【速報】本日の千葉県議会 ー 市原淳議員(自民党)の一般質問 2023年12月4日午後1

本日の県議会をいち早くお伝えいたします。

 

本日(2023/12/4)午後一人目の一般質問は、自由民主党の市原淳議員でした。

質問項目

  1. 河川整備について
  2. 田んぼダムについて
  3. カーボンニュートラルについて
  4. 薬剤師について
  5. 地域医療について
  6. 帯状疱疹ワクチンについて
  7. 外国人介護人材について
  8. 道路整備について
  9. 県立長生の森公園について
  10. その他

 

議会質問・答弁の書き起こし全文

【午後一人目】一般質問 市原淳議員(自民党)

ーー議長
休憩前に引き続き会議を開きます。引き続き質疑並びに一般質問を行います。通告順により市原淳君

ーー市原淳 議員
皆様こんにちは。自由民主党の茂原市選出市原淳でございます本定例会におきまして、登壇の機会を与えていただきました会派の先輩同僚議員の皆様に心より感謝申し上げます。

本日は、地元茂原市より日頃より私を支えていただいている小委員会の皆様に多数お集まりいただきました。ありがとうございます。

それでは、通告に従い質問に入らせていただきます。まず初めに、河川整備について取り上げます。

まず一宮川について伺います。9月8日の台風13号接近に伴う大雨により、茂原市を含む県南地域におきまして、甚大な被害が出てしまいました。改めて被害に遭われた皆様にお見舞い申し上げます。また、県庁を初めとする県内の多くの自治体職員の皆様、そしてボランティアの皆様の復旧復興に対しての支援に対して改めて御礼申し上げます。私の地元、茂原市においては、速報値として24時間雨量が400ミリを超える降雨がありました。茂原市においては、床上床下浸水合わせて約2000戸という甚大な被害が出てしまいました。現在茂原市の一宮川中流域においては、令和元年の大雨被害による激甚災害の緊急事業が行われている最中であり、川幅の拡大、そして調節池の追加工事などが行われています。今回の24時間雨量が、令和元年の244ミリを大幅に上回りましたが、被害戸数は約半分で済んだところです。工事の効果が出ていることが考えられます。これまで何度も浸水被害の出ていた地域では被害が少なく、一方、これまであまり被害の出ていなかった箇所で、これまでにない浸水深を記録し、被害が出てしまいました。特に支川とはである、豊田川、阿久川、鶴枝川は周辺においては、浸水被害が多く、バックウォーターが起こっていた可能性もあります。まだ工事途中であり、茂原区間の工事終了後は、上流部の長柄町、長南町においても対策工事が予定されています。県としては一宮川流域治水プロジェクトとして、推進してきておりますが、その進捗が気になります。

そこで伺います。記録的な大雨となった一宮川流域における浸水被害の状況はどうか。また、一宮川の支川である豊田川、阿久川、鶴枝川における整備計画の見直しが必要であると思うがどうか。

上流部の事業計画完了予定は、令和11年度末でありますが、その間の降雨に対応するため、各自治体においても、内水対策を進めるべきであります。今回の大雨では、午前7時過ぎに私の元へ、道路が川になっているという一報が入りました。その後の調べれば、各所で同じような事態になっていました。今回の降雨のピークは午後0時頃であり、そのだいぶ前に、内水氾濫が市内のあちこちで、もう起こっていたことになります。内水氾濫は、しっかりとしたシミュレーションなどを行い、科学的見地に基づいて行えば効果を発現できると考えます。外水氾濫対策と同時に、内水氾濫対策も進めていくべきと考えます。

そこで伺います。内水ハザードマップの作成を促進すべきと思うがどうか。

次に赤目川について伺います。茂原市の北に位置する南白亀川水系赤目川は県の管理する2級河川であり、河川整備が長年にわたり行われてきています。

私は個人的にこの地域に非常に注目しています。その理由は、圏央道茂原北インター。無料になりました旧外房有料道路、国道128号そしてJR外房線本納駅に近接している非常に交通アクセスの良い土地であります。インター周辺には、茂原工業団地にはる工業団地と立地し、また、本納ニュータウンとして、大規模住宅開発も進んでいます。

一方で、赤目川においては、度々の浸水被害を受けてきた場所でもあります。今回の大雨においても甚大な被害が出てしまいました。県では南白亀川水系流域治水プロジェクトを策定し、対策工事を進めていますが、その進捗が気になるところです。

そこで伺います。赤目川における河川整備の進捗状況はどうか。赤目川流域に関しての抜本的な対策として、一つ私から提案したいと思います。それは、現在建設が進められている県道茂原白子バイパスの道路下に、将来放水路となるような管の埋め込みを行うことであります。この放水路は、赤目川、また、準用河川である乗川、そして、途中からは一宮川水系の阿久川の接続も可能となります。こうした抜本的な対策も検討していくべきと考えます。

そこで伺います。今回の大雨を受け、赤目川において、更なる治水対策が必要だと考えるがどうか。

次に、田んぼダムについて、伺います。内水氾濫対策として、低コストで早期に取り組める仕組みとして、田んぼダムが挙げられます。私は初登壇以来、この早期導入を取り上げてきましたが、その進捗が気になるところです。事前の調査では、茂原市においては、4年前の3団体から増えておらず、今回の水害被害に内水氾濫も多く見られたことから、田んぼダムの導入は早急に検討すべきと考えます。田んぼダム導入は、多面的機能支払交付金を受けており、取り組むことが導入メリットであり、農林水産省も、田んぼダムの導入に対しては、追加の加算メニューを用意しているところです。環境保全会などの組織化することが肝要であり、そのこと自体は、これからの農業の持続にも、貢献すると考えます。既存の組織団体には、田んぼダム導入を推進し、環境保全会などの組織がない地域においては積極的に組織化をすることが今後の農業に必要と考えます。

そこで伺います。田んぼダムの取り組みが進むよう、多面的機能支払交付金を活用するため、農業者等の組織化が必要だと思うがどうか。

次に、カーボンニュートラルについて伺います。まずJクレジットに対して伺います。

地球温暖化対策として、カーボンニュートラルが進められています。二酸化炭素排出量を取引するカーボンクレジット市場が今年の10月に東京証券取引所で開設されました。カーボンクレジットの活用は、社会全体の効率的な排出削減を実現しながら、民間企業のGX、グリーントランスフォーメーションの投資を引き出していく効果を持つ取り組みであります。

同市場では、再生可能エネルギーの利用によるCO2削減量や森林管理を通じた吸収量を国が認証するJクレジットを売買します。このカーボンクレジットを活用すれば、売り手側は売却益を得ることができ、また買い手側には削減が難しいCO2排出排出量と、相殺できることなどのメリットが生まれます。三方を海に囲まれた千葉県においては、ブルーカーボンの推進、また、田んぼの中干し期間を延長することにより、二酸化炭素の約25倍とされる温暖化効果のあるメタンガスの発生を抑制することができます。

中干しとは、6月上旬ごろに田んぼの水を抜いて土に軽くひびが入るまで乾かす作業のことで、これに要する時間が、中干し期間です。中干しは稲の成長を調整するために必要な作業であります。この期間を延長することにより、メタンガス発生が抑制され、これをJクレジット化し、売買が普及されつつあります。中干し期間の延長により、営農者に売却益が入ることで、営農者の収入増に繋げることも期待できます。

そこで伺います。メタンガス排出削減に効果のある水稲栽培における中干し期間の延長に関して、どのような試験研究に取り組んでいるのか。

次に水素について取り上げます。カーボンニュートラルの実現に向けて、燃焼時にCO2を排出しない水素は次世代エネルギーとして期待されており、水素の実用化に向けては、様々な取り組みが進められています。例えば、国立研究開発法人新エネルギー産業技術総合開発機構、いわゆるNEDOに造成されました。グリーンイノベーション基金を活用して水素に関わる研究開発や実証も展開されており、県内では日本製鉄により、コークスの代わりに水素を用いて鉄を製造する技術の実証実験が行われています。また、山梨県では、県企業局と民間企業との連携により、再生可能エネルギーを活用して水素を製造する装置の大容量化などに向けた技術開発が進められています。私の地元、茂原市を含む地域においては、天然ガスとともに組み上げられるかん水からヨウ素が製造され、世界第2位の生産量を誇っていますが、このヨウ素を利用して、太陽光からグリーン水素を効率的に作り出すための研究もなされております。本年9月、名古屋工業大学の研究成果が国際学術誌に掲載されたところです。このような水素の実用化に向けた様々な取り組みが進展していく中で、民間の活力を最大限に生かしながら、県内における水素の利活用の促進を図っていくべきと考えます。

そこで伺います。県内企業における水素の利活用の促進に向け、県はどのように取り組んでいるのか。

次に、薬剤師について取り上げます。私自身、薬剤師として現場で20年以上活動してまいりました。その役割と色の、また、現在薬剤師が抱える問題について取り上げたいと思います。

まず医薬品の安定供給についてです。県民の健康を守る。また、疾病治療に欠かせない医薬品の品薄状況が続いております。一部の医薬品製造販売業者による医薬品医療機器等法違反この事案を発端として、その製品の製造や出荷を長期停止縮小したことなどによる他社製品の出荷調整の実施や、医薬品の減薬や原材料を中国や韓国といった国々に依存していることによる医薬品原材料の輸入困難事情により、医薬品の生産が低下し、需給バランスが崩れています。患者さんによっては、来局するために、同成分の薬剤であっても、メーカー違いで調剤されるケース。皆さんもそういう経験があるかもしれませんが、そういった現場の対応に薬剤師たちは追われています。厚生労働省も対策を講じてきているようですが、薬剤によっては出荷調整が相次いでおり、先日も咳止めの不足、また、インフルエンザ治療薬のタミフルドライシロップの供給困難事例が発生しているところです。

そこで伺います。医薬品の供給状況と県の取り組みはどうか。

次に、災害薬事コーディネーターについて取り上げます。千葉県総合救急災害医療センターは、令和5年11月1日に開院いたしました。このセンターは、千葉県救急医療センターと千葉県精神科医療センターを統合したものであります。多くの議員の皆様も視察に訪れたと思います。この二つの病院が一体的に整備されることにより、身体と精神の救急医療の更なる充実、医療の質の向上が図られます。災害発生時にはDMAT災害派遣医療チームと、DPAT災害派遣精神医療チームをセンター内で同時に運用し、身体精神両面にわたる災害時の包括的な医療を提供されると考えられています。そのDMATの編成において、現在の国の指針によると、薬剤師の明確な設置義務はなく、調整役としてチームに加わることはあるものの、薬剤師の職能を発揮できる明確なメンバー構成とはなっていません。緊急時において使用している薬や薬の飲み合わせの迅速な把握によって、薬剤師の職能は必要と考えます。そこで国では、第8次医療計画に関わる指針において、災害薬事コーディネーターを創設しました。これは、災害時の医療提供において薬事に関連する課題を把握し、マッチングを行うことを目的として、都道府県が任命する薬剤師であります。今後の災害時において、薬剤師の職能を生かす役割として、災害薬事コーディネーターの設置が気になるところです。

そこで伺います。災害薬事コーディネーターについて、設置に向けどのように取り組んでいるのか。

次に、地域医療について取り上げます。先ほども小路議員から、地域医療について話がありましたが、同じ山武長生夷隅保健医療圏の問題について取り上げていきます。この地域は、医師少数区域であり、また救急搬送時間も多く要する地域であります。県においても医師確保に向けて様々な取り組みをしていただいておりますが、高齢化率の高まりに伴い、医療の充実はさらに必要とされます。この医療圏は縦長に位置しており、山武地域では、東千葉メディカルセンターを中心とした医療連携に取り組むことが可能とされます。一方、夷隅地域においては、安房医療圏との連携が模索されるところであります。長生地域においては、管外搬送事例も多くなっており、実際の運用に即した医療圏への移行が求められます。

この地域では、山武長生夷隅地域保健医療連携、地域医療構想調整会議が設定されていますが、その内容が気になるところです。

そこで伺います。山武長生夷隅地域保健医療連携、地域医療構想調整会議の実施状況はどうか。また、同医療圏における主な課題は何か。

次に帯状疱疹ワクチンについて取り上げます。帯状疱疹は、皆様ご存知のように、神経節に存在する水痘帯状疱疹ウイルスの催奇感染によって発症します。他人への感染は稀ではありますが、80歳までに人口の約3分の1が発症するとも言われ、発症者は非常に多い疾患です。帯状疱疹は70歳代帯状疱疹後神経痛は80歳以上に発症のピークがあります。帯状疱疹は多くの場合が軽症であり、抗ウイルス薬による治療が可能であります。一方で、帯状疱疹後の神経痛に苦しむ、またこれを続発した場合には、数ヶ月から数年にわたる疼痛があり、抗うつ薬などの向精神薬や神経ブロック等の治療を要する場合があります。長期間疼痛に苦しむ方々の率を下げるとともに、非常に重要な期待されるべき効果とされます。NDB、レセプト情報・特定健診等情報データベースは、厚生労働省が法律に基づき、レセプト情報、診療報酬明細書等を収集し、個人の特定ができない形でデータベース化したものです。これを利用することにより、年齢別の罹患率が解析でき、ワクチン接種後の効果確認が可能となります。ワクチン接種を確実に推進する上でも、エビデンスを取りながら進めていくことが今後は求められます。

そこで伺います。帯状疱疹ワクチンについて、定期接種化に関する国の検討状況はどうか、また、県はどのように考えているのか。

次に、千葉県留学生受け入れプログラムについて取り上げます。千葉県議会、海外行政調査団として、台湾ベトナム社会主義共和国を訪問いたしました。ベトナムでは、介護分野について、千葉県の行っている留学生受け入れプログラムに参加している。現地日本語学校へ伺い、現地の生徒たちと交流し、事業を見学することができました。実際に来年の春から来日予定の生徒たちとも意見交換をいたしました。千葉県では、団塊の世代が75歳以上になる令和7年度には約7000人の介護職員が不足見込みとされ、また、高齢者人口がおおむねピークを迎える令和22年度には約3万人の介護職員が不足見込みとされています。介護人材確保のためにベトナムでは、令和元年度から県が千葉県留学生受け入れプログラムを実施しているところです。

このプログラムは、現地では好評であると確認できました。一方、最近は民間のあっせん会社が同じような仕組みで日本への就業サポートを始めており、他県も介護分野以外の取り組みを含め、学生の獲得を目指しています。そのようなことを踏まえると、今後学生の確保はますます大変になることが予想できます。

そこで伺います。留学生を確保するために、県はどのような取り組みをしているのか。

これまでにプログラムから離脱した学生がいると聞いています。理由は様々だと思いますが、私は現地で学校の先生や学生たちが抱える不安や期待などを聞いてきました。日本での生活や給与などの待遇については、円安、そして物価高騰の影響や介護施設の運営状況などを考えると、彼らとの間に認識のずれがあると感じております。それが離脱の要因の一つとも考えられますそこで伺います。プログラムからの離脱を防止するため、認識の差をなくす必要があると思うが、どのような取り組みをしているのか。

次に道路整備について取り上げます。長生グリーンラインについてお伺いします。長生グリーンラインは、圏央道の茂原長南インターチェンジと接続し、今後予定されている圏央道の全線開通の効果を、外房地域に広く波及させるため、また周辺交通の円滑化や緊急輸送道路ネットワークの確保といった面からも、早期整備が必要であります。今年度中には長南町の町道から茂原市内の県道茂原大多喜線までの区間が開通予定であり、いよいよ私の地元、茂原市まで繋がることとなります。さらに今年度からは整備中区間に続く茂原市から一宮町までの約5kmについても事業化したところであり、地元では長生グリーンラインの整備による様々な効果に大いに期待しているところです。そこでお伺いいたします。

長生グリーンラインの進捗状況はどうか。一方で、9月の台風第13号の接近に伴う大雨により、茂原市内の2級河川鶴枝川では、一宮川との合流点において浸水し、被害が発生しました。鶴枝川に近接している長生グリーンラインは、森林や耕作地で整備を進めていることから、その雨水の流出量が増えることが想定されるため、雨水を一時的に溜める調節池の整備も併せて進められていると伺っています。

そこでお伺いします。長生グリーンラインの整備に伴う調節池の整備状況はどうか。

次に、県道茂原白子バイパスは、圏央道茂原北インターチェンジへのアクセスを向上させ、九十九里の雄大な海岸線を活用した観光リゾート開発を支援するとともに、県と一時間構想の一翼を担う、長生郡市の東西の骨格軸と位置付けられています。白子川から工事が進められてきており、その進捗が気になります。

そこで伺います。県道茂原白子線バイパスの進捗状況はどうか。

次に、国道128号について取り上げます。国道128号本道跨線橋からJR長田駅までの2車線区間の4車線化について、伺います。

茂原市においては、千葉外房有料道路が本年2月に無料開放され、また圏央道の全面開通も視野に入った今、接続先の道路インフラの強化が必要となります。昨年度末に、私の呼びかけにより、茂原市から県に対して4車線化の要望書を提出したところです。

そこで伺います。国道128号茂原市法目地先から大網白里市永田地先までの4車線化についての検討状況はどうか。

最後に、県立長生の森公園について伺います。県立長生の森公園は、茂原長柄スマートインターに近接し、非常にアクセスの良い立地にあります。公園内には野球場テニスコート、ゲートボール場、そして多目的広場が整備された公園です。地元市民の使用はもちろん、インターから近いこともあり、県民からも多く利用されています。部活動の地域移行が進められる中で、それぞれの地域においての運動施設などの整備、また文化活動においては、その施設と使用機材などの充実が求められています。茂原市においては、運動施設の更新が遅れており、照明設備の整備された施設が少ない現状があります。地元の少年サッカーチームやテニス同好会などからも、私のところに、夜間も運動できる設備の要望が寄せられてきております。照明設備を設置してより幅広く公園利用を進めることが、県民のニーズに応えることと考えます。長生の森公園には、以前より野球場への照明設備の要望がなされているところですがその進捗が気になるところです。

そこで伺います。県立長生の森公園の野球場に照明設備の設置が必要と思うがどうか。

以上、壇上からの1問目にします。知事初め執行部の皆様のご答弁よろしくお願いいたします。

ーー議長
市原淳君の質問に対する当局の答弁を求めます。知事、熊谷俊人君

ーー熊谷俊人 知事
自民党の市原淳議員のご質問にお答えをいたします。

まず、河川整備についてお答えします。内水ハザードマップに関するご質問ですが、内水ハザードマップは、内水氾濫により発生する浸水被害について、その範囲や深さ、避難場所等を住民に示すもので、この情報を平時から住民に周知をすることで、日頃からの備えや、災害時に円滑な避難を促すなど、被害を軽減する効果が見込まれます。そのため県では内水ハザードマップの作成を市町村に促しているところであり、またマップを作成する際のシミュレーションによる浸水想定図は市町村が雨水排水施設の整備などの対策を計画的に行う上で重要な資料になっています。現在県内では21市町が内水ハザードマップを作成しているところですが、引き続き、市町村に対して、マップの作成方法や住民への周知についての助言や国の交付金に関する情報提供を行い、更なる作成の促進を図ってまいります。

次に、カーボンニュートラルについてお答えいたします。県内企業における水素の利活用の促進に関するご質問ですが、燃焼時にCO2を排出しない水素は脱炭素化に向けた代替燃料や原料の一つとして欠かすことのできないものであり、素材エネルギー産業の他交通や物流など幅広い分野での利活用を促進していく必要があります。このため脱炭素化の取り組みを進めるにあたって、大量の水素が必要となる。京葉臨海コンビナートでは、県が昨年設置した官民協議会において、水素の共同調達や利活用などについて検討を行っているところです。この他今後まとまった需要が見込まれる物流事業等においてもトラック等の燃料電池車への転換の可能性や、需要を踏まえた効率的な水素供給のあり方などについて検討を進めており、検討した公社様々な取り組みを通じて県内企業による利活用や連携などを促進してまいります。私からは以上でございます。他の質問につきましては、担当部局長からお答えをいたします。

ーー議長
県土整備部長、池口正晃君

ーー池口正晃 県土整備部長
私からはまず、河川整備についてのご質問にお答えします。初めに一宮川流域の浸水被害についてのご質問ですが、本年9月の大雨で一宮川の流域平均雨量は24時間最大383mmを記録し、これは令和元年10月に比べ、100mm以上は0、過去最大の考慮となりました。現時点での被害状況としては、浸水面積が約1550ヘクタールであり、浸水戸数は、床上浸水が約920戸、床下浸水が約1160戸となっております。

次に一宮川支川の整備計画の見直しについてのご質問ですが、今回の浸水被害を受け、県では浸水被害のメカニズムを検証し、これまでの河川整備の効果や今後の浸水対策のあり方を検討するため、有識者で構成する検証会議を設置し、1回目の会議を開催したところです。この検証会議で取りまとめられる結果を踏まえ、計画規模を上回る降雨に対する今後の浸水対策について地域市町村と一体となり、検討してまいります。

次に赤目川における河川整備についてのご質問ですが、県では南白亀川との合流点から上総橋までの7.7km区間で、河川整備を行うこととしており、これまでに南白亀川合流点から萱場橋までの4.2km区間の河道拡幅と、その上流側右岸にあるB調節池が完成しています。また、B調節池の対岸に位置するA調節池については、今年度、排水設備の設計が完了したことから、今後整備を進める予定です。さらに、萱場橋上流側では、新桂島堰について、今年度末の完成に向けて、改築工事を進めているところです。

次に赤目川の更なる治水対策に関するご質問ですが、赤目川の更なる治水対策の検討に当たっては、関係市などの流域のあらゆる関係者が協働して取り組む流域治水の推進が必要です。南白亀川水系流域治水プロジェクトでは、河川整備に加え、雨水を一時的に貯留する田んぼダムやため池等を活用した雨水貯留対策なども総合的に取り組むこととしており、有効な対策について検討を行ってまいります。

続いて、道路整備についてのご質問にお答えします。初めに、長生グリーンラインの進捗状況に関するご質問ですが、当該道路は、圏央道の整備効果を、外房地域に広く波及させる上で大変重要な道路です。現在、長南町道から県道茂原大多喜線までの2.5km区間で、今年度中の供用に向け、道路改良工事などを進めるとともに、県道茂原大多喜線から広域農道までの区間で用地取得を進めています。さらに、これに続く茂原市から一宮町までの5km区間については、今年度新たに事業化し、現在全線にわたって測量を実施しているところです。

次に、長生グリーンラインの整備に伴う調整池に関するご質問ですが、圏央道の茂原長南インターチェンジ出入口から広域農道までの6.5km区間では、道路整備に伴い、地中に浸透しなくなった雨水排水の流出を抑制する対策として、8ヶ所で調整池を整備することとしています。このうち、長生グリーンラインの供用済み区間内の1ヶ所は完成しており、今年度供用予定の区間で現在3ヶ所の調整池を整備しています。

次に、県道茂原白子線バイパスの進捗状況についてのご質問ですが、県道茂原白子線バイパスは、茂原市と白子町を結ぶ約10kmのバイパスであり、現在、県道一宮片貝線から県道飯岡一宮線までの2.1km区間で整備を進めています。これまでに1.1kmを供用し、残る1km区間の用地取得率が約9割となっており、まとまった用地を確保できたところから、道路改良工事を実施しています。また整備区間の西側に続く白子町の2.9kmの未事業化区間では、現地の測量に着手するため、先月、地元説明会を開催したところであり、引き続き地元の皆様のご協力をいただきながら事業を推進してまいります。

最後に国道128号の4車線化に関するご質問ですが、国道128号の4車線化については交通量が多く、渋滞が発生しやすい箇所から順次進めてきたところです。茂原市法目地先から大網白里市永田地先までの4車線化については、千葉外房有料道路の無料開放後の影響などを把握するため、交通量調査を行い、現在交通課題の整理を行っているところです。さらに、現在事業中の大網白里市富田地先が4車線化した後の交通状況等も勘案しながら検討してまいります。以上でございます。

ーー議長
農林水産部長、前田敏也君

ーー前田敏也 農林水産部長
まず田んぼダムの取り組みに関するご質問ですが、県内における田んぼダムは多面的機能支払交付金を活用して、水路の保全管理などを行う団体により取り組まれていることから、田んぼダムの取り組みを進める上で、農業者等の組織化は大変重要なことだと考えております。そこで県では、交付金を活用した農業者等による活動の組織化を進めるため、地域での合意形成の手順や事務手続きに関するマニュアルを配布するとともに、研修会の開催などに取り組んでいます。引き続き、田んぼダムの取り組みが広がるよう、市町村と連携して、活動組織の設立を支援するとともに、既存組織における活動区域の広域化を促してまいります。

前田敏也 農林水産部長
次に、水稲栽培における中干し期間の延長に関する試験研究についてのご質問ですが、水稲栽培における中干し期間の延長については、メタンガスの排出削減効果が認められている一方、国の資料によれば、中干し期間を7日間程度延長すると、3%程度、米の収量が減るとの報告があります。このため、県農林総合研究センターでは、中干し期間を延長した場合であっても収量を維持できるよう、中干し開始時期の前倒しなどについて、今年度から3年間、試験研究機関に取り組んでいくこととしております。今後は同様にメタンガスの排出削減に効果があるとされている、収穫後の稲藁のすき込み時期についても研究してまいります。以上でございます。

ーー議長
保健医療担当部長、鈴木貴士君

ーー鈴木貴士 保健医療担当部長
私からはまず、医薬品の供給状況についてお答えいたします。近年、全国的に後発医薬品を中心とした医療用医薬品の供給が不安定となる中、インフルエンザ等の感染症の流行とも相まって、県内でも咳止めなどの供給不足が生じていることは承知しています。国では、医薬品の供給状況を毎月公表し、医療機関等に対し適切な使用を求めるとともに、製薬企業に対し不足している医薬品の増産を要請しているところです。県としては、医療機関等に対し、医薬品発注が必要最小限となるよう協力を依頼するなど、引き続き、医薬品が必要とする患者へ適切に行き渡るよう、医薬品の安定供給に努めてまいります。

次に、山武長生夷隅地域保健医療連携地域医療構想調整会議等についてお答えいたします。山武長生夷隅地域保健医療連携地域医療構想調整会議は、保健医療圏内における関係者の連携を図り、保健医療体制の検討や、地域医療構想の推進に必要な協議を行うため、年2回程度開催しています。本年度は、保健医療計画の改定に関する意見聴取や、医療機関ごとの役割分担の協議等のため、2回開催しており、さらに3回目の開催を予定している他、山武地域においては、医療機能の更なる役割分担の検討を行うための部会を11月に開催しました。出席した医療関係者や市町村等からは、地域における医療従事者数や救急、周産期医療提供体制が不十分との指摘があり、県としても、医師偏在を表す指標や、救急搬送時間において県内最下位の状況であるなどの課題があると認識しているところです。

最後に、帯状疱疹ワクチンについてお答えいたします。帯状疱疹ワクチンについては、現在のところ個人で接種の判断をする任意接種とされておりますが、国の審議会では、定期接種で使用することのぜひに関する検討がなされているところです。当該検討の場である国のワクチン評価に関する小委員会では、11月9日の会議において、定期接種化した場合に期待される効果や対象年齢、費用対効果等について議論されております。県としても、引き続き、国の定期接種化の検討状況や他県の状況等を注視してまいります。以上でございます。

失礼しました。薬剤師に関するご質問で一文答弁漏れがございましたのでお詫び申し上げるとともに改めてお答えいたします。

災害薬事コーディネーターの設置に向けた取り組みに関するご質問ですが、災害時に薬事に関連する課題解決を行う災害薬事コーディネーターは、被災地における医薬品等ニーズの情報収集、供給管理支援薬剤師の調整などを期待されており、現在、国においてその体制や養成研修の実施方法などが検討されているところです。県としては、現在。改訂作業中の次期保健医療計画に関連の内容を盛り込むことを検討しており、国の動向等を踏まえ、県薬剤師会などの関係団体と連携しながら、災害薬事コーディネーターの設置に向けて、具体的な活動内容を整理するなど、必要な検討を進めてまいります。以上でございます。

ーー議長
健康福祉部長、高梨みちえ君

ーー高梨みちえ 健康福祉部長
私からは、外国人介護人材についてお答えいたします。まず、留学生確保の取り組みについてのご質問ですが、県では、介護事業に理解があるベトナムの日本語学校5校と、千葉県留学生受け入れプログラムに参加する学生募集について、事業協定を締結し、連携して受け入れプログラムの趣旨や制度学生に説明する他、学費や来日後の居住費等の助成を行うことにより、留学生の確保に努めています。また、留学生を受け入れる介護施設等とのマッチング機関や外国人介護人材支援センターなどによる相談、相談体制を整え、来日前から就業後まで相談支援等、手厚いサポートを行うことも説明しています。今後は介護施設で働く先輩留学生の体験談を届けるなど、千葉県で働く魅力を伝え、引き続きベトナムの日本語学校等と連携を図りながら、留学生の確保に努めてまいります。

次に、プログラムからの離脱に関するご質問ですが、留学生が安心してプログラムに参加するためには、来日前に介護の仕事の概要、県の支援の内容、給与の額や就業後の待遇などを十分に理解してもらう必要があると考えています。このため、プログラムへの応募者に対しては、県が委託したマッチング期間やベトナムの日本語学校が、県が作成した介護の仕事の理解に資する動画や資料により説明を行っています。また、プログラム参加決定後は、県職員とマッチング機関がベトナムの日本語学校に赴き、制度や仕事内容、千葉県での生活について直接学生に説明を行っています。引き続き関係機関等と連携を図りながら、留学生が介護福祉士資格を取得し、経理施設で活躍できるよう支援してまいります。以上でございます。

ーー議長
都市整備局長、小川剛志君

ーー小川剛志 都市整備局長
県立長生の森公園、野球場の照明設備の設置についてのご質問にお答えいたします。

小川剛志 都市整備局長
本公園の野球場は、平成14年に開設し、高校や大学および社会人の野球大会が開催されるなど、多くの方々に利用されております。野球場の照明設備の設置については、これまで県内で照明設備が設置されている。野球場の利用状況や、本公園の周辺環境への影響調査を行うとともに、地元市や利用団体などの利用者へのアンケート調査を行ってきたところでございます。今後は、公園管理棟周辺の整備に進め、その進捗状況なども踏まえながら、照明設備の設置について、引き続き検討してまいります。私からは以上でございます。

ーー議長
市原淳君

ーー市原淳 議員
はい。知事初め執行部の皆様ご答弁ありがとうございますそれでは、2回目、再質問要望させていただきます。

まず再質問いたします地域医療についてです。山武長生夷隅保健医療圏における主な課題について、地域における医療従事者数や救急周産期医療の提供体制が不十分であると、そういった認識がある旨の答弁がありました。山武長生夷隅保健医療圏は、縦長の区域となっており、長生地区は市原の県立循環器医療センターの利便性が良く、また、夷隅地域においては、安房の亀田総合病院また、先ほどお話ありました勝浦の塩田病院等が近く、また山武地域においては、東千葉メディカルセンターを中心に医療提供体制が整いつつあると思います。このような状況を踏まえ、地域では必要な医療提供体制を確保するためには、医療圏の区域を見直すことも一つの方策と考えられます。

そこで伺います。山武長生夷隅保健医療圏の区域の設定についての検討状況はどうか。

次に、外国人介護人材について再質問いたします。これまで県がしっかりとこのプログラムに取り組んできたことはよく理解できました。日本で介護を学ぶ働くということについて、これから高齢社会を迎える現地ベトナムの感触としては、ノウハウの獲得、担い手の育成などの面でも、非常に魅力を感じているようでした。またベトナムは経済成長率8%で、若い世代の人口が多く、大変活気にあふれたまちであり、現地日本語学校の募集定員も、現状の場合の学生獲得を目指しているとのことでした。そこで伺います。本県における介護人材は不足している一方で、ベトナムではまだまだ留学生を増やせると聞いたが、受け入れ枠を増やすことは考えていないのか。

以下要望いたします。

まず河川について、一宮川については、先日、茂原市より仮設堤防の欠落影響についての公表がされたところです。この中で、約64センチの浸水への影響があるとされました。現在県による検証会議が行われておりますので、その推移を見守りたいと思っておりますが、今回の調査地域は非常に広範であり、浸水深は速報値で1m40から80センチと様々であります。そういった点も差し引きますと、その以前に内水氾濫が起きている地域もあったことが想定されますこの点を鑑みましても、県として一宮川水系流域治水プロジェクトの中で、特に内水対策に関しての項目をより進めていただくよう要望いたします。

次にカーボンニュートラルについて要望いたします。私の地元で製造されるヨウ素については、これまで医薬品など様々な利用方法で使用されてきました。これまでとは異なる利用方法がここ最近広がってきております。皆様ご存知のように、薄くて曲げることのできる太陽電池パネルのペロブスカイト、これは表面にヨウ素の塗布が必要であります。また、今回取り上げました水素の製造への利用など、利用拡大が期待されます。県内には千葉大学を中心とした千葉ヨウ素資源イノベーションセンターも設置されており、ヨウ素を多角的に利用することが進められております。県においても新たな産業創出に向けて連携をお願いいたします。

次に長生の森公園について要望いたします。野球場への照明設備の設置を検討していただいているとのことでした。引き続き進めていただくとともに、テニスコートや多目的広場においても、照明設備の設置を進めていただくよう要望いたします。以上2回目とします。

ーー議長
保健医療担当部長、鈴木貴士君

ーー鈴木貴士 保健医療担当部長
はい。山武長生夷隅保健医療圏の区域の設定に関するご質問ですが、医療法に基づく保健医療圏は、地理や交通事情などと共に、患者の受療動向などを考慮して、一帯の区域として医療提供体制の確保を図るための地域的単位として、保健医療計画で設定するものです。次期医療計画での区域の設定については、山武長生夷隅や隣接する医療圏での協議の場において、医療関係者や市町村などの方々からご意見を伺い、これらを総合に勘案し、現行と同様とする案を策定しており、今後、医療審議会等での意見を踏まえ、年度内に決定する予定としております。以上でございます。

ーー議長
健康福祉部長、高梨みちえ君

ーー鈴木貴士 保健医療担当部長
留学生の受け入れ枠に関するご質問ですが、プログラムの第1期生が来年4月に県内介護施設で就労開始する予定となっておりますので、その状況も確認しながら、留学生や介護施設等の意見等も踏まえ検討してまいります。以上でございます。

ーー議長
市原淳君

ーー市原淳 議員
はい、3回目要望いたします。地域医療についてです。山武長生夷隅保健医療圏の区域の設定について検討状況は理解しましたが、今後も地域の関係者と連携しながら、医療従事者の確保状況や救急周産期医療などの提供状況医療機関の役割分担、また連携、そういった推進状況等に応じた医療圏の実際のあり方について検討していただくよう要望いたします。

ーー市原淳 議員
次に外国人介護人材についてです。介護人材不足は深刻な問題です。千葉県留学生受け入れプログラムの留学生の受け入れ人数の拡大またそれに伴う予算措置を検討をお願いいたします。最後にこれまで茂原市の課題を中心に述べてまいりましたが、知事の答弁にもありましたように、内水対策を推進し、外水氾濫対策と一体となって対策が求められております。私もしっかりとその役割を果たすことを誓い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。