教育を考える上で、参考になりました。
私は、子どもたちに必要なことは、遊びと哲学と考えています。
哲学といっても難しいものではなく、自分で考えられる力をつけて欲しいと思っています。そんな考えと、本書で示されている数学と通じるものを感じました。
社会で役に立つかどうかという観点でカリキュラムは考えられがちですが、変化の激しい今日、それは意味をなさないように感じます。
大切なのは、子どもたちがワクワクと学びたくなるかどうか。
これまでの常識や慣習から訣別する覚悟が求められます。
私自身、学校教育の中で算数•数学の授業を受け、その喜びを味わうこともなく、それなりに乗り越えてきました。
本書で指摘される、創造性を奪うような教育システムの中で育ちました。
自分の歩んできた道とも、今の学校の価値観とも違う教育を進めていくには、大きなエネルギーが必要になります。
前々から感じていたけれど、まだ一歩踏み出せずにいた自分に、本書は勇気を与えてくれました。
これは算数•数学だけの話ではなく、学校教育全般でみられるものです。
対処療法ではなく、教員、学校、教育制度、そして自分の子育てを根本的に考え直す上で、参考になる本でした。