保護司の活動をお手伝いしている中でお聴きした声をもとに、協力雇用主にインセンティブを与え、協力雇用主を増やすための契約・落札のありかたを柏市議会で提案してきました。
12月16日、法務省は協力雇用企業に奨励制度を設け、現在の三倍の1500社に増やす目標を掲げました。
国は、20年開催の東京五輪に向けて安全な日本をアピールするのが狙いとのこと。
犯罪や非行をした人たちの就職は難しく、職に就くことが出来ず、自立した生活を確立できず、再犯率が高くなってしまっています。
保護司と連携し、犯罪・非行の前歴のために定職に就くことが容易でない人たちを、その事情を理解した上で雇用し、更生に協力する民間の事業主である協力雇用主が、重要な役割を果たしています。立派な取り組みですが、なかなか引き受ける事業者がいないのが現状です。
そこで、協力雇用主にインセンティブを与え、協力雇用主を増やすための契約・落札のありかたを、2014年6月の議会で提案しました。
我孫子市では、今年度(2014年度)から、工事発注に当たり、総合評価落札方式を採用し、社会貢献ポイントとして、協力雇用主としての登録や雇用経験を評価することを導入しました。野田市でも、昨年度から取り入れられています。
これは、協力雇用主になるメリットを示し、また、行政が更生支援の意思を打ち出し、近隣自治体の事業者にも影響を与える施策です。
柏市でも、ぜひ、総合評価落札方式を採用し、社会貢献ポイントとして、協力雇用主としての登録や雇用経験を評価することを導入すべきであると考えます。
柏市としては、理解を示し、検討していくとのことでした。ただ、個別の部署での対応は可能だが、総合評価落札方式の評価項目は、市全体の方針が市長から示されてからの実現となります。市長の理解が必要です。
この制度の導入だけで、協力雇用主が増えるわけではないというご意見もごもっともですが、市が再チャレンジ可能な社会のあり方を示す意味は大きいと考えます。
柏市は、近代社会事業の父・原胤昭の縁のある土地です。
原胤昭は、自由民権運動時の出版で、自分自身も投獄され、監獄でひどい仕打ちを受ける。その経験から、監獄の改良を主張し、教誨師としての活動を始めた。また、原は、前科のある人たちは社会的な偏見や差別を受けるため、再犯が多いと考え、更生保護施設を東京・神田の自宅に設ける。さらに、低所得者向けの住宅も東京・田端に建てた。原胤昭は、そのキリスト教精神や最後の与力の記録として注目を集めてきた。今日、社会起業家として、ますます注目を集めるであろう人物である。
※再チャレンジを支える地域の力
http://goodman.livedoor.biz/archives/51872259.html