神戸で開かれたCommunity College Backstage 2024に参加しました。
「学び」を軸にした活動が、それぞれの地域で、どのように継続・変遷し、何を地域にもたらしていくか?
10年活動して見えてくる景色があります。
参加者のそれぞれの活動が成熟し、参加者同士の関係性が深まていくことを実感します。
11年半前、吹田良平さんの「GREEN URBAN INNOVATION ポートランドに学ぶグリーンシティのつくり方とつかい方」のイベントを、神戸モトマチ大学の村上豪英さんと一緒にお手伝いさせていただき、意気投合。
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その後、コミュニティ・カレッジ・コンソーシアム(CCC)を結成し、柏まちなかカレッジのような全国のコミュニティ・カレッジが集い、経験を共有する場であるCommunity College Backstage(CCB)を、毎年開催してきました。
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今年は、第1回目の開催地である神戸に戻って開かれました。
今回、ホストをつとめられた神戸モトマチ大学代表の村上さんは、もともと地元の経営者でもありますが、神戸市の都市公園“東遊園地”の社会実験から、公園内の拠点施設URBAN PICNICの開設され、その運営会社も立ち上げられました。
その他、JR三ノ宮駅前のStreet Table 三ノ宮、小学校跡地活用事業NATURE STUDIOなどのプロジェクトを実施され、クラフトビールの醸造所である株式会社オープンエアを設立(そのビール缶に掲載される詩も書かれています)。
土曜の朝、ファーマーズマーケットが開かれています。
当日の本セッションが始まる前、朝に、神戸市の東遊園地の公園運営について、村上豪英さんのお話をお聴きし、講演をご案内頂きました。
東遊園地での、この10年。
この活動を始めた頃の村上豪英さんのお話や当時のことを思い出しながら、長いスパンでまちづくりを考える機会を頂きました。
さて、Community College Backstage 2024(神戸)について。
前日は坂口緑先生の講演「世界の学びが目指すもの」、明治学院大生によるポスターセッション、そしてコミュニティ・カレッジ・コンソーシアム(CCC)総会。
総会では、来年のホスト校が柏まちなかカレッジに決まり、柏で開催されることになりました!
総会といっても、懇親会的なもので、神戸市兵庫区の小学校跡地を活用した複合施設「NATURE STUDIO」内に設けられたブルワリー「OpenAir湊山醸造所」で作られたクラフトビールを楽しめるタップルームで、参加者との交流を楽しみました。
当日は、午前に、交野おりひめ大学の甲斐健さんとみんなの尼崎大学の立石孝裕さんのセッション。
午後は、2畳大学の梅山晃佑さんと私も登壇しました。
そして、ソトコト編集長の指出一正さんから「ミライの社会が見える時」についてご講演頂きました。
そのほかにも、参加者からのプレゼンもあり、濃厚な1日でした。
社会の分断について考える機会にもなりました。
特に、兵庫県知事選挙の結果が出た1週間後に開かれたCommunity College Backstage 2024(神戸)。私たち以上に思うことのある兵庫県民のお話をお聴きできました。
SNSがデモの動員や情報統制の破壊など、大きな役割を果たした「アラブの春」も、一時期、注目されました。
一方で、SNSのアルゴリズムも相まって、同じ考えや境遇の人たちとばかり交流してしまい、社会の分断が進んでいることを痛感します。
よっぽど意識して生活していなければ、自分に都合の良い情報ばかりが目に入ってくるものです。得られる情報量は多いのに、いや多過ぎるからか、近くで暮らしていても、見えている世界はまったく別であるかのようなことがあり得てしまいます。
フェイクニュース、
選挙結果でも顕在化した社会の分断、
人間関係の希薄さや孤独につけ込んだ特殊詐欺、
ゆるやかに結びつき、離合集散を繰り返しながら特殊詐欺や強盗などの犯罪を繰り返す集団「匿名・流動型犯罪グループ」、いわゆる「トクリュウ」も問題となっています。
まさにSNSの功罪です。
背景には、わかりやすさ、便利さ、安心安全、早めの成果といったを求める風潮があると考えます。
パズる、炎上する。いわゆるアテンションエコノミーです。
佐渡島庸平さんは、著書『WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE.』(幻冬社)で、「熱狂」ではなく、「信頼」を築いていきたいと書かれています。私たちの方向性と通じるものです。
あらためて、まちに対話することが当たり前になっていくよう、対話の場を作る活動を続けていきます。
翌日は、ブルワリー「OpenAir湊山醸造所」や水族館などが設置されている神戸市兵庫区の小学校跡地を活用した複合施設「NATURE STUDIO」見学ツアーでした。