡道路の横芝光町から匝瑳市間の開通により、新たに旭市が1時間圏域に加わり、これにより、1時間構想の達成率は76%から79%となります。引き続き、銚子連絡道路などの幹線道路ネットワークの充実強化に積極的に取り組んでまいります。
次に国道126号、八木拡幅および銚子連絡道路のそ絡道路の匝瑳市から、旭市間の進捗状況についてのご質問ですが、銚子連絡道路は、圏央道の整備効果を、山武東総地域広く波及させ、地域経済の活性化などを図る大変重要な道路です。銚子連絡道路の一部をなす国道126号八木拡幅は、現在、旭市、八木から銚子市、親田町までの3km区間で、まとまった用地が確保できた箇所から、大型環境工事等を進めているところです。また、匝瑳から旭市までの13km区間については、現在全線にわたって主要な構造物等の配置や道路幅を決定するための道路予備設計を進めているところです。
引き続き地元の皆様のご理解とご協力をいただきながら事業を推進してまいります。
次に、国道356号の進捗状況などについてのご質問ですが、銚子バイパスは、銚子市内の交通混雑の緩和や、東関東道等へのアクセス強化を図るため、銚子市大橋町から小船木町までの8.2kmで整備が進められています。
銚子市長塚町から芦崎町までの3kmについては、令和6年秋ごろの供用に向け、現在、道路改良工事や日間工事など、全線にわたり工事を展開しています。また銚子市か東庄町間の未事業化区間については、来年度からの新規事業化に向け、県土整備、公共事業評価審議会に諮るとともに、今月10日と11日に、道路計画の概要などについて、地元説明会を開催し、現在パブリックコメントを実施しているところです。
最後に、名洗港の活用についてのご質問ですが、名洗港は洋上風力発電での活用のみならず、地域の観光振興や、産業振興としての役割も期待されているところです。改定した港湾計画では、名洗港の将来像として、特産物である水産加工品等の海上輸送拠点や犬岩等の豊かな自然と風車が調和した緑地空間となることを掲げています。
引き続き、計画で定めた施設整備に向け、地元市を初め、関係機関と緊密に連携しながら着実に進められるよう取り組んでまいります。以上でございます。
–議長
商工労働部長 野村宗作君。
–野村宗作 商工労働部長
洋上風力発電におけるメンテナンス人材の育成に関するご質問でございますが、洋上風力発電における風車等のメンテナンスは、20年以上の長期にわたることから県では継続して技術者を確保育成していくことが重要だと考えております。
メンテナンスは海上における強風下での高所作業など、特殊な業務を伴うため、技術者は洋上風力発電に特化した専用のトレーニング施設で、安全に業務を行うための研修を定期的に受ける必要がございます。こうしたトレーニング施設は、既に他県において設置の動きがございますが、銚子市においても、設置の必要性や事業性などについて議論する、検討委員会を設置し、県も参画しております。今後この委員会の中で、いすみ市沖九十九里沖等も見据えた効果的な人材育成のあり方などについて、議論を深めてまいりたいと考えております。以上でございます。
–議長
農林水産部長 前田敏也君。
–前田敏也 農林水産部長
まず拠点漁港整備の進捗に関するご質問ですが、県内18拠点漁港のうち、現在、銚子、勝浦、富津の3港で、機能強化に取り組んでおります。銚子と勝浦では、漁船の大型化に対応する岸壁や高度衛生管理型の市場等の整備を、富津では船揚げ場の増設等を進めており、このうち勝浦、富津ではおおむね整備を完了しております。
また、銚子漁港では、令和4年度末における進捗率は全体で約40%となっており、現在は主に大型船に対応する黒生地区の防波堤の塔の整備を進めているところです。今後、岸壁や航路泊地などの整備に速やかに着手し、令和9年度を目途に、黒生地区の岸壁の一部が供用開始できるよう取り組んでまいります。
次に、外川漁港の航路や泊地に関するご質問ですが、外川漁港は屏風ヶ浦の東側に位置し、航路や泊地に砂がたまりやすくなっていることから、県では漁業活動に支障が出ないよう適時浚渫を行っているところです。一方で、漁業関係者からは、原因の特定と施設整備による抜本的な対策を求められており、今後外川漁港に隣接する名洗港の防波堤延伸計画とも整合を図りながら、航路や泊地に砂が繋がる溜まりにくい構造について検討してまいります。
次に、銚子漁港第3卸売市場における価格形成力の強化の取り組みに関するご質問ですが、銚子漁港にある3ヶ所の市場のうち、現在整備を進めている第3卸売市場は、輸出を視野に入れる金目鯛の他、ヒラメやヤリイカなど、小型漁船が漁獲する金塊ものとして高値で取引される魚介類を取り扱っています。
新たな市場は、鳥や雨風の侵入を防止する閉鎖型にするとともに、EUが求める衛生管理基準に対応した専用区画の新設や、出荷までの時間を短縮する電子入札システムの導入などにより、衛生管理の高度化と鮮度の向上を図ります。また、市場関係者の衛生管理に関する講習会の開催など、引き続き、市や漁協と連携し、ハード、ソフト両面から市場における価格形成力の強化に取り組んでまいります。
次に、洋上風力発電事業と連携した漁場整備についてのご質問ですが、銚子市沖では、現在、洋上風力発電施設の着工に向けた準備が進められており、銚子市漁港では、風車の基礎部分を活用した漁場作りを検討しております。風車の基礎部分には、銚子市沖で過去に行われた実証研究や他県などの先行事例から、魚礁機能としての効果が認められており、漁協では、風車の設置場所も含め、周辺海域における生物分布や試験魚礁を設置して、どの程度魚介類が住み着いているのかなどを調査しているところです。
県ではこれまでの知見や今後取りまとめられる調査結果を漁協と共有し、魚礁の構造や設置場所等に対する技術的な助言を行いながら、より効果的な漁場整備を支援するなど、洋上風力発電事業が漁業と共生できるよう取り組んでまいります。
次に成田市場を活用した輸出の拡大に向けた課題についてのご質問ですが、県では昨年設置した有識者による県産農林水産物輸出活性化検討会議や、輸出事業者へのヒアリング調査などを通じ、成田市場を活用した輸出の拡大に向けた課題の抽出を行っているところです。
その中では市場を活用する輸出事業者の更なる商流構築や、新たに市場を活用して輸出に取り組む仲卸業者等を増やすこと、また拡大する水産物の輸出に必要な環境整備など、市場に荷を集めるための様々な課題が挙げられています。
引き続き活性化検討会議での意見も伺いながら、生産から流通販売までの各段階における課題の抽出と整理を進めてまいります。
次に、農業分野における外国人労働者に関する国の制度改革についてのご質問ですが、労働人口が減少する中、県民と外国人が互いに理解し、ともに活躍することは、本県農業の持続的な発展に向けて重要なことだと考えております。
また、本県の農業分野で働く外国人は、令和5年10月末で3376人となっており、5年前の平成30年と比較し、約1.8倍になるなど、外国人労働者は本県農業を支える貴重な人材となっています。
このような中、国では長期雇用が可能となる特定技能2号を農業分野に拡大した他、人材の確保と育成を目的とした、育成就労制度の創設に向けて検討を進めるなど、今後、農業分野においても外国人の更なる活躍が期待されます。
最後に、外国人に本県農業が就業先として選ばれるようにしていくための取り組みについてのご質問ですが、外国人労働者の確保のためには、働きやすい環境整備や農業経営者の外国人雇用に関する理解促進を図ることが重要です。
そこで県では、外国人労働者の定着に向け、居住施設等の整備や翻訳機の導入への助成の他、経営者向けに外国人雇用に関する研修会を開催するなど、労働環境の改善を図る取り組みを支援しているところでございます。
さらに農業経営者が特定技能2号の在留資格を有する者などに行う農業経営の知識習得などの人材育成に要する経費についても助成するなど、本県農業が就業先として外国人に選ばれるよう、国の今後の動向も注視しながら、支援の充実に取り組んでまいります。以上でございます。
–議長
保健医療担当部長 鈴木貴士君。
–鈴木貴士 保健医療担当部長
私からは、まず医師修学資金貸付制度の取り組みについてお答えいたします。
医師修学資金貸付制度は、地域医療への従事を要件に、返還免除となる学生への貸付制度であり、平成21年度に創設されました。
近年では、年間60名規模の新規貸付を行っており、これまでに累計で625名に貸付け、現在までに本制度を利用して医師となった方は283名となります。令和5年度においては、そのうち新たに医師となった54名を含めた248名が返還免除要件に沿って、県内の15の公立病院、35の民間病院に勤務しています。
県では、地域医療への従事と医師としてのキャリア形成の両立に向けた支援が重要と考えており、修学資金生に対して、在学中から地域医療を学ぶ機会の提供や、医師個別相談ができる体制を整えており、引き続き本制度を活用した医師の確保に取り組んでまいります。
次に、医師修学資金貸付の医師不足解消への寄与に関するご質問ですが、修学資金貸付制度では、返還免除要件として、県内指定医療機関において最大9年間勤務することとしており、医療需要に比べ医師が少ない山武長生夷隅医療圏や、医師の確保が困難な小規模な公立病院などにおいて、9年間のうち2年間以上就業することとしています。このような医療機関で就業している修学資金生は、非常勤で勤務している方を含め、昨年度は15名でしたが、今年度は37名と大幅に増加しており、具体的な勤務先としては、多古中央病院、東陽病院、大網病院などの小規模な公立病院も含まれています。
今後もこのような病院で就業する医師をより多く確保できるよう、研修病院で指導する医師のスキルアップや修学資金生のキャリア形成支援に取り組んでまいります。
最後に、東総地域における公立病院間の連携についてのご質問ですが、地域における医療機関の役割分担と連携強化のため、関係者が継続的に協議を行うことは大変重要と認識しています。
東総地域医療連携協議会は、平成18年1月から平成21年にかけて、銚子市、旭市、匝瑳市および東庄町における公立病院間の医療連携について協議を行っていたものですが、その後、地域医療構想の策定に合わせ、参加者や議論のテーマを拡張した香取海匝地域保健医療連携・地域医療構想調整会議を設置し、現在に至っています。
同会議においては、地域の公立病院が果たすべき役割や機能、連携強化の方向性等について議論を行うとともに、それらを反映させた病院ごとの経営強化プランについて協議するなど、公立病院を初めとする医療機関連携の推進に取り組んでおり、今後ともしっかりと対応してまいります。以上でございます。
–議長
信田光保君。
–信田光保 議員
ありがとうございました。それでは2項目、再質問させていただきたいと思います。
まず道路整備についての再質問であります。
銚子連絡道や国道356号の道路は、県北東部地域の発展に欠かすことのできない重要な道路であり、東関東道や圏央道へアクセス強化に向けスピード感を持って整備を進めていく必要があります。
そのためには整備を着実に推進していくためのマンパワーが鍵となると考えており、先ほどの質問でも触れたように、土木職など、技術職員の他、用地買収を担う職員の増員等を事業を担う職員の確保や、人材育成を通して、土木事務所の体制強化を図っていくことが、重要課題だと思っております。
そこで伺います。道路事業を円滑に進めていくため、職員の増員など、土木事務所の体制強化をすべきと思うがどうか伺います。
次に、成田市場を活用した農水産物の輸出の促進についての再質問であります。
これまで千葉県からの、県産農水産物の輸出については長きにわたり仲卸業者やバイヤーなどの関係で、豊洲市場から羽田空港を活用したルートが主流であり、成田市場が開設された今でも、基本的にその物流の流れを大きく変えることができないのが現状であります。昨年6月、千葉ブランド水産物第1号に認定された銚子釣りキンメを海外に売り込もうと、キンメ漁師の皆さんが自らタイ王国バンコクに赴き、成田市場から成田空港を活用し、水産物の輸出に向けた試験的な取り組みを実施したところであります。
本年秋に完成する銚子漁港の高度衛生管理型の市場については、答弁であったように、EU輸出対応可能な市場になるわけであります。今後、県産農水産物を米国やEUなど、新たな販路拡大に向け、豊洲市場から、羽田空港経由ではなく、成田市場から成田空港を活用することで、市場の優位性をさらに高めていったらいただきたいことを強く願っております。
そこで再質問ですが、成田市場のワンストップ化に向けた国との調整は具体的にどのようなものなのか。再質問させていただきます。
–議長
県土整備部長 池口正晃君。
–池口正晃 県土整備部長
はい。道路整備に向けての土木事務所の体制に関するご質問ですが、限られた人員で成果が得られるよう、職員の経験等を踏まえ、適正な配置を行う他、必要に応じ、本庁から応援職員を派遣するなど、体制の確保に努めているところです。
また、担当職員に必要な専門知識の習得や技能の向上を図るため、積算や用地業務等の研修を行っています。今後もこうした取り組みを通して、土木事務所の各種事業が円滑に進められるよう努めてまいります。以上でございます。
–議長
農林水産部長 前田敏也君。
–前田敏也 農林水産部長
成田市場のワンストップ化に係る国との調整に関するご質問でございますが、衛生証明書の一言発給を初め、煩雑で、国ごとに異なる多くの各種証明書や通関等の手続きを、市場内で完結できるよう、国や関係機関と調整を行ってきたところです。今後も成田市場の更なる利便性の向上に向けて取り組んでまいります。
以上でございます。
–議長
信田光保君。
–信田光保 議員
はい。ぜひよろしくお願いしたいと思います。
それでは最後に要望2点させていただきます。
まず成田市場の有効活用についてであります。
今後、成田空港の更なる機能強化を見据え、成田市場を単に輸出の拠点にとどめることなく、市場と空港との連携により、周辺自治体はもとより、千葉県の活性化に繋げていくことが重要と考えます。豊洲市場の場外には、新しく豊洲千客万来の施設が、今月の2月1日オープンし、東京の新たな観光拠点として、またインバウンドを意識した施設となっており、大変な賑わいを創出しているということであります。
成田市場はあくまでも、開設者が成田市ということは十分理解しておりますが、この施設の活用は、千葉県にとっても大きなメリットがあり、豊洲市場のように、県立の公設市場であっても良いぐらいの拠点だと思っております。
今後、県の役割として、活性化検討会議で出た様々な意見、要望を生かしていくと思いますが、ぜひ、成田空港と成田市場の連携はもちろんのこと、空の海、成田市場と海の港、銚子市場との連携により、成田市場のですね、ポテンシャルを最大限生かしていただきますよう要望いたします。
最後は道路整備の要望であります。当団でも申し上げましたように県都1時間構想と高速道路アクセス30分構想が、策定されてから、38年ということであります。
答弁では、来月末、銚子連絡道路の匝瑳市までの回通により、旭市が1時間圏域に加わり、構想の達成率は79%となるということでありますが、この銚子連絡道路の総延長は約35キロあるわけでありますが、その起点である松尾横芝インターチェンジから匝瑳市インターチェンジまで、11キロの整備に、約ですね、27年の歳月を要したということになるわけであります。
今回あえてこの構想の達成率を質問させていただきましたが、あまりにもですね、時間がかかるとは思わないでしょうか?道路整備には千葉県だけでなく、県との連携のもと、莫大な予算とお時間が必要であることは、十分理解をいたしておりますが、時代が大きく変わりゆく中で、この構想の実現、この構想が実現した暁には、地域が疲弊し、人もいない。車も走らないでは最悪であります。銚子は国のとっぱずれと言われてきましたが、県と千葉市までのルートとして、銚子市連絡道路、また国道356号バイパスのうちどちらかの道路が構想から攻めて、半世紀50年以内を目標にですね、県都一時間構想をぜひ実現していただきたいと思います。
この要望させていただいて、私の一般質問を閉じさせていただきます。ありがとうございました。