【速報】本日の千葉県議会 ー 伊藤昌弘議員(自民党)の一般質問 2024年11月27日午前2

本日の県議会をいち早くお伝えいたします。
※複数人体制でチェックしてはいますが、できるだけ早く、皆様に議会での議論をお届けしたいと文字起こしをしているため、誤字などもあります。ご容赦いただき、各自、ご確認ください。

 

本日(2024/11/27)午前二人目の一般質問は、自由民主党の伊藤昌弘議員した。

質問項目

  1. 印旛沼の環境保全について
  2. 印旛沼の治水対策について
  3. 水田農業の取組について
  4. 日本遺産を活用した観光振興について
  5. 高齢者対策について
  6. 企業誘致について
  7. 道路問題について
  8. その他

 

議会質問・答弁の書き起こし全文


質問(第1回目)伊藤昌弘 議員


–伊藤昌弘 議員
皆さんこんにちは佐倉市および印旛郡酒々井選出、自由民主党の伊藤昌弘です。
今定例県議会におきまして、登壇の機会を与えていただきました会派の先輩同僚議員の皆様に心から感謝を申し上げます。
本日は私の傍聴ということで酒々井町より金塚学議員、岡野義広議員、綿貫薫議員、小坂和也議員、お越しいただきました。
また関係者の方々にもお越しをいただいております。
ありがとうございます。

皆さん、傍聴に来たのは、執行部の前向きな答弁を期待してのことですので、今日ご答弁をされる皆様は、ぜひ前向きな答弁、よろしくお願いをいたします。
それでは通告に従いまして順次質問をいたします。

初めに、印旛沼の環境保全について伺います。
印旛沼流域には数多くの歴史文化資産が点在し、印旛沼付近の一帯は、県立自然公園に指定されている風光明媚な場所です。
今、印旛沼を取り巻く環境は、人口の増加や生活様式の変化に伴い、自然のバランスが崩れています。
水目に目を転じると、特定外来生物であるナガエツルノゲイトウが繁茂し、カミツキガメが生息するという。大変残念な環境にあります。

印旛沼固有の生態系への影響に加え、水質の悪化や農業への影響なども懸念されるため、私は以前から何度も質問し、対策の強化を訴えてきたところです。
県では現在、ナガエツルノゲイトウについては、駆除に加え、印旛沼を含む県全域での分布調査を行っています。
またカミツキガメにつきましては継続して捕獲を行っていただいております。
どちらも対策の継続や強化を期待したいところです。

そこで2点伺います。
1点目として、ナガエツルノゲイトウの駆除への取り組み状況はどうか。
2点目として、カミツキガメの防除にどのように取り組んでいるのか。

次に印旛沼の水質浄化について伺います。
印旛沼は、憩いの場であるとともに、飲料水や農業用水、工業用水の水源として利用されており、地域の貴重な財産でもあります。
しかしながら故障の水質汚濁状況を示すCODの値は、令和4年度の年平均値で1L当たり13mgと全国ワースト3位となっています。
県や市町村、関係機関はこれまで水質浄化に向けて様々な取り組みを進め、その結果、沼に流入する汚濁量は着実に削減されてきましたが、依然として水質の改善が見られず、CODの値は横ばいで推移をしています。
水質改善のためには、流入する汚濁の削減など、これまでの取り組みを継続するとともに、一層の水質浄化の対策が求められる。

そこで伺います。

印旛沼の水質浄化について、県ではどのような取り組みを行っているのか。

次に浄化槽について伺います。
印旛沼の水浄化のためにも、家庭から流入する汚濁量を削減することが重要であり、浄化槽の果たす役割は大変大きいと考えます。
そして浄化槽は適正に維持管理する必要があります。
浄化槽の使用者には法定検査を受けることが義務付けられていますが、新たに設置された浄化槽の工事が適切に行われ、浄化機能が適切に発揮されているかを確認する。

7条検査では、令和4年度の受験率が79%で全国ワースト3位日常の保守点検や清掃が適切に実施されているかを判断するため、年1回の受験が義務付けられている11条検査では、受験率が14.2%で、全国ワースト2となっており、全国と比べて受験率が非常に低い状況です。
このため法定検査について、県民に認識してもらうことが大切であり、受験率向上の取り組みがさらに必要と考えます。
また、受験率の向上のためには、保守点検業者などとの業界団体と連携して取り組みを進めていく必要があります。

そこで2点伺います。

1点目として、浄化槽の法定検査の受検率向上について県としてどのような取り組みを行っているのか。
2点目として、業界団体とは、どのように連携をしているのか。

次に印旛沼の治水対策について伺います。
近年、大雨による水害や土砂災害は全国各地で頻発し、日夜報道で目にすることが当たり前になりつつあります。
今年も7月には山形県や秋田県で、9月には石川県の奥能登地方また11月に入ってからも、沖縄県と鹿児島県奄美地方で大規模な浸水被害が発生しました。
被災に遭われた方々には改めてお見舞いを申し上げます。

一方千葉県では、幸いにもこのような大きな浸水被害が今年は発生しておりませんが、さかのぼること5年前、令和元年10月の雨は未だに忘れることのできない大水害でありました。
当時佐倉市の雨量観測所では1時間に52mm24時間雨量では248mmを観測し、これにより佐倉市内では家屋の浸水や道路冠水などの被害が多発し、浸水面積は600ヘクタールを超えました。

昨今の気象状況を見る限り、印旛沼流域に再び令和元年のような大雨が襲ってくるかもしれないと流域の住民は大変不安な日々を過ごしています。
印旛沼の周辺では、流域の様々な関係者が協力をして、総合的な治水対策がかなり前から実施されてきており、最近よく耳にします、流域治水をより深く実践してきた地域であると考えており、印旛沼の治水対策を考える上で最も重要なことは、印旛沼の水位をあらかじめ下げておくことであります。

このことは質問でも取り上げ、要望してきたところであり、印旛沼を管理する県と水資源機構は、予備排水の運用基準を見直し、令和元年10月以降、大雨の予測に合わせて段階的に行うことが実行されてきました。
また、利根川への排水流路である長棟川の護岸整備を集中して進めていることは、登壇のたびに状況を確認させていただいているところであります。

そこで伺います。

長棟川の河川改修の進捗状況はどうか。

続いて、印旛沼周辺の流域対策について伺います。
今のすり鉢状の地形となっているため、流域の四方八方から印旛沼に排水が流れ込んできます。
西印旛沼へと流れ込む鹿島川とその上流に位置する高崎川沿いには、佐倉市の中心市街地が位置していることから、その河道掘削や築堤等の河川改修は佐倉市内の浸水被害軽減に直結する重要な事業であります。

また、県立高校の校庭に雨水貯留浸透施設を設置して、雨水を一時的に溜めて浸透させる取り組みについては、河川への負荷を軽減することから、印旛沼のような広い流域でこそ、大変有効な対策となります。
これらの対策をこれまで通り、計画的に着実に進めていくことが極めて重要と考えます。

そこで2点伺います。

1点目として、佐倉市内を流れる鹿島川と高崎川の河川改修の進捗状況はどうか。
2点目として、印旛沼流域の学校貯留の進捗状況はどうか。

次に、米の生産振興について伺います。
本年8月以降、米が品薄となり、スーパー等の小売店の店頭では、棚に米がない状況や購入制限を設けるなどの事態が発生をしました。
本件は他県に先駆けて8月から出荷が始まる早場米の産地であり、今回の品薄状況において、これまで流通していなかった地域にも千葉県産米が並ぶなど、本県産米の存在感が広範囲の地域において認識されたのではないかというふうに思います。

県産米には、主力のコシヒカリを筆頭に本県で育成された品種であるふさおとめふさこがね粒すけがありますが、今後他県産米との差別化を図り、本県産米の存在感をさらに高めていくためには、大粒で食味が良い粒すけや、高温に強いふさおとめといった県育成品種の役割はより一層高くなっていくと考えます。

生産の現場に目を向けると、稲作農家の減少に伴う1個当たりの経営規模の拡大や生産資材の高止まりなど、水田農業を取り巻く環境は大きく変化をしています。
さらに近年は、夏の高温や台風被害など、気象変動の影響が大きくなり、高品質な県産米を安定的に供給していくためには、気候変動を踏まえた進行を考えていかなければなりません。

そこで伺います。

近年の気候変動に順応した米の生産振興に当たって、県はどのような特性に着目して取り組んでいく考えなのか。

次に、日本遺産を活用した観光振興について伺います。
日本遺産とは、地域の歴史的な魅力や特色を通じて、我が国の文化と伝統を語るストーリーを文化庁が認定するものです。
このストーリーを語る上で欠かせない魅力ある有形無形の様々な文化財を地域が主体となって整備活用し、広く戦略的に発信していくことにより、地域の活性化を図ることを目的に、平成27年度に始まった制度です。
千葉県では現在、観光にも力を入れている私の地元佐倉市が、成田市、香取市、銚子市とともに、北総4都市江戸紀行を感じる北総の町並みが平成28年4月に千葉県初の日本遺産に認定されました。

これまで日本遺産を構成する4市においては、県も関与し、文化財などの地域資産を生かした様々な取り組みがなされてきました。
直近では千葉県誕生150周年に合わせ、北総4都市を巡る歴史や文化、ストーリーをわかりやすく漫画にまとめて紹介するなど、歴史だけでなく、観光にも役に立つよう日本遺産のプロモーションを進めてきました。
日本遺産の周知のためには、構成4市が結束し、さらに一段と取り組みを進めていく必要があると考えます。
そのためには、県や企業等との関係機関が継続的に連携を図りながら、それぞれの市にある魅力的な文化財などの地域資源を観光振興や地域振興に活用していくべきと思うところであります。

そこで伺います。

日本遺産北総4都市江戸紀行における構成4市や企業等との連携についてどのように取り組んでいるのか。

次に、高齢者対策について伺います。
本年11月12日に、国立社会保障人口問題研究所が2050年までの都道府県別世帯数の将来推計を発表しました。
これによると、全世帯に占める75歳以上の単独世帯数の増加が顕著であり、2020年と比較すると、2050年には全ての都道府県で増加し、本県では2倍近くになることが見込まれています。
こうしたことから、高齢者の孤独や孤立を生まないように地域社会全体で支え合うことが今後ますます必要となってくるものと考えます。

そこで伺います。

高齢世帯の孤立化防止にどのように取り組んでいくのか。

次に、介護ロボット導入支援について伺います。
高齢化が進行し、介護サービスを利用する高齢者の人口が今後も増加していく一方で、県内の介護事業所で働く職員は、高齢者人口がおおむねピークを迎える2040年には、約3万人も不足することが見込まれています。
このような中、介護ロボットの導入などにより、職員の負担を軽減するということは、限られた人員でのサービスの提供を可能にするだけではなく、働きやすい職場作りにも繋がり、今後の介護人材の確保にも資する有効な方策と考えます。

そこで伺います。

介護ロボットの導入支援について、これまでの実績や効果はどうか。

次に、企業誘致について伺います。
酒々井町にある東関東自動車道志津インターチェンジは、開通から11年が経過しました。
当該インターは、県の事業として国から地域活性化インターとして採択をされたものであり、その周辺地域は、国道51号線や国道296号線などとの広域交通結節点として、ポテンシャルが高いエリアにも関わらず、市街化調整区域であることから、開発行為が抑制されてきました。

街では、平成28年に単独自に市街化調整区域における土地利用方針および地区計画ガイドラインを策定し、事業者などが街に対して、都市的土地利用の地区計画提案ができる制度を実施していますが、今のところ事業者などからは具体的な開発計画等の提案はないと伺っており、今後はインターチェンジ周辺を含めたまち作りの提案が促進されることが望ましいと考えます。
かつて整備した南部地区新産業団地もほぼ利用者が決まり、夷隅工業団地も最後の区画の事業者が決まったとのことですが、次の産業用地の整備についても、交通利便性の高い高速道路インターチェンジ周辺において検討を進めていく必要があり、そのために県は早い段階から街の相談に応じるなど、積極的に支援を行うべきと考えます。

そこで伺います。

酒々井インターチェンジ周辺の更なる企業誘致を進めるため、受け皿となる産業用地整備の創出について県は街に対してどのような支援を行っていくのか。

次に、道路問題について伺います。
主要地方道佐倉印西線は、北は国道356号線から印西市の千葉ニュータウンを経て、南は国道51号までを結ぶ県北西部における重要な道路です。
しかしながら、現道は一部幅員が狭い上に、歩道もなく、車のすれ違いや、歩行者の安全に支障をきたしているとともに、踏切部においては、渋滞が発生している状況にあります。
このことから、現在県において、佐倉市田町地先の国道296号田町橋交差点から、岩野運動公園までの区間約1500mについて現道拡幅やバイパスの整備を進めていただいているところです。

現道部分については、一部歩道整備していただいておりますが、その先のバイパス部分については、鉄道交差部を含め、整備が進んでいない状況にあります。
今までこの問題は何度も質問をしているところです。
令和4年12月定例県議会での私の質問の際には、道路と鉄道の交差方法などについて鉄道事業者と早期の合意を目指すよう強く要望したところであり、その後の進捗状況について気になるところであります。
そこで伺います。

県道佐倉印西線田町バイパスの進捗状況はどうか。

次に、県道富里酒々井線古沢橋の歩道整備に向けた取り組み状況について伺います。
県道富里酒々井線は、酒々井町の中心市街地が位置する北部地域と酒々井インターチェンジ周辺の南部地域を結ぶ幹線道路となっており、歩道整備や交差点改良事業が進められています。
酒々井町夷隅地先では、東関東道をまたぐ古沢橋前後の歩道整備が進められているものの、古沢橋は幅員が狭く、歩行者の通行空間が確保されておりません。

令和5年1月には、この古沢橋付近で、近くの工業団地に自転車で通勤途中の方がトラックにはねられ亡くなられるという痛ましい事故も発生しています。
当該道路は、通勤通学などで利用されているだけではなく、沿線には保存整備が進む。夷隅古沢遺跡や酒々井コミュニティプラザ、酒々井ハーブガーデンなど、観光を含めた多用途の利用がもっと見込める施設が立地しており、今後も交通量の増加に伴う安全性の向上が望まれます。
そのため、東関東自動車道をまたぐ古沢橋への歩道整備は大変重要と考えます。

そこで伺います。

県道富里酒々井線の古沢橋の歩道整備に向けた取り組み状況はどうか。

次に、国道296号夷隅入口交差点について伺います。
国道296号夷隅入口交差点は、東関東自動車道酒々井インターチェンジや酒々井プレミアムアウトレットのアクセスとなる主要な交差点ですが、近年、交通量が急増し、酒々井町の東酒々井地区からは、国道になかなか出ることができず、利用に支障をきたしています。
早期に交差点を改良し、交通の円滑化を図るべきと考えます。

そこで伺います。

国道296号角入口交差点の渋滞対策として、交差点改良が必要と考えるがどうか。

以上壇上からの質問とさせていただきます。
ご答弁よろしくお願いいたします。


答弁(第1回目)


–議長
伊藤昌弘君の質問に対する当局の答弁を求めます。
知事熊谷俊人君。

–熊谷俊人 知事
自民党の伊藤昌弘議員のご質問にお答えをいたします。
まず水田農業の取り組みについてお答えをいたします。
気候変動に順応した米の生産振興についてのご質問ですが、本県は大消費地である首都圏に位置し、全国上位の米の生産県として、日本の食料安定供給の一翼を担う重要な産地となっていますが、近年夏場の高温など気候変動による米の品質低下や収量への影響が懸念をされております。

今後も県産米を安定的に供給していくためには、早場米産地のブランドを維持しつつ、高温下でも良食味や収量性に優れた品種の導入普及費用対効果や刈り取り時期を踏まえた品種構成などを考慮し、生産振興を図っていくことが重要だと考えています。
今後は産地や卸売業者等の関係者の意向も聞きながら、令和7年度に策定を予定している千葉県農林水産業振興計画に反映をし、県産米の生産振興に取り組んでまいります。

次に高齢者対策についてお答えをいたします。
介護ロボットの導入支援についてのご質問ですが、県では平成28年度から介護ロボットを導入する事業所に対し、その経費を助成しており、令和5年度末までに延べ601事業所において、2746台の介護ロボットが導入されています。
導入した事業者からは、入浴支援ロボットにより、これまで2名で介助していた者が1名でできるようになった見守りセンターにより居室を訪ねる頻度が減少したといった報告があり、現場の負担軽減に効果があったものと認識をしています。

今後も事業所において様々なニーズに即した介護ロボットの導入が進むよう、関係団体等とも連携をし、事例を広く紹介するなど更なる支援を行ってまいります。
私からは以上でございます。
他の質問につきましては担当部局長からお答えをいたします。

–議長
環境生活部長井上容子君。

–井上容子 環境生活部長
印旛沼の環境保全についてお答えいたします。
初めに、ナガエツルノゲイトウの駆除に関するご質問ですが、県では、印旛沼とその流域河川において、ナガエツルノゲイトウの駆除を継続して実施しており、当初計画していた区域について、今年度中に一通り完了し、来年度以降は新たな漂着や再繁茂が確認された区域を中心に行うこととしています。

また、外来水生植物を駆除する市民団体に対し、令和4年度から活動経費を助成しており、引き続きこれらの団体とも連携しながら、効果的な駆除や繁茂状況の情報収集などを進めていく予定です。
あわせて、県内全域で行っている分布状況調査の結果を年度内に公表する予定であり、関係団体や地元市などとも共有しながら、引き続きナガエツルノゲイトウの駆除を効率的かつ着実に行ってまいります。

次に、カミツキガメの防除に関するご質問ですが、県では漁業、農業などの関連団体や、地元市と連携して、印旛沼水系のカミツキガメの防除を行っており、近年では、活動期におけるわなの増設生息密度や生息場所に適した手法の開発導入、素手による冬眠中の捕獲など、様々な手法により捕獲を強化しています。

その結果、市町村による捕獲と合わせ、令和5年度は目標を上回る1500頭余りを防除を開始した平成19年度からの累計では約1万8000頭を捕獲しました。
年度末の推定生息数は約9100頭で、平成27年度の約1万3000頭から減少傾向にあることが確認されています。
今年度は、国や大学などの専門家のご意見も踏まえて、新たな防除方針等を検討する予定であり、引き続き手を緩めることなく、カミツキガメの根絶に向け取り組んでまいります。

次に印旛沼の水質浄化に係る取り組みについてのご質問ですが、県では、湖沼水質保全特別措置法に基づき、第8期の印旛沼に係る湖沼水質保全計画を策定し、下水道の整備、高度処理型合併処理処理浄化槽および雨水浸透施設の設置促進など、沼に流入する汚濁量を削減するための様々な対策を実施しています。

また、水質改善が進まない要因の一つである、増殖する植物プランクトンについて、気象条件等による増殖状況の調査を進め、効果的な抑制対策を検討している他、水質に影響を及ぼす外来水生植物の駆除を計画的に行うなど、沼の直接浄化対策にも取り組んでいます。
引き続き流域市町や市民団体、関係機関等と連携しながら、印旛沼の水質浄化が図られるよう、各種取り組みを着実に進めてまいります。

次に浄化槽の法定検査の受検率向上に関する取り組みについてのご質問ですが、浄化槽は、適正な設置工事や定期的な保守点検、清掃により浄化機能が発揮維持されるものであることから、それらを確認する検査の必要性について、浄化槽設置者に十分理解していただくことが重要です。

そのため県では、県民だよりやラジオ、SNSなどを活用した周知の他、新規設置者全員への検査案内や、未受検者への指導文書の送付等を行っています。
また、未受験者に受験を促す新たな取り組みとして、本年9月、指導文書に係る問い合わせから受験案内検査の申し込みまでを1ヶ所でできるワンストップ窓口を指定検査機関に設置したところ、多数の問い合わせが来ていることから、更なる周知を図ってまいります。

最後に業界団体との連携についてのご質問ですが、県では浄化槽の設置工事に関わる複数の業界団体に対し、新設後の法定検査の必要性について、浄化槽設置者へ周知していただくよう協力を依頼しているところです。
また年1回の受験が必要となる法定検査について、浄化槽の保守点検業者や清掃業者で構成する団体に対し、浄化槽設置者への受験の働きかけの協力を依頼している他、浄化槽設置者が検査を受検しやすい仕組み等について、団体や指定検査機関と検討しています。
引き続き、浄化槽の法定検査の受検促進のため、関係する業界団体と連携し、取り組みを進めてまいります。
以上でございます。

–議長
県土整備部長四童子隆君。

–四童子隆 県土整備部長
私からは、まず印旛沼の治水対策についてのご質問にお答えします。
初めに、長棟川の改修に関するご質問ですが、印旛沼から利根川への排水流路である長棟川では、排水能力の増強を図るため、富士見橋から魚を水門までの約4km区間において、護岸と堤防の整備を進めております。
今年度は将監川合流点の下流護岸で約0.1kmと、旧長棟川合流点の下流護岸が約0.5kmにおいて、護岸の整備を実施しているところです。
今後とも関係者のご理解とご協力を得ながら速やかに整備が完了するよう取り組んでまいります。

次に、鹿島川と高崎川の改修に関するご質問ですが、鹿島川では西印旛沼から高崎川合流点までの2.7km区間において、築堤等の整備を進めることとしており、これまでに約1.8kmで築堤および掘削が完成し、今年度は高崎川合流点下流約0.3kmで築堤を実施しております。
また高崎川では、鹿島川合流点から上流2.7km区間において、護岸等の整備を進めることとしておりこれまでに約2.4kmで護岸および掘削が完成したところです。
引き続き佐倉市が進めている内水対策と連携しながら、印旛沼流域の浸水被害の軽減に取り組んでまいります。

次に印旛沼流域の楽校貯留に関するご質問ですが、県では河川への雨水流出を軽減するため、印旛沼流域の学校などの公共施設において、雨水貯留浸透施設の整備を進めており、河川改修とあわせた総合的な治水対策を行っているところです。
雨水貯留浸透施設の設置を計画している県立高校は18校であり、うち10校で設置が完了し、今年度は土気高校と白井高校で整備を実施しております。
今後、流域内の残る高校につきましても、学校関係者の皆様のご協力をいただきながら、順次整備を進め、更なる治水安全度の向上に努めてまいります。

続いて県道佐倉印西線田町バイパスの進捗状況についてのご質問ですが、当該路線の田町バイパスは、線形不良の解消と、交通混雑の緩和を図るため、佐倉市田町地先から岩根地先までの1.5kmで、鹿島川の河道拡幅、鉄道橋の架け替え等と連携しながら、現道拡幅やバイパス整備を進める事業です。
鉄道と交差する区間につきましては昨年6月、道路が鉄道の上を立体交差することで、鉄道事業者と合意し、その後、事業者により測量や概略設計等が行われ、架け替え後の鉄道橋を含む軌道位置が示されたところです。
早期に道路設計に着手できるよう、引き続き関係筋機関と協議を実施していくとともに、地元の皆様のご理解とご協力をいただきながら事業の推進に努めてまいります。

次に県道富里酒々井線古沢橋の歩道整備に向けた取り組み状況についてのご質問ですが、酒々井町地先では狭隘箇所を解消し、円滑な交通と歩行者の安全を確保するため、1.7kmの現道拡幅を進めており、これまでに古沢橋から国道296号側1kmが完了しております。
残る0.7km区間につきましては、まとまった用地が確保できたところから、道路改良工事を行うとともに、古沢橋は東関東道をまたぐ約60mの橋のため、今年度から高速道路会社と歩道整備の手法などについて協議を始めたところです。
引き続き高速道路会社や地元酒々井町と連携しながら事業を推進してまいります。

最後に、国道296号角入口交差点の渋滞対策についてのご質問ですが、国道296号の角入口交差点は、南側で接続する県道富里酒々井線が大型商業施設や止水インターチェンジに通じ、北側においても住宅地やJR酒々井駅を通じていることから、交通が集中しております。

このため、県では当該交差点を含みます。周辺の交通状況を把握するため、昨年度に交通量調査を行い、特に平日の朝の時間帯に、交差点の北側から右折する車が南側から直進してくる車の影響で渋滞している状況を確認したところです。
引き続き調査結果を踏まえ、酒々井町と連携しながら、交通の円滑化に向け、右折レーンの設置を含めた交差点改良について検討してまいります。
以上でございます。

–議長
教育長冨塚昌子君。

–冨塚昌子 教育長
日本遺産北総4都市江戸紀行に関するご質問にお答えいたします。
県教育委員会では、日本遺産北総四都市江戸紀行活用協議会において、佐倉市、成田市、香取市、銚子市とともに、地域の歴史や文化について周知を図ってきたところです。

また文化財を活用した地域の活性化や観光振興に繋げるため、企業等へ積極的に働きかけ、昨年度から北総4都市を周遊するスタンプラリーや観光キャンペーン特別列車の運行などを実施してきました。
現在もJR東日本とともに、武芸や就業前、発酵文化、伝統工芸品の制作などが体験できる現地発着のバスツアーを実施しており、引き続き地元市や企業等と連携し、地域活性化などに繋がる取り組みを推進してまいります。
以上でございます。

–議長
健康福祉部長岡田慎太郎君。

–岡田慎太郎 健康福祉部長
高齢世帯の孤立化防止についてのご質問にお答えします。
本県では、2050年に5世帯に1世帯が65歳以上の単独世帯になると見込まれており、高齢者を地域で見守り、必要な支援に繋ぐ仕組み作りが重要であると認識しています。

県では1人暮らしの高齢者宅への訪問などを行う老人クラブへの助成を行う他、しないさせない孤立化を合言葉に、民間事業者との協定締結等により、高齢者の見守りや地域支えあい活動を行う千葉SSKプロジェクトを展開しています。
また今月30日には、高齢者の孤立化防止に向けた県民向け講演会を開催する予定であり、今後も高齢者が安心して暮らし続けられる地域社会の実現に向け取り組んでまいります。
以上でございます。

–議長
商工労働部長野村宗作君。

–野村宗作 商工労働部長
酒々井インターチェンジ周辺の産業用地の創出に係る県の支援についてお答えをいたします。
県では新たな雇用の場の確保や税収の増加など、地域経済の活性化に繋がる企業誘致を積極的に進めており、その受け皿となる産業用地の確保は重要な課題と認識しております。

酒々井インターチェンジ周辺は都心へのアクセスも良く成田空港にも近いことから、産業用地、中でも成長性の高い製造業や、研究施設の立地にポテンシャルの高い地域と考えております。
そこで県では街とともに新たな産業用地整備の可能性についてこれまで意見交換を重ねてきたところであり、今後は街の検討の進捗状況に合わせて、事業可能性調査や公共インフラ整備への補助などの支援について検討してまいります。
以上でございます。

–議長
伊藤昌弘君。


質問・要望(第2回目)伊藤昌弘 議員


–伊藤昌弘 議員
知事並びに関係部長におかれましては、ご丁寧な答弁いただきましてありがとうございました。
自席より再質問と要望させていただきます。

まず印旛沼の特定外来生物のうち、ナガエツルノゲイトウの駆除への取り組みについてですけれども、現在県においてその分布が拡大しております。
今後も更なる拡大が懸念されております。
これは早期の防除が必要だというふうに考えます。
現在行っている分布状況調査結果等を活用するとともに、広報活動を行いながら、効果的な防除対策を行うということをお願いしたいと思います。

これずいぶん前から私もしていて、前は本当に印旛沼だけだったんですが、今各所で見られるようになり、前は、例えば印旛沼の生態系を阻害するとか、あとは基準何かに影響があるんじゃないか。
そういう話があって、そのうち農業用水路の中の基準の問題になって、今でも水田にまで入り込んで、これ米を含めた水田農業にも大変な影響を及ぼしかねない状況になっています。

一刻も早く改善するためには、地道にずっとやるんではなくて、もう短期集中でしっかりやらないと多分このナガエツルノゲイトウというのは駆除できないんではないかと思いますので、この辺をしっかりと県で考えていただいて、集中した駆除対策この取り組みを強く要望させていただきます。

次に浄化槽の法定検査について再質問をいたします。
法定検査の受検率の向上に向けて様々な取り組みを進めていることは理解しました。先ほどの答弁では、浄化槽設置者が検査を受検しやすい仕組みについて、業界団体や指定検査機関と検討しているとのことでした。
その具体的な内容について気になるところでお聞きしたいと思います。

そこで伺います。

県が業界団体等と検討している法定検査の仕組みとはどのような内容なのか。

次に、米の生産振興についての再質問をさせていただきます。
県からは、近年の気候変動を踏まえて、品種構成などに考慮した生産振興を図るとの答弁がありました。
今千葉県では主力品種のコシヒカリで昨年も今年も非常に比率は高かったんですが、今全国的には非常に低い状況にあります。
それは今の地球温暖化の中では高温障害が出やすいコシヒカリ一点ではなかなか生産が難しいという状況を示していると思います。

葉県を考えてみますと、令和2年にデビューした粒すけは倒伏しづらいという特徴があり、また食味もしっかりと同等に近いと思っておりますので、粒すけの生産をもっと増やしていく取り組みが重要ではないかと考えます。
そこで、日本穀物検定協会が実施している米の食味ランキングの特A評価を獲得することが効果的だと考えます。
食味ランキングの祖審査は、食味官能試験で炊飯した米の外観、香り、味、粘り、硬さの5項目と総合評価による評価すると聞いています。

そこで伺います。

粒すけの特A獲得に向けた県の取り組みはどうか。

次に日本遺産を活用した観光振興についてですが、北総4都市江戸紀行を構成している4市は文化財などの魅力的な観光資源があり、また、各市が連携することで、より力強くそれらの魅力を発信することが可能となることから、引き続き、日本遺産の周知について、県には積極的に関わっていただきますことを要望いたします。

次に、高齢者対策について再質問いたします。
高齢者対策についてですけれども高齢世帯の孤立化防止に向けて、民間事業者と協定を締結しているとの答弁でしたが、ただ締結しただけでは意味がありません。
この協定が実際に地域の高齢世帯にとってどれだけ役に立っているかが重要です。

そこで伺います。

千葉SSKプロジェクトでは、具体的にどのような活動が行われているのか。

次に介護ロボットについてですけれども、これ質問でも申し上げましたが、2040年には約3万人もの介護職員が不足します。
現在でも介護職員が不足をしていて、現場は大変な状況だというふうに聞いています。
もちろん処遇改善を含めて、しっかりとした取り組みをして、介護職員を増やそうということは努力をされているわけですけれども、今後の高齢化社会を考えた場合にはそれだけでは足りません。
やはりそれを補完するのが介護ロボットではないかと思います。

今介護に参入したくても力がなくてできないという人のために、補助機能というかモビルスーツじゃないんですけどもそういうものをつけてですね、力がない方が重い物を持ち上げられたり、腰が弱い方がしっかりと支えられる、そういった介護ロボットもあるそうですし、先ほど知事が答弁していただいたように、ベットから寝たり起きたりというところとかお風呂とかが一番大事なんですけども、そこに対しての介護ロボットも大変高性能化をしています。

ただ導入にあたってですねなかなか高額なので、今いろんな保障補助制度があるんですけれども、更なる補助制度を創設をしないと、なかなか導入できないのが現状です。
今後はその点をしっかりと県の方でも考えていただいて、介護ロボットの導入を推進していただくように要望したいと思います。

次に酒々井インターチェンジ周辺の企業誘致についてですけれども、この酒々井インターチェンジ周辺は成田空港にも近く、空港の機能強化も見据えた産業の受け皿作りに最適な地域と言えます。
先ほど答弁でもありましたが、企業誘致は新たな雇用の場の確保、県および市町村の税収の増加さらには地元企業との取引拡大など、地域経済の活性化に繋がります。
県におかれましても市との連携を密にして、積極的な支援をしていただきますことを要望いたします。

次に道路問題のうちの田町バイパスについてですけれども、先ほどの答弁で、鉄道と道路の立体交差について、鉄道事業者と合意し、鉄道の概略設計を実施したとの答弁でした。
今まで進んでいなかったことが進んだ大きな一歩と思っています。
引き続き関係機関との協議を実施し、速やかに道路設計に着手いただきますよう、強く要望させていただきます。

次に古沢橋の歩道整備に向けた取り組みについてですが、今年度から高速道路会社と協議を始めたとのことです。
酒々井パーキングエリアも隣接していることから、高速道路会社との協議調整が不可欠だと考えます。

また、酒々井町では、酒々井インターチェンジやアウトレットモールなどの施設市民古沢遺跡などの観光資源を活用した今後のまち作りのあり方を検討していく意向があると聞いています。
県道富里酒々井線は、これらの施設等を結ぶ重要な路線の一つとなりますので、引き続き、高速道路会社や街との連携をして、早期整備に取り組んでいただきますことを要望いたします。
以上2問目といたします。


答弁(第2回目)


–議長
環境生活部長井上容子君。

–井上容子 環境生活部長
検討中の法定検査の仕組みについてのご質問ですが、受検率向上のためには日頃から浄化槽設置者と接している保守点検業者の役割が重要と考えておりまして現在指定検査機関が担っている窓口業務の一部を保守点検業者になっていただくことを検討しております。
面識のある業者が窓口となることで、浄化槽設置者にとって安心してワンストップで検査の申し込みが可能となると考えています。
現在個人情報などの情報共有に関する課題について確認を行っているところであり、具体的な実施に向けて引き続き検討を進めてまいります。
以上でございます。

–議長
農林水産部長前田敏也君。

–前田敏也 農林水産部長
粒すけの特A獲得に関するご質問でございますが、農林総合研究センターでは、令和4年度から8年度の研究課題といたしまして、県内4ヶ所で設置した試験補助を活用し、良食味の生産技術の確立に向けて取り組んでいるところでございます。
今後栽培技術と食味評価の関係を解析し、その栽培技術のポイントを普及することにより、良食味米である粒すけの特性が最大限に発揮されるよう取り組んでまいります。
以上でございます。

–議長
健康福祉部長岡田慎太郎君。

–岡田慎太郎 健康福祉部長
千葉SSKプロジェクトの具体的な活動についてのご質問ですが、協定を締結している民間企業には日頃の営業活動の中で見守りや声掛けに取り組んでいただいており、具体的には、高齢世帯への商品の配達時や、高齢者が店舗に来店した際に注意を払い、異変を感じた場合には、市町村の窓口や医療機関などに繋げるといった活動を行っていただいております。
以上でございます。

–議長
伊藤昌弘君。


要望(第3回目)伊藤昌弘 議員


–伊藤昌弘 議員
再質問に対しましてご答弁いただきましてありがとうございました要望を述べさせていただきます。
浄化槽の法定検査についてですが、受験率の向上に向けて、業界団体等の検討を進められているということはわかりました。
いくつかの課題もあるとは思いますが、私としても大いに期待をしているところであります。
特に、年1回の受験が義務付けられている11条検査では、受験率が令和4年度では14.2%で、全国ワースト2です。これは千葉県としても大変恥ずかしい数字ではないかと思います。

さすがにこのままでいいわけはありません。
早急に検討を進め、実施に向けて取り組んでいただくということを強く要望いたします。
また、引き続き捕手兼保守点検業者の団体や指定検査機関と協力をして、様々な取り組みを進め、浄化槽の法定検査受検率の向上により一層取り組んでいただきますことを要望いたします。

次に、米の生産振興について要望いたします。
粒すけの特A獲得は、これからの米の生産振興には欠かせないものです。
粒すけの買取価格が高くなれば、稲作農家は今まで以上に粒すけを生産するようになります。
販路においても粒すけは県の育成品種ですので、他県との差別化を図ることができます。

また先ほど申し上げましたように、粒も大きく、倒伏しづらいといった生産者のメリットもあります。粒すけが早期に特Aを獲得できるよう強く要望いたします。また近年は温暖化の進行により、高温に強い品種が求められます。
県においては、高温に強く、さらに食味の強い品種の育成を要望いたします。

最後に高齢者対策についてですが、超高齢化社会の中、地域においては、今後支援を必要としているにも関わらず、誰にも気づかれないままとなってしまう高齢世帯が増える恐れがあります。
そのようなことがないよう、民間事業者も含め、地域全体で高齢者を支援する取り組みをさらに強化していただくということを要望いたします。

以上で私の質問あります。
ご清聴いただきましてありがとうございました。