世界教育戦争-アメリカの教育の反省から学ぶ

アマンダ•ビブリー『世界教育戦争 The Smartest Kids in the World: And How They Got That Way』(中央公論新社)、懐かしい感じのする装丁に引かれました。

タイトルから、勝手に内容を想像し、敬遠していましたが、何となく気になって購入。

PISA高得点のフィンランド、韓国、ポーランドにアメリカから留学した高校生の体験談を軸に、政策立案者や校長、教員、保護者、企業経営者、塾関係者などのインタビューが織り込まれ、読ませる筆力がありました。

教育の専門家以外に説明するために、見習うべき点が多かったです。
資料やデータの論理性など指摘したい箇所や意見したい部分もありましたが、読み物として面白かったです。

市議会議員となり、また私自身も親となり、自分自身の幅が広がったかもしれません。
教育学や学校現場に関わりはないけれど、子どもの教育に熱心な、あるいは不安を抱える親御さんたちの思いを受け止め、多くを学びました。

もっとPISA(国際学習到達調査)の分析をしっかりと読み込みたいと思います。
PISAがすべての指標ではありませんが、その結果分析から学ぶことは、まだまだあります。

•読み聞かせは、読解力に有効
•子どもの可能性を信じる(ピグマリオン効果)、課題の設定
•教育への厳格さ
•教員の質(養成大学、選抜、育成、待遇、名誉など)
•能力別編成は、やめるべきorできるだけ遅く
•学校施設(特にICT環境)と学習効果について、お金をかけたから学力は上がるわけではない。
•全体のビジョンを定める

柏市の教育政策、日本の教育、わが子の教育、PowerLab の方向性を考える材料となりました。
早速、PowerLab にて、新しい提案をしていくつもりです。

また、柏まちなかカレッジや図書館、公民館など社会教育の役割なども、見えてきました。
世界教育戦争

投稿者:

山下 洋輔

千葉県議会議員(柏市選出)。 元高校教諭。理想の学校を設立したいと大学院に進学。教員経験、教育学研究や地域活動から、教育は、学校だけの課題ではなく、家庭・地域・社会と学校が支え合うべきものと考え、「教育のまち」を目指し活動。著書『地域の力を引き出す学びの方程式』 2011年から柏市議会議員を3期10年を経て、柏市長選に挑戦(43,834票)。落選後の2年間、シリコンバレーのベンチャー企業Fractaの政策企画部長として公民連携によってAIで水道管を救う仕事を経験。 柏まちなかカレッジ学長/(社)305Basketball監事。 千葉県立東葛飾高校卒業。早稲田大学教育学部卒。 早稲田大学大学院教育学研究科修士課程修了後、土浦日大高校にて高校教諭。早稲田大学教育学研究科後期博士課程単位取得後退学。 家族 妻、長男(2014年生まれ)、長女(2017年生まれ)