対話は、市民社会を支える営みだと考えている。
自分の言葉で考え、自分の声で考えを発し、人の考えに耳を傾け、自分の考えを変化させる。発言力や知識に関係なく、安心して話し合える場を作っていきたいと活動してきた。
昨年は、チャックさんと共に、政治とアートについて語り合う会を連続8回開催。
毎月、月末の木曜日の夜には、柏まちづくり倶楽部と称した柏市政についての意見交換会を開催し、来月で45回目となる。
柏まちなかカレッジでは約300回の講座の中で、対話の場を作ってきた。魁!!!歴史塾も45回の開催となる。
民間の学童でもある「ネクスファ」では小学生に4年間、ストーリーテリングという対話のプログラムを約40回行ってきた。
フランスで哲学カフェを始めたマルク•ソーテの影響を受け、私からの報告や知識の伝達ではなく、参加者同士の対話を目指してきた。
これまで試行錯誤を繰り返しながら開催してきたが、あらためて対話の基本を確認しようと、『哲学カフェのつくりかた』を読み返している。
これまでの対話の場を振り返りながら、得られるものが多い。安心するところもあった。
この本を読んでいても感じるが、オープンな場で、政治について語り合うことはハードルが高い。
私は市議会議員ということもあり、自然と、社会や政治について語り合うことになる。
国政の思想的な議論ではなく、地方議会は生活に密接に関わる具体的な話し合いが多いといえども、政治の話への抵抗感はある。
それでも、継続は力なり。
少しずつでも、道は開けてきていると感じる。
もっと場作りの工夫や丁寧な運営などを心がけて、より良い対話を育てていきたい。
課題解決の話し合いや悩み相談のアドバイスとは違い、対話によって何かが解決したりするわけではない。
しかし、参加した人の中に芽生えた何かがあり、それが後になって花開くものである。
人から与えられたものではなく、自分の中から生まれたものの方が強い。
対話によって育った成果が、地道だけれど、着実に、ジワジワと、草の根で広がっていくような動きになると確信している。