本日の県議会をいち早くお伝えいたします。
※複数人体制でチェックしてはいますが、できるだけ早く、皆様に議会での議論をお届けしたいと文字起こしをしているため、誤字などもあります。ご容赦いただき、各自、ご確認ください。
本日(2024/6/21)午後二人目の一般質問は、自由民主党の伊豆倉雄太議員でした。
質問項目
- 地域公共交通について
- 少子化対策について
- 農業支援策について
- 内水面漁業について
- 文化振興について
- 京葉臨海コンビナートの脱炭素化について
- 県立公園について
- その他
議会質問・答弁の書き起こし全文
質問(第1回目)伊豆倉雄太議員
皆さんこんにちは。
自由民主党市原市選出、伊豆倉雄太ございます。
本定例議会におきまして登壇の機会をくださいました先輩同僚議員の皆様に心より感謝申し上げます。
質問の文字数が多いので通告に従いまして質問に入らせていただきます。
地域公共交通について
まず地域公共交通についてお伺いいたします。
地域の足でもある公共交通機関として、誰もが真っ先に思い浮かべるのは鉄道とバスだと思います。
まず鉄道についてですが、コロナを契機とした社会の高度変動により人口が多く、利用者も多い都市部でも影響が出始めていますが、郡部において人口減少に伴う利用者の減少、そして本数の減少と都市部以上の悪循環に陥っております。
このような中小湊鉄道、いすみ鉄道、銚子電鉄などのローカル鉄道は、地域の顔でもあり、貴重な観光資源となっています。
以前我が党の代表質問でも取り上げていただきましたが、小湊鉄道といすみ鉄道は、蘇我駅を起点として、五井駅から養老渓谷を通り、中野から大原、大原から蘇我へと房総を横断し、中房総をぐるりと回る海から山まで、中房総を満喫できるローカル鉄道の旅が可能なエリアとなります。
しかし、小湊鉄道といすみ鉄道の乗り換えなどの課題や、養老渓谷から大多喜周辺は軟弱な地盤であり、災害が発生しやすい路線でもあるなど、安全対策には課題も多くあります。
以前、小湊鉄道の社長とお話した際には、小湊鉄道としても、地域と一体となり、沿線を整備していただいている路線を守るため、最大限の努力をする中で、地域の足として観光の顔として上総牛久以南も運営していきたいと望んでいるが、鉄道事業事業者として、安全対策へのコストが最大の悩みだとおっしゃっていました。
確かに輸送人員だけ見れば、代替交通手段の考え方もあると思いますが、これだけ地域からも愛され、地域のことを考えてくる事業者はめったにいないと思います。
ローカル線を見る上で利用者の数のことだけではなく、ローカル線による経済効果や付加価値がどれくらいあるものかも重要な検討材料ではないでしょうか。
現在、国から補助申請も検討しているようですが、安全対策をしっかり行うことで、地域の足として観光資源としての活用に期待するものであります。
そこで伺います。
小湊鉄道の安全確保に対する支援について、県の認識はどうか。
また今後どのように取り組んでいくのか。
次にバス事業についてお伺いします。
皆様も十分ご承知の2024年問題。
一度事故を起こせば大きな事故になりかねないため、大型車の通行は万全の体制を期すことは理解できますが、急に推し進められる事業に困惑の声もよく聞きます。
いわゆる働き方改革の趣旨は十分に理解しつつも、ただでさえ働き手の少ない業種の声をもう少し反映していくべきものと実感しています。
物流や公共交通などいろいろな課題はありますが、先日発表された高速バスを除く、廃線や減便のバス路線は1900便あり、8割が2024年問題に対する人員不足を理由としています。
ここでは高速バスが対象にはなりませんが、コロナが5類に移行した現在、運転士不足により運行ができない路線が多く存在します。
こうした状況に対しているのが埼玉県であります。
路線バスに対する補助は、国と県が行う埼玉県生活交通路線維持費補助金制度がありますが、この補助金では、国の対象とならないものでも、埼玉県が直接補助や間接補助で対象を市町村へ補助をしています。
千葉県としても、各事業者と日々意見交換をされていると思いますが、この広い千葉県において、バス事業に対する支援を行うことは、ある程度の地域性を踏まえた広域的なエリアを意識し、検討する必要があると思います。
そこで伺います。
バス事業者が厳しい経営状況にある中、路線バスの維持確保に対し、どのような支援が行われているのか。
少子化対策について
次に少子化対策について伺います。
2022年の合計特殊出生率は1.26と近年大きな改善傾向は見られず、人口維持するということは、経済を回す上でも、国力の面でも非常に重要な課題であり、いかに人口を増やすことが重要であること、これは皆様が理解していると思います。
私はこの人口を増やす一助となるのが不妊治療だと考えます。
皆さんにとあるデータをご紹介いたします。
2021年の総出生数81万1622人のうち11.6人に1人、約8.6%これは何かというと、不妊治療の中でもより確率が高いとされる体外受精で生まれてきた子供の割合です。
今回のテーマの不妊治療には、皆様もご存知の通り、より多くの治療方法があり、不妊治療で生まれてくる子供は、この数よりももっと多くいます。
県ではこれまで体外受精や顕微授精、男性不妊治療への治療費の助成をしてきましたが、令和4年4月から一般不妊治療および体外受精や顕微授精などの生殖補助医療が保険適用となったことから、助成事業は終了されました。
ところが、保険の適用範囲は、先進医療や混合診療等は含まれず、現在でも全額自己負担であり、不妊治療を受ける全ての方の負担が軽減されてはいません。
少子化対策は、我が国はもとより本県においても非常に重要な課題であり、子供を授かりたい方が必要な治療を躊躇なく取り組めるよう、県として妊娠出産の願いに寄り添っていく必要があるのではないでしょうか。そこで伺います。
不妊治療の追加支援策として、治療費用の助成が極めて重要な取り組みだと考えるがどうか。
農業支援策について
次に農業支援について伺います。
日本に住んでいると、あまり危機的な状況を感じないですが、これからの世界情勢は食糧難との戦いとも言われています。
多くの物を海外から輸入に頼る日本には、コロナ禍において、半導体不足や様々な原料や物が輸入できない状況を経験しました。
物がそのような状況で作物がいつ同じような状況に陥るかは誰も予測できず、以前の一般質問においても、年間国内で約10万tの米が余っているとのお話をしましたが、本年現在では、昨年の北陸の災害や北陸東北の高温障害で米が不足しており、業者の方が四苦八苦しているとも聞きます。
世界情勢や為替に左右されない基盤作りは必要不可欠であると考えます。
既に飼料や肥料の高騰を経験している我が国は、肥料飼料なども自国で生産消費を考える時期にあると思います。
そんな状況に加え、天候に左右される作物の将来の見通しはより不透明です。
我が県の荒廃地は1万1435ヘクタールであり、このような荒廃農地をいかに利用するのか、また誰に耕作してもらうかは非常に重要になると考えます。そこで伺います。
県では荒廃農地の解消に向け、今後どのように取り組んでいくのか。
先ほど申し上げましたが、県内でも飼料の高騰で経営に大きな影響があり、頭を抱えている酪農家畜産家の方が多くいらっしゃいます。
高騰の一因は、多くの飼料が海外からの輸入に頼っていることもあり、安定した飼料の確保のためにも今後の基盤作りは非常に重要だと考えます。そこで伺います。
県産飼料の安定確保に向け、県ではどのように取り組んでいるのか。
また、担い手不足も深刻さを増しており、高齢化の進む中で、担い手の存在は非常に重要であります。
先ほども述べましたが、現在我が県の荒廃地は1万1435ヘクタールであり、今後もますます増える傾向にあると思います。
そこで米農家にスポットを当ててみますと、令和5年の米価は、千葉県産コシヒカリは1俵あたり1万4500円となっており、1俵あたり2万円を超えれば、喜んでやりたいという農家も多いことでしょう。
ただし、1俵2万円前後でも収益が上がるのは、それなりの規模で運営をしている農家であること。
また、全農に下ろすときは1俵1万2000円から1万4000円だとしても、エンドユーザーが買うときには2万円や2万2000円になっていること。
私はこうしたことも支障になってるんじゃないかと感じています。
また、農業機械や肥料費が高騰する一方、それでも原価が上昇しない状況では、農家が減少してしまうことは当然であり、他の作物に比べ補助の手厚いと言われている米農家ですが、トントンないし赤字でも農地を荒らさないようにと、何とか続けていると農家も多く、もっと感謝すべきだとも思います。そこでお伺いいたします。
稲作農家の経営安定を図るため、県はどのように取り組んでいるのか。
近年、農家数の減少が問題となっていますが、地域の米農家さんが辞めてしまうタイミングとして、ご家族の病気、農機具の故障などが多いように感じています。
これに加え、給水や排水などを行う机上や水門、水路などの施設が壊れてしまい、多額の負担金が発生する事態になると、さらに多くの離農者を生むことになる恐れがあるのではと危惧しております。令和5年の県の調査では、机上などの農業水利施設の基幹的なものの75%が対応年数を経過しているというデータがあります。
耐用年数を過ぎても、直ちに故障するわけではありませんが、農家の負担に直結するリスクであることは間違いないと思います。
そこで伺います。
農業水利施設の老朽化に対し、県はどのように対応しているのか。
また、先ほど、基幹的な農業水利施設でだけではなく、小さな土地改良や水利組合が維持管理している小規模な農業水利施設についても、老朽化が進行しており、これらが故障するとやはり高額な受益者負担が発生します。
さらに、国の補助金申請には、採択要件を調べ、申請書類を作成する必要がありますが、素人が行うには非常に困難なのが現状です。そこで伺います。
小規模な農業水利施設の老朽化対策について、県はどのように支援をしているのか。
担い手についてお伺いします。先ほども担い手が非常に重要だとお伝えしましたが、新規就農者については、国の新規就農者育成総合対策のうち、就農に向けて必要な技術等を習得する研修生に対し、就農準備金として最長2年間支給されます。
就農後、経営が安定するまでの期間は、経営開始資金として最長3年間、それぞれ150万円の支援メニューがあり、加えて就農後の経営発展のために必要な機械、施設を導入する場合には、経営発展支援事業として、国、県を合わせ上限750万円までの支援メニューも用意されています。
新規就農は、例えば脱サラをして農業を行う方、学校を卒業して農業を行う方、定年退職してから就農など様々なケースが想定され、これに対する多様な支援体制が提供されているにもかかわらず、新規就農者の確保は近年大きな課題となっています。
兼業でも行っていただくことは非常に重要ではありますが、農業中心の生活をする方や、増やしていくには、技術や知識を習得し、農業を続けていくことのできる展望を持っていただき、不安を解消することも重要だと考えます。そこで伺います。
県では、新規就農者の定着に向けどのように取り組んでいるのか。
また、担い手不足の中、他業種との連携があってもいいと思います。
例えば、季節ごとに繁忙期や閑散期がある業種、地域の土木事業者など、土地改良や農家と連携をして行える可能性があると思います。
現に、いくつかの農家や土地改良では、他業種からの相談もあったようです。そこで伺います。
農作業の労働力の確保のために他業種との連携も考えると思うが、どうか。
内水面漁業について
次に、内水面漁業についてお伺いします。
今まで危機的状況を感じながら、我田引水になるようでずっと避けていた質問が、内水面漁業です。
今何とかしないと、内水面漁業は崩壊しかねませんので、今回あえて質問をさせていただきます。
内水面漁業というのは簡単に言うと、河川や湖沼における漁業のことを、内水面漁業と言います。
印旛沼や手賀沼の佃煮や、鰻、鯉の養殖などのイメージがわきそうですが、利根川や外房を中心としたシラスウナギの採捕が、内水面漁業のもっと収益の高い事業となっています。
この内水面漁業を管理する漁協は、例えば鮎やフナの放流事業や及川屋などの融資の産卵所の整備、釣り場環境の整備など、今ある水産資源の管理のために役割を多く担うとともに、手賀沼漁協や養老川漁協のアユなどのつかみ取り、小櫃川のボート組合との連携、さらに以前、夷隅側においても大盛況となったニジマス釣りなど収益の確保を行っています。
しかしながら、内水面漁協は現状厳しい経営状態が続いています。
漁業をなりわいとして生活している組合員はほんの一部が現状で、さらに組合員の高齢化、組合員の減少など多くの課題があるとともに、多彩な事業が行いたくても、マンパワーがそもそも足りてない状況です。
私が理事になったのが10年前、そして当時60代70代だった理事、組合員の方たちは同じだけ年を重ねています。
こうした状況で、レジャーの多様化が進むものの、自然と触れ合う釣りも、未だに根強いファンも多く、何とか河川湖沼の環境を守っていきたいと思いますが、多くの課題があるのも現状です。そこで伺いますが、内水面漁業振興について県はどのように取り組んでいくのか。
文化振興について
次に、文化振興について伺います。
千葉県誕生150周年記念事業は、昨年6月、ちょうどコロナが5類移行後から1年間、多彩な事業が県内各地で実施され、今月15、16日に記念事業の集大成として九十九里浜と勝浦市でフィナーレイベントを実施し、外房の魅力が発信されたのは記憶に新しいところであります。
また100年後芸術祭は、100年後の未来を見据え、持続可能な社会作りのプラットフォームとなる本県ならではの新しい芸術祭として、150周年記念事業に合わせ、県内6地域で開催され、内房地域では内房総アートフェスが、私の地元市原を初めとした5市を舞台に非常に広いエリアで展開されました。
先日、閉会式会場の旧里見小学校には知事初め、山本副議長、板倉局長もおいでくださいました。
来場者も速報値では約15万人と聞いており、多くの人が自分のいない100年後の未来を考えるきっかけになったのではないかと思います。
文化の発展はもとより、こうしたイベントを通じ、いかに千葉県の魅力を感じてもらい、千葉に来る観光客やリピーターを増やし、ひいては移住定住に繋げていくことが重要だと考えます。
100年後の未来を見据え、持続可能な社会作りのプラットフォームとなる本県ならではの新しい芸術祭でしたが、こうした事業には多くの賛否の声があり、事業に賛同していただくためには、どのような効果があったのか、客観的なデータが必要でもあると考えます。そこで伺います。
100年後芸術祭はどのような成果があったのか。
また検証を踏まえ、次に繋げていくべきだとお考えかどうか。
京葉臨海コンビナートの脱炭素化について
次に、京葉臨海コンビナートの脱炭素化について伺います。
本件は、千葉市から富津市までにおよぶ東京湾沿岸に鉄鋼、石油精製、石油化学の各分野において、複数の日本を代表する企業が立地する国内最大規模を誇る京葉臨海コンビナートが形成されています。
県ではこの立地企業に加え、国、地元市、有識者による京葉臨海コンビナートカーボンニュートラル推進協議会を設置しました。
このように、コンビナートの脱炭素化について議論する場ができたことは大変意義のあることだと思います。
一方、生産規模やサプライチェーンなどにおいて大きな影響力を持つ大企業が複数協議会に参画いただくため、合意形成には、他のコンビナートにはない難しさもあるのではないかと思います。
こうした中、先日国会で水素社会推進法やCCS事業法が成立し、国での脱炭素の取り組みが加速化することが見込まれており、協議会における県の役割はますます重要になっていくものと考えます。そこで伺います。
コンビナートの脱炭素化に向け、京葉臨海コンビナートカーボンニュートラル推進協議会において、県はどのような役割を果たしていくのか。
県立公園について
最後に県立公園について伺います。
私は幼少期からの経験を踏まえ、県議会議員となった以降、千葉県議会、スポーツ振興議員連盟に所属する中で、安全で快適なスポーツ環境の提供、このすごくシンプルなことを再認識したことから、今回、公共スポーツ施設の充実についてお伺いいたします。
県立都市公園には、長年の使用による老朽化や、時代に合わない設備など修繕が必要な野球場、陸上競技場、体育館などが多く存在しています。
特に野球場については、平成29年に県議会において、千葉県野球協議会会長から提出された老朽化施設等の改修や照明設備の新設などを求める請願が採択されました。
その請願も踏まえ、県総合スポーツセンターでは、野球場の耐震化を含む大規模改修を令和元年までに、またその続きに、ナイター施設整備も令和3年度に整備していただきました。
特に照明施設により夕方以降も試合ができ、利便性安全性が向上したと聞いています。
現在も、県立都市公園のスポーツ施設の改修に取り組んでいただいているとは思いますが、具体的な進捗状況について伺います。
県立都市公園内にあるスポーツ施設、特に野球場の改修状況はどうか。
以上を持ちまして、壇上での質問を終わらせていただきます。
知事初め執行部の皆様には前向きなご答弁をよろしくお願いいたします。
答弁(第1回目)
–議長
伊豆倉雄太くんの質問に対する当局の答弁を求めます。
知事 熊谷俊人君。
–熊谷俊人 知事
自民党の伊豆倉雄太議員のご質問にお答えをいたします。
まず、農業支援策についてお答えいたします。
稲作農家の経営安定に向けた県の取り組みに関するご質問ですが、県では稲作農家の経営安定を図るため、主食用米から飼料用米等への転換に対して、国の交付金に上乗せして助成をするなど、需要に応じた米生産を進めるとともに、スマート農業技術の導入などによる経営規模の拡大や効率化を進めているところです。
また今年度は飼料用米への転換を定着させるため、専用品種での取り組みを進めるとともに、需要の拡大が見込まれる輸出用米や米粉用米に取り組む農家に対して、新たに生産の省力、低コスト化に必要な機械の導入を支援することといたしました。
さらに県内量販店等における新米キャンペーンの実施や、粒すけの認知度向上に向けたプロモーションの実施などにより、県産米の需要拡大を図り、稲作農家の経営安定に繋げてまいります。
次に県立都市公園における野球場等の改修についてのご質問にお答えをいたします。
県では千葉県公園施設長寿命化計画に基づき、野球場や陸上競技場などスポーツ施設の計画的な改修を進めているところです。
野球場における主な改修として、青葉の森公園ではラバーフェンスやスタンドベンチの改修を行い、現在スコアボードの電子化等を進めています。
また、長生の森公園ではスコアボードの電子化を終え、これまでに実施した環境影響調査の結果や、地元市等からの継続的な設置要望を踏まえ、野球場の利用拡大や防災拠点としての機能拡充の観点などから、現在ナイター照明設備の設置に向けた検討を進めているところです。
県としましては引き続き、利用者の安全安心や利便性の向上に向け、施設の改修や整備拡充に取り組んでまいります。
私からは以上でございます。
他の質問につきましては担当部局長からお答えをいたします。
–議長
総合企画部長 冨沢昇君。
–冨沢昇 総合企画部長
地域公共交通について、まず小湊鉄道の安全確保に関するご質問にお答えいたします。
小湊鉄道は、沿線住民の生活の足としての役割はもとより、県内外から地域に人を呼び込むための観光資源としても重要な役割を果たしていることから、その安全確保が不可欠であると認識しております。
現在市原市が中心となり、関係者との調整会議を設置し、小湊鉄道の施設更新等に対する国庫補助の活用に向けた検討を進めているところであり、県としては会議に参画しながら、小湊鉄道の安全性等の確保に向け、しっかりと協力してまいります。
次に路線バスの維持確保に対する支援に関するご質問ですが、県では、生活交通路線の確保方策の一環として、千葉県バス対策地域協議会において必要と認められた広域的かつ幹線となっているバス路線の赤字に対し、国と協調して補助を実施し、運行の維持等を図っています。
また国においては、幹線に接続する地域内のバス路線の赤字に対して補助が行われている他、各市町村においても地域の実情に応じて独自の補助が実施されているところです。
今後とも県民生活にとって重要な路線バスの維持確保に向けて、市町村や交通事業者等と連携しながら取り組んでまいります。
以上でございます。
–議長
健康福祉部長 岡田慎太郎君。
–岡田慎太郎 健康福祉部長
不妊治療の追加支援についてのご質問ですが、これまで県は、国の補助制度を活用し、体外受精や顕微授精、男性不妊の手術にかかる費用の一部を助成し、支援を行ってきましたが、令和4年4月から、これらの基本治療は全て保険適用となりました。
また保険適用とならない治療の一部については、先進医療と位置づけられ、全額自己負担となりますが、将来的な保険導入に向けて、保険診療との併用が特別に認められています。
県としては先進医療に係る経済的負担の軽減は、不妊治療に取り組む方の治療の選択肢を広げることに繋がるものと考えており、引き続き有効性が確認された治療の速やかな保険適用等について、国に働きかけてまいります。
以上でございます。
–議長
農林水産部長 前田敏也君。
–前田敏也 農林水産部長
私からはまず農業支援策についてお答えいたします。
荒廃農地の解消に向けた取り組みについてのご質問でございますが、荒廃農地は、病害虫の発生や鳥獣被害など営農に悪影響を及ぼす恐れがあり、農業者の高齢化や離農、条件不利地などへの課題にも対応しながら、その解消に取り組むことが重要です。
このため、県では農地中間管理機構を介した担い手による耕作条件の改善支援を行うとともに、県内の耕作放棄地解消の事例集を活用した普及啓発に取り組んでいるところです。
また、規模拡大を目指す農業者や新規就農者による農地の有効活用を促すとともに、現在各市町村で進められている地域計画の策定などを通じて、荒廃農地の解消に取り組んでまいります。
次に、県産飼料の安定確保についてのご質問ですが、世界情勢や円安等により、近年の飼料価格が高騰している中、将来にわたり輸入飼料に過度に依存せず、輸入用牛などの県産飼料を安定的に確保していくためには、栽培面積の拡大と生産性の向上を図ることが重要であると考えております。
県農林水産業振興計画では粗飼料受給率を毎年2%向上させることを目標に掲げており、飼料収穫機械などの導入支援や生産性向上のための技術指導を行っているところです。
また、限られた土地を有効に活用するために二期作二毛作の取り組みを支援する他、今年度からは、養豚農家等が家畜伝染病の発生に備えて確保した売却予定地を活用し、酪農会の資料を提供するモデル事業にも取り組んでおります。
次に、農業水利施設の老朽化に関するご質問ですが、本県の農業水利施設については、多くの施設が耐用年数を超えていることから、計画的に老朽化対策に取り組んでいく必要があると考えております。
このため県では、施設管理者である市町村や土地改良区を対象に、施設診断技術に係る研修等を実施するとともに、農業水利施設管理マニュアルに基づいた点検診断を毎年実施するよう指導し、施設の劣化状況の把握に努めているところです。
この診断結果をもとに緊急度や必要な改修内容を検討し、基幹的な農業水利施設については、県が事業主体となることで地元負担の軽減を図るなど、引き続き施設の状況に応じて計画的な老朽化対策を進めてまいります。
次に、小規模な農業水利施設の老朽化対策に関するご質問ですが、小規模な農業水利施設については、土地改良区や水利組合が維持管理を行っておりますが、構成員の高齢化や減少に伴い、運営費や改修費などの費用負担が課題となっております。
このため県では、施設設備の劣化状況や施設管理者の財政状況等を踏まえ、施設規模等に応じた国庫補助事業の活用を提案するとともに、事業計画の策定に係る技術的助言などを行っているところであり、引き続き小規模な農業水利施設の老朽化対策を支援してまいります。
次に新規就農者の定着に関するご質問でございますが、新規就農者の定着には、営農計画を実現するための生産基盤の整備や、経営が軌道に乗るまでの所得確保などに加え、新規就農者を地域で支える体制作りが重要です。
そこで県では、就農前後の資金交付や農業経営を開始したものに対して、機械施設などの導入経費を助成する他、栽培技術や経営管理などを学ぶ3年間のセミナーの開催をしているところでございます。
また新規就農者が生産技術や販路確保などについて、身近な地域で相談できるよう、市町村や農協、生産者などが連携した体制作りを支援するなど、引き続き新規就農者の定着を図ってまいります。
次に、農作業の労働力確保に関するご質問ですが、農作業は季節による仕事量の差が大きく、必要な時間に必要な労働力を確保することが重要であることから、繁忙期が異なる他業種との連携による取り組みは有効であると考えております。
このため県では昨年度モデル事業として、イチゴ生産者と建設業者のマッチングを行い、繁忙期における苗の植え付けなどの作業を建設業者が請け負う取り組みを行ったところです。
この取り組みの結果、参加した企業においては、副業制度が構築され、引き続き農作業にも従事できるようになったことから、今後も連携の可能性のある業種とのマッチング事例を積み重ね、他業種と連携した労働力確保の取り組みを広げてまいります。
最後に内水面漁業の振興についてのご質問ですが、本県の河川湖沼は漁業協同組合が主体となり、種苗放流や産卵場作りなどの漁場管理を通じて、漁場としての機能を発揮するとともに、釣りや自然と親しむ場として活用されるなど、地域の活性化に寄与しています。
そこで県では、漁業者等が取り組む河川清掃などの環境保全活動や、カワウなどによる食害対策について支援を行うとともに、遊漁料収入の増加に繋がるアユ種苗の安定生産にも取り組んでいるところです。
今後も漁場管理活動などへの支援を通じて、漁業経営の安定を図るとともに、活力の高いアユ種苗の開発やワカサギの放流効果を高めるための調査に取り組むなど、内水面漁業の振興と地域の活性化に繋げてまいります。以上でございます。
–議長
スポーツ文化局長 板倉由妃子君。
私からは、100年後芸術祭の成果と今後についてのご質問にお答えいたします。
100年後芸術祭は、100年後の未来を考える、本県ならではの新しい芸術祭であり、国の天然記念物である成東・東金食虫植物群落や重要文化財の旧学習院初等科正堂など自然や歴史文化など、地域の特色を生かしたアートや音楽のイベント等が県内6地域で展開されました。
特に5市で開催された内房総アートフェスでは、絵画、彫刻、映像、インスタレーションなど、多彩なアート作品を巡ることで、土地の魅力の再発見に繋がり、文化振興による魅力発信の新たな自治体連携モデルとなったのではないかと考えています。
100年後芸術祭については、これらの成果や経済波及効果、課題などを検証するとともに、開催市町の意見も伺いながら、今後のあり方について検討してまいります。
以上でございます。
–議長
商工労働部長 野村宗作君。
–野村宗作 商工労働部長
京葉臨海コンビナートカーボンニュートラル推進協議会における県の役割に関するご質問でございますが、京葉臨海コンビナートは、国内最大級のエリアに、鉄鋼、石油精製、石油化学、エネルギーなど、他業種に渡り日本有数の企業が立地しているという特殊性があり、コンビナートの脱炭素化は、我が国の経済の行く末も左右しかねない極めて重要な課題と認識しております。
一方、京葉臨海には、こうした特殊性があるため、脱炭素化に取り組む場合において、他業種に渡り、企業間連携を図る必要があり、同業種においても、普段競合関係にある企業同士が協力していかなければならないなどからその調整に多大な労力や時間を要するという難しさがございます。
県としてはこうしたことも念頭に置きながら、県が設置した官民協議会の中で、立地企業へのきめ細やかな個別ヒアリングを重ね、一刻も早く、コンビナートの脱炭素化の取り組みが促進されるよう、引き続き企業間の調整に努めてまいります。
以上でございます。
–議長
伊豆倉雄太君。
質問・要望(第2回目)
–伊豆倉雄太 議員
ご答弁ありがとうございました。
一生懸命話させていただいたので、だいぶ時間が余ったのでゆっくりできそうです。
まずですね、地域公共交通について要望いたします。
日頃よりですね、寄り添うような職員の皆様のご尽力に感謝をいたします。
小湊鉄道は地域から愛され、小湊鉄道自身も今まで以上に地域に寄り添い、小湊を利用してもらえる工夫であったり、地域貢献を考えてくれています。
房総横断ですと、安全対策が十分に行え、利便性が向上した際には、多くの利用者があり、また、中房総を凝縮した旅を想像するだけでもわくわくしませんか。
ぜひ実現に向け、県からのご支援をよろしくお願いいたします。
次に農業支援について要望と再質です。
県は農業政策で日頃より良くするために取り組んでいることは理解します。
しかしながら質問に当たり、執行部の説明を聞きましたが県の主体性に疑問符がつくこともあります。
県の性質上、国と市町村の間で行う事業が多くあると思いますが、市町村と連携をとることも多いのであれば、もっと積極的に提案や解消に向けた取り組みを行っていただきたいと思います。
具体的なことは申し上げませんが、今、既存の事業で予算が足りないもの、必要だが想像以上に機能してない事業など農業関係にも政策の検証と検討、再度のブラッシュアップが必要だと思います。
荒廃農地の解消についても、市町村との連携が必要なのは理解しますし、主体が市町村や土地改良であることは理解しますが、県の主体性が薄いように感じます。
また、県内では、国の政策で行われた大きな土地改良もありますし、1枚が一町歩や二町歩に基盤整備された田んぼもあり、そうした大規模な農地でも、米価の不安定さ肥料の高騰、担い手の問題など多くの課題があると思います。
そして中山間地の農地はさらに深刻さを増しています。
農地の集約化も難しく、荒廃させれば即イノシシのすみかになってしまいます。
これを防ぐため、日々努力をいただいている地域の切実な課題である荒廃農地の解消や水利施設の老朽化などの質問をさせていただきました。
これも地域が主体と言われそうですが、相続により、今ある田畑から、市外や県外在住の方に渡るケースも多く聞きます。
結果、草刈さえせず荒れてしまう田んぼが多く存在し、修理費や賦課金などの徴収に苦労することも多くあります。
また、市町村や地域でも農地はいらないからもらってくれないかとの相談も多くあるとも耳にします。
そこで再質問します。
相続により荒廃する農地を増やさないためにも、どのような政策を行っているのでしょうか。
さて、稲作農家の経営安定のためには、一番は米価の上昇です。
そして答弁等にもあるように、様々な事業の展開をされていますが、飼料用米に頼るのではなく、可能な農家へは他の作物への転換や米粉などを加工に使われる品種の作付けの拡大、消費の促進をぜひ行うように要望いたします。
特に、米粉を使ったパンや麺類は、グルテンフリーの需要の高まりや、小麦粉アレルギーの子供たちが同じ給食を食べられるなど、食への楽しみをもたらします。
ぜひ進めていただければと思います。
なお、新規就農者の説明を受けた際に、私はですね、非常に感銘を受けました。
新規就農者を増やすには、もっと助成金を出した方がいいのではと質問したところですね。
その方は農業者は良い作物を作ると同時に経営者でもあり、補助制度だけではなく、新規就農者がしっかりと経営できるように経営のサポートを充実させることが本来のあるべき姿と説明いただいてですね、県の職員さんの姿が非常に情熱があってですね、説得力がありました。
私はですね、こうした他人ごとではなく1当事者として情熱を持って職員の方1人でも多く県庁にいらっしゃれば、千葉県はもっと良くなると実感をいたしました。
さて農業の知識や技術の習得ではなく、経営の感覚を持つこと、これも私は同感であり、特に将来の担い手候補となり得る農業学校の生徒には、農業だけでなく、加工販売技術などの仕組みを理解することも重要だと考えます。そこで伺います。
農業系高校の生徒に、農業作業以外の経営に関する指導はどのようにしているのでしょうか。
続いて臨海コンビナートの脱炭素化について要望いたします。
コンビナートの脱炭素化については、全国のコンビナートが競い合う中、京葉臨海コンビナートが2050年のカーボンニュートラルを達成する、引き続き日本経済を牽引する、一大生産拠点であり続けてほしいと願っています。
そのため、京葉臨海コンビナートの脱炭素化について、他のコンビナートに遅れをとることなく、県としてしっかり取り組んでいただくよう要望いたします。
最後に県立公園要望についていたします。
青葉の森公園野球場では、スコアボードのデジタル化により、手差しの負担が解消され、高精度でスコアや選手の情報を表示できるなど利便性の向上にも繋がるので着実に進めていただきたいと思います。
また長生の森公園野球場では、ナイター照明設備の設置により、夏の全国高校野球で導入される新たな暑さ対策として、2部制にも対応が可能となるなど、球場利用の拡大だけではなく、昨年の台風13号で大きな被害を受けた地域における防災拠点の強化に繋がることから、ぜひ1日も早い実現をお願いしたいと思います。
以上で再質問と要望とさせていだきます。
–議長
農林水産部長 前田敏也君。
答弁(第2回目)
–前田敏也 農林水産部長
相続に伴う後背農地の発生抑制に関するご質問でございますけれども、現在農地を借りたいという方の情報は、農地中間管理機構において収集できておりますけれども、相続が発生した農地の情報をこれについては早期に把握できていないのが現状でして、ここが大きな課題かなというふうに感じております。
県といたしましては本年4月からの相続登記申請の義務化なども踏まえまして、耕作が見込まれない相続後の情報をいかに収集できるのかを検討するとともに、その情報をいかに耕作意欲のある担い手とマッチングできるかといったようなことを検討し、相続に伴う荒廃農地の発生抑制に繋げてまいります。
以上です。
–議長
教育長 冨塚昌子君。
–冨塚昌子 教育長
農業系高校における経営に関する指導についてのご質問ですが、農業系の高校には農業経営とマーケティングについて学ぶ科目がある他、生徒が主体的に取り組む課題研究の中で、実習で栽培した規格外の野菜を利用した商品開発と販売に取り組むなど、実践的な教育も行われております。
以上でございます。
–議長
伊豆倉雄太君。
要望(第3回目)
–伊豆倉雄太 議員
非常に丁寧な答弁ありがとうございました。
荒廃農地をこれ以上増やさないようにですね、ぜひよろしくお願いいたします。
また農業傾向等における経営に関するですが千葉県でだけでなく、今後の日本のためにもぜひ先進的な取り組みについて、県内に広く共有していただきたいと思いますのでよろしくお願いします。
最後にですね、日本人は変化を好まず、現状維持を選択しがちと言われています。
執行部の答弁にもですね代表質問でもよくありましたが、他県の状況を注視しとの言葉を多く出てきます。
どんな生き物でも、たとえそれが仕事であったとしても、環境の変化に適用しなければ生き残ることはできないと思います。
行政でも前向きな失敗はしてもいいと思います。
変化をいとわず、新たな発想、チャレンジ、修正を繰り返し、県の仕事のできる幅の最大限の中で取り組めることを意識していただきたいと思います。
前例がないのであれば、状況を注視するのではなく、他県の前例になるように他県をリードするような取り組みをしていただきたいと思います。
前向きな職員の皆様の取り組みについては、私達議員も最大限応援させていただきますのでよろしくお願いいたします。
以上をもちまして一般質問とさせています。
ご清聴ありがとうございました。