柏市の教育あり方を考える基本は、「誰もが教育を受けるのとができる」教育機会の保障と考えています。
柏市の子どもたちに、いや市民全員に、どれだけ学ぶチャンスがあるかどうかが大切です。
私が、図書館の提案をしたり、サイエンスクラブを視察したり、公民館や博物館•美術館の議論をしたり、歩行者優先のまちづくりを研究したり、柏まちなかカレッジの活動をしたりするのも、まち全体を学びの場としたいからです。
子どもの学力は、•親の経済力、•家庭の文化度、•地域の社会資本と関係があるという教育社会学の研究成果があります。
一人も見捨てない教育を目指し、学習支援を実施する時には、単なる教科学習の補習ではなく、家庭状況や地域との関わりといった視点も欠かせません。
学習支援事業では、学校の学習を補うだけでなく、子どもの興味関心を伸ばし、博物館や美術館のような社会教育につないでいくことも必要です。
裕福な家庭は、塾に通わせられるというだけでなく、博物館に連れて行ってもらったり、旅に出たりと様々な経験をしていることが多いものです。
また、読書習慣があったり、身近なことを話し合う機会がある家庭で育つ子どもばかりではありません。
かつては家庭に任せられていた部分を、いかに公教育や地域の力で支えられるか?
大きな課題です。
せっかく放課後に補習教室を開催したのに参加せず、成績が悪いのは本人のせいという見方には反対です。
学習に向かう意欲や姿勢の支援こそが必要です。
外で遊ぶ、自然にふれる、人と話す、本を読む、本物から学ぶといった体験が、学ぶ意欲につながっていくと考えています。
このような機会を作っていくのが大人の役目です。
そして、このような機会に、誰もがふれられるように、柏市として取り組むべきです。
先日、日立市で取り組まれたオペラ学校の事例をお聴きしました。
小学校4年生から中学校3年生の子供を地域の大人がバックアップし、プロの指導を受けてステージを作っています。オペラは総合芸術と言われ、音楽、美術、演劇、舞踊、文学など、分野を超えた協力が必要となり、子供を中心に地域の文化コミュニティが生まれるきっかけとなっています。
柏市でも参考にしたい取り組みです。
多感な時期に、本物にふれる体験はかけがえのないものです。