本日の県議会をいち早くお伝えいたします。
※複数人体制でチェックしてはいますが、できるだけ早く、皆様に議会での議論をお届けしたいと文字起こしをしているため、誤字などもあります。ご容赦いただき、各自、ご確認ください。
本日(2024/9/26)午後一人目の一般質問は、立憲民主党の栗原直也議員でした。
質問項目
- 都市計画道路について
- 開発許可制度について
- 障害者グループホームについて
- 障害者就労支援事業について
- その他
議会質問・答弁の書き起こし全文
質問(第1回目)栗原直也 議員
–栗原直也 議員
立憲民主党、四街道市選出の栗原直也です。
まず初めに、このたびの能登半島豪雨によりお亡くなりになられた方々に深くお悔やみを申し上げますとともに、被災された多くの方々にお見舞いを申し上げます。
ではこれより通告に従いまして質問をさせていただきます。
まず、項目の1都市計画道路について、都市計画道路は将来の都市や都市交通のあるべき姿を踏まえた、都市基盤施設として、都市計画法に基づき計画決定を受けたものです。
このように、都市計画道路は、将来の都市の骨格を決める重要な役割を担うことから、常に社会経済情勢の変化や目指すべき都市のあり方を見据え、その必要性を検証しながら見直していくことが求められます。
しかしほとんどの都市計画道路は、計画決定から20年以上経過しながら、いまだ整備の進まない区間が多く残され、さらには未整備区域内では、都市計画法に基づく建築制限が依然として続いています。
こんにちの都市計画道路を取り巻く環境は、少子高齢化に伴う急速な人口減少や、超高齢社会の到来さらには自治体財政の悪化など、高度成長期の人口増加や市街地の拡大が期待された昭和40年代から、大きく変化しており、早急に都市計画道路の役割や必要性を検証し、計画の変更や廃止など見直しを進めていくことが求められています。
平成29年の都市計画道路に関する国の報告書では、地方公共団体での都市計画道路の見直しに対して、その取り組み不足が強く指摘されるとともに、都市計画道路の見直し課題として、平成17年に最高裁で結審した都市計画道路に関する訴訟、いわゆる盛岡裁判の事例が示されています。
この訴訟は、都市計画道路決定を受けた土地所有者より提起されたもので、具体的な整備計画のないまま60年以上にわたり建築制限を受けてきたことに対し、憲法29条3項の私有財産は正当な補償のもとに、これを公共のために用いることができるという。
損失補償条項に基づき、自治体にその補償を求めたものです。この最高裁判決では、都市計画法に基づく建築制限は、所有権の内在的制約に属するとして、損失補償を必要とする特別の犠牲ではないとの下級審判決を是認し、原告の補償請求を棄却したものです。
またこの原審判決では、その路線の必要性が見直されるべきであるのに、長期間放棄放置されているなどの特別の事情がない限り、都市計画決定権者の暮らした判断は裁量権の範囲内にあると述べられています。
ただ、この最高裁判決には、裁判官からの補足意見があり、そこでは受忍限度を超えるに当たっては、制限内容と同時に、制限の及ぶ期間が60年を超える長きに渡って建築制限が課せられている場合には、損失補償を不要とする考え方に大きな疑問があると述べています。
すなわち、長期未着手の都市計画道路において、60年を超える建築制限が課せられている場合には、損失補償を不要とする考えに疑問があると指摘されたものです。
このことより、昭和40年代に計画決定され、建築制限を課せられたままの都市計画道路は、今後10年以内に建築制限期間が60年を超えることから、自治体に対して損失補償の訴えを起こすことが可能と考えられます。
このように、適切な見直しや建築制限の緩和などの取り組みがなされることなく、長期間放置された都市計画道路は、損失補償の訴えの対象となる可能性が高く、市町村に対する一層の見直しを促し続けることが必要と考えます。
そこで伺います。
県内都市計画道路の整備進捗率と見直し状況はどうか。
また、市町村への見直しの働きかけはどうか。
次に県では、市町村が都市計画道路の見直しを進めるための指針として、平成22年に千葉県都市計画道路見直しガイドラインを制定しています。
その内容には、見直しの背景として、社会情勢の変化や道路構造令の改正への対応、また基本的な考え方としての路線の選定方法や進め方などが記されています。
しかし、令和5年に制定された千葉県都市作りビジョンからは、都市作りの目標と方向性として、地域の個性を生かしたコンパクトな都市と記されており、また、国の都市計画道路の見直し手引き各論編においても、都市計画道路について、コンパクトプラスネットワークなど目指すべき都市構造と対応したものであるか、再検証が求められると記されています。
このように、こんにちの大きな社会課題である人口減少と高齢化のもとでは、都市のコンパクト化の必要性を抜きにして、都市計画道路の見直しを検討するのは必ずしも十分ではないと考えます。
千葉県都市計画道路見直しガイドラインの策定から既に14年が経過しており、また多くの自治体の財政状況は厳しさを増していることからも、都市計画道路の見直しとその削減は、避けて通れない重要な課題と思われます。
そこで伺います。
千葉県都市計画道路見直しガイドラインの位置付けと改定についてどう考えるか。
次に項目の2、開発許可制度について伺います。
我が国では、昭和43年に新しい都市計画法が制定され、高度経済成長期による人口や産業の都市集中に伴い、区域区分制度や開発許可制度などが新たに創設されました。
この区域区分制度では、都市計画区域を計画的な市街化を図る市街化区域と、無秩序な開発を抑止し、農地や自然環境の保全を目的とする市街化調整区域とに線引きするとともに、これらを担保するために開発許可制度が創設され、公共施設や排水設備等の良質な宅地環境の確保を義務付けながら、都市周辺での無秩序な市街化を防止することとしたものです。
しかし、平成12年には、都市を取り巻く環境の変化から、都市計画法が改正され、区域区分制度や開発許可制度も見直されました。
その結果、市街化調整区域における開発許可制度である既存宅地制度が廃止され、現行の都市計画法34条第11号や、同12号などが定められたことから、市街化区域と一体的な日常生活圏を構成していると認められる地域では、おおむね50以上の建築物が連担している地域での開発行為が許されることとなりました。
千葉県でも翌年には条例が制定され、市街化区域から1.1km以内では半径150mの範囲内に40以上の建築物が連担している地域や、敷地間の距離が55m以内で40以上の建築物が連担する地域などでは、開発行為や建築等が認められることになりました。
これら都市計画法34条に基づく許可申請手続きは、いわゆる40戸連たん制度と呼ばれ、市街化調整区域での開発許可基準を都道府県等の条例により制定できることから、その運用次第では、本来開発を抑制すべき市街化調整区域での無秩序な開発の危険性も生じることとなりました。
この40戸連たん制度により開発された地域では、連続的に開発されたことによる苦情や開発への疑問の声が寄せられており、中でも下水道が接続されない調整区域では浄化槽管理の悪さから、汚水や生活排水が十分浄化されずに側溝や用水路等に流入することで悪臭ばかりか、河川の水質悪化などの悪影響が指摘されます。
また、市街化調整区域での割安な宅地開発が増加することから、開発地に隣接した市街化区域の住宅地では住宅価格が下落し、資産価値が損なわれる可能性も高まりました。
さらには、課税面においても、調整区域に都市計画税がかからないことより、税の不公平感が発生する他、売買価格の低い、市街化調整区域での宅地開発の増加により、都市中心部での人口減少というスポンジ化現象も危惧されます。
このように、市街化調整区域は原則として、土地開発を認めない区域であり、40戸連たん制度による開発行為は、あくまでもその例外として認められるものです。
そのため都心に近く、開発圧力の高い地域であっても、市街化調整区域での開発を抑制し、コンパクトな都市作りを目指す市町村においては必要性の低い制度であり、県からの権限移譲を受けることにより、自然環境の豊かな住みやすい地域をつくることが求められます。
そこで伺います。
一点目いわゆる40戸連たん制度の制定経緯についてはどうか。
2点目市街化調整区域での開発許可について、県はどう考えているか。
次に項目の3障害者グループホームについて伺います。
障害者グループホームは、平成18年度の障害者自立支援法の制定により位置づけられたもので、それまでの入所施設や精神科病院から地域移行を進めるために整備が進められてきました。
利用者数も、国保連のデータからは平成20年度の約4万8000人から令和5年度の約17万2000人へとこの15年間で約3.5倍に増加するとともに、現状のグループホームでは障害の程度が重い人と軽い人とが混在するばかりか、その住居形態もアパート型などの多様な形態が存在しています。
本年3月には第8次千葉県障害者計画が策定され、障害者権利条約や障害者基本法の理念のもと、障害者が地域でその人らしく暮らせる共生社会の構築が掲げられています。
その主要な施策には、多様な障害特性に応じたグループホーム等の充実や地域生活支援拠点等の整備などが挙げられており、障害者のニーズに即した多様な暮らしの実現が求められています。
これまでの計画においても、障害者の地域生活移行は重要な施策として位置づけられており、令和2年度から4年度までに200人以上が入所施設からグループホーム等に移行したものの、昨年4月時点でのグループホームや障害者支援施設の待機者は、合計で600人を超えています。
また、計画ではグループホーム整備を最重要施策の一つとして位置づけており、今後は障害者の重度化や高齢化、さらには亡き後に備えるとともに、入所施設や病院からの地域移行をさらに進めるための重度障害や強度行動障害などの多様な障害特性に対応できるグループホームの整備や、地域生活を支える地域生活支援拠点等の整備が必要と言えます。
さらに、障害者総合支援法のどこで誰と生活するかについての選択の機会の確保という基本理念からは、本人が希望する一人暮らしやパートナーとの暮らし等に向けた支援を目的とする新たなグループホームも求められています。
そこで伺います。
障害者グループホーム等の整備状況と今後の整備目標はどうか。
また、地域生活支援拠点等の整備状況はどうか。
次に、グループホームの事業所の数は、令和4年10月1日時点で全国2001万2000ヶ所と、この5年間で約1.5倍に増加しており、それに伴い、障害者福祉サービスの実績や経験の乏しい株式会社などの事業者が、多く参入してきたことから、障害特性や障害程度を踏まえた支援が適切に提供されないといった支援の質の低下が懸念される状況にあります。
本年6月には、障害者向けグループホームを全国で展開していた運営会社が利用者から食材費を過大に徴収していた問題が発生しましたが、その過大請求の額は全国で3億円近くに上り、一部の事業所の指定取り消し処分が行われたばかりか、組織的な不正として連座制が適用され、全国の事業所で今後の指定の更新が認められなくなりました。
さらに、障害者福祉サービス事業全体を巡っては、公費から支払われる報酬の不正受給の総額が令和5年度までの5年間で58億円に上ったとの新聞報道がありました。
障害者の多くが、入所施設や病院から地域で暮らしていけるよう、国がサービス内容や報酬額を拡充しながらも、株式会社などの営利法人の参入増加にそのチェック機能が追いついていない状況が確認されます。
さらに国の指針では、自治体は概ね3年に一度の運営指導を行うこととされているものの、現状の事前通告制のもとでは、書類の書き換えを見抜けないことも考えられます。
このように、支援の質の低下に対しては、グループホームの運営責任者である管理者への資格要件の設定や、支援の質を高めるためのガイドラインの整備などが必要と考えます。
また、令和6年度の障害者福祉サービス等報酬改定により、来年度からグループホームでの地域連携推進会議の定期的な開催が義務付けられました。
これは地域住民からの事業所や利用者に対する理解を促すとともに、事業所やサービスの透明性と質の確保を目的とするもので、事業所の運営が閉鎖的にならないよう設置されたものです。
そこで伺います。
グループホームの質を確保するため、県としてどのように取り組んでいるのか。
次に項目の4、障害者就労支援事業について伺います。
障害者総合支援法における、就労系障害福祉サービスは、就労移行支援就労継続支援就労定着支援に分けられ、その中でも、就労継続支援はA型とB型とに分類されます。
どちらも一般企業での雇用が困難な障害者への就労福祉サービスですが、A型とB型の大きな違いは、雇用契約を締結するか否かにあります。
また県内での就労継続支援A型の事業所数は、平成21年度末の7事業所から令和4年度末には129事業所に増加するとともに、令和4年度の平均月額賃金も、平成26年の調査より約1万5000円増加した約7万8000円となっています。
この就労継続支援A型事業所においては、生産活動に関わる事業収入から、必要経費を控除した額が、利用者に支払う賃金以上になることが求められるものの、令和4年度でこの基準を満たす事業所の割合は、県内で57.5%であり、依然として経営改善が進んでいない状況にあります。
このことから、就労継続支援A型事業所に就労する障害者への賃金が国からの事業者に支払われる報酬や助成金の中から支払われている事業所がまだ数多く残されていることから、国では、事業収支の悪い事業所の報酬額の引き下げを本年4月から実施したものです。
その結果、本年3月から7月までの間に全国で329ヶ所の就労継続支援、A型事業所が閉鎖されるとともに、そこで働いていた約5000人の障害者が解雇や退職となったことが報道されました。
そこで伺います。
今年3月以降の就労継続支援A型事業所の廃止状況と今後の見通しはどうか。
またこれまでも度々質問されていることですが、就労継続支援B型事業所でのコーチについて、県の計画では令和5年度末で、平均月額1万7000円とする目標を設定しました。
しかし令和4年度でも1万5371円であり、令和3年度の全国平均月額工賃1万6507円にも満たない事業所が、全体の約7割を占めている状況です。
障害の程度が1級の単身者においても、障害者基礎年金の受給額は月8万5000円であり、B型事業所での工賃を出しても、場合によっては生活保護受給額にも届かない状況が生まれています。
そこで伺います。
就労継続支援B型事業所の工賃向上への取り組み状況はどうか。
以上で壇上からの質問を終わらせていただきます。
ご答弁のほどよろしくお願いいたします。
答弁(第1回目)
–議長
栗原直也君の質問に対する当局の答弁を求めます。
知事熊谷俊人君。
–熊谷俊人 知事
立憲民主党の栗原直也議員のご質問にお答えをいたします。
まず都市計画道路の見直し状況等についてのご質問にお答えをいたします。
県内で都市計画決定されている道路は令和5年度末時点において延長約2647kmであり、そのうち整備済みが約1522km、整備中が約240km、進捗率は整備中も含め約67%となっています。
県では整備状況やまち作りの方向性の変化などを踏まえ、市町村にガイドラインを示し、都市計画道路の検証見直しを進めているところであり、これまでに78路線、約99kmについて、路線の廃止や幅員の変更等が行われております。
都市計画道路は都市の形成に当たり重要な施設であることから、本県を取り巻く社会経済情勢の変化等に対応した道路ネットワークの構築に向け、今後とも市町村に対し、説明会などを通じて適切な検証を働きかけるなど、更なる取り組みが進むよう支援をしてまいります。
次に障害者グループホームについてお答えをいたします。
グループホームの質を確保するための取り組みに関するご質問ですが、近年障害者グループホームの運営の担い手として営利法人など様々な分野からの参入が増加する中で、事業者が提供するサービスの質の確保向上が必要であると認識をしています。
このため県では健康福祉センターが定期的に行う実地指導において、運営基準の遵守状況等について確認を行うとともに、通報等により不正が疑われる場合には、必要に応じて立ち入り検査を実施し、改善指導等を行っているところです。
また県内12ヶ所にグループホーム等支援ワーカーを配置し、利用者や事業者からの相談に応じる他、支援の質の向上に向けた研修会の開催などを行っています。
今年度グループホーム等のバックアップ体制を充実させるため、支援ワーカーの増員を図ったところであり、引き続き支援の質の確保向上が図られるよう取り組んでまいります。
私からは以上でございます。
他の質問につきましては担当部局長からお答えをいたします。
–議長
都市整備局長 澤宏幸君。
–澤宏幸 都市整備局長
私からは、まず都市計画道路見直しガイドラインについてのご質問にお答えします。
県が作成したガイドラインは、長期未着手等の都市計画道路について、都市の現状や将来像を踏まえ、見直しの方向性を検討するための基本的な考え方を示したものであり、市町村が具体の見直しを検討する際の指針となるものです。
これまで市町村においてガイドラインを踏まえながら、適時適切な見直しが行われているところであり、改定につきましては、国や他の都道府県の動向を注視してまいります。
次に、市街化調整区域における40戸連たんの開発許可基準の制定経緯についてのご質問ですが、旧制度では、市街化区域と一体的な日常生活圏を構成し、おおむね50戸以上の建築物が連帯している地域内の宅地については、都市計画法に基づく建築行為の許可が不要とされておりました。
しかし、排水や安全性の基準が適用されていない等の問題が多く発生したため、平成12年の都市計画法の改正により廃止され、新たな許可要件として、この地域における開発行為について、条例により許可の対象にできることとされました。
これを受け、県では、平成13年に開発行為等の基準に関する条例を制定し、法の趣旨を踏まえ、40個以上の建築物が連帯している地域について、許可することができることといたしました。
次に、市街化調整区域での開発許可についてのご質問ですが、都市計画法では、市街化調整区域で立地可能な開発行為が定められており、具体的には、開発区域の周辺の市街化を促進するおそれがなく、市街化区域での立地が困難と認められるもの等について許可することができるとされています。
これを踏まえ、県では、市街化調整区域において無秩序な開発を抑制し、農地や森林等との調和を図りながら、開発許可制度を運用していくことが重要と認識しております。
引き続き、秩序ある開発が行われるよう、関係する市町の意見を聞きながら、開発許可の基準を初めとする制度の適正な運用に努めてまいります。
以上でございます。
–議長
健康福祉部長 岡田慎太郎君。
–岡田慎太郎 健康福祉部長
障害者グループホーム等の整備状況等に関するご質問にお答えします。
県では、障害のある方の地域生活への移行を推進するため、グループホーム等の整備を進めてきたところであり、本年3月末時点での整備状況は748事業所、定員は1万1640人となっています。
今後の整備目標ですが、本年3月に策定した第8次障害者計画において、令和8年度までにグループホーム等の定員を1万5000人にまで増やすこととしています。
また、障害のある方の生活を地域全体で支える地域生活支援拠点等については、本年3月末時点で、共同設置を含めて31市町で整備されているところです。
引き続き、市町村や関係団体等と連携し、障害のある方が身近な地域で安心して生活できる環境の整備に努めてまいります
次に、就労継続支援A型事業所の廃止状況についてのご質問ですが、県が所管する就労継続支援A型事業所のうち、今年3月から8月までの間に廃止した事業所数は、5事業所利用者数は47名でした。
廃止の理由は、利用者がいないことや、昨今の物価高騰や最低賃金の上昇等を背景とした経営不振利用者の高齢化に伴い、就労継続支援B型事業所へ移行するためなどとなっています。
事業所の廃止に際し事業者は、利用者の意向に応じて利用者が継続的にサービスを受けられるよう、必要な便宜を図る責務があり、県では、事業者から利用者の移動先等について報告を求め、確認を行ったところです。
現在他の事業者から廃止に係る相談を受けていませんが、地域において障害がある方が、必要なサービスを継続して受けられるよう、引き続き事業所の運営状況等について注視してまいります。
最後に、就労継続支援B型事業所の工賃向上に関するご質問ですが、障害のある方が持てるし、能力を発揮し地域において自立した生活を送れるよう支援するため、工賃の向上は大変重要と認識しています。
一方で、工賃の向上に向けては、事業所が受注できる業務や商品の認知度が低いこと、また発注する企業等々、事業所のマッチングが進んでいないことなどが課題となっています。
このため県では、共同受注窓口の設置や管工事の促進により、各事業所の受注機会の拡大を図る他、商品の認知度を高めるため、企業等への商品の設置販売や農福連携マルシェなどの合同販売会を開催するなど、工賃向上に向けた様々な支援を行っています。
引き続き障害のある方が生きがいを持って社会に参画するとともに、収入を得て、地域において自立した生活が送れるよう、市町村や関係団体等と連携し、工賃の向上に取り組んでまいります。
以上でございます。
質問・要望(第2回目)栗原直也 議員
–議長
栗原直也君。
–栗原直也 議員
ご答弁ありがとうございました。
それでは、質問項目に従い、再質問と要望を述べさせていただきます。
まず第1項目の都市計画道路について質問させていただきます。
壇上での都市計画道路の課題として述べた通り、いわゆる盛岡裁判の補足意見からは、適切な見直しや建築制限の緩和に関する対応をとることなく、長期間放置されたままの都市計画道路は、損失補償の訴えの対象となる可能性があることを述べさせていただきました。
直ちに都市計画道路の廃止を含めた見直しを決定することは難しくとも、優先整備路線以外での商業地域や近隣商業地域などの建ぺい率や容積率の高い地域においては、建築制限を裁量により見直すことが可能ではないかと考えます。
そこで伺います。
裁量により、建築制限を緩和している県内自治体の状況はどうか。
次に、項目の2、開発許可制度について要望いたします。
この40戸連たん制度は、それまでの既存宅地制度の問題点を改善するために制度化されたもので、既存宅地としての認定の困難さや開発行為とのバランスさらには、排水整備設備や安全性などの既存宅地制度の課題に対応できるものの、市町村が区域指定したエリアにおける既存の住宅団地などと隣接した地域では、市街化調整区域での広範な開発が可能になるなどの運用課題が残されています。
このことから、都市計画の線引きの意味を失わせるような無秩序な開発を防ぐとともに、自然環境を保全する意味からも、市町村の意見を丁寧に汲み取りながら、地域住民に寄り添った開発制度の運用に努めていただくよう要望いたします。
また項目の3、障害者グループホームについて要望を申し上げます。
県では、障害者グループホーム等の事業所に対するサービスの質の確保を目的として、定期的に実施指導や立ち入り検査を実施し、さらにはグループホーム等を支援ワーカーによる事業所への運営相談や研修会を実施しているとのご答弁でした。
厚生労働省の指針では、事業所ごとにおおむね3年に1回の実地指導を行うこととしており、それに基づき、利用者や職員の記録や運営状況の確認がなされています。
しかし多くの営利企業が参入するグループホーム事業所の運営をチェックし、給付の適正化やサービスの質を確保するためには、この厚労省の指針以上の定期検査が必要ではないかと考えます。
さらに年1回以上開催される。地域連携推進会議と連携し、外部の目を生かしながら、運営状況を確認していくよう要望します。
次に項目の4、障害者就労支援事業について要望します。
障害者就労支援事業のあり方として、就労体験から得られる社会との繋がりや、社会の役に立つ存在としての自己の肯定感、さらには連帯感や、自らの居場所としての安心感など多くの価値が含まれており、就労での工賃の上昇のみを目標とすべきではないと考えます。
しかしより多くの新たな価値や喜びのためには、就労の機会をより多く得ることが求められ、その結果としての工賃の上昇は、自立した生活を送るためにも必要となります。
また障害者の優先調達に関して、令和4年度での県の調達額は約2200万円であり、県内全市町村の優先調達額の10分の1程度しかありません。
今後も検討して、一層の就労の確保に向けた取り組みを進めるよう要望いたします。
以上で2回目の質問と要望を終了します。
ご答弁よろしくお願いいたします。
答弁(第2回目)
–議長
都市整備局長 澤宏幸君。
–澤宏幸 都市整備局長
建築制限の緩和についてのご質問ですが、事業前の都市計画道路等の区域内における建築制限は、将来の円滑な施工を確保するための制度であることから、都市計画法において許可される建築物が容易に移転し、または除却することができるものとされています。
県内では6団体が法の趣旨にの範囲内において建築制限の基準を緩和しております。
以上でございます。
–議長
栗原直也君。
要望(第3回目)栗原直也 議員
それでは最後に、1項目の都市計画道路について要望を述べさせていただきます。
もとより、都市計画道路の必要性やその効果について否定するものではなく、単に交通渋滞の緩和ばかりか、広域道路ネットワークによる産業拠点の確立や、大規模災害時での緊急輸送道路としての果たすべき役割についても十分理解しております。
県においても、企業誘致における産業用地の確保は喫緊の課題であり、国道や県道、さらには高速道路と連結する道路ネットワークの構築は重要なものと考えます。
しかし、必ずしも財政状況が豊かとは言えない自治体においては、都市計画道路の建設は財政的に大きな負担を伴うものであります。
社会保障関係費の大幅な増加ばかりか、公共施設やインフラの更新費用にも苦慮する状況にあります。
県内でも財政規模や人口状況が、中規模と思われる四街道市では、平成28年度の議会の中で、都市計画道路に関する推計値が報告されています。
その内容として、都市計画決定を受けた道路の総延長が約5万mであり、その整備率が47.2%また、市単独での直近10年間の平均整備実績をもとにした全線開通までの必要年数は約230年さらに今後必要とされる未整備道路の事業費が約370億円とのことでした。
どれも約10年前の推計値であり、どの期間や、いつの施工単価を前提とするかにより数値は異なりますが、少なくとも全線開通までにはさらに100年以上の年月と市の一般会計予算規模程度の事業費が求められるものと推測されます。
都市計画は100年の大計と言われるように、その完成には長い年月が必要とされます。
しかし、国勢調査に基づく国の将来推計人口では、2020年の約1億2600万人から、50年後の2070年には8700万人に減少するとともに、高齢化率も28.6%から38.7%へと増加します。
既にこの国は多くの都市計画道路が決定された昭和40年代の高度経済成長の時代から、穏やかな低成長の時代へと移り、都市のあり方も拡大からコンパクトなまち作りへと姿を変えようとしています。
このような状況の変化から、都市計画道路の見直しが強く求められるもので、県による市町村への積極的な見直しの働きかけを要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
ご清聴ありがとうございました。