【速報】本日の千葉県議会 ー 森岳議員(自民党)の一般質問 2023年12月6日午前1

本日の県議会をいち早くお伝えいたします。

 

本日(2023/12/6)午前一人目の一般質問は、自由民主党の森岳議員した。

質問項目

  1. 農林水産業の振興について
  2. 千葉県DX推進戦略について
  3. 千葉県誕生150周年記念事業について
  4. 観光業の地域連携について
  5. 若年層のアントレプレナーシップ向上について
  6. かずさDNA研究所について
  7. 医師の働き方改革について
  8. 木更津港長期構想について
  9. その他

 

議会質問・答弁の書き起こし全文

【午前一人目】一般質問 森岳議員(自民党)

ーー議長
これより本日の会議を開きます。日程第1、議案第1号ないし第50号報告第1号および第2号を一括議題とし、これより質疑並びに一般質問を行います。順次発言を許します。通告順により森岳君

ーー森岳 議員
皆さんおはようございます。自由民主党 木更津市選出 森岳と申します。本定例県議会において、登壇の機会を与えていただきました会派の先輩同僚議員の皆様方に心より感謝を申し上げます。せっかくいただいた機会ですので、木更津市の取り組みを紹介しながらも、千葉県に資することができるような質問にしたいと思っていますので、よろしくお願いをいたします。

それでは通告に従い質問させていただきます。執行部の皆様には、簡潔明瞭なご答弁をお願いいたします。

初めに、農林水産業の振興について、3点お伺いいたします。

まず、有機農業についてであります。令和3年5月に国では、食料、農林水産業の生産力向上と、持続性の両立をイノベーションで実現する。みどりの食料システム戦略を策定し、有機農業に関しては2050年までに取り組み面積の割合を全耕地面積の25%100万ヘクタールに拡大するという目標が掲げられました。
戦略の実現のため、令和4年7月には、みどりの食料システム法が施行され、千葉県では法に基づいて策定した基本計画において、有機農業の取り組み面積を目標に掲げるとともに、6月からは、有機農業など、環境負荷低減に取り組む農業者を認定する制度が始まったと聞いています。

さて私の地元である木更津市では、戦略が公表される前の平成28年にオーガニックな、まちづくり条例を制定し、持続可能な、まちづくりに取り組んできました。そして国の有機農業産地作り推進事業に県内でいち早く取り組み、令和5年3月にはオーガニックビレッジ宣言を行い、有機農業の拡大に向けて取り組んでいるところであります。
県では、有機農業の取り組み面積を1200ヘクタールに拡大する目標を掲げているところであり、目標達成に向け、一層の取り組み拡大を図っていく必要があると考えます。そこでお伺いいたします。県は、有機農業を推進するため、どのように取り組んでいくのか。

次に、農林総合研究センターにおけるスマート農業に関する研究開発についてお伺いをいたします。我が県は全国屈指の農業県ですが、農業者数の減少が進む昨今、誰もが農業にチャレンジしやすい環境の整備が期待されます。
令和2年12月に千葉県スマート農業推進方針が策定され、1人でも多くの農業者がスマート農業を実践することを目標に、総合的かつ計画的に施策を推進しているところと聞いております。私の地元、君津地域でも、大規模水稲生産者を中心に自動操舵田植機などを既に導入している農家もあり、昨年はダイコン畑にてドローンを利用した農薬散布の実演会が開催されるなど、スマート農業が身近に浸透してきていると感じております。

また、先端技術を活用して、栽培環境や作物の生育の情報等をデータ化し、これまでベテランの業者が行っていた優れた栽培技術を、誰もがすぐに実践できるようにもなる時代も近づいているんではないかと期待しています。
このように多くの場面で、スマート農業が普及することで、より多くの農業者が品質の高い農産物を生産したり、作業負担を減らしたりすることに役立つことが知られるようになり、農業における先進技術の開発や実証について、県の研究機関への期待も高まっていると思います。

そこでお伺いをいたします。農林総合研究センターにおけるスマート農業に関する研究開発の取り組み状況はどうか。

次に、ブルーカーボンについてお伺いをいたします。地球温暖化が進む中、ブルーカーボンは海の二酸化炭素吸収源として注目されており、海に繁茂する海藻によって取り込まれる炭素はその代表例であります。
ブルーカーボンは、陸地にある森林などが吸収固定するグリーンカーボンと比較して、炭素を長期間にわたって貯留することが可能であり、地球温暖化対策の新たな一手として期待されています。近年は東京湾においても、冬場の水温が下がりづらくなっているため、活動が活発化したクロダイが養殖ノリを食害するなど、地球温暖化による漁業生産への影響が生じています。
このような中、将来にわたり漁業を続けていくためには、漁業生産の向上とともに、社会経済活動によって排出された二酸化炭素を削減していくことが必要であります。先日、私の地元、木更津市の漁業者の方から、県の研究機関と協力して、ブルーカーボンに関する取り組みを進めており、アサリの漁獲も増えていると伺いました。

そこでお伺いをいたします。ブルーカーボンに関する県の取り組み状況はどうか。

次に、千葉県DX推進戦略について伺います。デジタル技術を活用して社会を変革するデジタルトランスフォーメーションいわゆるDXの推進は、人口減少、少子高齢化や社会経済情勢の変化への対応など、様々な社会課題の解決に繋がると言われております。
IoTやロボット、AIなどのデジタル技術は、日々進化しており、こうした最新技術を取り入れていくDXの取り組みへの県民の期待は大きくなっております。県では、本県を取り巻く環境の変化に対応して、地域社会の課題解決に向けて、県全体でDXを進めていると聞いております。
私も議会において、災害時のAI活用や、東京湾漁業に関するシステムの活用などについて、質問質問してきたところであり、自民党デジタル化推進プロジェクトチームの一員として、これまで県執行部に対して、デジタル技術の効果的な活用による安心安全で便利な県民生活の確保や、デジタル化に取り組む県内産業への適切な支援などについて申し入れを行ってきたところであります。

そこでお伺いをいたします。デジタル技術を活用して、安心して暮らせる社会や地域産業の活性化に繋がる取り組みをどのように進めているのか。

次に千葉県誕生150周年記念事業についてお伺いをいたします。記念事業は、県誕生から150年を振り返り、続いていく未来に思いをはせるをテーマとして、本年6月から、全県的に展開されており、市町村においても様々な取り組みが行われているところであります。
私の地元木更津市を含む内房総5市では、100年後芸術祭 環境と欲望 内房総アートフェスとして、既に開催されており、私も10月のイベントに参加し、テクノロジーとアートが融合したパフォーマンスを目の当たりにし、感銘を受けたところであります。
また、内房総の取り組みは、市の境界を越えた広域連携の可能性を見い出せるものとなりました。今回はそれぞれの市での取り組みでありましたが、こうした大きなテーマで、広域で文化芸術のイベントを展開することによって、来訪者の滞在時間が増加したり、行動範囲が拡大したりするなどの相乗効果が生まれてくるものと思います。
また、100年後芸術祭は、内房総の他、県内5地域で開催されると伺っており、こちらの展開も含め、さらに大きなエリアにおける周遊性についても大いに期待するところであります。

そこでお伺いをいたします。千葉県誕生150周年記念事業として開催される100年後芸術祭の概要および期待することは何か。

次に、観光業の地域連携についてお伺いをいたします。本年7月22日から東京湾アクアラインの時間帯別料金の社会実験が行われて、4ヶ月が経過したところであります。この間、社会実験実施後1ヶ月の結果が県から発表されましたが、渋滞していた土日の昼から夜にかけての交通量が減少して、前後の時間帯へ分散されるとともに、木更津金田インターチェンジ周辺の一般道の混雑も緩和したとの報告がありました。
地元の住む地元に住む方々はまだまだと思われるかもしれませんが、実際に私も渋滞は若干緩和されたように感じられました。他方で、この社会実験は、本県を訪れる観光客の流れを変えるチャンスでもあります。
この機会を逃すことなく、観光客の方々にこれまで以上に滞在し、周遊してもらうためには、私の地元木更津市を中心に広域に連携していくことが必要となります。また、新型コロナウイルス感染症収束後、訪日外国人旅行者数は堅調に回復をしておりますが、訪日外国人には、市町村の区域などは関係ありません。
こうした訪日外国人の方々に県内を周遊してもらうためにも、市町村域を超えた地域連携が重要であります。

そこでお伺いをいたします。観光振興における市町村域を超えた地域連携について、県の認識はどうか。また、地域連携を進めるため、県としてどのように取り組んでいくのか。

次に、若年層のアントレプレナーシップ向上についてお伺いをいたします。デジタル化の進展や、脱炭素化に向けた取り組みなど、社会経済環境の変化に向けて、新たな技術やアイディアが求められる中、こうした変化をチャンスと捉え、失敗を恐れることなく、新たな価値を生み出すために果敢に挑戦する人材が必要とされております。こうした人材を育成するため、特にこれからの千葉県ひいては日本の未来を担う若い世代には、チャレンジ精神やリーダーシップ、コミュニケーション力など、起業家精神や起業家的な支出、いわゆるアントレプレナーシップを身につけてもらうことが必要とされており、国や各自治体において様々な取り組みが行われているところであります。
本県においても、令和5年度からちば起業家育成事業を開始し、高校生、大学生などを対象としたビジネスプラン作成ワークショップを8月から10月にかけて実施した他、今月9日からは、小中学生向けの起業体験会を実施すると聞いております。これらの取り組みを通じて、若い世代に対し、失敗を恐れずチャレンジする経験をしていただくことで、将来、実際に起業する方が増えるだけでなく、地元企業などへ就職する方に対しても、組織の中で新たな事業に取り組む際に、こうした経験を活かしてもらえるのではないかと期待しておるところであります。そこで2点お伺いをいたします。ちば起業家育成事業におけるワークショップおよび起業体験会の実施状況はどうか。また、県として今後どのように取り組んでいくのか。

次にかずさDNA研究所についてお伺いをいたします。
かずさDNA研究所は、平成6年の開所以来、植物植物や、ヒトゲノムの解析に関して、世界的な成果を上げてきました。最近では松茸の全ゲノム解読のニュースがメディアでも紹介されるなど、話題になったところでありますが、やはり顕著なのは、医療分野の取り組みにおける成果であると考えております。かずさDNA研究所は、先端的なゲノム解析技術やその成果を生かして、難病患者の確定診断に役立つ。希少難病の遺伝学的検査を行っており、日本全国の多くの病院から検査依頼を受けております。また、重い病気から赤ちゃんを守るための新生児スクリーニングについては、出生後、速やかに発見することで、適切な治療が可能となる疾患の検査を受託しており、実際に患者の早期発見、治療に治療に繋がるなど、社会的にも大変重要な役割を果たしているものと認識しております。このように、受託事業において大きな成果を上げてきたのは、かずさDNA研究所は、最先端のDNA分析を約30年にわたり積み重ねてきた結果であり、今後とも、世界トップレベルのバイオテクノロジーをリードしていくためには、かずさDNA研究所の研究開発力の強化が重要と考えております。

そこでお伺いをいたします。かずさDNA研究所の研究開発力の強化に向け、今後どのように取り組んでいくのか。

次に、医師の働き方改革についてお伺いをいたします。少子高齢化の進展に伴い、生産年齢人口が減少し、医療についても、これまでよりさらにマンパワーが不足することが予想予測されております。一方で、今後も増加する高齢者の治療には、若い人よりも時間と人手が必要と言われております。こうした状況の変化の中で、地域で必要とされる医療を持続的に確保していくためには、働きやすい環境を確保して、医師が健康で働き続けることができるようにすることが重要であり、国において医師の働き方改革を進めているところであります。これまで上限が定められていなかった医師の時間外労働時間について、いよいよ来年4月からは960時間に制限されると聞いております。医療提供体制の確保のため、大変重要なことではありますが、医療機関において、これまでにないような大きな制度の変更であり、滞りなく準備が進んでいるのかが気になるところであります。地域の医療関係者の集まる会議に参加したところ、制度変更に適切に対応できるのか、また、これまで通り地域において必要な医療を提供できるだろうか。というような不安の声も聞こえており、県において丁寧な支援が必要と考えます。

そこで2点お伺いをいたします。2024年4月から、医師の時間外労働時間の上限規制が適用されることを踏まえ、医療機関の準備の状況はどうか。また、医療機関に対する県の取り組みはどうか。

最後に、木更津港長期構想についてお伺いをいたします。港湾は、輸出入輸出入の9割以上を占める、非常に重要な社会インフラであります。昨今のトラックドライバー不足によるモーダルシフトや、カーボンニュートラルでも注目をされています。私の地元にも重要港湾である木更津港があります。木更津港は慶応臨海工業地帯の一翼を担い、鉄鋼業やエネルギー産業の拠点となっており、公共埠頭においては、県内産の砕石や土砂を取り扱い、これまでに首都圏における大型プロジェクトにも貢献するなど、土木建築関連の公共事業を支えるとともに、県南部地域の社会経済基盤として重要な役割を果たしております。木更津港は、道路ネットワークも充実しており、直近の木更津南インターからは、他方多方面へのアクセスが可能であり、今後、県央道の県内区間の開通により、成田空港を初め、北関東などへのアクセス性の向上が見込まれるなど、地元からは、取り扱い貨物の増大や、新たな需要を期待する声が大きくなっております。
また近年、中古自動車の輸出が増加し、周辺の貨物取り扱いヤードには、常に輸出待ち自動車が置かれている状況で、今後の需要に対するヤード不足を心配する声もあります。さらに、木更津港では、地元一丸でのクルーズ船の誘致により、平成29年のパシフィックヴィーナスの初寄港から、毎年のようにクルーズ船が寄港するようになりました。しかしながら貨物船との調整が大変で、クルーズ船専用バースの整備を、との要望も上がっております。こうした状況を踏まえ、昨年の6月定例県議会において質問させていただき、地元と連携しながら、木更津港のあり方について検討していくとの答弁をいただいたところであります。現在、県では、港の将来像となる。木更津港長期構想の策定に向け検討を進めていると聞いております。

そこでお伺いをいたします。木更津港長期構想の検討状況および今後の取り組みはどうか。

以上で1回目の質問とさせていただきます。知事初め執行部の皆様の簡便なご答弁をお願いいたします。ありがとうございます。

ーー議長
森岳くんの質問に対する当局の答弁を求めます。知事熊谷俊人君

ーー熊谷俊人 知事
自民党の森岳議員のご質問にお答えをいたします。まず千葉県DX推進戦略についてお答えをいたします。

暮らしや地域産業へのデジタル技術の活用に関するご質問ですが、県民や事業者の視点で大きな可能性を持つデジタル技術を効果的に活用して、本県を取り巻く環境の変化や課題に的確に対応していくことは重要と考えています。そのため県では、ドローン監視カメラ等を活用した防災対策、インフラ管理やオンライン診療、SNSによる中高生の相談など、安全安心で便利な暮らし作りを進めるとともに、センサー、AIなどの活用による中小製造業や農林水産業の生産性の向上など、地域産業の活性化を進めてきたところです。引き続き、新しいデジタル技術も積極的に活用しながらデジタルの力でつくる県民の心豊かな暮らしと活力ある千葉の実現に向けて取り組みを加速させてまいります。

次に千葉県誕生150周年記念事業の100年後芸術祭についてのご質問にお答えをいたします。100年後芸術祭は市町村が実施をする記念事業であり本県の豊かな自然環境や、東京都の隣接性を生かし、アートや音楽、SDGsの視点やテクノロジーなどを取り入れた本県ならではの新しい芸術祭で県内6地域で開催をされます。このうち内房総地域5市の広域連携によるアートフェスでは、音楽、映像や光などを融合させたイベントが9月から実施をされているところであり、今後県内の他の5地域でも順次、様々なイベントやアート作品の展示などが予定をされています。100年後芸術祭を通じて本県の様々な魅力が県内外に発信されるとともに、多くの皆様にご参加をいただき、100年後の未来を考えるきっかけとなることを期待をしています。私からは以上でございます。

他の質問につきましては担当部局長からお答えをいたします。

ーー議長
農林水産部長 前田敏也君。

まず有機農業の推進についてのご質問ですが、有機農業は環境負荷の低減に繋がり、本県農業の持続的な発展に資する重要な取り組みであると考えております。現在県内では、学校給食において、お米を中心に、有機農産物等の利用の機運が高まっていることから、県では有機米の生産拡大に向けて、除草機などの省力化機械の導入を支援するとともに、有機JAS認証の制度に精通した指導員を育成し、農業者からの相談に応じております。今後とも有機栽培技術の開発と普及を進めるとともに、産地作りを働きかけるなど、有機農業の面積拡大に取り組んでまいります。

次に、スマート農業の研究開発についてのご質問ですが、農林総合研究センターでは、水稲や梨、サツマイモなどの品目において、ICTやロボットなどの先端技術を活用したスマート農業に関する研究開発を行っています。具体的には、本年4月に、水稲の育成を予測するアプリ、「デルタ」の本格運用を開始し、約1万7000件の利用がありました。また、梨の開花日や農薬の適切な散布時期などを予測するアプリの試験運用を実施している他、ドローンで撮影した育成画像から、さつまいもの品質を解析する技術開発などに取り組んでいるところです。引き続き、品質の高い農作物の生産や、誰もが取り組みやすい農業の実現に向け、スマート農業の研究開発に取り組んでまいります。

次にブルーカーボンの取り組みについてのご質問ですが、地球温暖化による海水温の上昇などが水産業に深刻な影響を及ぼす中、ブルーカーボンを活用した漁場環境の改善により、水産資源を増加させることは効果的と認識しており、現在県内3ヶ所で実証試験を行っているところです。このうち、木更津地区では、海藻類であるアマモ群落の適切な管理により、アサリ資源の増加に取り組むとともに、富津地区や南房総市の岩井地区では、ワカメや粗めの養殖により、新たな海中輪の造成を目指しています。今後、実証試験の効果を検証するとともに、地元業者や民間企業等との連携を強化して、ブルーカーボンの新たな創出と漁業生産の向上に取り組んでまいります。以上でございます。

ーー議長
商工労働部長 野村宗作君。

ーー野村宗作 商工労働部長
まず観光における市町村域を超えた地域連携についてのご質問にお答えいたします。

観光客に広域的な就労を促し、滞在時間の長期化や宿泊による観光消費を拡大し、経済効果を広く波及させるためには、市町村域を超えた誘客の取り組みが重要と考えておりますこれまでも勝浦市と御宿町が、ひなまつりの時期に合わせて、収容を促すためのデジタルスタンプラリーを実施したり、君津地域4市が御城印巡りのモデルコースを設定するなど、広域連携による観光振興に取り組んでいるところです。一方で感染症の拡大等の影響による旅行ニーズの多様化など、観光を取り巻く環境が大きく変化していく中では、緩やかな連携にとどまらず、観光地域作り法人、いわゆる地域連携DMOを設置するなど対応を強化する必要があると考えております。
そのため今後県として、地域連携DMOの設置促進を視野に、必要とされるDMOの機能について、市町村および観光関係団体等と検討を深めてまいります。次にちば起業家育成事業の実施状況についてのご質問です。ちば起業家育成事業では、若年層を対象として年齢層に応じた体験型の学習を行うこととしております。いすみ市をフィールドとして開催した高校生大学生向けのワークショップでは12名の参加者がチームにわかれ、地域の方々へのヒアリング等を通じて、自ら地域課題を見出し、解決に向けたアイディアをビジネスプランとして作成することで、起業に向けた実践的な手法を体験していただきました。また、第1弾を佐倉市内、第2弾を千葉市内で開催する小中学生向けの起業体験会では、参加者が模擬会社を立ち上げ、実在する企業へ企画の提案を行うことで、BtoB型のビジネスを体験していただくこととしており現在開催に向けて準備を進めているところです。

今後の取り組みについてのご質問ですが、先に実施したワークショップの参加者からは、自分の将来について既存のビジネスではなく新しいことに取り組みたい。アイディアを現実化したい。失敗を恐れない人になりたいなどの回答が得られており、起業への興味関心が深まり、またアントレプレナーシップの向上も図られたと考えております。一方で予定より応募者が少なかったことや、ビジネスプラン作成の時間がもう少し欲しかったという意見があったことから、今後に向け、様々な媒体を活用した広報や、より効果的なより効果的なプログラム内容など、改善に向けた検討を進めているところです。県としてはこの取り組みを県内の各地域に波及させることで起業機運の醸成を図っていくとともに、若い世代の方々が様々な社会環境の変化に対応するために必要な資質を身につけられるよう、しっかりと取り組んでまいります。

次にかずさDNA研究所に関するご質問ですが、かずさDNA研究所は、様々な植物を対象に、世界初のゲノム解読を実現するなど、バイオライフサイエンスの基礎研究分野においてイノベーションを支える拠点としての重要な役割を果たしてきました。またその技術力を生かした希少疾患の遺伝学的検査では、現在全国700を超える医療機関からの検査依頼を受けるなど、医療分野においても大きく貢献をしております。こうした成果をさらに拡大するため今年度から基礎研究部門の強化に向け、新たに将来性が見込まれる先端的なプロジェクトを立ち上げているところであり、県としても、研究所の取り組みをしっかりと支援してまいります。以上でございます。

ーー議長
保健医療担当部長 鈴木貴士君

ーー鈴木貴士 保健医療担当部長
私からは、まず医師の働き方改革についてお答えいたします。医師の時間外労働時間の上限規制適用に向けた準備状況についてのご質問ですが、労働基準法等の改正により、令和6年4月から医師の時間外労働時間の上限規制が開始されることを踏まえ、各医療機関では適切に医師の労働時間を把握するとともに、タスクシフトなどにより、労働時間の短縮に取り組んだ上で、時間外労働時間について上限の範囲内となることを確認する必要があります。
また、夜間休日に医師を配置している医療機関においては、必要に応じて、労働基準監督署に宿日直の許可申請をする必要があります。県内の全288病院について準備乗降所準備状況を確認したところ、本年11月末時点では、労働時間の把握については、約8割に相当する233病院が実施済みであり、宿日直許可については192病院が取得をしています。

次に、医療機関に対する県の取り組みについてのご質問ですが、県では、時間外労働時間の上限規制の適用開始に向け、制度の趣旨などについて周知に努めるとともに、宿日直許可の申請や労働時間短縮計画の策定などに関して、個別相談を受け付ける医療勤務環境改善支援センターを設置し、支援を行っています。
また、地域の医療提供体制の確保や医師の研修実施の観点から、医療法において、都道府県知事が、時間外労働時間の上限規制に特例を認める制度が創設されたことから、希望する医療機関が円滑に特例を受けられるよう助言しています。
引き続き、医療機関の準備状況を把握するとともに、令和6年4月までに、必要な対応が図られるよう支援してまいります。以上でございます。

ーー議長
県土整備部長 池口正晃君

ーー池口正晃 県土整備部長
私からは、木更津港 長期構想についてのご質問にお答えします。木更津港では、港に係る課題や要請を踏まえて、港の将来像となる長期構想について検討するため、本年3月に学識経験者、港湾関係団体などで構成する検討会を設置しました。これまでに2回の検討会を開催し、港の利用者が望む今後の港湾機能を伺いながら、船舶の大型化への対応などの木更津港が抱える課題を洗い出し、長期構想の策定に向けた検討項目を整理したところです。今後、港の土地利用を示すゾーニングの検討等を進め、早期確定の策定に向けて取り組んでまいります。以上でございます。

ーー議長
森岳君。

ーー森岳 議員
はい。知事初め執行部の皆様ご答弁いただきありがとうございました。それでは順次要望再質問をさせていただきます。

まず、有機農業について要望をさせていただきます。有機JAS認証制度に精通した指導員を育成し、農業者からの相談に応じているとのことでありますが、木更津市では、学校給食に有機米を提供するなど、取り組みを加速させているところであります。ぜひ研修制度や補助メニューを充実していただき、積極的な働きかけや新規参入を促していただきますようお願いをいたします。

次に、農林総合研究センターにおけるスマート農業に関する研究開発については再質問させていただきます。
既に本格運用しているデータは、1万7000件の利用ということで大変素晴らしい成果であり、さらに多くの方に利用してもらいたいと思います。また、梨やサツマイモなどのスマート農業技術は開発中とのことでありましたが、広く農業者が利用できる技術として普及されることが望まれます。

そこでお伺いをいたします。農林総合研究センターで開発したスマート農業技術をどのように普及させていくのか。

次に、ブルーカーボンについて要望させていただきます。漁場改善が改善され、水産資源を増加させることに効果的であるということがわかっている以上は、検証結果やデータがはっきりと得られた段階で、東京や神奈川とも情報を共有し、ぜひとも東京湾内での漁獲量の底上げに繋がるようご努力いただきたいと思っております。千葉県だけが努力しても、東京湾の漁場の改善は望めませんので、東京神奈川にも協力を仰ぎながら、ブルーカーボンを強力に推進していただきますよう、よろしくお願いをいたします。

次に、DX推進戦略について要望させていただきます。デジタル技術を効果的に活用しながら、さらに安心して暮らせる社会や地域産業の活性化に向けた取り組みを進め、多くの県民や事業者の方々が、DXの恩恵を実感できるように、その利便性を全ての方々が享受できるようにしていただきますよう要望いたします。

次に千葉県誕生150周年記念事業について要望させいただきます。150周年と簡単に申し上げておりますが大変な時間であります。その歴史に思いをはせ、責任を持って次世代に繋いでいくのが我々の役目でもあります。ぜひこの事業を通じて多くの方に持続可能というキーワードを意識していただき、県民と一体となって、今後の各種事業を展開していただきたいと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。

次に観光業の地域連携について要望させていただきます。先ほどの150周年事業の時も思ったんですが、私のエリアで言うならば、市原市、袖ケ浦市、木更津市、君津市、富津市と、それぞれの、それぞれの地域でイベントをやるのですが、今回に関しては連携しての取り組みがないようにも感じられました。各種の計画と目標の中で、市町村の連携というのは現実的には難しいのかなと思った反面、協力することができれば、魅力的な事業も実現ができるものと改めて認識したところであります。県でも観光コンテンツ作りの支援や、ワーケーション誘致に向けた広域のモニターツアーを実施するなど、市町村の連携を促しているとのことですが、アクアラインのロードプライシングと合わせた中で、千葉県が指導していただき、より長い時間滞在、滞留していただくことができるような、市町村域を超えた地域連携事業を生み出してほしいと考えております。よろしくお願いいたします。

次に、若年層のアントレプレナーシップ向上についてであります。若者に起業体験会を通じて、経験をさせるということは非常に重要なことだと考えております。ぜひアンケート結果を踏まえて、改良を加えながら継続していただき、アントレプレナー精神を備えた若者を増やすためには、まずはそのきっかけを与えていただきますようお願いをいたします。そして、千葉県から新たな価値の創造や、より高い国際競争力を持った人材を輩出してください。

次に、かずさDNA研究所について要望させていただきます。ご答弁の中で、基礎研究をさらに強化していくといった趣旨の発言があり安心したところであります。しっかりと支援していくとの力強い答弁でありましたので、予算措置という裏付けも含めたご支援を賜りますように。お願いをいたします。基礎研究があって初めて社会実装が可能となるわけでありますので、ぜひとも県とDNA研究所で協力して、研究者が基礎研究に集中できる環境作りを整えていただきますように、要望いたします。

次に、医師の働き方改革について要望させていただきます。様々にご支援いただいていることはわかりました。しかしながら、宿日直も全ての病院が許可を受けているわけではないようであります。継続して支援していただき、地元医師会が懸念しているような、人口の少ない地域の二次救急への影響が出ないようにご支援をお願いいたします。

次に木更津港 長期構想について要望させていただきます。長期構想の策定の中で、木更津市、そして関係団体と連携を密にしていただき、木更津市の計画がスムーズにそして各団体の意見が最大限反映されたものとなるよう、更なるご努力をお願いをいたします。今後の整備においても、ここが頑張りどころだと思っておりますので、ともに頑張って参りましょう。よろしくお願いします。

ーー議長
農林水産部長 前田敏也くん。

ーー前田敏也 農林水産部長
はい。スマート農業技術の普及に関するご質問でございますね。
農林総合研究センターで開発した研究成果につきましては、農業者や普及指導員などからの意見を踏まえ実用化に移せると判断した場合には、マニュアルの作成や成果の発表会、動画配信などにより普及を図ってまいります。以上でございます。

ーー議長
森岳君

ーー森岳 議員
はい、ありがとうございました。それでは要望させていただきます。
引き続き、これから就農しようと考えている方々に、ぜひ農家の未来は明るいと思ってもらえるような持ってもらえるように引き続き、農家に役立つスマート農業技術の開発や普及を進めていただきたく要望いたしまして、私の一般質問終わります。ありがとうございました。