本日の県議会をいち早くお伝えいたします。
本日(2023/12/4)午後二人目の一般質問は、日本共産党の浅野ふみ子議員でした。
質問項目
- 「千葉県多様性が尊重され誰もが活躍できる社会の形成の推進に関する」条例案について
- 経済対策について
- 高齢者の尊厳を守る介護について
- 子育て世帯と学生の負担軽減について
- 市川・派川大柏川治水対策について
- その他
議会質問・答弁の書き起こし全文
【午後二人目】一般質問 浅野ふみ子議員(共産党)
ーー議長
次に浅野ふみ子君ーー浅野ふみ子 議員
市川市選出、日本共産党の浅野ふみ子です。
初めに、千葉県多様性が尊重され、誰もが活躍できる社会の形成の推進に関する条例案について質問します。多様性の尊重は当然です。9月に公表された骨子案には、県内外から669人、1279件もパブコメが寄せられました。ところが条例案は、一言一句変わっていません。「がっかりした」等々、失望の声が湧き出ています。一体何のためのパブコメだったのか、知事は元々想定していた考え方だったといいますが、それじゃあ初めから意見聴取する意味がないじゃありませんか、まずお答えください。
パブコメで多くの方が活躍、活力などの言葉が目立つが、人権尊重が土台にあってこそ、誰もが自分らしく生きられで活躍できるのではとの意見を寄せています。ところが県は条例に、あらゆる人が差別されることなく、1人1人が様々な違いがある個人として尊重される社会を、作っていく必要があると示しただけです。女性団体との懇談の場で県はいろいろ議論があるので人権は入れなかったと明言しました。だとしたら知事、人権尊重は、多様性尊重の土台であり、大前提だと考えていないのですか。人権尊重も明記しない多様性条例で果たして実効性を担保できるのか、県民が不安に思うのは当然ではありませんか。それぞれお答えください。
また、パブコメの条例案は、男女共同参画条例の代わりになり得ないとの多数の意見に、県は、基本理念の男女のいずれもが性別を理由とする不利益を受けることなく、の部分が、男女共同参画条例を包含などと強弁しています。これが条例を切望する女性や県民への回答ですか。ならば、お聞かせください。そもそも、国の男女共同参画社会基本法は、男女の人権尊重、政策立案などへの共同参画。家庭生活と社会活動の両立などをうたっています。条例案のどこに包含されているのか、一つ一つ根拠をお示しください。理念条例と言いながら、共同参画も男女平等も差別禁止もない。これで県民の理解が得られたとお考えなのか、お答えください。
また、パブコメでも寄せられ、今世界で大きな流れとなっているジェンダー平等の実現や、性的マイノリティ、いわゆるLGBTQ+への差別解消についても伺います。私は、産むか産まないか。いつ何人子供を持つかを自分で決める性と生殖に関する健康と権利、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツや、暴力と安全確保など八つの概念の包括的、性教育の実践が必要だと考えます。最新の科学的根拠と人権を基盤にした、多様性とジェンダー平等の学びはあらゆる差別をなくし、多様性を尊重するためには不可欠ではないでしょうか?県行政の役割は重要です。その自覚と法則はお持ちですか。お聞かせください。
この問題の最後に指摘したいのは、我が党の9月議会代表質問で知事が、多様性尊重の理念を県政のあらゆる分野に浸透させれば、差別や生きづらさがなくなると答弁したことです。浸透だけで解消するとは到底思えません。我が国における男女差別男尊女卑の考えは、明治時代以降に形成されたものです。明治時代に強化された男性が主、女は従。女性は結婚したら家に入るなど、家父長制の日本を美しい国だったと考える人たちが、政権の中枢に座っていること。さらに、女性を安上がりの労働力として利用したいという財界の意向のままに、歴代の政権が女性差別の構造をびこらせてきたことです。この二つの大問題を断ち切るためには、県民の協働と県の具体的な粘り強い取り組み覚悟が必要です。知事はその認識をお持ちですか。お答えいただきたい。
条例案を一旦取り下げ、こうした角度から抜本的に見直して再提出すべきです。知事の見解を伺います。
次に、暮らしを守る経済対策と、県職員の働き方に関して伺います。
臨時国会の冒頭、岸田首相は30年代のコストカット型経済からの脱却を表明しました。長期にわたるコストカットによって経済の停滞と後退を招き、暮らしの困難が続いているところに物価高騰が襲った。ここに国民の生活苦の深刻な実態があります。では、何がコストカットされてきたか一つに労働法制の規制緩和で、非正規雇用拡大した人件費カット。二つに消費税増税、一方で法人税は減税という法人税カット、三つに、社会保障制度の連続改悪企業の社会保険料カットであり、いずれも財界大企業の利益のためのコストカットを続けてきた自民党政治によってもたらされたものです。
そこで伺います。自民党政治によって長年、コストカット型経済が進められてきた。ここにこそ、こんにちの日本経済の後退衰退の最大の要因があると思うがどうか。
最大の問題は、働く人、賃金をもコストカットの対象にしてきたことです。働く人をコストと扱いし、簡単に切り捨てられる非正規を拡大、雇用が破壊されてきました。その結果長期にわたって、実質賃金は減り続け、暮らしが追い詰められてきたのが実態です。働く人をコスト扱いし、賃金のコストカットは絶対にやるべきではない。直ちに改めるべきと思うが、知事の認識をお答えください。
では公務の職場、千葉県ではどうか。千葉県でも非正規職員拡大の流れが加速しています。13年間で見ると、2010年度、知事部局の職員総数は8814人でした。
これが昨年度は9745人と、931人、約1割増となっています。一方で、時間外手当を除いた人件費の決算額は、13年前の803億円から、昨年度は、703億円と100億円も減っています。職員は増えているのに人件費はマイナスこの要因の一つは、非常勤職員の拡大中でも1.7倍にもなっている。週29時間勤務のパートタイム会計年度任用職員の増加によるものと言えます。
そこで伺います。自治体業務の専門性、継続性、平等性、公平性を担保するためにも、常勤職員が基本の雇用へ転換すべきと思うかどうか、お答えください。増加している週29時間パート職員の処遇改善も急務です。一般事務補助で経験1年未満の場合、時給1044円と、最低賃金ギリギリで、報酬は月13万1000200円程度、生活できる賃金とは到底言えません。時給1500円へ引き上げれば、月約19万円となります。直ちに、時給1500円まで引き上げ、生活できる賃金を保障すべきと思うがどうか、お答えください。
さらに深刻なのは、児童相談所の夜間生活指導員の処遇です。勤務時間は午後5時から翌朝の8時半までで、拘束15.5時間実働9時間で、報酬は1回9600円。時給に換算すれば1067円と、最低賃金はクリアしているものの、コンビニの深夜バイトよりも低い。だから夜間生活指導員は定員の65%程度、42名も不足しているのが現状です。そこで、児童相談所の夜間生活指導員の報酬を抜本的に引き上げるべきと思うがどうかお答えください。
昨年度から男女の賃金格差が公表されており、知事部局の男性給与に対する女性給与の割合は、84.3%総合企画部では71%でした。勤続16年から20年で年約69万円もの男女の賃金格差が生じています。県の女性職員活躍推進プランでは、全ての女性職員がその役職や職場を問わず個性能力が発揮されることを目指すとしています。であるならば、安心して職務に専念できる給与制度、処遇へと改善していくことが必要です。
そこで伺います。同一価値労働、同一賃金、均等待遇が当たり前とする処遇の改善は急務であり、男女の賃金格差を是正すべきです。ご答弁ください。
次に高齢者の命と尊厳を守る介護について伺います。介護を社会で支える目的を掲げ、2000年に介護保険制度が導入されてから23年、国は軽度者からのサービスを取り上げ、利用制限、利用料を1割から2割3割へ引き上げ、介護施設の食費、部屋代の負担増、保険料の値上げなどを連打し、介護離職や、介護疲れによる痛ましい事件なども後を絶ちません。由々しき事態です。これでは、保険あって介護なしと批判されても当然です。知事もそう思いませんか?国に制度改革、利用者の負担増を中止するよう求める必要があります。ご答弁ください。
例えば県内の特養ホームの入所希望者は7月1日現在、1万2318人もいます。深刻なのは、独居と高齢者のみ世帯合わせて3628人いることです。このうち独居の要介護度5は287人高齢者のみ世帯、いわゆる労働介護は、326人、入所したくてもできないのです。
そこで伺います。介護の社会化、高齢者本人や家族の尊厳は保証されているなどとは到底言えません。所見をお聞かせください。
県は、特養ホーム創設などに要する経費として1床あたり450万円助成しています。今年度、676床分を見込んでいますが、10月末現在の申請は196床に過ぎません。県はもっぱら物価高騰の影響といいます。
確かに建築資材などの値上げの影響は否定しませんが、しかし、果たしてそれだけが主要な要因なのでしょうか?せっかくの先進的な全国3番目の助成制度が十分に生かせれない要因がどこにあるのか。しっかりと分析して対策を講じる必要があると考えます。いかがですか。
私は、特養ホームの整備を、市町村任せにしている県の姿勢を改める必要があると思います。2022年度23年度の県の整備計画数は2743勝で、入所希望者を解消できるものになっていません。その整備数は1706床計画数よりも1000床以上も少ない。県の計画数は、市町村の計画数を積み上げただけでは駄目だということです。県の責任で、お金があってもなくても、貯蓄がなく年金だけで暮らしている高齢者世帯でも、希望すれば特養に入所できるようにするべきだと思いますが、県のお考えをお聞かせください。
もう一つは、介護労働者の待遇改善です。特養ホームの建物だけ作っても、そこで働く職員を確保できなければ、特養ホームは機能しません。県内の介護関係者からは、給与を上げて人材確保したい。でも、経営が厳しく、費用が出せないとのはいが寄せられています。必要な人手を確保できないことが大きなネックになっています。今年度の県は、介護人材対策に取り組んでいますが、肝心の職員の待遇改善は後継に追いやっていませんか。県の説明によれば、2022年度介護労働者の賃金は全産業平均の月34万4万円より8万2000円も少なく、特養ホームの常勤で24万6750円非常勤は17万1820円に過ぎません。国が公費負担を増やすべきです。その上で我が党は、介護3施設職員の待遇改善のため、当初予算組み替えを提案しましたが、県としても、待遇改善の助成をするなど、より積極的な取り組みを求めます。ご答弁ください。
次に、子育て世帯の負担軽減と学生、若者支援について伺います。物価高騰は現役世代も直撃し、義務教育でも、ランドセル制服体操服、上履き、教材費給食費修学旅行費などの隠れ教育費が、大きな負担となっています。文部科学省の子供の学習費調査は、全国2万から5万人の児童生徒の保護者を対象に、鉛筆1本まで詳細に、2年おきに実施するものです。行事などが制約されたコロナ禍の2021年の調査では、公立小1の学校でかかる費用は平均16万7000円。中1では約24万円義務教育9年間で、部活を除いても約114万円にも上っています。修学旅行などは教育の一環です。憲法で義務教育は無償とすると、定められているにもかかわらず、これだけの負担がかかることをどう受け止めますか。知事の認識をお聞かせください。
全国では、義務教育子育てへの支援が広がっています。東京都の018サポートは、子供の成長を切れ目なく支えるために、0歳から18歳につき5000円、年間6万円を所得制限なしで支給します。千葉県は今年度、小1から高1までの1万円、1回きりです。子育て支援に係る給付金の金額と対象を拡充し、継続すべきではないでしょうか、お答えください。
義務教育での給食費の保護者負担は約35万円、学校でかかる費用の3割を占めます。昨年4月時点で給食費を無償化した県内市町村は、全小中学生実施の9を含め、何らかの無償化実施は19、今年4月は全小中学生12を含め、何らか実施は53へと1年間で大きく広がりました。日本共産党は、長きにわたり給食費の無償化を主張してきたので、千葉県の第一歩は大歓迎です。今問われているのは、次の2歩目、知事、決断はいつでしょうか?高等教育の学費は、学生だけでなく世代を超える負担になっています。大学4年生は有利子も含めて奨学金を目いっぱい借りているから返すのが大変と語り、70代の方は、孫の大学進学にあたって、子供から奨学金を借りてもまだ足りない。学費の援助をしてほしいと言われたが、助けたくてもこっちの老後の資金がなくなってしまうと訴えられました。本当に胸が痛みます。大学の初年度納入金は、国立約82万円私立は平均136万円にもおよびます。その一方で、奨学金は多様性が中心のため、卒業生の3人に1人が平均300万円の借金を背負って社会に出る。その総額は、約10兆円にもなります。学生や保護者の負担能力を超えた学費とバイトに追われる学生生活の改善は、学生や大学、企業や社会にとっても待ったなしの課題ではないでしょうか?知事の受け止めを伺います。
この間、学生を支える学費無償化が各地で進んでいます。東京都は、来年度から都立大学の授業料を実質無償に、大阪府や兵庫県でも、大学の授業料所得に関わらず無償化すると。ところが千葉県では県立保健医療大学、県立の鶴舞と野田の看護専門学校、県立農業大学校の入学料授業料の減額免除しか行っていません。千葉県として、県立大学や専門学校の入学料授業料を無償化すべきではありませんか。お答えください。
都道府県独自の奨学金事業は20、奨学金返還支援事業は37自治体で実施されています。千葉県の児童養護施設等対象者に対する奨学金制度は年30万円、10名の限定的なものですが、他県では様々な事業が実施されています。例えば岐阜県は移住促進人材確保のため、将来Uターン希望の県外大学生に月額6万円年最大36万4年間の奨学金貸与、卒業後に県内居住、就業で返還を全額免除実質奨学金給付で今年度新規120名、予算は県単独2億6200万円です。
東京都の中小企業人材確保のための奨学金返還支援事業は、上限150万円。企業と都が2分の1ずつ3年間助成。岩手県はUターンIターンし県内企業に就業したら、上限250万円を企業と2分の1ずつ返還を支援しています。伺います。千葉県でも奨学金制度の給付額と対象を抜本的に拡大し、奨学金返済支援を行い、学生、若者の学びを支えるべきではありませんか。お答えください。
最後に、水害対策について伺います。今年6月3日の豪雨では、県管理河川の真間川と派川大柏川の合流付近が増水し、このまま降り続いたら怖いと近隣住民から不安の声が寄せられました。8月、周辺住民は、川の中の水面から二、三メートルにまで伸びたヨシやガマなどの植物の根元からの除草。堆積土砂の浚渫を要望しました。しかし、水面上で伐採されたため、すぐに植物が成長し、流れてきたゴミが引っかかっている状態です。
埼玉県は、堀込河川の場合、葦などの抜根の実施が効果的である場合は、浚渫による方法も検討するとしています。流下能力を確保するために、堀込河川である派川大柏川が河道内は根から抜く抜根で、植物の成長を抑制してこそ、豪雨時の水位上昇や氾濫防止に繋がるのではないでしょうか?国の緊急浚渫推進事業を活用した堆積土砂の掘削は派川大柏川が浄化施設付近だけでなく、派川大柏川の全体、河道内も対象に行うことを求めます。
市川市内では、今後も局地的な豪雨による都市型水害などが懸念されています。北千葉道路などの巨額をかけ、見通しが立たない巨大道路建設よりも、地域住民の生活の安全、防災対策にこそ知恵と予算をかけるべきではないでしょうか?以上、1回目の質問とします。
ーー議長
浅野ふみ子君の質問に対する当局の答弁を求めます。知事 熊谷俊人君
ーー熊谷俊人 知事
共産党の浅野ふみ子議員のご質問にお答えをいたします。
まず経済対策についてお答えをいたします。賃金についてのご質問ですが、賃金は労働の対価として事業主が労働者のスキルや経験などを踏まえ、適切に労働者に支払うものであり、持続的に上昇することが望ましいことから、国や県では賃上げと消費拡大、企業の成長という好循環の実現に向け、企業における適正な価格転嫁や生産性向上などを促すための施策を講じているところです。次に子育て世帯と学生の負担軽減についてお答えをいたします。
進学における学生の負担軽減と奨学金制度については関連いたしますので、一括してお答えをいたします。本県では千葉県社会福祉協議会において、進学や修学の継続により世帯の将来的な自立に繋げるため、低所得世帯を対象に無利子で教育支援資金の貸し付けを行うとともに、1人親家庭の学生には母子父子寡婦福祉資金制度により、無利子の修学資金等の貸し付けを行っています。また本年3月には、県民や県内企業等からの寄付により、児童養護施設などで育った子供たちを対象とした返済不要の奨学金制度を創設したところです。私からは以上でございます。他の質問につきましては担当部局長からお答えをいたします。
ーー議長
総合企画部長、冨沢昇君。
ーー冨沢昇 総合企画部長
多様性に関する条例についてお答えいたしますまず、パブリックコメントについてのご質問ですが、パブリックコメントでは1279件と多くの意見をいただいたところであり、それぞれの内容について丁寧に検討いたしました。
その結果、いただいた意見の多くは既に骨子案の中に趣旨が含まれているものや、条例制定による影響について懸念を示されたものであって、条例の趣旨や内容の理解促進を図ることで対応すべきものと判断し、条例の内容の修正は行いませんでした。なお、いただいた意見は、今後の施策の検討をする際に参考にさせていただきます。
次に、人権尊重が大前提であること、人権尊重を明記していない条例の実効性についての2問が関連しますので、一括してお答えします。私達の社会は、年齢や性別、国籍、障害の有無など、様々な違いがある人々で構成されていますが、こうした違いに関わらず、人権が尊重され、差別や生きづらさのない社会を築いていくことは大変重要だと考えています。そのため、条例案において、あらゆる人々が差別を受けることなく、一人一人が様々な違いがある個人として尊重され、誰もが参加し、その人らしく活躍することができる社会を作っていく必要がある。ことを明記し、人権への配慮が必要なことを明らかにしております。この条例のもと、差別や生きづらさがなく、誰もが自分らしく生き、活躍できる社会作りを進めてまいります。
次に、男女共同参画についてのご質問ですが、条例案では、男女共同参画社会基本法の目的や基本理念も踏まえ、第2条において、男女のいずれもが、性別を理由とする不利益を受けることなく、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画し、ともに活躍している社会の実現を目指すことを規定しております。
次に、県民の理解と、条例案の再提出についての2問は関連しますので一括してお答えします。条例案では、基本理念において、男性も女性も性別を理由する理由とする不利益を受けることなく、社会のあらゆる分野に参画し、ともに活躍している社会を掲げており、共同参画、男女平等の趣旨は包含していると考えています。また、あらゆる人々が差別を受けることなく、1人1人が様々な違いがある個人として尊重され、誰もが参加し、その人らしく活躍することができる社会を作っていく必要があることを明記し、人権への配慮が必要なことを明らかにしています。
こうしたことから、条例案の再提出は考えておりませんが、今後とも、条例の趣旨や目的について理解促進に努め、県民の皆様とともに、多様性が尊重され、誰もが活躍できる社会作りに取り組んでいきたいと考えています。
最後に、女性差別に関する認識についてのご質問ですが、男性と女性の関係性や家族の姿に係る考え方については、男女共同参画白書における記述など、様々なものがあると承知しています。これまで我が国では、男女雇用機会均等法や男女共同参画社会基本法等の法律を定めるなどして、女性が置かれてる状況への対応が進められてきているものと認識しています。県においては、男女共同参画社会の実現のため、女性の活躍の促進が重要であるとの考えのもと、企業経営者等への働きかけや、県行政における女性登用促進など、意思決定過程への女性参画の促進に向けた取り組みを進めてまいります。以上でございます。
ーー議長
教育長、冨塚昌子君。
ーー冨塚昌子 教育長
多様性の尊重と性教育に関するご質問ですが、県教育委員会としては、学校教育においても、多様性が尊重され、誰もが活躍できる社会の形成に寄与していくことは、重要であると考えます。学校では児童生徒に対し、様々な場面で互いを尊重し、理解し合うことの大切さなどについて指導する他、性に関する教育としては、学習指導要領に基づき、児童生徒の発達段階を踏まえた上で計画的に実施しています。
義務教育の無償についてのご質問ですが、憲法第26条に定める義務教育の無償の趣旨を踏まえ、教育基本法において、国または地方公共団体の設置する学校における義務教育については、授業料を徴収しないと規定されています。併せて、教科用図書の無償措置や就学援助についても、法律に基づき制度化されていると承知しています。
最後に学校給食費無償化についてのご質問ですが、子供が多い世帯について、経済的負担の軽減を図るため、本年1月より、第3子以降対象とした給食費無償化を開始したところであり、本事業を円滑に実施してまいります。以上でございます。
ーー議長
商工労働部長 野村宗作君
ーー野村宗作 商工労働部長
この日の日本経済についてのご質問ですが、日本経済はバブル経済が崩壊した後、景気が急激に悪化し、消費者の支出意欲が低下するとともに、企業が投資を控え、物価が上昇しない状況が続いてきたところですが、国では現在、持続的な賃上げや活発な投資が牽引する成長型経済への変革に向け、総合経済対策を取りまとめ、進めているものと認識しております。以上でございます。
ーー議長
総務部長、鎌形悦弘君。
ーー鎌形悦弘 総務部長
まず、職員の雇用形態についてのご質問ですが、公務の能率的かつ効果的な運営を推進するため従事する業務の性質などを踏まえながら、引き続き常勤職員と非常勤職員の適切な配置に努めてまいります。
次に会計年度任用職員の報酬の引き上げに関する2問は関連しますので一括してお答えいたします。会計年度任用職員の報酬額については、常勤職員の給料表を基礎として、勤務時間に応じた額としており適正なものと認識をしております。今後も、会計年度任用職員の報酬について適切に対応してまいります。
次に職員の給与についてのご質問ですが、職員の給与等については、常勤職員は地方公務員法に定められた給与決定の原則に基づき、人事委員会の勧告にのっとり、改定をしているところであり、また会計年度任用職員は、常勤職員の給料表を基礎として、勤務時間に応じた額としており、いずれも適正なものと認識をしております。以上でございます。
ーー議長
健康福祉部長、高梨みちえ君
ーー高梨みちえ 健康福祉部長
私からは、高齢者の尊厳を守る介護についてお答えいたします。まず、介護保険制度についてのご質問ですが、現在国では、負担の公平性と制度の持続可能性を高める観点から、社会保障審議会介護保険部会などにおいて、介護保険における利用者負担や、保険料負担について検討されているところです。県としては国の動きを踏まえて、引き続き介護保険制度が適切に運営されるよう努めてまいります。
次に、介護の社会化等についてのご質問ですが、県では、介護が必要になっても安心して自分らしく暮らせる地域社会の構築に向け、介護サービスの充実や質の確保などの政策を進めています。特別養護老人ホームを初めとする介護施設については、必要な方が1人でも多く入所できるよう、地域の実情を把握している市町村と連携し、計画的に整備を促進しているところです。
次に特別養護老人ホームへの助成制度についてのご質問ですが、県では、特別養護老人ホームの1床当たりの補助単価を全国上位の450万円として整備を促進しているところですが、介護人材の確保が困難であるなどにより、事業者の応募が得られないことがあります。今後も地域における社会資源や高齢者のニーズを把握している市町村と連携し、整備を促進してまいります。
次に、年金で暮らす高齢者世帯等の特別養護老人ホームへの入所についてのご質問ですが、介護保険制度においては、所得の低い方等が特別養護老人ホーム等に入所した場合、居住費や食費に補足給付を支給するなどの負担軽減措置が設けられています。施設の入所が過剰な負担とならないよう、一定の配慮がされているものと認識しています。
次に、介護職員の処遇改善についてのご質問ですが、介護職員の処遇については、従来、国が定める介護報酬において処遇改善加算が実施されており、現在、令和6年度の改定に向けた検討が行われているところです。今後も更なる処遇改善が図られるよう国に要望してまいります。
最後に、子育て世帯と学生の負担軽減についてお答えいたします。子育て支援に係る給付金についてのご質問ですが、本給付金は、子供の習い事や体験活動が活発になる小学校一年生から中学校3年生までを対象に、また制服や教材等の購入費の負担が大きい高校1年生を対象に、物価高騰の影響を踏まえ、1人当たり1万円の給付を臨時に行うこととしたものです。以上でございます。
ーー議長
保健医療担当部長、鈴木貴士君
ーー鈴木貴士 保健医療担当部長
私からは、子育て世帯と学生の負担軽減についてお答えいたします。県立大学、専門学校の入学料、授業料の無償化についてのご質問ですが、大学等の学費等については、大学等における修学の支援に関する法律に基づき、令和2年度から授業料等減免制度の創設や、給付型奨学金の支給拡充といった新たな措置が講じられており、本県の県立大学等においても適用されているところです。今後の国の動向を注視するとともに、引き続き県立大学専門学校における修学支援に取り組んでまいります。以上でございます。
ーー議長
県土整備部長、池口正晃君
ーー鈴木貴士 保健医療担当部長
初めに、派川大柏川についてのご質問ですが、県では、河道内の草木の繁茂状況や土砂の堆積状況を把握した上で、治水上、優先度の高い箇所から順次、支障となる草木の伐採や堆積土砂の撤去を行っているところです。派川大柏川では、除草を行う場合には、根元から刈り取り、堆積土砂を撤去する場合には、根の部分も撤去するよう努め、今後とも現地の状況を確認し、適切に対応してまいります。
次に、巨大道路建設よりも、防災対策に予算をかけるべきではないかとのご質問ですが、北千葉道路を含めた道路ネットワークの整備は、県民生活の利便性向上とともに、災害時の円滑な物資輸送や救命救急活動にも繋がることから、必要不可欠な事業と認識しています。また、県民の安全安心を確保する河川整備などの治水対策も重要な事業であり、今後も必要な予算を計上し、着実に推進してまいります。以上でございます。
ーー議長
浅野ふみ子君
ーー浅野ふみ子 議員
はい。多様性尊重条例について内容趣旨の理解促進に努めるっていうふうにおっしゃいましたが、だったら特に差別はなくなってるんじゃないでしょうか、伺います。ジェンダー不平等は自然にできたものでも人々の意識だけの問題でもありません。時代逆行の家父長制にしがみつき、女性の経済的自立を阻む構造制度を変えることが私は必要だと思いますが、改めて知事の認識をお答えください。国内でも企業の男女賃金格差の公表や、性暴力根絶に向けた刑法改正、同性婚やトランスジェンダーの権利を巡る画期的な手法判断などの変化が今起きています。本条例案は、この時代にふさわしいものになっているでしょうか、お答えください。
今、女性の置かれている実態は本当に深刻です。子育て中の女性が再就職の面接で、子供が熱を出したらどうするの突然休まれたら困るんだけど、こういうふうに言われたり、単身高齢女性は住まいを借りることも難しいという女性であることが不利益になる実態世界経済フォーラムのジェンダーギャップ指数125位の現状が現に存在しています。
伺います。この差別や生きづらさ、苦しみをなくすために県外に視野を発揮すべきです。この生きづらさを解消する効力は、条例のどこにあるのでしょうか?記者会見で知事は、先鋭的なことが千葉県で行われるわけではないと強調し、多くの自治体で実施しているものさえも具体化しません。それでは県民の願いに応えることはできません。本条例案をいったん取り下げ、差別禁止、ジェンダー平等の実効性のあるものへと、県民とともに抜本的に見直して、再提出することを改めて求めます。
次に、知事部局の男女の賃金格差ですが、「適切に」こういうふうに言っていましたけども、同一条件で定年まで約38年間勤め上げた場合、賃金格差は1600万円から1700万円となります。
そこで伺います。知事はこの現状をご存知ですか。間接差別をこのまま放置はできない。直ちに是正しなければならないと思いますが、どのように格差是正を図るのか、お答えください。
給食費について全国知事会で、知事は全国一律での無償化が必要と強調しましたが、国頼みでなく、限定的な第三子だけでなく、全ての子供を対象に、給食費を無償化した場合、県予算に占める割合はたった0.5%です。その気になればできるはずです。伺います。集金が遅れがちで、朝ご飯を食べてこない子、1人っ子がいます。まさしく給食が命綱になっていると言っても過言ではありません。全ての子供の給食費の完全無償化を強く求めます。お答えください。
学生の置かれている実態についても国の動向を注視するなどと、千葉県でできることもやろうともしない、そういう姿勢でした。この間コロナと物価高騰の影響を大きく受けている学生対象に、寄付のお米や野菜などの食料配布事業が、青年団体によって県内で247回開催され、延べ1万564人の学生が支援を受けました。1日2食だったから、本当に助かりましたとの声が寄せられています。こういう支援問題は政治の役割です。日本も批准している国際人権規約は高等教育無償の導入をうたい、学費値下げ無償化は世界の流れです。国の責任はもちろんありますが、教育基本法第16条4項には、国および地方公共団体は、教育が円滑かつ継続的に実施されるよう、必要な財政上の措置を講じなければならないとあります。
伺います。決算によれば、県立保健医療大学の授業料収入は約3億6000万円。鶴舞看護約1200万円、野田看護約2100万円、農業大学校約1400万円、合計約4億1000万円です。授業料無償化はできない金額ではないはずです。
もう一度お答えください。奨学金返還支援代理返還制度は、日本学生支援機構が2021年度から開始しました。企業が直接奨学金を送金すると、その分は本人に所得税がかかりません。企業は賃上げ促進税制の対象として、法人税減税などの適用を受けるメリットがあります。だから県内でも既に多くの企業が実施をしています。兵庫県は、企業142社と従業員540人を対象に、企業と本人に年最大6万円ずつ、最長5年補助し、労政福祉が雇用就労班の担当者は、奨学金返還は生活への影響が大きくまだまだ周知しなければいけないとこういうふうに話をしています。
千葉県内の経営者団体は、奨学金について私達も何かできないか。こういうふうに言っています。
改めて伺います。千葉県でも企業と協力して、奨学金返還支援事業で、若者の就業と生活支援、さらに地域経済の活性化に繋げるべきではないでしょうか?内部留保を増やしている大企業への立地補助金を削減し、取り組んではいかがですか。お答えください。以上、2回目の質問とします。
ーー議長
総合企画部長 冨沢昇君
ーー冨沢昇 総合企画部長
財政条例についてお答えいたします。制度を変えるべきといったご質問ですけども、これまで我が国においても様々な法律の制定、改正などによって、女性が置かれてる状況への対応が進められてきているものと認識しており、県においても様々な取り組みを今後ともしていくものと考えております。それから、今にふさわしいのかというお話でございますが、条例案は、男女共同参画社会法、基本法の目的や基本法の目的や基本理念も踏まえて、作っているものと考えておりまして、この条例のもとで、男女共同参画社会の推進に向けて、さらに取り組んでいくことが求められているものと考えております。
それから実効性の問題かと思いますが、条例案では、あらゆる人々が差別を受けることなく、1人1人が様々な違いがある個人として尊重され、誰もが参加しその人らしく活躍することができる社会を作っていく必要があるということを明記しており、差別や偏見については、こうした様々な違いを受け入れ互いを認め合う中で、無くしていけるよう多様性尊重の意義についてしっかり理解促進を図っていくことで実現してまいりたいと考えており、実効性のあるものとして再提出ということですが、今回様々検討した上で、多くの意見をいただいた上で作らせていただいております。再提出については考えておりません。以上でございます。
ーー議長
総務部長、鎌形悦弘君
ーー鎌形悦弘 総務部長
職員の給料格差に関するご質問ですが、職員の給料につきましては、常勤職員は地方公務員法に定められた方法に基づきまして人事委員会の勧告などにのっとり改定をしているところであります。また会計年度任用職員等の非常勤職員などにつきましても、常勤職員の給料表を基礎としながら金額を決めておりますいずれも適正な対応としていると認識をしております。
ーー議長
教育長 冨塚昌子君
ーー冨塚昌子 教育長
はい。学校給食費について全ての無償化にというご質問でした。学校給食については本来国が制度設置すべきと考えており引き続き国に市町村への財政支援について要望してまいります。県としては、第3子以降対象とした無償化について、円滑に実施をしてまいります。以上でございます。
ーー議長
保健医療担当部長。鈴木貴士君
ーー鈴木貴士 保健医療担当部長
はい。県立大学、専門学校の入学料、授業料の無償化等に関するご質問ですけれども、令和2年度に法律に基づき全国的に導入された制度につきましては、国においても制度の改正等の検討がなされていると承知しております。今後も国の動向を注視するとともに、引き続き県立大学専門学校における修学支援に取り組んでまいります。以上でございます。
ーー議長
健康福祉部長、高梨みちえ君
ーー高梨みちえ 健康福祉部長
奨学金等に関する学生の負担軽減のご質問でございますが、奨学金の返還や学生の負担軽減につきましては、現在国において就学支援や奨学金制度の検討が行われているところであると承知しておりますので、県としても国の動向を注視してまいります。以上でございます。
ーー議長
浅野ふみ子君
ーー浅野ふみ子 議員
はい。差別をなくすことはできないと思います。今までいろいろとご答弁いただきましたが、多くの女性や性的少数者の皆さんの願いに応えるものにはなっていないんじゃないでしょうか?あらゆる差別をなくすための具体策もない。県民1人1人の人権の尊重、人権に配慮するってそういうふうに言うんだったらちゃんと条例に書くべきです。体制の尊重も、できないような、そういう条例では、これでは男女共同参画条例を包含することはできないと思います。本条例案をいったん取り下げて、差別禁止ジェンダー平等の実効性のあるものへと県民とともに、抜本的に見直していくそういう作業が本当に必要だと思います。再提出すべきだということを改めてちゃんとこれは明確に言っておきたいと思います。
今大変な物価高騰が続いています。実質賃金が18ヶ月マイナスとなる異例の事態です。非正規職員のこの給与については適正だってこういうふうにおっしゃいますが、生活できないような賃金です。介護労働者の処遇の改善も行ってるってふうに言っていますけれども、この改善は待ったなしではないでしょうか?他県では介護者区職員や教員の奨学支援、返還支援も行っています。様々な支援ができるはずです。千葉県には県民の命と暮らし尊厳を守り福祉の向上に奮闘することが、求められていると思います。国の動向を注視する国に国って国ばかりじゃなくて、県としてできることを真剣に考えるべきではないでしょうか?日本共産党は非正規ワーカー待遇改善法を提案しました。
働く人、高齢者、若者学生女性の暮らしと人権を守る県政への転換を目指し頑張ることを申し上げて、質問を終わりとします。
ーー議長
以上をもって本日の日程は終了しました。明日5日は、定刻より会議を開きます。これにて散会します。