国連は、「ミレニアム開発目標」を立て、2000年~2015年貧困と飢餓を撲滅しようと取り組み、一定の成果を上げてきました。しかし、一方で、従来の経済開発政策では不十分との認識が広がります。
貧困問題は、経済成長にともなって起こる経済、社会、環境問題が複雑に絡まったもので、途上国だけでなく全世界的な問題と分かったからです。
経済成長への偏重が将来の世代に深刻な被害をもたらし、資源を過度に利用しているという問題意識が強まっています。
そこで2015年の国連総会で採択されたのが「持続可能な開発目標(SDGs)」です。
この持続可能な発展を計測することができるのが、多様な資本の量(ストック)を重視する新国富指標です。
新国富指標は、自然環境や健康、教育など、異なる資本要因を数値化し、金銭単位で表し、総合的に評価でき、各政策要因の効果を比較できる点に特徴があります。政策面における利用可能性は大きいと考えられます。
広く利用される国内総生産・GDPは短期の経済変動をみるフロー指標であり、必ずしも生活者の暮らしに連動していない点も指摘されています。
2015年6月の柏市議会で、地域経済のストックを定量化し、データに基づく政策決定を行うことについて議論し、新国府指標を柏市の政策策定や事業の評価に取り入れ、活用するよう提案いたしました。
第五次総合計画では、その実行性を担保するために、毎年の進捗管理と事業の評価を行い、改善していくとうPDCAサイクルの仕組みを整えていると説明されています。各事業に、その進捗を測る指標が設定され、定量的に政策を評価し、次につなげていこうとしています。
しかし、まだまだ不十分です。こういった新国富指標のような知見を活用すべきです。