公立学校に国際バカロレアの導入を

21世紀に入り、大量生産大量消費のシステムから、グローバルに通用する多様で独創的な知識を基盤とした知識経済社会システムへの移行が始まっています。

これからは、価値観の異なる人々と協力しながら、問題を解決していくために必要なスキルが必要となってきます。知識を詰め込む教育だけではなく、「一生学び続けられる力」を育てていくための教育が求められています。そこで、今、国際バカロレアの教育プログラムが、国でも推進されようとしています。2014年9月に、文科省でのヒアリングのご報告です。

国際バカロレアとは、生徒を主体とした独自の教育理念に基づいて1968年に設立された非営利教育機構で、カリキュラムの開発、生徒の評価、専門のIB教員の養成、IB校の認定・評価を実施している組織です。IB
児童・生徒が将来、急速に進むグローバル社会を生き抜く上で、学び、そして働き続けるために必要な知性、人格、情緒、社会的なスキルを身に着けることが可能な3歳~19歳の児童・生徒を対象にした4つのプログラムを提供しています。
IBカリキュラムIBカリキュラム2 IBプログラム2014年3月現在にて、世界147カ国、3,725の学校で導入され、1,167,000人以上の生徒が学んでいます。

平成25年6月14日閣議決定された日本再興戦略-JAPAN is BACK-では、「一部日本語による国際バカロレアの教育プログラムの開発・導入等を通じ、国際バカロレア認定校等を2018年までに200校の増加を目指す。」とあります。
平成25年5月に出された教育再生実行会議 第三次提言「これからの大学教育等の在り方について」でも、「国は、国際バカロレア認定校について、一部日本語によるディプロマ・プログラムの開発・導入を進め、16校から200校へと大幅な増加を図る」とあります。

これまで、国際バカロレアは、インターナショナルスクールや一部の私立高でしか導入されておらず、一般の家庭の児童生徒は、学びたくても学べないものでした。今、札幌市、東京都、佐賀県、滋賀県、京都府、北海道などでも国際バカロレアの導入が検討されています。
公立の学校で導入されることは、学力にバラつきがある児童生徒たちの協同的な学びの実現と教員の授業改善の突破口になるとの期待が見込まれます。
公立学校でも、ぜひ、国際バカロレアの導入を進めていくべきであると考えます。私は、各自治体の教育委員会にも、働きかけてまいります。

具体的な部分もご紹介いたします。
海外の有名大学を目指す高校生も増えつつあり、国際バカロレアではDP(ディプロマ・プログラム)が注目されています。
IB活用事例IB取得条件IB認定校 IB評価
今後、国内で国際バカロレアプログラムを実践されている学校の視察報告なども行っていくつもりです。

投稿者:

山下 洋輔

千葉県議会議員(柏市選出)。 元高校教諭。理想の学校を設立したいと大学院に進学。教員経験、教育学研究や地域活動から、教育は、学校だけの課題ではなく、家庭・地域・社会と学校が支え合うべきものと考え、「教育のまち」を目指し活動。著書『地域の力を引き出す学びの方程式』 2011年から柏市議会議員を3期10年を経て、柏市長選に挑戦(43,834票)。落選後の2年間、シリコンバレーのベンチャー企業Fractaの政策企画部長として公民連携によってAIで水道管を救う仕事を経験。 柏まちなかカレッジ学長/(社)305Basketball監事。 千葉県立東葛飾高校卒業。早稲田大学教育学部卒。 早稲田大学大学院教育学研究科修士課程修了後、土浦日大高校にて高校教諭。早稲田大学教育学研究科後期博士課程単位取得後退学。 家族 妻、長男(2014年生まれ)、長女(2017年生まれ)