全国各地で本や情報を基盤とした場のあり方が注目されるようになってきました。
従来の図書館の枠を超え、人とのコミュニケーションが生まれる場としての役割を期待されています。
地域包括システムの文化版のような形で、それぞれの地域にまちなか図書館を設置し、地域情報を収集し、保存し、整理し、編集し、発信し、活用していくコミュニティプロデューサーのような司書を約40人の設置を提案しました(※柏市の小学校は42校)。
司書という枠にとどまらず、学芸員やアーキビスト、さらには、コミュニティプロデューサーのような役割です。
まちなか図書館を設置といっても、独自の施設を新しく設けるのではなく、民間で図書を公開している施設と提携し、既存の図書館分館や学校図書館とのネットワークを構築していきます。
カフェの本棚や空きスペースを活用した青空文庫など、本のある素敵な場も沢山あります。
たとえば、キネマ旬報シアターでは、「キネマ旬報」バックナンバーなど貴重な映画関連図書をKINEJUN図書館として公開されています。この場所は柏の魅力でもあり、誇りだと思います。
そうした資料を活用し、映画を学び、楽しめる場を作るコミュニティプロデューサーが専属で設置されれば、その場の価値や魅力は何十倍にもなると考えます。
他にも、スポーツや園芸、ワインや食、生き物や宇宙などといった特色ある場づくりとともに、歴史や自然など地域ならではの情報やネットワークが生まれる場としての「まちなか図書館」を考えています。
ブックトーク、まちライブラリー、青空図書館、ブックシェア、朗読会、読書会、ビブリオバトル、ブッククロッシング、一箱古本市など、本にまつわるイベントに関心が高まってきていると感じます。
青森県八戸市では2016年12月、中心市街地に市直営の施設「八戸ブックセンター」を開設し、本に関する新たな公共サービスを提供し始めました。本に親しみ、豊かな想像力や思考力を育みながら、文化の薫り高いまちを目指し、街の活性化にもつなげることを目的としているとのこと。
もちろん、新しい図書館や博物館、美術館を作ってほしいですし、今後も提案し続けますが、ただ待っているだけでは面白くありません。
今回の議会で提案した「まちなか図書館」とコミュニティプロデューサーに、移動博物館やVRも加えて、柏市全体を学びの街としていきたいです。
写真は、移動博物館をイメージした落書きです。
個人的には、リアカーでもいいから移動図書館を作って、市内各所でゲリラ的に、本にまつわる場を育てていけないかと企んでいます。