秋の柏まちカレ図書館まつりでした。
大杉富子さんによる朗読と地域通貨ゲーム、そして各まちカレ図書館の紹介を通して、柏まちカレ図書館を体験してもらいたいという狙いでした。
大杉さんの朗読のアンコールでは、アンドレ•ケルテス『読む時間』に収められている谷川俊太郎さんの「読むこと」を朗読頂きました。
「思いがけない本との出会い」を目指す柏まちカレ図書館に合った詩をご紹介頂き、私たちの活動への考えも深まりました。
言葉、想い、表現、人との出会い、つながりなど、主催する私たちも考えさせられることが多かったです。
そもそも、柏まちカレ図書館とは、面倒な仕組みです。
貸し出しシステムもスマホアプリで簡単にできるはずなのに、手書きの貸し出し通帳を採用しています。
返却の方法も貸し手借り手の話し合いで決まり、定まった返却場所もありません。
本を返却する時も、感想集に自分の感想を記入しないといけないので、ちょっと面倒です。
まちカレ図書館館長それぞれが本を紹介し、読みたいと思ったら、それをお金を払ってオンラインで購入した方が気楽です。
本だけでなく、人の話や手伝いなども貸し借りに含まれてくると、なおのことです。
しかし、この面倒さが醍醐味なのではないかとも思います。
お金で解決だきれば楽ですが、そのために失ってきたこともあるのではないでしょうか?
「本を読むということ」は、けっこうな時間を使います。
お金を払って気軽に本を手に入れても、(速読や解説本という手もあるかもしれませんが、)読むことには時間と関心が必要です。
私自身、今、仕事や研究の関係で、読まなければならない本を沢山かかえています。
それでも、この柏まちカレ図書館で出会った本に関心を持ち、時間を作り、読むことになります。
それは、すすめてくれた人の人柄や熱意に心を動かされた結果です。
文字通り、自分の視野が広がり、世界が広がるのを感じます。
この経験を他の人とも共有したい。
それが、この柏まちカレ図書館の活動の原動力だと思います。