本日の県議会をいち早くお伝えいたします。
※複数人体制でチェックしてはいますが、できるだけ早く、皆様に議会での議論をお届けしたいと文字起こしをしているため、誤字などもあります。ご容赦いただき、各自、ご確認ください。
本日(2024/11/26)午前二人目の一般質問は、自由民主党の渡辺務議員でした。
質問項目
- 住宅と防災について
- 企業誘致と商工業対策について
- 6次産業化について
- 水産業について
- 介護・福祉人材について
- 交番・駐在所について
- その他
議会質問・答弁の書き起こし全文
質問(第1回目)渡辺務 議員
–渡辺務 議員
皆さんおはようございます。
自民党富津市選出渡辺務です。
今回質問の機会を与えていただいた先輩議員並びに同僚人に感謝を申し上げます。
また本日は、地元富津市天羽地区から日頃助言やご指導をいただいている皆さんに、傍聴に来ていただきました。
ありがとうございます。
では初めに、住宅と防災について伺います。
まずZEH住宅についてです。
気候変動の問題の解決に向けて、国では2050年までに温室効果ガスの排出を全体として、実質ゼロにする。
カーボンニュートラルの実現を目指しているところですが、特に我が国のエネルギー消費量の約3割を占める。
住宅建物分野における取り組みは重要です。
エネルギー基本計画において、2030年度以降新築される住宅では、ネットゼロエネルギーハウス以下、ZEHハウスと言いますが、このような高い省エネ性能の確保を目指すとしています。
これは住宅の気密性や断熱性を高めて、熱効率を向上させて、そこにかかる化石燃料の使用量を減らし、太陽光発電などでエネルギーを供給し、相対的に二酸化炭素の排出をゼロにしようという目標です。
それを踏まえて、来年4月から着工する全ての新築住宅に新たに省エネ適合義務が課せられます。
具体的には、外皮熱貫流率とか、平均日射取得率など、専門的な指標を計算する必要が出てきます。
しかしながら、住宅の供給サイドでは、地場の中小工務店による、そのことへの対応に大きな課題が出てきています。
私の地元でも、性能評価の難しさなどから、新断熱基準やZEH基準に対応した新築住宅を作れない。
そういう中小工務店や大工さんの声が聞こえてきます。
先ほどの外皮熱貫流率や日射取得率はもとより、そもそもZEHってなんだそれという業者さんがほとんどです。
私はこれまで地域への住宅供給に大きな役割を果たしてきた地元の中小工務店、あるいは大工さんが新しい基準対応の住宅を建てられないため配慮してしまい、地域から建築に関するスキルが失われていることを大いに懸念しています。
そこで伺います。
中小工務店における設置施工の促進に向けて、県ではどのような取り組みを行っているのか。
次に木造住宅の耐震化について今年元旦に能登半島地震が発生したことを受け、私も8月に石川県の輪島市や珠洲市を中心に、被災地の視察に伺いました。
当時は全国的に見ても、中間層の平均所得っていうのが結構高くて、古い木造住宅でも大きな木材材料を使い、黒瓦を敷いた入母屋の立派な邸宅が多く、存在していました。
しかしそんな立派な邸宅も、今回の地震で多数倒壊してしまいました。
我が会派で先日、千葉大の工学部の先生のお話を伺いました。
大地震が発生すると、倒壊するときは数秒から数十秒しかかからない、逃げる時間はほとんどない。とのお話でした。
千葉県耐震改修促進計画では、県全体の住宅の耐震化率は92%であると公表していますが、市町村の公表値では、自治体ごとにばらつきがあります。
都市部の近代的なマンションと地方の古い一戸建て住宅では、耐震化率は大きく異なっているのが現実です。
お手元に、私の地元富津市のデータがあります。
議長の許可をいただき、資料として出させていただきました。
昭和55年以前の旧耐震基準で建てられた住宅のうち、建築時点で新基準をクリアできていた建物が、6069戸のうちの3235戸、53.3%基準を満たしていない建物2834戸のうち、その後、耐震補強を行った住宅が288戸で、わずか5%今なお耐震性が不十分と判定されている木造住宅が6069戸中、2546戸約42%92%と42%です。
つまり、都市部のマンションなど集合住宅と地方の山村の古い住宅を一緒にまとめて耐震化率を考えることで、深刻な事態が見えなくなってしまっています。
これは私が能登半島の被災地を見て一番感じたことです。
実際に高齢者が住まわれている古い木造住宅については、耐震性が不足していても、費用の問題だけではなくて、今更補強しても、次に住む人がいない、自分たちの世代が住まなくなれば、空き家になってしまうから意味がない。
そんな理由で、なかなか耐震改修を行うという考えにならないというのが現状です。
仮にそういう地域が巨大地震に襲われたとしたら、軒並み倒壊してしまうことが懸念されます。県民の命を守るためにも、住宅の耐震化に係る対応は細やかな目を持つべきと考えます。
そこでお伺いします
古い木造住宅に対しても耐震化を進めるべきと考えるが、県はどのように取り組んでいるのか。
次に水道施設の耐震化について伺います。
能登半島地震では、耐震化されていなかった浄水場に直結する管路、いわゆる基幹管路等に被害が生じたことで、広範囲で断水し、復旧が長期化しました。
事実私が伺った時点では、被災から8ヶ月以上が経過していましたが、未だに断水や仮設の注水設備で対応している地域が多数ありました。
国の検討委員会では、被災すると広範囲かつ長期的に影響を及ぼすおそれのある基幹管路などの耐震化を計画的かつ重点的に進めるべきとしています。
私の地元富津市を給水区域とする、上総水道広域連合企業団でも耐震化の取り組みが遅れています。基幹管路の耐震適合率は約3割程度災害に強い水道施設を構築するためにも、この分野をしっかりと進めていく必要があります。
耐震管には管と管を繋ぐ継ぎ手部分に、伸縮性や離脱を防止する機能を有する楽タイル鋳鉄管など様々な種類がありますが、各水道事業体で、選定した上で、基幹管路の耐震化を進めていくべきと考えます。
そこで伺います。
県内水道事業体における基幹管路の耐震化について県はどのように取り組んでいるのか。
次に、応急仮設住宅について伺います。
能登半島地震の視察の際には、現地で地元の区長さんや、応急仮設住宅の建設作業者から話を伺うとともに、応急仮設住宅の内部も見させていただきました。
現場作業をされている方々は、被災者のために1日でも早くと懸命に工事に取り組んでおられました、頭が下がります。
一方で、被災してから着工するまでに時間を要している現場はあったとも伺いました。
大規模な災害が発生したら早期に住宅を提供する必要があることから、私がこの6月の本会議で、応急仮設住宅の早期建設について質問したところ、執行部からは、能登半島地震で建設実績がある団体と協定締結に向けた検討を行うとの答弁がありました。
その後県ではこの9月に日本ログハウス協会、日本ムービングハウス協会と協定を締結し、これにより、建設型応急住宅の協定団体は5団体となりました。
しかし、ただ協定を締結しただけでは円滑に迅速に建設をすることは難しいと思います。
建設候補地の確認や、実際に建設する建物の間取りなどについて、県が主体となって、事前に市町村や協定団体と打ち合わせを行うなど、平時からの連携が重要であると思います。
そこで伺います。
建設型応急住宅を速やかに提供するために、平時から市町村や協定団体とどのように連携をしているのか。
能登半島では関係者が懸命に地震の復旧復興している中、この9月の豪雨により、応急仮設住宅の一部においても浸水被害があり、住んでいる方が再度避難することとなってしまいました。
土地が足りずに、元々田んぼだったところを地盤改良して、仮設住宅を建設したのだと、そのとき説明を受けました。
私が伺ったわずか数週間後に、仮設住宅の浸水に見舞われた方々のことを思うと、胸が締め付けられるような思いでありました。
千葉県における応急仮設住宅の建設候補地調査においては、そのうちの約4割が浸水区域に含まれると伺っており、能登半島と同様の事態に陥ることも想定されます。
そこで伺います。
応急仮設住宅の建設候補地に浸水想定区域が含まれることについて、県の認識はどうか。
次に、企業誘致と商工業対策について伺います。
まずは企業誘致についてです。
先日、ある関係者から北海道の半導体企業の建設現場の話を伺いました。
建設される工場の規模に大変驚いたとともに、その取引先や関連企業の進出が同時に進んでいるとのこと関連産業を含めて誘致することで、地域経済の活性化や雇用、税収の増加に繋がるものと感じたところです。
また、前回の議会において同僚議員から、デジタル技術など、これから成長する産業をターゲットとした企業誘致の質問の際、知事の答弁は、今後成長が見込まれる産業を県内に誘致することは、県経済の活性化に大きく寄与するものと考えている。
県では、将来性の高い産業企業の情報収集や誘致活動の強化に戦略的に取り組んでいる。というものでした。
北海道とは異なり千葉県は現在、産業用地が限られていますが、それでも企業集積という観点は重要であり、県が現在具体的にそのような視点で誘致活動に取り組んでいるのか気になるところです。
そこで伺います。
成長が見込まれる産業の集積や製造研究業務機能等の集積により、更なる経済効果が期待できると考えるが、どのように誘致活動に取り組んでいるか。
次に、中小企業小規模事業者への支援について伺います。
中小企業を取り巻く経営環境はまだまだ厳しい状況が続いています。
知り合いの経営者の中でも従業員を抱えているところでは、今後事業を続けていけるかどうかが不安だという声が聞かれます。
このような課題を抱える経営者に対してどのような選択肢があり、どのように取り組んでいけばよいか。
専門的な知見からの助言や支援は大変有益です。
そこで伺います。事業の継続に不安を抱えている中小企業小規模事業者に対して、県はどのような支援をしているのか。
次に6次産業化について伺います。
千葉県は温暖な気候と首都圏に位置する恵まれた立地条件、さらに農林水産業者の高い技術と、意欲に支えられた屈指の農林水産県であり、全国の消費者に新鮮で美味しい食材を提供しています。
しかしながら近年では、生産者の減少、高齢化の進展、生産コストの上昇などが大きな課題となっています。
農業者の所得向上を図り、農村の活性化に繋げていくためには、農産物の高付加価値化や販路の拡大など生産から販売サービスの提供までを一貫して行う6次産業化の推進が重要と考えています。
一方で、6次産業化の取り組みは、初期投資が伴うなどのリスクや事業化に必要な知識やノウハウの習得、資金の確保、開発商品の販売戦略の必要性など、生産者が自ら参入することが難しい状況にあります。
実際に私の地元の野菜農家が地元レストランのシェフと連携して、新鮮野菜のソースを開発しようと考え、保健所に相談に行ったところ、衛生基準を満たすためには高価な機械設備が必要ということがわかりました。
食の安全を確保するため、食品衛生の基準を下げられないのは承知してるんだけども、衛生基準を満たす機械設備を導入して、個人で取り組むにはハードルが高すぎるとの話を伺いました。
この方のように農業者個人が食の安全を確保しつつ、6次産業化に取り組む際には、国や県のきめ細やかな支援が必要と感じたところです。
そこで伺います。
農業者が6次産業化に取り組むにあたり、どのような支援をしているのか。
次に、水産業について伺います。
先日我が党の代表質問において、水産総合研究センター施設の再編整備に取り組んでいるとの答弁があり、富津市にある種苗生産研究所は、今年度から工事に着手するとのことでした。
富津市の施設では、マコガレイなど、種苗の生産を行っており、その効果について地元漁業関係者からは東京湾では、海洋環境変化の影響により、水産資源が少なくなっている。そんな中で、種苗放流は大変役に立っているとの声があり、老朽化施設を整備することにより、質の高い種苗をより多く生産できるようになるのではないか、そう期待しているところです。
また、海水温の上昇によりとれる魚の種類も変わっている環境に適応した新たな業種を放流することで、漁業経営の安定を図れないものかとの声も聞いています。
今や宝の海東京湾は漁場生産量が減少しており、漁業者の経営は大変厳しい状況となっています。県ではその減少に対応するため、海水の詳しいデータを収集解析し情報を業者に発信するなどの支援や、栄養塩が魚介類に及ぼす影響などの研究に取り組んでいますが、種苗放流というのは、水産資源を積極的に増やす手法として、効果的であると考えられます。
そこで伺います。
東京湾における水産資源の維持拡大増大に向けて、県は、種苗放流にどのように取り組んでいるのか。
次に介護福祉人材について伺いします。
まず、介護職員についてです。
高齢化の急速な進展に伴い介護サービスの需要が大幅に増加することが見込まれています。
介護に携わる人材の確保定着は喫緊の課題であり、介護の職に就いた方が自分の職務に誇りとやりがいを持ち、長く働き続けられる環境を整えることが重要です。
一方で、介護の仕事は、利用者の身体に直接触れることや家族の生活に密接に関わることが多くて、利用者やその家族から著しい迷惑行為、いわゆるカスタマーハラスメントを受けやすい環境にあると言えます。
介護現場における利用者等からのハラスメントの事例としては、コップをなぜつける蹴るなどの身体的暴力、怒鳴るなど個人の尊厳や人格を言葉や態度によって傷つける精神的暴力、そして三つ目が性的な嫌がらせ行為であるセクシャルハラスメントなどがあると聞いています。
介護の職員ついた方がハラスメントを受けたことで、その職を辞めてしまうしまうようなことが続けば、介護を必要とする高齢者のサービス提供にも支障をきたすことになります。
今後こうした部分への対策を行い、介護人材の流出を防ぐことが必要です。
そこで伺います。
介護職員に対する利用者等からのハラスメントの実態はどうか、また対策について、県はどう考えているのか。
カスタマーハラスメントへの対策が必要なのは、介護現場だけではありません。障害福祉サービスにも同様のきめ細やかな支援が必要です。
実際に障害福祉サービスを提供する現場でも、利用者やその家族等から職員に対する個人の尊厳や人格を言葉や態度によって傷つけたりおとしめたりする行為や、子供の障害を認めたくない、そういう保護者からのハラスメントなどがあると聞いております。
介護サービスを提供する現場と同様に、職員が安心して働くことができる職場環境作りが必要と考えます。
そこで伺います。
障害福祉サービスに従事する職員に対する利用者等からのハラスメントの実態はどうか、また対策はどうか。
次に、交番駐在所について伺います。
まず、港駐在所についてです。
昨年12月の一般質問において、富津警察署庁舎整備について質問したところですが、富津警察署は、いよいよ来月末には市内南部の天羽地区から市内中部の大沢地区へ移転し、解消します。
今まで警察署があった天羽地区の治安維持のため佐貫駐在所をJR上総湊駅前に移転して、名称を湊駐在所に変更し、警察署と同時に解消すると伺っていますが、地元住民の最も身近な安全安心のよりどころとして、地域の治安対策を担う交番駐在所の役割は非常に大きいものと認識しています。
そこで伺います。
天羽地区の治安維持について、港駐在所の役割を含め、どのように推進していくのか。
次にアシストポリス制度について伺います。
ここ数年、最近関東地方で緊縛強盗事件が相次いで発生しており、10月16日には、白井市内の田園地帯にある一軒家が、被害に遭うなど、都市部以外でも凶悪な犯罪が発生していることから、これまで警察署があった天羽地区の住民も不安に感じているところです。
こうした中、県警では、本年6月から、コンビニエンスストアの各店舗に担当警察官を指定するアシストポリス制度の運用開始連携した取り組みを実施していると伺いました。
県内の様々な地域に存在するコンビニは、制服の警察官が立ち寄るだけでも、店舗利用者や近隣住民に安心感を与えることができるため、警察との連携はとても良い取り組みだと考えます。
警察署が移転する天羽地区でも、このアシストポリス制度には大いに期待しているところであります。
そこで伺います。
警察署移転に伴うアシストポリスの運用や効果に影響はないのか。
以上で1回目の質問といたします。
ご答弁よろしくお願いいたします。
答弁(第1回目)
–議長
渡辺努くんの質問に対する当局の答弁を求めます。
知事熊谷俊人君。
–熊谷俊人 知事
自民党の渡辺務議員のご質問にお答えをいたします。
まず企業誘致と商工業対策についてお答えいたします。
事業の継続に不安を抱えている中小企業小規模事業者に対する県の支援についてのご質問ですが、中小企業の中には、後継者不在の中での事業存続や、経済環境の変化に対応するための経営革新など、様々な不安を抱えているものの、どこに相談すればいいのか悩んでいる経営者もいらっしゃいます。
そのため県ではこうした課題にワンストップで対応するチャレンジ企業支援センターを設置をし、まずは中小企業診断士等があらゆる相談を受け付け、その後必要に応じ、アドバイスや専門家の派遣などにより、課題解決までの伴走型支援を行っています。
また、より専門的な支援が必要な場合、例えば事業承継のケースでは、千葉県事業承継引き継ぎ支援センターに新事業展開DXなどの専門人材を採用したいケースはプロフェッショナル人材戦略拠点の支援に繋いでおります。
今後もこうした取り組みを多面的に展開していくことにより、中小企業小規模事業者の持続的な発展を支援をしてまいります。
次に水産業についてお答えをいたします。
東京湾における水産資源の維持増大に係る種苗放流についてのご質問ですが、県では水産振興公社等と連携をして、計画的かつ効率的にマダイやヒラメなどの稚魚を生産し、県内各地で放流しており、令和5年度は東京湾では、小型底引き網漁業に重要なマコガレイ46万日クルマエビ611万尾などを保留いたしました。
また新たな業種として、近年漁獲量が増加傾向にあり、高い収益が見込まれるトラフグについては試験放流を行いながら、量産技術の開発や放流効果の把握に取り組んでいるところです。
さらに良質な種苗の生産を効率的かつ安定的に続けるため、老朽化した施設の再編整備を進めているところであり、引き続き計画的な種苗放流や資源管理に取り組むことで、水産資源の維持増大を図ってまいります。
私からは以上でございます。
他の質問につきましては担当部局長からお答えをいたします。
–議長
環境生活部長井上容子君。
–井上容子 環境生活部長
住宅等防災について、ZEH施工促進に向けた県の取り組みについてのご質問にお答えいたします。
2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、住宅のゼロエネルギー化は不可欠であり、千葉県地球温暖化対策実行計画においては、新築住宅の着工件数に占めるZEHの割合を2030年度までに100%にすることを目標としているところです。
現在、大手ハウスメーカー施工の中、新築住宅については、ZEHが一般的になりつつありますが、中小工務店では施工のノウハウが不足しており、普及が進んでいない状況です。
そこで県では、今年度から中小工務店が施工したZEH住宅の取得に対する補助制度を創設するとともに、建築事業者等を対象にZEH施工をテーマとしたセミナーを開催するなど、普及啓発にも取り組んでおり、今後も中小工務店に対する支援に努めてまいります。
以上でございます。
–議長
都市整備局長澤裕之君。
–澤宏幸 都市整備局長
私からは、まず古い木造住宅に対する耐震化の取り組みについてのご質問にお答えいたします。
古い木造住宅の耐震化は地震発生時に建物の倒壊による被害の防止を図る上で、重要であることから、県では、市町村が住宅の耐震改修等に対する支援を行う場合に、その経費の一部を補助しています。
さらに、耐震相談会の開催や各種広報媒体の活用により、所有者へ普及啓発を行っている他、旧耐震基準の住宅所有者への個別訪問等、耐震化に積極的な自治体の事例について、情報、情報共有を図るなど、市町村が行う耐震化に係る取り組みへの支援を行っているところです。
引き続き、市町村と連携し、地域の実情に合わせて、補助制度の活用を促すとともに、所有者耐震化の必要に周知するなど、木造住宅の耐震化を進めてまいります。
次に、応急仮設住宅の建設に係る連携についてのご質問ですが、建設型応急住宅を迅速に供給するには、平時から市町村や協定団体と連携して、準備を進めることが重要であることから、毎年、供給対応訓練を実施しています。
今月7日に実施した訓練においては、被災地へ派遣した県職員による活動状況の報告や、協定団体における間取りや個数に応じた配置計画を作成するプログラムの活用事例などについて、情報提供を行ったところです。
今後は、訓練で提供された情報を踏まえ、供給マニュアルの見直しを行うなど、引き続き、市町村や協定団体と連携しながら、災害時の速やかな供給に取り組んでまいります。
次に、応急仮設住宅の建設候補地についてのご質問ですが、応急仮設住宅の建設にあたっては、まずは浸水想定区域に該当していない箇所から優先的に選定していくなど、浸水リスクを踏まえた建設地の選定を行っていく必要があると認識しています。
このため、県では現在、市町村と協力して実施している調査において、建設候補地が浸水想定区域内である場合に想定される浸水の深さの確認や、新たな候補地の検討など、調査項目の拡充を行ったところです。
今後は新たな調査により把握した浸水リスクを踏まえた上で、平時から市町村と情報共有を図りながら、災害が発生した際、迅速に建設地を選定できるよう備えてまいります。
以上でございます。
–議長
総合企画部長冨沢昇君。
–冨沢昇 総合企画部長
水道の基幹管路耐震化の取り組みについてお答えいたします。
県内水道事業体の基幹管路の耐震適合率は、令和4年度末時点で62.3%と、全国平均より約20ポイント高くなっていますが、事業体間で大きな差がある状況です。
基幹管路は地震等で破損した場合、広範囲に影響を及ぼすおそれがあり、優先的に耐震化を進める必要があります。
そのため県では、水道事業体向けの研修会や、検査の他、特に基幹管路の耐震適合率が低い事業体を訪問するなどして、耐震化を働きかけているところです。
引き続き様々な機会を通じて、県内水道事業体に対し、国庫補助を活用して計画的に耐震化に取り組むよう助言するとともに、国に対しては補助率の引き上げや、採択要件の緩和などを要望してまいります。
以上でございます。
–議長
商工労働部長野村宗作君。
–野村宗作 商工労働部長
成長産業や機能の集積に向けた企業誘致活動についてお答えをいたします。
類似の産業分野や機能が特定のエリアに集積することは、立地企業同士の相互の連携や協力などの相乗効果が見込まれるなど、大きな経済波及効果が期待されます。
そこで県では、企業誘致活動の際に既に県内に本社や主要施設が所在している企業についても積極的に訪問し、当該企業の取引先や関係企業の進出を促進することとしております。
この取り組みの積み重ねにより、将来的には産業分野の集積が進んでいくものと考えております。
また研究開発機能が集積する柏の葉エリアや業務機能が集積する幕張新都心地区では、その地域特性を活用し、研究開発業務機能の進出、移転ニーズのある企業への誘致に努めており、有力な企業の本社や研究開発施設の誘致が実現するなど、それぞれの機能集積が一層進んでいることから、成果は着実に上がっているものと認識しております。
以上でございます。
-議長
農林水産部長前田敏也君。
–前田敏也 農林水産部長
私からは6次産業化への支援についてお答えいたします。
県では、農業者が生産だけにとどまらず、生産物の付加価値を高めるため、自ら加工や販売農家レストランの運営など経営の多角化を進める6次産業化の取り組みを支援しているところです。
前田敏也 農林水産部長
具体的には、農業者からの6次産業化の相談にワンストップで対応する農山漁村発イノベーションサポートセンターを設置し、専門家派遣や人材育成研修会を開催する他、加工機械や施設整備への補助など、ハードソフト両面から支援しています。
これらの支援を通じて、蜂蜜で作ったお酒や落花生ペーストの製造販売など、農業者の所得向上に繋がる新たな取り組みが創出されており、引き続き農業者の6次産業化の取り組みを支援してまいります。
以上でございます。
–議長
健康福祉部長岡田慎太郎君。
–岡田慎太郎 健康福祉部長
初めに介護職員に対する利用者等からのハラスメントについてのご質問ですが、令和5年度に行われた介護職員等に対する全国的なアンケート調査によると、約4割の職員が過去1年間に利用者やその家族からハラスメントを受けたことがあるとの結果が出ています。
職員を利用者等によるハラスメントから守るためには、まず介護サービス事業者において対策を講じることが重要であると考えており、県では事業者に対する指導などの機会を捉えて、マニュアルや対応の事例集を紹介するなど対策が進むよう支援しています。
また、利用者等に介護保険制度の目的やサービスの範囲に関して正しく理解していただくことも有効な対策であると考えており、県民だより等を通じて広報啓発に取り組んでいます。
今後も介護職員に対するハラスメント対策について、他の自治体の事例等も参考にしながら更なる取り組みを検討してまいります。
次に、障害福祉サービスに従事する職員に対するハラスメントについてのご質問ですが、職員が安心して働くことのできる職場環境、労働環境を整えるためには、障害福祉サービス事業者が利用者等からのハラスメントに対して適切な対策を講じることが重要だと認識しています。
国が障害福祉サービス等に従事する職員を対象に、令和3年度に実施したアンケート調査によると、ハラスメントを受けたことのある職員の割合は利用者本人からが約4割、また利用者の家族等からが約2割という結果になっています。
そのため県では、事業者への説明会などで、ハラスメント対策について周知を行うとともに、県ホームページで対応マニュアルや研修の手引き等を紹介しているところであり、今後も事業所におけるハラスメント対策が推進されるよう支援してまいります。
以上でございます。
–議長
警察本部長宮沢忠孝君。
–宮沢忠孝 警察本部長
私からは交番駐在所についてお答えいたします。
港駐在所の役割を含めた天羽地区の治安維持に関するご質問ですが、駐在所は地域に溶け込み、地域の実態に即した活動を行うことで、治安維持を果たすことが求められており、来月開所する港駐在所についても、その役割は同様であります。
港駐在所の解消は、受け持ち区の実態を把握した上、パトロールなどの各種街頭活動や、地域住民の意見、要望に応える活動を推進するとともに、近隣駐在所やパトカー、移動交番車と連携し、事件事故への対応に万全を期すなど治安の維持に努めてまいります。
次にアシストポリス制度に関するご質問ですが、同制度に期待される効果としては、コンビニ強盗等への防犯対策の強化、電話de詐欺を初めとする各種犯罪の被害防止、犯罪捜査や交通事故防止に対する憲法の協力などが挙げられます。
また同制度は、主に交番や駐在所で勤務す
る警察官がコンビニエンスストアの店舗ごとに指定されているため、警察署の移転により、その運用が変わることはありません。
引き続き、コンビニエンスストアと連携しながら、地域の安全安心の実現に向けて、取り組んでまいります。
以上でございます。
–議長
渡辺務君。
質問・要望(第2回目)渡辺務 議員
–渡辺務 議員
知事を初め執行部の皆様には丁寧なご答弁をいただき、ありがとうございました。
それでは何点か再質問と要望をさせていただきます。
まずZEH住宅について要望です。来年4月1日以降の着工から全ての建築物において、平成28年に定められた省エネ基準への適合義務化が始まります。
そこへの円滑な移行に向け、設計施工等に携わる方々を対象に、国において設計等実務講習会および断熱施工実技研修会を実施するとのこと昔から地域の住宅環境を守ってきた人たちや、その技術を継承した若者たちが安心して仕事を続けられるような環境を作ることは、住宅政策を進める側の責任であると思います。
一刻も早く具体的な対策を実施していただきたい。
具体的に言うと、この新基準の適合を判定するには、専用のアプリを使用して、そこに建物情報をはめ込むことで比較的容易に判断することが可能だそうです。
今住宅建築に従事する若い人たちに、彼らが得意なICTの積極的活用を促し、これだったら自分の仕事としてやりがいを持って取り組めると、自己実現を可能にする取り組みベテラン世代が難しくて入り込めない分野でも比較的入りやすい世代に仕事を分担することで、業界の若返りとスキルアップを促す仕組みを主導していただくようお願いいたします。
次に木造住宅の耐震化について古い木造住宅に住まわれている方は高齢の方が多く、様々な理由から、なかなか耐震改修を行おうという気持ちにならないと思います。
能登半島で犠牲になられた方々の中には、そんなお年寄りも多くいたのだと認識しています。
県民の命を守るためにも、表向きの耐震化率に安心することなく、実態に即したデータをもとに、耐震化の必要性を伝え、耐震改修が進むように取り組むことを要望いたします。
次に、応急仮設住宅についての要望です。
被災者は、家が倒壊してしまうと、その日から住む場所を失い、着の身着のままの生活を余儀なくされます。
被災された方が少しでも早く安心して暮らすには、平時からの供給体制の構築や浸水リスクを踏まえた候補地選定が重要となってきます。
引き続き国と県が主体となり、市町村や協定団体と一層の連携を図りながら取り組んでもらうよう要望をいたします。
次に企業誘致についてです。
企業誘致活動に県が積極的に取り組み、産業や企業の集積が進んでいる状況は理解できました。
今後、核となる企業の誘致により、産業や企業の機能の集積が進み、本県経済の活性化が実現するよう、より一層の誘致活動へ尽力いただくよう要望いたします。
次に6次産業について再質問をさせていただきます。
6次産業化に取り組む際に、国や県などによる施設や機械整備への支援以外にも、ワンストップで対応するサポートセンターによる支援が受けられるとのご答弁いただきました。
このうちサポートセンターが専門家派遣を行っているとのことです。
そこで伺います。
サポートセンターで行う専門家派遣は、具体的にどのような支援を行っているのか。
次に、水産業についてです。
今後改修工事が行われる予定の富津種苗生産研究所では、海水温上昇に対応して、先ほど答弁にもありましたが、トラフグの種苗生産もその計画に含まれていると伺いました。
漁業関係者からの期待の大きい種苗放流ですので、東京湾の漁業者のために安定した種苗放流を継続していただきたいとそのためにも、施設の再編整備を着実に進めていただくよう要望いたします。
介護障害福祉サービス職員のカスタマーハラスメントについて要望いたします。
介護福祉職員に対するカスタマーハラスメントについては、まずは事業者において、対策を講じることが重要ということでありますが、事業者によって対応力に差があり、場合によっては担当している職員が1人で問題を抱え込んでしまうこともあると思います。
従事する職員が頑張ってやっていこう、そういう気力を失なってしまわないように、事業者の対応力向上に向け、より直接的なサポートをするよう要望いたします。
以上、2回目の要望等質問といたします。
答弁(第2回目)
–議長
農林水産部長前田俊哉君。
–前田敏也 農林水産部長
農山漁村発イノベーションサポートセンターの専門家派遣の取り組みについてのご質問です。
センターでは、6次産業化の取り組みの発展段階に応じまして、中小企業診断士や加工技術、マーケティングなどの専門家を派遣し、商品開発や販路開拓の助言ですとか、あるいは生産者のやりたいことを実現できるよう事業計画の策定支援などを行っているところでございます。
以上でございます。
–議長
渡辺務君。
要望(第3回目)渡辺務 議員
それでは最後に、6次産業化について要望させていただきます。
地方の再生を考える上で、その地域が勝てるポイントをどう伸ばしていくか、これを考えないわけにはいきません。
それはその地域に住んでいる人々にも豊かで健康的な生活をする権利があるからです。
つまり、地方にある1次産業に優位な土地や、水を初めとするインフラ、これを上手に生かすことで、その地域の特色のある生活が守られていくんだと思います。
今までの6次産業は、加工メーカーが一律に、例えばソフトドレッシングなどをOEMの形で請けおう形態っていうのが多くて、農家生産者はその利用しやすい流れに乗っていくことが、6次産業化のロードマップと考えられてきました。
でも農業従事者の本来の意味での所得安定のためには、様々な可能性を多角的に自由な発想で取り組むことが必要だと考えます。
国の6次産業化ネットワークの事例を見ると、他業種からの参入、これは比較的大きな資本が多いんですけども、そこでは売り上げアップ等、成功事例も多く出ています。
ところが、農業生産者自身が事業6次化するベクトルっていうのはさほど多くありません。
生産者には意欲を持っている人はいますが、日々の作業に追われて、事業構想を練る余裕がありません。
支援機構や園芸協会の支援も申し訳ないんですけどパターン化されてしまったり、成功事例の紹介にとどまってしまってたりしています。
興味のある人が共通のプラットフォームの中で情報交換をできる仕組みは、今でも事実あるんですけども人と人との連携を多角的に広げた上で、様々な補助制度の活用や規制の解除などの対応をしていくことまで踏み込むには、行政の役割が重要だと考えます。
その重要な発想を形にするサポートがもし行政にできれば、農家の後継者問題や高い生産性の維持は可能になるのではないかと考えます。
生産者の皆さんが農作業の合間に今日できてしまった生産過剰の作物これの情報をスマホで発信したり、加工業者がその情報を得て、旬の野菜をタイムリーに仕入れたりできるようなプラットフォーム、これを活用する。
そして自由な発想を展開できる仕組み作りをさらに付け加えれば、行政の信用と安心の中で構築する。
とりあえずその辺から進めるべきではないかと私は考えます。
そのことを要望させていただきまして、私の一般質問を終わります。
ご清聴ありがとうございました。