【速報】本日の千葉県議会 ー 川口絵未議員(市民ネ)の一般質問 2023年12月6日午後2

本日の県議会をいち早くお伝えいたします。

 

本日(2023/12/6)午後二人目の一般質問は、市民ネットワークの川口絵未議員した。

質問項目

  1. 多様性尊重条例について
  2. 沖縄辺野古基地と地方自治について
  3. 新井総合の君津環境整備センターについて
  4. PFAS汚染について
  5. 介護施設の廃止・休止について
  6. 校庭の釘などの危険物について
  7. 酒々井町中川の治水対策について
  8. その他

 

議会質問・答弁の書き起こし全文

【午後二人目】一般質問 川口絵未議員(市民ネ)

ーー議長

次に 川口絵未君

–川口絵未 議員

皆さん、こんにちは。佐倉市 酒々井町選出 市民ネットワーク川口絵未です。本日は地元佐倉、そして君津からたくさんの方に傍聴にお越しいただいております。ありがとうございます。

まず最初に、多様性尊重条例案について質問いたします。

本条例案の趣旨は、年齢、性別、障害の有無、国籍および文化的背景、性的指向および性自認など、1人1人が様々な違いがある個人として尊重される社会をつくることと理解しています。

民間団体の調査では、人口の8%から10%がLGBTであり、左利きの人の数と同じぐらいで、決して少ないとは言えません。

世界の国々が、男女平等推進やLGBTの差別禁止を進める中、本条例案は不十分な点はあるものの、差別のない社会へ向けての意義ある通過点と考えます。パブコメで一番多かった意見が、女性を自称する男性が女子トイレや更衣室などを利用して、性犯罪が増えるのではないかでした。

しかし、これは条例を悪用した不謹慎な行為というべきであり、条例案の理念に疑義を唱えるのは全くのお門違いではないでしょうか?今やるべきことは、条例案をスタートラインと考え、様々な差別解消に具体的な取り組みを始めることです。

私は子供と接する中で、例えば鍵盤ハーモニカの色について、男の子は水色、女の子はピンクと思っていましたが、私の娘は水色を選びましたし、男子でピンクの子もいます。子供たちの方が男女別にこだわっていないと感じました。

そこで伺います。条例案の第2条基本理念では、いわゆる男女平等思想とLGBTへの差別のない社会を目指すという考え方が含まれています。性別や性自認などの違いに関わらず、尊重し合う社会の実現のために、子供の人権意識をどのように醸成しているのか。

また、千葉県は、男女共同参画推進条例を持たない唯一の県です。

そこで伺います。多様性尊重条例の制定を目指す中、男女共同参画の推進にどのように取り組んでいくのか、

次に沖縄辺野古基地と地方自治について伺います。

1999年に成立した地方分権一括法により、自治体を国の下請け機関とみなした機関委任事務が廃止になりました。地方の自主性や自立性を尊重するため、国と地方は、法制度上、上下主従から、対等、協力の立場へと変わったのです。

こうした前提の上で、国が地方に介入する最終手段として制度化されたのが代執行の手続きです。今回新基地建設の予定地、大浦湾の海底に極めて軟弱な地盤が存在することを、沖縄防衛局は隠していたことが、事の発端です。

それが明らかにされると、国は実効性ある工法の目処がないまま、設計変更を申請し、沖縄県に承認を強要していきました。沖縄県議知事は再三話し合いを求めましたが、国は応じず、いきなり最終手段である代執行訴訟という強硬手段に出たのです。

また、代執行訴訟を提起するまでの過程で、県の不承認という処分を国は採決で一方的に取り消しました。こうした法定受託事務に対する採決、いわゆる裁定的関与がなされた場合、県は不満があってもその違法性を司法の場で争うことができません。

司法の判断を仰ぐ道が閉ざされた現行法制度は、公平公正なものとは言えず、憲法に定める地方自治の本旨をも形骸化させると、全国自治会でも問題提起されています。そこで伺います。司法の判断をどうことができない最低的関与については、地方自治の観点から見直すべきと考えるかどうか

次に、荒井総合の君津環境整備センターについて質問します。

当施設は、首都圏最大規模の産廃最終処分場ですが、2012年1月に第Ⅰ期処分場で汚染水漏えい事故を起こしました。県は、事業者が対策を講じたため、現在漏洩はしていないと答弁していますが、最近でも観測井戸No.1などで、事故のときと同程度の塩化物イオン濃度が測定されており、12年近くたった今も改善には至っていません。

観測井戸の測定結果によると、内部保有水の水位は標高200mを超え、保有水量は約31万立方メートルと推定されますが、これは埋め立て要領の3分の2以上が水に浸かっている状態であり、このままでは安定化が進むどころか、内部からの水圧で土堰堤が崩壊することも懸念されています。

私達は、従来から水位が下がらない原因を突き止めるため、2013年以来実施されていないボーリング調査を行うよう求めてきましたが、昨年9月、ようやく事業者が実施しました。しかし、調査結果の報告がないまま1年3ヶ月が経過。

その間、常任委員会で調査結果報告を求め続けてきました。ところが今回、私の議会質問の勉強会2回目となる11月21日、担当課が突然、9月28日に事業者から結果報告が来ていると発言。しかし10月の常任委員会でも11月の1回目の勉強会でも全く知らされておらず、急遽質問原稿を書き直さなければなりませんでした。

今後このようなことがないように求めて、質問に移ります。

9月28日に出されたボーリング調査の結果報告書には、廃棄物層は固結した状態であり、透水性が低く、内部を掘削して改善方法を模索する必要があるという趣旨が書かれており、事業者自らが掘削を提案しています。

そこで伺います。事業者の出した内部掘削工という判断について、県の見解はどうか。

皆様、議上に配付させていただきました資料、荒井総合の面をご覧くださいませ。
報告書では、廃棄物層はハンマーの打撃でも形状を維持しているほど硬く固結していると表現しています。

ボーリング調査をした場合、場所は右側の図 Dブロックに近いEブロックですが、実は2012年12月の改善報告書に、DブロックとEブロックでは、2006年から2008年にかけて、一時的に大量の浸出水を貯留したと書かれています。

さらに、保有水の水位を高めた要因として、193m付近の難透水層および182m付近に造成された。不透水層の存在により、保有水の重力排水が妨げられているとも記載されています。つまり、Bブロックの不透水層とEブロックの難透水層のせいで保有水が抜けないということです。

そこで伺います。事業者が造成したDブロックの不透水層は一時的なものであり、撤去する必要があると考えます。県はどのように撤去の指導をしたのか、掘削するとのことですが、基準省令に定められている底面より50cmまで保有水位を下げるためには、不透水層のあるDブロックを含めた広範囲の掘削が必要になると考えます。県はどの範囲まで必要と考えるか、

県が搬入提唱勧告した要因の一つが、地下水集水ピットへの進出、浸出水の流入です。この原因について事業者は、遮水シートの破損ではなく、南側土堰堤、およびガス抜き管から越流した保有水が盛り土から地下浸透して、暗渠集排水管に到達した。その暗渠集排水管の末端が地下水集水ピットに接続されていたと主張していますが、根拠は明らかにされていません。

そこで伺います。地下水集水ピットに入る水は、暗渠排水管からだけではなく、地下水集排水管からの水も入ると考えられるがどうか。

2013年11月、事業者から提出されたモニタリング井戸の水質異常に対する調査対策の改善効果についてにおいて、内部保有水の排水完了までには、今後20年かかると報告されています。つまり、排水完了は2033年となります。

そこで伺います。排水完了までに20年かかるとした事業者の報告を是認し、その事実をこれまで一度も明らかにしてこなかったのはなぜか。

次に、財政的基盤について伺います。官報広告によると、荒井総合施設の2021年度純利益は8300万4000円の損失、2022年度は縮小したものの、3268万7000円の赤字です。

さらに2022年度は、流動負債が流動資産をオーバーしており、流動比率は91%いつ資金ショートしても不思議ではない状況です。負債合計も約202億円と膨らんでいます。2017年の負債合計は約22億円であり、この5年間で負債合計が10倍以上になっています。

第I期処分場の改善が進んでいないのも、財政状況の悪化が原因と考えられます。さらに財政状況が悪化した場合、施設の維持管理などが適切に行われなくなる懸念があります。そこで伺います。県としては、事業者の財政状況を徹底的に精査し、今まで以上に厳しく事業者が適切な管理をしているかチェックするべきと考えるかどうか、

次にPFAS汚染について伺います。

千葉県環境研究センターは、国が暫定目標値を設定した2020年度よりもはるかに早い2007年度から2012年度の間に、県内の公共用水域における有機フッ素化合物PFOSやPFOAなど、いわゆるPFASの環境汚染の実態調査を行い、結果をまとめています。

詳細は、県内河川36ヶ所、印旛沼の23ヶ所、手賀沼の19ヶ所におよび、市原港から東京湾に流入するPFOAの他、負荷量が東京神奈川の6河川から流入する合計量に匹敵する可能性を示唆するなど、先進的な実績を上げています。

今、PFASは沖縄や東京多摩地区の米軍基地周辺での地下水汚染問題に端を発し、国際的にもストックホルム条約において規制対象物質とされ、国でも専門家会議で議論されるなど、注目度が高まっています。

そこで伺います。環境研究センターの研究成果は、県の施策にどのように活用されてきたか、また今後どのように活用していくのか。

環境研究センターの論文に基づき、今年8月10日 PFASの数値が高い白井市の下手賀沼の金山落から上流へ向かって実地に歩いてみたところ、最上流近くにあったのが、海上自衛隊下総航空基地でした。

論文では基地のすぐ近くの金山落で、PFOSとPFOAの合計で700から1100ng/Lと、極めて高い濃度が検出されています。基地には2年前まで5140LのPFOS含有消火剤が保有されていました。

訓練で使用したのか、町内の排水処理や用水路との関係はどうなのか調査する必要があると考えます。9月県議会の答弁で、金山落は水道水源ではないので、汚染源の測定は行っていないが、周辺市と連携し、PFOS、およびPFOAに関する正しい情報発信に努めるとともに、国の動向を踏まえ、今後の対応を検討するとありました。

この周辺市は、柏市、白井市および鎌ヶ谷市であると認識していますが、

そこでお伺いします。周辺市とはどのような連携をするのか、また、自衛隊とも連携するべきではないか。

次に、介護施設の廃止休止について伺います。厚労省の2022年度の調査によると、特別養護老人ホームと介護老人保健施設が介護保険制度がスタートして以来、初めて赤字決算になったとのことです。県内の介護施設の状況を見ても、主に通称介護施設ですが、2021年度から廃止休止が急増し、2022年度には30件を超え、コロナ以前の約2倍になりました。

原因はコロナ禍による収入減や光熱費などの物価高騰による経営難だと考えられます。私の地元の介護施設は、年間の電気代が前年より約1000万円も増加し、今にも倒れそうな状況です。来年の介護報酬の改定まで待てない施設も少なくありません。

また、11月、厚労省が重点支援地方交付金の追加として、介護施設等に対する物価高騰対策支援を打ち出しましたが、どこまで有効なのかはわかりません。

そこで伺います。県内の介護施設の廃止や休止を防ぐために、物価高騰対策支援補助などの千葉県独自の対策を早急にかけ、立てるべきと考えるかどうか。

介護施設の廃止休止の原因には、経営内外に人材不足が挙げられます。千葉県の介護職員は、様々な議員からありましたが、2025年度には約7000万人の不足、2040年度には約3万人の不足が見込まれています。

これを解消するために県では様々な介護人材確保事業に取り組んでおり、その中の一つに50歳以上を対象としたシニア人材事業があります。

そこで伺います。シニア人材事業の取り組み状況はどうか。

次に校庭の釘などの危険物について質問します。4月13日、東京都杉並区で校庭の釘により児童が10針縫う大怪我をしました。全国的に学校の校庭や幼稚園の園庭で、運動会などでコースの目印として紐などを固定するために打ち込まれた釘の多くが放置されている事が明らかになり、文科省は5月6月に安全管理予定、適切に行うよう通知を出しました。千葉県はこれを受け、2度通知を出しています。6月議会の答弁では、学校、市の教育委員会と連携し、対処することとしているとのことでした。

そこで伺います。県内の公立幼稚園園庭、公立学校の校庭に放置された釘などの危険物除去について、県教育委員会の取り組み状況はどうか。

杉並区は、教職員が金属探知機を使い、68施設で3,147本を撤去した後、それだけでは取りきれないとして、専門業者に委託したところ、さらに釘やピンなどの金属ゴミが1万2,000個以上と4倍も見つかりました。

業者は1校当たり1日で作業を完了したとのことです。教員の負担軽減のためにも、専門業者に委託することは有効と考えます。そこで伺います。子供たちの安心安全のために、全ての公立幼稚園、学校等において、校庭に放置された釘などの危険物に関して、金属探知機を用いた調査をすべきと考えるがどうか。

また、専門業者に委託した場合、県が財政的支援をするべきと考えるがどうか。

最後に、酒々井町、中川の治水対策について伺います。酒々井町の中心市街地を流れる中川は、JR成田線、国道51号線、そして京成本線を横断して印旛沼の内水河川である。中央干拓低地排水路に注ぐ、流域面積約3.6キロ平方メートルの通過線です。流域の中央部で東酒々井団地などの大規模な宅地造成が行われた結果、森林や水田が激減し、さらにこれらの団地には雨水の流出を抑制する調整池等が不足していることから、工事には一気に雨水が流出し、度々氾濫してきました。

中川は酒々井町の管理であり、上流部に貯水容量約5万tの調整池を作る計画を立てています。しかしこれだけで氾濫は防げず、流末である中央排水路での対策も必要と考えます。

そこで伺います。今年1月に3市2町で、国と県に提出した印旛沼の治水、利水、環境対策に関する要望の中で、中央干拓低地排水路を活用した放水路等の整備を新たに計画し、内水対策を強化することと要望していますが、県の見解はどうか。

中川は、酒々井町の管理、中央干拓低地排水路は印旛沼土地改良区の管理、相互北、相互西の二つの機場は、農林水産部の管理そして1級河川の高崎川、鹿島川、印旛沼は県道整備部、それぞれ所管が違いますが、集水域に関わるあらゆる関係者が協働して水害対策を行う流域治水の理念からすれば、4者が一体的になり、印旛沼流域治水に取り組むべきと考えます。

そこで伺います。中央干拓低地排水路と印旛沼を結ぶ西と北の相互機場の操作は、印旛沼と中央干拓低地排水路の水のみを勘案して行っているようであるが、流域治水の観点から、県はどのように機場の管理を行っているのか、

以上1回目の質問を終わります。

–議長

川口絵未君の質問に対する当局の答弁を求めます。知事熊谷俊人君

–熊谷俊人 知事

市民ネットワークの川口絵未議員のご質問にお答えをいたします。

介護施設の廃止休止についてお答えをいたします介護施設への物価高騰対策等についてのご質問ですが、現在特別養護老人ホームや通称介護事業所などの介護施設等に対し、エネルギー食料品価格の高騰の影響を軽減するため、給付金の交付などによる支援を行っているところです。

なお介護施設等の廃止や休止の理由として人員不足が挙げられることから、介護職員の確保、定着が図られるよう、処遇改善の拡充や、職場環境の改善などについて、様々な機会を捉えて国に対し要望しています。今後も介護を必要とする人やその家族に介護サービスが安定的に提供されるよう、引き続き必要な支援等を行ってまいります。

シニア人材事業についてのご質問ですが、県では介護分野への多様な人材の参入を促進するため、50歳以上のシニア世代を対象に、介護職員初任者研修等の受講、職場体験の実施、介護事業所等とのマッチング支援をパッケージで実施しているところであり、この参加者を募るため、福祉人材センターなどと連携し、ラジオCMやチラシの配布などを行っています。

この事業により、平成30年度から令和4年度までの5年間で133名が初任者研修を修了し、65名が介護施設事業所等に就職をしています。今後とも元気な高齢者が介護現場で活躍をしていただけるよう、シニア世代の就業支援し、多様な人材の確保に努めてまいります。

私からは以上でございます。他の質問につきましては、担当部局長からお答えをいたします。

–議長

教育長 冨塚昌子君

–冨塚昌子 教育長

初めに子供の人権意識の醸成についてのご質問ですが、性別等の違いに関わらず、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現するため、各学校では、学習指導要領や国の通知に基づき、教科指導や特別活動等を通じて、児童生徒の発達段階に応じ、自他の人権を尊重する態度を育むよう指導を行っています。

現在学校現場では、服装など性別にとらわれず選択できるようにしたり、宿泊行事で1人部屋の使用を認めたりするなど、児童生徒への配慮が進んできたところです。次に公立幼稚園の園庭や学校の校庭における釘等の危険物の除去についてのご質問ですが、学校保健安全法では、校長は学校の施設設備について、児童生徒の安全の確保を図るよう規定されており、釘等を含め、危険物を認めた場合には速やかに除去することとなっております。

県教育委員会では、県立学校や市町村教育委員会に対し、安全管理上の留意点を示した学校安全の手引きの活用などにより、点検や必要な措置を徹底するよう通知等で繰り返し周知しているところです。またこれに加え、市町村教育委員会とも連携し、職員が直接学校を訪問して状況を確認し、必要に応じて指導助言を行っています。

金属探知機を用いた釘などの調査についてのご質問ですが、一部の市町村では、金属探知機を希望する学校に貸し出し、点検を行った例もあり、今後開催する各種研修会や会議において、安全点検の事例の一つとして紹介して参ります。

また学校保健安全法では、専門業者への委託が必要であるなど、学校だけで対応ができない場合は、校長が設置者に報告するとされていることから、設置者である県や市町村が学校と連携し、適切に対処してまいります。なお現在、国において、外部人材を活用した安全点検について検討されているところであり、その動向を注視するとともに、これらの情報を市町村教育委員会と共有してまいります。以上でございます。

–議長

総合企画部長、冨沢昇君

–冨沢昇 総合企画部長

まず、多様性尊重条例に関する質問のうち、男女共同参画の推進の取り組みについてお答えいたします。豊かで活力ある千葉県を維持していくためには、男女が互いにその人権を尊重しつつ、ともに責任も分かち合い、一人一人が活躍することができる。

男女共同参画社会を実現する必要があります。このため県では、男女共同参画の推進に向けて、固定的な性別役割分担意識や無意識の思い込みの解消を図るとともに、企業の経営者等に女性活躍の促進を働きかけるなど、様々な取り組みを進めております。

今後は、性別や年齢など様々な違いを尊重しながら、互いに関わり合い、影響を及ぼし合うことが社会の活力および創造性の向上に相乗的に効果を発揮するという、多様性尊重の考え方を広く県民や事業者など様々な主体と共有しながら、男女共同参画の取り組みについて、より一層実効性を高めてまいります。

次に、裁定的関与に関するご質問ですが、国の裁定的関与は、都道府県知事が行った法定受託事務に係る処分等について、国が審査請求の手続きを通じて関与することができる仕組みであり、国の裁決が最終決定とされ、処分庁である都道府県が裁決の適法性を地方に問うことはできないとされています。

全国知事会では、国地方がそれぞれ対等な立場で責任を果たす観点で、裁定的関与の見直しを国に要望しており、これを踏まえた国の検討状況を注視してまいります。以上でございます。

–議長

環境生活部長 井上容子君

–井上容子 環境生活部長

新井総合の君津環境整備センターについて、まず内部掘削工に関する県の見解についてのご質問ですが、事業者はだいぶ保有水の水位低下に向けた抜本的な対策を進めるため、昨年度、ボーリング調査により、埋立地内部の状況を確認したところです。

調査の結果、事業者は、既存対策の強化では、保有水の水位を十分に低下させることが困難な状況であるため、埋立地内部掘削工により、更なる改善方法を模索する必要があるとしています。県では、内部保有水の水位を低下させるために、埋立地内部の固結した廃棄物を掘削することは、有効な対策であると考えています。

次に、埋立地内に造成した不透水層についてのご質問ですが、事業者は、平成18年度から19年度にかけて大量の雨が降った場合に、浸出水を貯留しておく調節池として、埋立地内のDブロック内に不透水層を造成し、一時的に使用していました。

一時使用終了後、Dブロック内の不透水層については、通水性を確保するため、不透水層を貫通する。縦排水工を施したことから、県は撤去指導は行っておりません。

次に県はどの範囲まで掘削が必要と考えるかについてのご質問ですが、現在県は事業者に対し、内部保有水の水位を低下させるため、掘削等による埋立地の透水性の改善対策を早急に早期に講じるよう求めているところです。今後、事業者が具体的な改善計画を策定する予定となっており、その計画について、県は必要に応じ専門家に意見を聞くなどにより、内部保有水の水位が低下するよう、掘削範囲を含め、適切な指導を行ってまいります。

次に地下水集排水管についてのご質問ですが、埋立地の底部に敷設した二重の遮水シートの直下にはシートが損傷して、浸出水が漏えいした場合に、浸出水を集めて排水するため、地下水集排水管が設置されています。

また、地下水集排水管の7m程度下方には、地中から地下水が流出してきた場合に集めて排水する暗渠排水管が設置されており、どちらの排水管も地下水集水ピットに接続されています。なお事業者の定期的な点検により、施設の稼働開始から現在まで、地下水集排水管から地下水集水ピットへの排水はないことが確認されています。

次に内部保有水の排水期間についてのご質問ですが、埋立地内部の保有水については、これまで事業者が講じてきた対策によっても、その水位が低下しなかったため、県は令和元年度以降、更なる対策を行うよう事業者を指導してきました。現在は昨年度実施した埋立地内部調査の結果を踏まえ、1日でも早く改善計画を提出するよう求めているところです。

次に事業者の財政状況などについてのご質問ですが、廃棄物処理法では、施設の設置や変更の許可申請および処分業の新規申請や更新申請の許可の際に、事業的確かつ継続して行うに足りる経理的基礎を有することなどを確認することとされています。

県はこれらの申請の審査において、基準に適合していることを確認しています。また、県は月1回以上の立ち入り検査により、施設の維持管理が適切に行われているかなどを確認し、必要な指導をしているところであり、今後も適切な維持管理が行われるよう継続して実施してまいります。

次にPFASについて、環境研究センターの研究成果の活用についてのご質問ですが、PFASは自然界で分解されにくく、環境中への蓄積が懸念されており、環境研究センターでは、令和2年5月の国によるPFOSおよびPFOAの暫定指針値の設定に先立ち、県内の公共用水域におけるPFASの存在状況調査等の研究を実施しています。

県では、これらの研究成果を国の全国調査および県の水質測定調査の候補地点選定や、PFAS濃度の推移の把握に活用しているところです。さらに、新たな規制対象に追加されたPFASについて調査を行うこととなった場合に、研究成果により判明している県内の存在状況を参考とするなど、引き続き環境線研究センターの研究成果を活用してまいります。

最後に周辺市等との連携についてのご質問ですが、金山落の名内橋では、継続的に暫定指針値を超過していることから、県では、周辺市と連携しながら、超過原因を把握するための追加調査を検討することとしました。

具体的には、暫定指針値超過時点の上流における水路や事業上の情報収集。周辺住民の不安払拭に向けた、PFOSおよびPFOAに関する正しい情報発信などについて、周辺市と連携して実施してまいります。また、今後追加調査を行うこととなった場合には、近隣に施設を有する自衛隊との連携についても、必要に応じて検討してまいります。以上でございます。

–議長

県土整備部長 池口正晃君

–池口正晃 県土整備部長

私からは、治水対策に係る印旛沼流域の市町からの要望についてのご質問にお答えします。

国は、長期的な目標を定めた利根川水系河川整備基本方針において、印旛沼を調節池として活用して、利根川から東京までの間に放水路を整備するとしています。しかしながら、当面の河川整備の目標を示す、現行の利根川江戸川河川整備計画では、具体の整備時期や整備内容等は示されていないことから、県としては今後、国の動向を注視するとともに、国が整備計画を変更する際には、放水路の整備に関する地域の意向について、国に伝えてまいります。以上でございます。

–議長

農林水産部長 前田敏也君

–前田敏也 農林水産部長

酒々井町中川の治水対策のうち、西と北の相互機場に関するご質問にお答えいたします。この二つの機場は農地の排水などを行うことを目的に、国営印旛沼2期事業により更新整備され、県が施設管理を受託し、運転操作については印旛沼土地改良区が行っているところです。

災害のおそれのある大雨が予想される場合には、関係機関と調整しつつ、あらかじめ中央干拓低地排水量の水位を通常時より低く管理していきます。引き続き、中川の水位も踏まえながら、関係機関と連携して総合企業の適切な管理に努めてまいります。以上でございます。

–議長

川口絵未君

–川口絵未 議員

はい。ご答弁ありがとうございました。それでは再質問と要望を申し上げます。まず、多様性条例について要望いたします。本条例案が、いわゆる男女共同参画を推進する内容を包含したものとして提案されたことは承知をしておりますが、やはり男女共同参画推進に特化した個別条例が必要と考えます。

引き続き、千葉県男女共同参画推進条例制定に向けた取り組みを要望いたします。

続いて、国の沖縄に対する代執行訴訟についてです。これまで知事選挙や県民投票で示されてきた県民の意思が国によって覆されようとしているのが沖縄の現状です。

これは地方自治をないがしろにするものであり、全国の自治体にとって、決して他人ごとではありません。千葉県には自衛隊基地や駐屯地など有事関連の施設が多数あります。もし千葉県が沖縄県と同様の立場に立ったらと考え、熊谷知事には、地方自治を守るため、ひいては県民の生命財産を守るため、全国知事会等あらゆる機会を捉えて、訴えていただきたいと強く要望いたします。

次に、新井総合の産廃処分場について再質問いたします。第Ⅰ期処分場において、Dブロックの不透水層は縦排水工を施したため、撤去指導は行っていないとのご答弁でしたが、その後2012年の報告書では、182m付近に造成された不透水層により、保有水の重力排水が妨げられていると明記されています。

県が撤去させなかったために、保有水が今でも抜けないと考えられます。Dブロックを掘削すれば様々な事実が明らかになるはずです。Dブロックを掘削するよう事業者に指導。指示すべきと考えるがどうか。

次に地下水集水ピットです。ピットには地下水集排水管も接続されていますが、当初から流量はゼロという答弁でした。地下水集排水管からの水がピットに入っていないことを県はどのようにして確認したのか、また記録は残っているのかお伺いいたします。

また、内部保有水の排水完了に20年かかるというのは、事業者の計画が順調に進んだ場合のことです。しかし、保有水の水位は水位観測井戸の4本のうち3本が現在も200mを超えており、一向に下がっていません。12年近くたってもほとんど改善が見られないということは、2033年の完了目標はさらに遠のいた。と言わざるを得ません。また、遮水シートの耐用年数は通常10から15年プラスアルファと言われており、排水の完了と処分場の無害化までに、遮水シートが持ちこたえられるか。非常に懸念しております。

そこで伺います。県は、排水完了時期および処分場無害化まで何年かかると推計しているか、また、遮水シートの耐用年数の残余年数をお伺いします。

次に、PFASについて2点要望いたします。環境研究センターについて要望です。私どもが8月に開催した学習会の講師である環境ジャーナリスト上田武徳さんが、センターの研究論論文の存在を私に知らせてくれました。

すぐに8月10日、現地に入り、金山落の水路を確認しました。それまでこの論文の存在さえ知りませんでした。インターネットで検索しない限りアクセスできないのが現状です。今後さらに環境研究センターの研究成果を県民に周知し、千葉県の環境問題の改善に生かすことを要望いたします。

また、PFASは、下総航空基地だけではなく、千葉市若葉区の清水駐屯地の水槽からPFOSとFIFAの合計値で38万ngパーリットルという全国の陸上自衛隊の中でも高い数値が検出されています。岐阜県各務原市では、水道水源の地下水から高濃度のPFOSとPFOAが検出され、岐阜県知事は、汚染源と思われる航空自衛隊岐阜基地での土壌調査を県に要請する検討を始めたとのことです。

金山落は引用に使われておりませんが、その先の手賀沼は北千葉導水を通じて江戸川まで繋がり、飲用水となっています。水は繋がっているのです。先ほど、今後、追加調査を行うこととなった場合には、自衛隊との連携について必要に応じて検討していくとの前向きなご答弁がありました。

金山落のPFAS汚染問題の解明に当たっては、自衛隊との連携が欠かせません。県においては、積極的に自衛隊と連携するよう強く要望いたします。

次に、介護施設の人材確保について再質問いたします。市民ネットワークでは7月、韓国に有期系職と福祉政策の視察に行きましたが、ソウル市の介護労働者が尊重される社会実現のための施策が非常に参考になりました。

ソウル市では、介護職員の地位向上に関する条例を制定するとともに、法に基づき、高齢者ケア従事者総合支援センターを設置し、介護職員の居場所作りやスキルアップのための教育支援、健康支援、労働相談セクハラ防止など多彩な取り組みを展開しています。

その結果魅力的な職場として、介護職に就く若者がどんどん増えているとのことです。

そこで伺います。介護職員の労働環境を守り、支援するための県の取り組みはどうか。

次にの校庭の釘について再質問いたします。お配りいたしました資料の写真の側をご覧くださいませ。佐倉市内の小学校の校庭です。①は徒競走のコースからボランティアさんが抜き取った釘やペグ、305本、②はその校庭を借りて裸足でダンスする園児たちです。③は11月、土の中から髭状のものが出ているので、引っ張り出していくと④のロープとペグが出てきたとのことです。先日の佐倉市議会の答弁では、県作成の安全の手引きに従っている専門家に依頼する予定はない。金属探知機は1台所有しているが貸し出した実績は1校だけというものでした。

危険性が全く真に伝わっていないことがわかります。また、東京都では、対策は市区町村に任せているが、全ての学校の安全を確認したとのことでした。そこで伺います。県は、通知を出した立場上、県内全ての学校の安全状況を把握し、必要に応じ、助言指導を行うべきと考えるがどうか。

最後に、酒々井町中川の治水対策に関し要望いたします。酒々井町だけで、中川の河川改修を行うのは財政的に困難です。中央干拓低地排水路を法定河川として位置付けることができれば、国の補助事業の導入により、中川との合流地点の間、改修工事に取りかかることができると考えます。県として中央干拓低地排水路を法定河川と位置付けるよう国へ働きかけ、実効性ある印旛沼流域治水として推進することを強く要望いたします。

以上2回目の質問と要望といたします。

–議長 環境生活部長

井上容子君

–井上容子 環境生活部長

はい。君津環境整備センターのDブロックの掘削に関するご質問ですが、県は事業者に対し昨年度実施した調査結果を踏まえ、1日でも早く改善計画が提出する会計改善計画を提出するよう求めているところです。

現在、事業者は埋立地内部の掘削を含む新たな対策を検討しているところでございます。地下水集排水管に関するご質問ですが、県は立ち入り検査の際に事業者が点検した記録を確認しています。

排水完了時期などに関するご質問ですが、現在事業者は埋立地内部の透水性改善に向けた対策を検討しているところです。県としては事業者の責任において、透水性改善および廃止までの間の維持管理が適正に行われるよう指導してまいります。また、遮水シートの耐用年数については、事業者から50年程度と聞いているところです。以上でございます。

–議長

健康福祉部長 高梨みちえ君

–高梨みちえ 健康福祉部長

介護職員を支援する県の取り組みについてのご質問ですが、県では福祉人材センター内に相談コーナーを設置しており、来所や電話、職場訪問により、介護福祉士等の実務経験者が相談対応しております。必要に応じて事業者に助言を行う他、ハラスメントによる離職を防ぐための労務研修を行っています。また、介護職員処遇改善加算による職員の賃金改善や労働環境の整備を事業者に促すとともに、勤務体制の確保等について、運営基準に定め、事業者の指導監督を行っております。以上でございます。

–議長

教育長 冨塚昌子君

–冨塚昌子 教育長

はい。学校の安全状況の把握に関するご質問ですが、県教育委員会としては県立学校については、学校訪問等を通じて状況を把握しております。市町村立学校については市町村教育委員会に対し、児童生徒の安全が確保されるよう、引き続き様々な機会を活用して指導助言してまいります。以上でございます。

–議長

川口絵未君

–川口絵未 議員

はい、ご答弁ありがとうございました。それでは新井総合について要望いたします。Dブロックに造成した不透水層を撤去させなかったことが、保有水が抜けない原因であることは明らかです。事業者も自ら認めています。原因究明のために、局地的な掘削ではなく、Dブロックを含めた広い範囲の掘削を強く要望いたします。また、遮水シートの耐用年数については、日本遮水工協会では、目安を15年と設定しています。事業者の言う50年は期待寿命という希望的観測であり、メーカーも保証をしておりません。遮水シートが破損すれば、汚染水が漏えいし、久留里など周辺地区の飲料水への汚染が心配されます。県はこれ以上事業者任せにせず、許認可権者としての重責を自覚し、各種データの公表を指示するなど、早期改善を目指し、住民側に立った厳正な対応を強く求めます。

続いて校庭の釘などの危険物についてですが、佐倉市の学校の写真でおわかりのように目視だけでは危険物は取り除けません。専門家の金属探知機による除去作業が最も有効です。先生方の負担軽減にもなると考えます。杉並区では除去作業の委託料は、一校当たり約69万円とのことで、経費はかかりますが、安全であるはずの学校で子供たちが大けがをするようなことがあってはなりません。

県においては、市町村に対し、行政委託も含めた積極的な取り組みの促進についての周知を要望するとともに、市町村の取り組みに対する県の財政的支援についても併せて要望いたします。最後PFASにですが、今月1日、WHOの専門組織である国際がん研究機関が、PFOAの発がん性について可能性があるから2段階引き上げ、発がん性があると認定いたしました。今後さらに注視していかなければならないことをも支え、質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

–議長

日程第2、請願を議題とします。お手元に配付の請願文書表記載の通り、請願7件をそれぞれの所管の常任委員会に付託します。以上をもって本日の日程は終了しました。明日7日は定刻より会議を開きます。これにて散会します。