「学校を設立したい」という目標があります。学生時代も、その目標に向けて学び、卒業後は教員となりました。
学生時代には、J.デューイの教育思想やシカゴ大学附属実験学校での実践、大正新教育運動の文献を読み、構想を練っておりました。
池袋児童の村小学校の研究をしている後輩からも、多くを教わりました。
その後、イタリアのレッジョ•エミリア市の街全体で子どもたちを育てる教育が実践されている自治体を知り、学校という枠組みを越えて考えるようになりました。
そして、格差や環境といった社会全体の問題や根底となる市民の意識や文化をなんとかしなければという思いが強まり、地方議員として活動させてもらうことになりました。
学校現場での素晴らしい教育実践や先生方、それを支えるNPOや地域にも出会うことができました。
素晴らしい活動が、個人や地域の頑張りによって成り立つものではなく、システムとして機能するためには、制度や予算など教育行政の仕組みについても改善していきたいと、議会活動に取り組んでいます。
「学校を設立したい」という目標を捨てた訳ではなく、より良い未来を築いていくという点で、私のそれぞれの活動が関係しているものです。
久々に、サドベリー•バレー•スクール創始者のダニエル•グリーンバーグの講演録である『自由な学びが見えてきた』を読み返しました。
サドベリー•バレー•スクールは、生徒たちが話し合ってルールを定め、自分たちで学びたいことを学ぶ自主自律の学校で、デモクラティックスクールとも呼ばれます。
アクティブラーニングが騒がれ、STEAM教育が推進され、プログラミング教育が小学校でも導入されることになる今日、あらためて基本を見つめ直す読書でした。
自由を獲得するために、自ら学ぶ力とシチズンシップを身につけるための場について、本書には書かれています。
自由な学びとは、遊びの意味、会話•対話•コミュニケーション、親の役割、学校の役割、デモクラシーの学校など、この30年の実践を自問自答され、考えを示されています。
私自身、2年前に親となり、これまでと違った視点からも、教育について考えるようになりました。
現状の教育制度をより良くする一方で、教育のあり方を根本的に問い直す必要も痛感しています。