教育民生委員会では、平成28年4月26日から28日に、富山市、金沢市、松本市を視察いたしました。2日目の金沢市では、「学校教育金沢モデル」と玉川図書館について視察いたしました。
金沢市の図書館は、資料保存や重度障害者への郵送等を行う玉川図書館、国連や海外の資料と点字図書を中心とする泉野図書館、学校司書センターと中学生までを対象にした玉川こども図書館、日本海やものづくりを中心にした金沢海みらい図書館の4館と移動図書館が、それぞれの役割を分担しています。
その中の玉川図書館は、1978年の竣工で、谷口吉郎氏が総合監修、その息子の谷口吉生氏が設計を担当しています。
旧専売公社金沢工場の建物に現代建築を融合させた建物が特色。別館として近世史料館を併設しています。
近世史料館は、前田家などから寄贈を受けた10万点あまりの近世史料の保存、修復を行っています。
貴重な資料が多く、それらを活用する研究機関でもあります。
隣接する玉川こども図書館は、平20 (2008)年に、日本たばこ産業株式会社金沢支店の建物をリニューアルし、子どものための専門図書館を開設。
総事業費は約13億円。
お話し会の開催や学校図書館の支援(調べ学習支援、搬送貸し出し、司書研修)など、子どもと本をつなぐ子どもの読書活動を総合的に推進する拠点です。
開架図書約5万冊は、ほとんどが児童書。低い書棚で、デザイン性の高い机や椅子。
2階には、89言語、111か国の世界の絵本が所蔵されています。毎月、市内のネイティブスピーカーの協力により、外国語絵本の読み聞かせを開催。英語のお話し会も開催されています。
お話の部屋、科学体験活動室、デジタル絵本コーナー、ライブラリーミュージアムもそなえています。
館長の思いもお聞かせいただきました。
図書館は、課題解決の支援や知の交流拠点として期待されていること。
読書で地域を知り、読書で人を知り、地域を愛する心を育てることが図書館の地域貢献であること。
電子書籍、運営形態、サービスの拡充といった課題。最近の困りごととして、図書の破損や書き込み、長期延滞や盗難。質問や苦情が増え、館員の負担増加。
ネット社会における活字文化継承の拠点として、本を手に取った感覚など、内容だけでない手に取った感覚や読み聞かせなど、本の良さをアピールしていくことが求められている。
図書館は、どの市町村にもあるが、必置の施設ではない。だからこそ、設置するからには、住民に必要とされなければ意味はない。
柏市の図書館を考える上でも、参考になる貴重なお話を頂きました。