本日の県議会をいち早くお伝えいたします。
※複数人体制でチェックしてはいますが、できるだけ早く、皆様に議会での議論をお届けしたいと文字起こしをしているため、誤字などもあります。ご容赦いただき、各自、ご確認ください。
本日(2024/11/25)午前二人目の一般質問は、立憲民主党の山下洋輔議員でした。
質問項目
- 孤独・孤立対策について
- 児童相談所について
- 中小企業の販路開拓支援について
- オープンデータの活用について
- 手賀沼について
- MLA連携について
- 文化財の普及・活用について
- 教員未配置の解消について
- 校内教育支援センターについて
- 日本語指導の必要な児童生徒への支援について
- 警察官の確保について
- その他
議会質問・答弁の書き起こし全文
質問(第1回目)山下洋輔 議員
【1.孤独・孤立対策について】
まず、孤独・孤立対策についてです。
団塊ジュニア世代が75歳以上になる2050年には、1人で暮らす高齢者の割合が急増し、46都道府県で75歳以上人口に占める一人暮らしの割合が2割を超えることが、今月12日に公表された国立社会保障•人口問題研究所の世帯数の将来推計により示されました。千葉県は、2050年には全世帯に占める75歳以上の世帯は27.7%、75歳以上人口に占める一人暮らしは29.0%と推計されています。
在宅医療や介護の体制拡充など、高齢者の生活を支える仕組みづくりは急務です。
ただ、介護や医療だけでなく、意思決定の支援や、貧困対策、防犯といった問題について、地域での取り組みが必要になると考えられます。
たとえば、身寄りのない高齢者や頼れる身内のいない方を対象に、入院や老人施設入所時、身元保証や日常生活支援、賃貸住宅契約や医療同意、亡くなった後の死後事務などを支援する身元保証等高齢者サポート事業を提供する民間の取り組みの需要も増えてきています。
家族ありきの社会システムは限界を迎えていると言っても過言ではありません。
そこで、お伺いします。
身寄りのない高齢者など、単身世帯が増えていく中、県として孤独・孤立対策にどのように取り組んでいくのか。
【2.児童相談所について】
次に、児童相談所についてです。
児童福祉司、児童心理司、児童指導員等の専門職の人材確保について、全国的に困難になっており、自治体間での人材獲得競争、若手世代の大量採用による職員の年代構成の著しい偏りなどが課題となっています。
年々増加する児童虐待等に対応するため、(仮称)東葛飾児童相談所など、新たに開設することが決定されていますが、そのためには多くの人材が必要となります。
中核市である柏市や船橋市でも、独自に児童相談所を設置するため、準備を 進めていますが、専門的人材の確保、育成が大きな課題となっています。千葉県として、柏市や船橋市に児童福祉司及び児童心理司、そして、それぞれのスーパーバイザーや所長等、実務経験が豊富な職員等を派遣するような支援が望ましいところですが、まずは千葉県における人材確保の対策を講じなければなりません。
そこで、お伺いいたします。
児童相談所の人材確保について現状はどうか。また、今後どのように取り組んでいくのか。
【3.中小企業の販路開拓支援について】
次に、中小企業の販路開拓支援についてです。
本定例県議会の我が党の代表質問においては、自社の強みを活かした新たなビジネスに挑戦し、さらなる成長を目指す中小・ベンチャー企業への支援を伺いましたが、私からの一般質問では、中小企業が抱える個別課題の1つである販路開拓をテーマに取り上げたいと思います。
原材料価格の高騰や人手不足を解消するための賃上げが求められるなど、中小企業を取り巻く環境が厳しさを増す中で、中小企業がその原資を確保するためには、作り出した製品やサービスを企業や消費者に、いかに売り込んでいくかといったことが重要となります。
また、どんなに素晴らしい製品が生み出されたとしても、販売が進まなければ、企業の成長を期待することが出来ず、結果的に地域経済の活性化にも繋がりません。
こうしたことから、県として、中小企業の販路開拓についても、前向きに支援していただきたいと思います。
そこで伺います。
中小企業の販路開拓支援について、県としてどのように取り組んでいるのか。
【4.オープンデータの活用について】
次にオープンデータの活用についてです。
オープンデータの活用は、行政の効率化という観点からだけでなく、行政の 透明性・信頼性の向上、市民参加・協働の推進、経済の活性化のためにも意義ある事業です。そのためにも、県民や企業、大学などとの連携が必要です。
また、オープンデータは、市民が参加しやすい仕組みづくりにつながるものです。県民と情報を共有し、県民の意見やアイデアを集め、合意形成をはかり、 県民とともに千葉県を運営していくためにもオープンデータの活用は欠かせません。
そこでお伺いします。
オープンデータを県民が活用していけるように、県はどのように取り組んでいるのか。
【5.手賀沼について】
次に手賀沼の水質についてです。
手賀沼は、都内からのアクセスが良く、東葛地域に暮らす私たちにとっては、身近な水辺環境であり、平将門の歴史や白樺派の文化、農業や食も豊かなエリアです。
今、リニューアルされた道の駅しょうなんやフィッシングセンターなどを 拠点に、さらなる魅力を引き出していこうと取り組まれているところで あります。
しかし、昭和30年代後半頃から始まった手賀沼流域での急速な都市化に伴い、手賀沼では急激に水質汚濁が進行し、昭和49年度から平成12年度までの27年間にわたって湖沼水質汚濁日本一という不名誉な記録が続きました。
今の手賀沼があるのは、千葉県によるヘドロのしゅんせつや国による北千葉導水事業、市による下水道整備、市民による様々な活動の賜物であります。
先日、開催された第30回手賀沼エコマラソンには、約8,000名もの選手が 参加されましたが、この手賀沼エコマラソンは、「よみがえる手賀沼、さわやかに走ろう」をスローガンとし、手賀沼浄化運動の1つであります。
このように、市民と行政が一体となった活動が地域への愛着を深め、まち づくりの市民参加を進めてきました。
水質保全は、手賀沼周辺の住民にとって、大きな意義を持つものです。
そこでお伺いします。
手賀沼の水質保全について、県はどのように取り組んでいるのか。
次に手賀沼の漁業振興についてです。
かつて手賀沼の鰻は、「あお」と呼ばれ、江戸時代では人気の有名ブランドで、高値で取引されてきました。その他、ワカサギやコイ、フナなど漁業が営まれていました。
しかし、都市化に伴う水質汚濁、そして2011年3月の福島第一原子力発電所事故により大気中に飛散した放射性物質の影響により、手賀沼の漁業は食用魚の出荷を自粛することとなりました。その出荷制限も先日解除されました。
手賀沼の水辺環境の魅力発信や農の食での地域活性化に、手賀沼の漁業も 大きな可能性があると考えます。
そこで、お伺いいたします。
手賀沼の漁業振興に県はどのように取り組んでいくのか。
次に水難事故の再発防止についてです。
2017年9月23日柏ふるさと公園に隣接する大堀川で水遊びをしていた小学生が亡くなる事故がありました。
小学校PTA等から請願が提出され、二度とこのような事故が起こることなきよう、千葉県には子どもの安全確保と環境整備をして頂きました。あれから7年が経ち、風化させてはならないという思いを持っております。
そこで、お伺いいたします。
大堀川での水難事故の再発防止に向けて、河川管理者はどのように取り組んでいるのか。
【6.MLA連携について】
次にMLA連携についてです。
文化的情報資源を収集し、蓄積、提供する公共機関であると言う共通点を持つ博物館(Museum)、図書館(Library)、文書館(Archives)が連携・協力して様々な活動を行ない、情報資源のアーカイブ化など、課題の共有・解決に取り組む「MLA連携」の重要性が高まっています。
千葉県においては、新千葉県立図書館等複合施設基本計画において、青葉の森公園内に関係する施設が集約されることとなっており、特にその取組に期待がかかるところです。
MLA連携の推進については、昨年の我が会派の代表質問でも取り上げたところであり、今回の一般質問では、その後、県としてどのように取り組んでこられたのか、また、今後どのようにしていくのか、確認をしたいと思います。
そこでお伺いいたします。
中央博物館は、MLA連携について、県立図書館・県文書館とどのようなことに取り組んできたのか、また、今後の方針はどうか。
【7.文化財の普及・活用について】
次に文化財の普及・活用についてです。
地域の歴史は、その地域住民のアイデンティティといえます。地域の文化財を収集、保存、編纂、活用していくことが、地域への誇りとなり、地域の魅力を引き出し、地域を豊かにすると確信しています。
今、千葉県では、地域資源を活用した地域づくりを推進され、千葉の豊かな自然や食文化など、本県の有する多様な観光の魅力を総合的・戦略的に県内を含む 首都圏を中心に全国へ向けて発信するプロモー ションを積極的に展開されています。
こうした観光など千葉県の取り組みと連携しながら、千葉県の地域資源である文化財について、さらなる活用していくべきと考えます。
そこでお伺いいたします。
文化財の普及・活用について、どのように取り組んでいるのか。
【8.教員未配置の解消について】
次に教員未配置の解消についてです。
今、学校では、教員の育休・産休が増え、特別支援学級や通級指導、日本語指導等の教職員の必要数も増えています。一方で、教員の代替などの講師が見つからず、教員未配置が増えています。
教員が足りず、教員は過重な負担を担い、さらに休職者が出たり、教員を目指す人が減るという悪循環となってしまっています。
全国的な傾向として、定年による退職者数の増加により、採用者が増えています。
受験者数の低下も相まって、競争率低下につながり、不採用者が減り、講師登録者が減っています。受験者数の減少は、大学新卒者の受験者数の減少より、既卒者の受験者減少の影響が大きいと言えます。
教員未配置の解消のためには、新卒者の志願者を増やす取り組みに加え、これまで教員採用試験に受験していなかった教員免許を所有する既卒者である「ペーパーティーチャー」を掘り起こし、講師登録者を増やすことが重要です。
そこでペーパーティーチャー人材データバンクに注目しています。
登録者に対して学校や教育への有益な情報提供や体験•交流会の実施など、登録者であるペーパーティーチャーとの関係性を構築していく取り組みが 必要と考えます。
そこでお伺いします。
教員の未配置解消のためには、人材データベースの充実が必要であると考えるが、県教育委員会では、どのように取り組んでいくのか。
【9.校内教育支援センターについて】
次に校内教育支援センターについてです。
増え続ける長期欠席者、不登校児童生徒への対策は喫緊の課題であり、小学校においても早急に手立てを講じる必要があります。
文部科学省では、学校やクラスに入りづらい児童や生徒の支援を目的に、小中学校内に校内教育支援センターを設置することを推奨しています。校内教育支援センターは、「校内フリースクール」とも呼ばれ、設置された学校では不登校の児童や生徒が少しずつ登校し始めているとして一定の効果が出ていると評価されています。
この「安心・安全に過ごせる居場所」としての校内教育支援センターを設け、教室に入ることが出来ない子どもを受け入れる場所の設置、そこでの支援教員の配置について、千葉県として各市町村を支援すべきと考えます。
そこでお伺いいたします。
校内教育支援センターの設置促進のため、県はどのように取り組んでいくのか。
【10.日本語指導の必要な児童生徒への支援について】
次に日本語指導の必要な児童生徒への支援についてです。
外国人の児童生徒にとって、言葉の壁というのはとても大きいものです。
教育委員会から示していただいた、県立高校での日本語指導が必要な生徒の中退率の比較について、令和5年度3月末時点では、県立高校(全日制・定時制等)全体の中退率は0.99%ですが、日本語指導が必要な生徒の中退率は3.15%とのことです。
母数が違うなど、単純には比較できないものだと承知しておりますが、それでも明らかに大きな違いがあります。中退の原因や卒業後の状況について分析するなどして、外国人の日本語指導について、よりきめ細やかな対応が必要と考えます。
そこで、2点お伺いいたします。
1点目、
県立学校において、日本語指導に係る相談員の配置状況はどうか。
2点目として
相談員の確保や質の向上に向けて、どう取り組むのか。
【11.警察官の確保について】
次に警察官の確保についてです。
昼夜を分かたず、地域の安全を守り、住民の安心を支えてくださる警察の 皆さまの日頃のご尽力に対し、心より敬意と感謝を申し上げます。
一方で、住民の安全を守るため、警察官の業務は、昼夜を問わない事件・事故への対応、危険な現場など、身体的・精神的負担が大きいことが課題でもあります。
交替制勤務の在り方の見直しや、電話対応システムなどテクノロジーの導入や書類の合理化など報告業務の軽減も必要です。
そこで、お伺いいたします。
警察官の働き方改革と業務の効率化に、どのように取り組んでいるのか。
今、さまざまな専門職で成り手不足が深刻化し、社会全体で対策を講じる必要があります。
特に、警察官は、子どもたちの憧れの職業でありながら、就職を検討する若者にとっては、夜勤もあり、厳しく、過酷な職場であるというイメージを持たれています。
また、千葉県は、東京都とも隣接し、待遇面などで比較されてしまいます。例えば、千葉県警は3交替制ですが、警視庁は4交替制です。
警察官の人材確保には、社会の変化や求められる役割に合わせた柔軟な戦略が必要です。
そこで、お伺いいたします。
警察官の人材確保について、どのように取り組んでいるのか。
最後に、警察署施設の建て替えの方針についてです。
警察官の人材確保のためにも、業務の効率化や働く環境の整備のためにも、警察署の建て替えは考えなければなりません。県内の警察署では、築数十年を経過し、建物の老朽化が進み、空調設備の故障など不具合が出てきています。
また、施設を建設した時から、人口や犯罪傾向は変化しており、社会の変化に伴う新たなニーズに対応できる警察署施設が求められます。女性留置施設が少ないことも指摘されています。
そこでお伺いいたします。
警察署施設の建て替えの方針について、どのように考えているのか。
答弁(第1回目)
–議長
知事、熊谷俊人君
–熊谷俊人 知事
立憲民主党の山下洋輔議員のご質問にお答えをいたします。
まず中小企業の販路開拓支援についてのご質問にお答えをいたします。中小企業が事業の拡大や経営の安定化を図るためには、自社が開発した優れた製品やサービスを新たな市場や顧客に向けて販売を拡大していくことが重要ですが、一部の中小企業では知名度不足や販売ノウハウが乏しいため、思うように進まないケースがあります。
そこで県では優れた技術力と市場性がある製品を千葉もの作り認定製品として認定することで、認知度や信頼度の向上を図るとともに、大規模な展示会への出展を支援することで、新たな販路の開拓に繋げています。
こうした取り組みに加えて、製品開発やマーケティング経験が豊富な専門人材を産業振興センターに配置をし、あと新製品に対するマーケティング分析を行うとともに、新たな取引先の発掘からマッチングまでの支援を行うなど、中小企業に寄り添った伴走支援を行っているところです。
次にオープンデータの活用についてのご質問にお答えをいたします国や自治体が保有するデータを広く国民や企業にとって利用しやすい形で公開をしていく、オープンデータの取り組みは、官民協働による課題解決などに資するものであり、重要なことだと認識をしています。
このため県ではオープンデータサイトを開設し、県や市町村のデータをパソコン等で編集が容易な形式等により公開する他、大学や企業等と連携をし、地域課題の解決策を学生たちがデータを活用して検討するアイデアソンを開催するなど、活用に向けた機運の醸成や人材育成にも取り組んでおります。
今後もニーズに応じたデータ拡充やわかりやすい情報提供様々な主体と連携をしたアイデアソン等の開催、産学官民で構成をする協議会における利活用の検討などオープンデータが県民等に広く活用される取り組みを一層進めてまいります。
私からは以上でございます。他の質問につきましては担当部局長からお答えをいたします。
–議長
健康福祉部長 岡田慎太郎君
–岡田慎太郎 健康福祉部長
初めに、孤独孤立対策についてのご質問にお答えします本年4月に施行された孤立対策推進法では、孤独孤立の状態は誰にでも起こりうることであり、その要因は多種多様であることから、社会のあらゆる分野において、孤独孤立対策の推進を図っていくことが重要としています。
県ではこれまで、市町村や民間団体等と連携しながら、単身の高齢者を声掛け見守りなどにより、地域で支え合う仕組み作りに取り組むとともに、中核地域生活支援センターなどにおいて、制度の枠を超えた包括的な相談支援や社会参加に向けた支援に取り組んできたところです。
今後はこうした関係機関との連携を拡大強化してネットワークを構築しながら、孤独孤立対策を推進していくための効果的な方策についても検討してまいります。
次に、児童相談所の人材確保に関するご質問ですが、県では、児童虐待の増加に適切に対応するため、児童相談所の体制強化に努めており、本年4月時点の県内6児童相談所の職員数は、前年同月と比較して、36名増の686名となっています。
このうち専門職については、全ての児童相談所で国が定める配置基準を満たしていますが、採用人数が予定数に満たないなど厳しい状況にあることから、採用活動を強化していく必要があると認識しています。
そのため、児童相談所で働く魅力がより一層伝わるよう、本年度は新たな取り組みとして、施設の紹介や若手職員と意見交換を行う、職場見学バスツアーを実施する他、若者に訴求力のある動画のSNSへのでの発信などを行うこととしており、今後も必要な職員の確保に向け、効果的な取り組みを積極的に実施してまいります。
以上でございます。
–議長
環境生活部長 井上容子君
手賀沼の水質保全に係る県の取り組みについてお答えいたします。
県では令和3年度から7年度を計画期間とする第8期の手賀沼に係る湖沼水質保全計画に基づき、下水道の整備、高度処理型合併処理浄化槽および雨水浸透施設の設置促進など事業ごとの数値目標を設定し、進捗を確認しながら、様々な水質改善対策を進めています。
その結果、生活排水による汚濁量は着実に削減されてきましたが、一方で、市街地や農地など広範囲から発生する汚濁が課題となっていることから、これらの実態把握のため、工事における道路の排水調査などを進め、効果的な対策を検討しています。
引き続き、流域市や市民団体、関係機関等と連携しながら、各種対策を着実に進め、手賀沼の水質改善に向けて取り組んでまいります。以上でございます。
–議長
農林水産部長 前田俊哉君
–前田敏也 農林水産部長
私からは手賀沼の漁業振興の取り組みについてお答えいたします。
手賀沼は放射性物質の影響により、平成24年から国の出荷制限指示等による食用魚の出荷自粛を余儀なくされておりましたが、その後、国の基準値を安定して下回っていることが確認されたことから、先月制限が解除されたところです。
現在地元の漁協で漁業の再開に向けて準備を進めているところであり、県といたしましては引き続きモニタリングを行いながら、漁協が取り組む鯉の産卵場の場造成やウナギの種苗放流などの支援を強化してまいります。以上でございます。
–議長
県土整備部長 四童子隆君
–四童子隆 県土整備部長
私からは、大堀川での水難事故再発防止の取り組みについてのご質問にお答えします。
県では平成29年9月に大堀川で児童1名が亡くなる事故が発生したことを受け、柏市や地元関係者の意見を聞きながら、平成30年8月までに、防護柵や注意看板の設置等の安全対策を講じました。また、利用者が安心して利用できるよう、年2回の草刈りを実施するとともに、防護柵等安全施設の状況を定期的に確認しているところです。
引き続き、このような痛ましい事故が2度と起こらないよう、隣接する公園の管理者である柏市等と連携しながら、河川施設の適正な維持管理に努めてまいります。
以上でございます。
–議長
スポーツ文化局長 板倉由妃子君
–板倉由妃子 スポーツ文化局長
私からは、中央博物館におけるMLA連携の取り組みと今後の方針についてお答えいたします。
中央博物館は、これまで県立図書館、県文書館との連携により、イベントや調査研究の相互協力3館合同による職員研修等、機能強化とサービス向上に取り組んで来ました。
また、新たな県立図書館と県文書館の複合施設が中央博物館に隣接して建設されることから、現在各課の職員で構成するワーキンググループにおいて、課題の共有や先進事例の研究などを行い、いわゆるMLA連携のあり方を検討しているところです。
今後は施設の特徴を生かした、より魅力的な共同企画や館が所蔵する関係資料を一度で探し出せるシステムの構築を目指すなど、県民の知的需要に応えることのできる知の創造拠点となるよう取り組んでまいります。
以上でございます。
–議長
教育長 冨塚昌子君
–冨塚昌子 教育長
初めに文化財の普及活用に関するご質問にお答えいたします。
県教育委員会では、地域のアイデンティティを形成する重要な要素である文化財を後世に守り伝えるため、その保存とともに、市町村と連携した様々な普及活用事業を行っています。このうち、県民が専門職員の解説を聞きながら、文化財を巡る文化財探検隊事業では、昨年度、市川市にある重要文化財の法華経時の祖師堂や五重塔を見学し、今年度は日本遺産北総4都市江戸紀行を構成する。佐倉市の武家屋敷や旧堀田家住宅等を見学する予定です。
今後とも地域の歴史や文化に対する県民の興味関心や理解を促すため、観光部局や市町村等と連携しながら、文化財探検隊県内各地域で実施するなど、文化財の普及活用を図ってまいります。
次に教員のみ配置解消に向けた人材データベースの充実についてのご質問ですが教員志願者の減少が続く中、いわゆるペーパーティーチャーなど、潜在的な教員免許保有者を掘り起こし、講師希望者として登録に繋げることも重要であると考えております。
県教育委員会では、従来の講師登録に加え、昨年度からは民間企業と連携し、本県独自の教員志願者向けデータベースを構築し、県外在住者にも広く登録を促すとともに、現職教員との交流会やセミナーを開催し、次、学校の実際の様子などを伝える他、個別相談を行うなど、丁寧な情報提供に努めています。今後とも、SNSやYouTubeなど様々な媒体の活用やイベント等を通して、採用選考や教職の魅力に関する情報をより一層発信することで人材確保に取り組んでまいります。
次に校内教育支援センターに係る県の取り組みについてのご質問ですが、校内教育支援センターは、自分の学級に入りづらい状況等にある児童生徒が落ち着いた空間で、自分のペースに合わせて学習や生活ができるなど、不登校等の児童生徒を支援する上で大変重要だと考えています。
県教育委員会では、県内130校を不登校児童生徒支援推進校に指定し、各校に教員1名を増員して校内教育支援センターの充実を図るとともに、その取り組み状況を事例集にまとめ、広く周知することで、他の学校での設置を促しているところです。
現在国は、校内教育支援センターの設置を促進するため、支援員の配置に係る経費等の補助事業を概算要求に計上しており、県としてもこれを注視するとともに、市町村教育委員会の状況を把握するなど必要な対応を進めてまいります。
次に日本語指導に係る相談員の配置状況についてのご質問ですが県教育委員会では、教員と外国人児童生徒等およびその保護者とのコミュニケーションを円滑にするため、教育相談員を県立学校51校に延べ93名配置しています。
さらに、各校に配置された相談員を支援するため市川工業高校佐倉南高校の拠点校3校に相談員支援コーディネーターを配置し、効果的な日本語指導に係る指導助言を行っています。相談員に対する今後の取り組みについてのご質問ですが、外国人児童生徒の増加に伴い、日本語指導に係る支援のニーズが高まり、県立学校からの相談員の配置要請も増えています。
県教育委員会としては、千葉県国際交流センターに登録されている語学ボランティア等の人材を支援を必要とする県立学校に紹介するなど、1人でも多くの相談員を配置できるよう努めてまいります。また、日本語指導に係る授業モデルや進路指導のポイントなど、拠点校3校における取り組みの成果を県内の日本語指導に関わる職員に公開し、全県での指導力向上を図ってまいります。
以上でございます。
–議長
警察本部長、宮沢忠孝君
–宮沢忠孝 警察本部長
私からは警察官の確保についてお答えいたします。働き方改革と業務の効率性に関するご質問ですが、社会情勢が急速に変容する中で、県警が重点目標として掲げる安全安心を実感できる暮らしの実現を達成するためには、全ての職員が士気高く、その能力を十分に発揮するとともに、職員相互に連帯することで、警察力の更なる強化を図る必要があると考えています。
そのためには、業務の合理化、効率化を図るとともに、働きやすい職場環境を形成することが重要であり、装備資機材や施設の整備、各種手当の充実組織や人員配置の改正、ハラスメントの根絶等に取り組んでいます。次に、人材確保に関するご質問ですが、警察官の採用情勢が年々厳しくなる中、県警では、組織を支える人材確保に向けて、募集活動の強化採用試験の見直しおよび魅力ある組織職場作りに取り組んでいます。
具体的には、大学、高校等へのリクルート活動や女性警察官女性警察官を特集した広報動画を作成するなど、創意工夫を凝らした募集活動に取り組んでおります。また、内定者相談会の開催や県警主催行事への招待などにより、辞退防止にも努めております。
さらに、社会人経験のある方を始め、幅広い方に採用試験を受験してもらえるよう、採用条件募集時期、試験内容等の見直しを検討しているところです。
そして何よりも多くの方々に就職先として千葉県警察を選んでもらうとともに、就職後も離職を防ぐためには、魅力ある組織職場であることが必要であり、働きがいや働きやすさの向上を追求しています。
最後に、警察署施設の建て替え方針に関するご質問ですが、県警では、警察署庁舎の老朽化、狭隘化状況などをもとに整備順位を整理し、5年ごとに見直しを行う千葉県、県有建物を長寿命化計画に反映させ、順次建てかえ整備を進めているところです。
平成30年度からの整備、第1期建て替え事業では、令和4年度に館山警察署令和5年度に旭警察署が完成しており、本年12月には富津警察署、令和9年度には香取警察署が完成する予定です。また、令和10年度からの整備、第3期建て替え事業では、八千代警察署の建て替え整備を計画しております。
引き続き、施設の老朽、狭隘化の解消に向け、着実な建て替え整備を進めていくとともに、既存施設の維持管理にも努めてまいります。以上でございます。
要望(第2回目)山下洋輔 議員
ご答弁ありがとうございました。
それでは、要望をさせていただきます。
【1.孤独・孤立対策について】
まず、孤独・孤立対策についてです。
孤独・孤立対策について、特殊詐欺やロマンス詐欺などの犯罪は、人間関係の希薄さに付け込んだもので、社会の孤独・孤立が表面化した問題と言えます。
家族がいない、孤独であるのは、自己責任ではありません。就職氷河期、長時間労働やパワハラ、虐待など、社会の課題とも密接に関わっています。家族がいなくても、その人らしく生きられる仕組みづくりが必要です。
今回、ご紹介しました高齢者等終身サポート事業者の質も様々で、契約事項や預託金の管理などについてトラブルも懸念されています。
今年6月に、高齢者等終身サポート事業者ガイドラインが示されたことは大きな一歩ではありますが、所管する部署も法律や罰則もなく、自治体が事業者を把握する仕組みもありません。例えば優良事業者の認証制度を設けるなど、実効性を担保する仕組みづくりの検討を要望いたします。
【2.児童相談所について】
次に、児童相談所についてです。
職員が足りず、多忙となり、病休などで欠員が生じ、その欠員の代わりとなる職員を補充できず、さらに多忙になってしまうという負のスパイラルに陥らないよう、業務の質・量に見合った職員を確保・育成するとともに、児童相談所職員の待遇や職場環境の見直しを検討していただくよう要望いたします。
また、市が設置する児童相談所に、実務経験が豊富な県職員を派遣するなど、将来的には市町村に対する人的支援を行っていただくよう要望いたします。
【3.中小企業の販路開拓支援について】
次に中小企業の販路開拓支援についてです。
中小企業を取り巻く環境は依然として厳しい状況が続いておりますので、引き続き、効果的な支援を継続されるよう要望します。
【4.オープンデータの活用について】
次にオープンデータの活用についてです。
地域課題を解決するデータ活用のアイデアソンを学生対象に開催されていることは評価いたします。ただ、参加者募集の開始時期やその周知方法については、見直すよう要望いたします。
千葉県や自治体が持つデータは、県民の財産であり、社会をより良くするための大きな可能性です。さらなる活用の推進を要望いたします。
【6.MLA連携について】
次に、MLA連携についてです。
昨年9月のわが会派の代表質問にて、MLA連携の推進を提案したところ、 すぐに3館合同による職員研修を実施されたことを高く評価いたします。
MLA連携が進み、それぞれの館の職員の視野も広がり、新たな企画に繋がっていくことを期待しております。
千葉県立施設間におけるMLA連携についてご答弁いただきましたが、この連携を活かして、県内市町村との連携体制を整えていくことを要望いたします。
千葉県内において、博物館や文書館を有している市町村は、一部です。また、中央博物館や文書館、県立図書館を利用できる県民も地理的に一部です。
千葉県が所有する資料を全県民が触れられるよう、例えば、県立図書館の持つネットワークを活用し、各市町村が設置している図書館や公民館にて、博物館や文書館が企画展の巡回や資料提供を行っていくことや、デジタルアーカイブの仕組みを整備することを要望いたします。
昨年度、みんなで創る「ふるさとちば古写真デジタルアーカイブ」の制作に取り組まれていましたが、千葉県各地の県民と繋がりながら、写真を収集し、デジタルとして保存し、活用されています。
こうした取り組みを今後も期待しています。
【8.教員未配置の解消について】
次に教員未配置の解消についてです。
講師登録者は、ますます重要な存在となってきます。教員採用候補者選考の不合格者という捉え方ではなく、あえて講師を選択している教員の声を聞くべきであると考えます。他の業種でも、自由で、独立した働き方を選択するフリーランサーも注目されています。
学校現場における多様な働き方を認め、多様な人が学校で働けるよう改革し、講師の待遇も改善することで、全国の実力ある講師登録者に注目される工夫も必要と考えます。そのためにも、ペーパーティーチャーを堀り起こし、授業時間や勤務日など多様なニーズに対応できる人事や校務支援に取り組むことを要望いたします。
あわせて、教員未配置解消のため、志願者を増やす取り組み、現職がやめないような働き方改革、やむをえずやめてしまった教員の復職制度や定年後も働ける仕組み、そして給与や休暇などの待遇改善についても、引き続き、要望いたします。
【9.校内教育支援センターについて】
次に校内教育支援センターについてです。
校内支援センターが設置されても、各市町村にとって、支援する人材を配置することが難しい実情があります。
教員でなくても、支援スタッフの派遣や財政的な支援等を要望いたします。
【10.日本語指導の必要な児童生徒への支援について】
次に日本語指導の必要な児童生徒への支援についてです。
埼玉県川口市では、クルド人への過激なヘイト行動が起きています。外国人の人たちが学校在学中や学校卒業後の地域に溶け込み、互いに多様性を認め合えるような社会にするために、学校教育の果たす役割は大きいと考えます。
そのためにも、相談員の確保、そして今年も外国人児童生徒等教育相談員の派遣についての予算を増やしていただきたいと要望します。
また、現在、各小中学校には様々な国籍の子どもたちが在籍しており、日本語が全く話せないために授業についていけない子どもが多数見られます。
各市町村でボランティア団体や会計年度任用職員での対応をしているところでありますが、日本語指導支援職員の採用や配置について、県からの支援も要望いたします。
【11.警察官の確保について】
最後に警察官の確保についてです。
柏警察署は、全国でトップクラスの事案件数を抱え、これまで県議会でも2署化が要望されてきました。
今、柏警察署施設も27年経ち、老朽化だけでなく、設置当初とは人口増減や犯罪傾向も変化しています。これからの社会ニーズに対応できる施設機能の拡充を要望いたします。
あわせて、警察官の働き方改革を進め、警察業務の効率性向上とともに、警察官一人ひとりの満足度やモチベーションの向上をはかり、警察官の成り手を増やし、住民の安心安全をこれからも守っていただけるよう要望いたします。