新たに策定された柏市第五次総合計画では、その実行性を担保するために、毎年の進捗管理と事業の評価を行い、改善していくとうPDCAサイクルの仕組みを整えていると説明されています。
各事業に、その進捗を測る指標が設定され、定量的に政策を評価し、次につなげていくための工夫がなされています。
ただ、この政策評価の方法には、まだまだ改善の余地があると感じます。そこで、より望ましい都市のあり方を計測し、政策を策定するための新しい指標である「新国富」指標を、柏市の事業評価に取り入れ、活用することはできないかどうか、議会にて質問いたしました。
広く利用される国内総生産・GDPは、短期の経済変動をみるフロー指標であり、必ずしも生活者の暮らしや行政の事業に連動していない点も指摘されています。そこで長期的に持続可能な発展を計測するため、多様な資本の量(ストック)を重視して開発されたのが「新国富」指標です。
新国富指標は、自然環境や健康、教育など、異なる資本要因を数値化し、金銭単位で表し、総合的に評価でき、各政策要因の効果を比較できる点に特徴があります。政策面における利用可能性は大きいと考えられます。
「新国富」指標は、2012年に国連持続可能な開発会議(リオ+20)の報告書で示されました。今後、日本でも国のシステムで取り入れられていくそうです。
国からデータや道具を与えられても、それらを活用し、地方自治体の政策に反映されなければ意味がありません。
柏市は、大学や研究機関とも力を合わせ、総合的な視点で、予算を効果的に活用し、政策を策定し、実行できるように研究するべきです。
個別の事業について活用を検討していきたい、との市長の答弁でした。
写真は、議会質問にあたり、新国富指標の研究者である馬奈木俊介・九州大学教授からお話をお聴きした時のものです。