土曜日は、近隣の羽黒台町会の第一回自主防災会議にて、自主防災組織立ち上げの話し合いがありました。
私は、その話し合いの後、地域の地理• 歴史についてお話し致しました。
自主防災組織の鍵は、住民の地域への関心と地域のつながりと言われます。
地域の歴史の話をきっかけに、地域のコミュニケーションを深めようという町会主催者さんの狙いでした。
DIG(disaster imagination game)訓練もそうですが、地域の昔の地形や言い伝えを知ることは防災につながります。
地域のご高齢の方々のお話は本やネットでは知ることのできないもので、若い世代にとって貴重な知恵になります。
地域の歴史は、世代間の交流を深めるきっかけです。
地名の由来、信仰、明治期に製作された迅速測図、昔は海だった地形、古墳時代には最先端だったこと、相馬御厨、平将門、戸張氏と戦国時代、近世の水運など、お話しさせて頂きました。
この話の準備のため、図書館で地域史を調べたり、教育委員会に教わったり、大学で歴史を研究していた頃のことを思い出しました。
学生時代、歴史研究の世界にも触れました。
アカデミックな研究者の先生•諸先輩方と出会い、今でもその道で頑張っている友達もいます。
私は、教員の道に進み、今では地方議員として研究から離れました。
しかし、今、町会活動などを通して地域の古老からのお話をお聴きする機会に恵まれたり、代々伝わる史料の保存管理のご相談を頂いたり、都市開発と遺跡の保存の課題に直面したり、まちなかカレッジで歴史塾を企画したり、アカデミックな歴史研究や歴史教育とは違った立場で、歴史に携わることが増えてきました。
今回の町会での歴史講話も、専門的な内容を求められているというよりは、コミュニティの活性化や防災意識の向上を期待されての依頼でした。
アカデミックな歴史研究からは離れましたが、それとは別の歴史を究めてみたいと考えています。
地域に入って生活しているからこそ見えてくる歴史というものが確かにあり、それを地域で生かすことができるような歴史家になりたいと思うようになりました。