自治体の経営理論を学ぶ

今日、第二回定例会が閉会しました。
客引き防止条例が可決(県内初)されたり、ひとり親家庭への支援事業も可決されました。

ちょうど、ヤン=エリック•レーン『テキストブック政府経営論』(勁草書房)を読み始めました。

『未来政府』の訳者だった稲継裕昭さんが訳されている本ということで、友人から紹介してもらいました。
※地方自治体はイノベーションの実験室-議会質問を終えて⑤
https://y-yamasita.com/%e8%a1%8c%e6%94%bf%e6%94…/3842.php

公共経営と民間部門経営の違いについて示されていました。
政策モデルの合理性や政策実施の成果など論じられています。

議会として、しっかり考えなければならない分野です。

気がつけば、水道事業やゴミ収集、窓口業務、病院、施設の管理運営など、これまで自治体が直営してきた事業を、民間委託や指定管理するものが増えています。

たとえば水道事業は、国鉄のように、企業化し海外のインフラ整備に乗り出すといった地方自治体も出てきています。

さらには図書館運営など文化事業や部活動や学習支援といった教育分野まで、民間に委ねられる事例もあります。

民営化、指定管理者、NPOなど政策ネットワーク、独立エージェンシー、第三セクター、PFI、ニューパブリックマネジメント(NPM)、官僚制、電子政府など、現在の行政の大きなテーマについて、根本から考えるためのヒントが示されていました。

プリンシパル=エージェント(本人=代理人、議員=官僚)理論と情報の非対称性など、難しい用語ですが、議会の現場と照らし合わせると、面白いように頭に入ってきます。
民間委託した事業の監督ができるかどうか?、議会としても重要です。

何となく反対するのではなく、しっかりと法的根拠や原理を理解した上で議論しなければと思います。

環境保護や社会保障の政策についての検討や、地域分権と国家を越えた地域統合といった多次元ガバナンスについても考えることができました。

まだまだ自分の言葉になっていませんね。
少し時間を置いて、もう一度、読み直したいです。

以下は、この本に刺激され、数時間、没頭して読み返した本です。

社会契約による主権国家の成立を理論づけたホッブズのリヴァイアサン。
権力と組織を考えるためにも、マキャヴェリの君主論。
アメリカの民主制を悪化させる可能性があるのは、世論による専制政治、多数派による暴政、知的自由の欠如の3点を指摘。
賢人の判断が無知な者の偏見に負けることを予測しており、トランプ大統領のことも当然の流れなのかもしれない。
トクヴィル著・松本礼二訳『アメリカのデモクラシー』
J.S.ミルの代議制統治論

投稿者:

山下 洋輔

千葉県議会議員(柏市選出)。 元高校教諭。理想の学校を設立したいと大学院に進学。教員経験、教育学研究や地域活動から、教育は、学校だけの課題ではなく、家庭・地域・社会と学校が支え合うべきものと考え、「教育のまち」を目指し活動。著書『地域の力を引き出す学びの方程式』 2011年から柏市議会議員を3期10年を経て、柏市長選に挑戦(43,834票)。落選後の2年間、シリコンバレーのベンチャー企業Fractaの政策企画部長として公民連携によってAIで水道管を救う仕事を経験。 柏まちなかカレッジ学長/(社)305Basketball監事。 千葉県立東葛飾高校卒業。早稲田大学教育学部卒。 早稲田大学大学院教育学研究科修士課程修了後、土浦日大高校にて高校教諭。早稲田大学教育学研究科後期博士課程単位取得後退学。 家族 妻、長男(2014年生まれ)、長女(2017年生まれ)